何の変哲もない男子高校生、小林白斗は混乱していた。
学校帰りに拾って持ち帰った、緻密な魔法陣が書かれた謎の紙切れ。
紙の端で指を切ってしまい、血が滲んだ指が魔法陣に触れた途端————
禍々しい光とともに、目の前に女性が出現したのだ。
「ごきげんよう。
40代前半ほどの年齢に見える熟女だ。
雰囲気は清楚で穏やか。
フリルが付いたゴスロリ風の黒い日傘を差している。
ハリもツヤも若い女には劣るものの、熟れた色香のある白い肌。
濃紺の髪をボブカットにしており、瞳も濃紺。
結構な大柄で、身長は180cmを優に超えるだろう。
乳房は豊かに実っている。
服装は、黒一色のゴスロリドレス。
胸元は露出が無くきっちり覆われており、袖も手首まで覆う長さ。
ボリュームのあるミニスカートから露出している、丸太のように太いムッチリとした太もも。
肉付きの良い脚に履いているのは膝下までを覆う黒の編み上げロングブーツ。
「(うわキツ……というか、悪魔!?)」
「さて。何を望んでこの
悪魔を名乗る女性、メサニアは急に黙った。
余裕ある柔らかな微笑みが消えて、白斗の顔をじっと見ている。
そして、少し経って口を開く。
「一目惚れしましたわ。
「ええ……」
数十分後。
「なるほど。つまり、ご主人様は魔術や悪魔については何もご存知ない一般人と」
「は、はい。そんなファンタジーなものは創作でしか知りませんでした。実在していたんですね」
メサニアに事情を説明して、事情を理解してもらうことができた。
ご主人様と呼んでくるのは一旦スルーだ。
「それはそれとして。先程の話は受けていただけますか?」
「いや、そもそも主従契約って何です……?」
「文字通り、悪魔が契約者に従い使役される永続契約ですわ。対価を求めるつもりはございませんので、ご安心ください」
「そこまでする理由は、えーと……一目惚れしたから、ですか?」
「ええ。一万年生きてきて初めての恋ですわ。これほど魅力的な魂を持つお方は見たことがございません」
情熱的な声色で語ってくる。
外見ではなく魂に惚れたらしい。
いかにも悪魔らしい理由だった。
「ですので、貴方の契約悪魔
白斗はメサニアの顔を眺める。
正直、いきなりの非日常に未だに混乱している。
しかし、覚悟を決めた目で口を開く。
「是非よろしくお願いします!」
こうして、普通の高校生だった少年は悪魔と契約した。
理由は、こちらも惚れてしまったから。
自分に熟女好きの素質があったとは思ってもいなかった白斗だった。