才花「私、械条才花はある時、ひょんなことから変身ができなくなってしまい、そんな私に代わって知り合いの機道裕輝が仮面ライダーとして戦うように。
けれど、遂に変身する力を取り戻した私は機道に戦いから身を引くように伝えるのだった…」
⭐︎⭐︎⭐︎
愛乃「シルトたちは大丈夫でしょうか…」
ギフト「ご安心を。シルトにも伝えておきましたが…奴には中々面白い仕掛けがあります。そう簡単には終わりはしませんよ」
愛乃「…そうですか。ふふ、それは楽しみですね」
産業革命軍のアジトにて話し合う愛乃とギフト。
シーアーチンラズマには“仕掛け”があるのだと語り、ギフトはほくそ笑むのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
サイビア「これからは私一人で戦う。だから、機道のドライバーとエナジーデンチを私によこして」
メカニック「!……なんでそんなこと…。いきなりどうしたんだよ、才花さん!」
サイビア「いきなりじゃない。ずっと考えてた。機道が仮面ライダーになったあの日から」
メカニック「え…?」
仮面ライダーであることをやめるよう迫るサイビアに対し、メカニックは困惑の様子を見せる。
そんなメカニックに、サイビアはずっと考えていたことだと明かし、それを知らなかったメカニックは驚きを露わにする。
明南「まあ、二人とも落ち着いてください。ここは一旦、場所を変えてゆっくり話し合った方がいいですよ」
ベータ『そうだな。一旦店に戻ろうか』
才花「……わかりました」
裕輝「……ああ」
内容が内容ということもあり、明南が割って入って二人を諌め、メカニカルダッシャー越しにベータも賛同したことで二人は変身を解き、一度からくりに戻ることとなる。
⭐︎⭐︎⭐︎
vol.6「二人の始まり×貫く想い!」
裕輝「それで……どうして才花さんはあんなことを?」
才花「私が仮面ライダーに変身できなくなったから、機道が戦う羽目になった」
裕輝「それは……」
才花「だけど、こうして私ももう一度変身できるようになった今、“代わり”はもう必要ない」
裕輝「!」
才花「元々私が…私だけで背負うべきものだったんだよ。だから…機道が戦う必要はない」
才花は自身のせいで裕輝を戦いに巻き込んだと言い放ち、だからこそ力を取り戻した今裕輝が戦う理由はないと告げる。
裕輝「違う…俺は自分の意思で戦ってる。才花さんの代わりになりたいだけで戦ってたわけじゃない」
才花「じゃあ、その意思って?機道はなんのために戦ってたの?」
裕輝「それは……」
才花「別に無理に嘘をつく必要なんてないんだよ」
裕輝「嘘なんかじゃ…」
才花「機道は優しいから、そういう風に言ってくれるのかもしれないけど、この力はそれだけで背負うには重すぎるものなんだよ。だから…仮面ライダーは私一人でやる」
裕輝が戦う理由を優しさによるものだと考えている才花はそれだけで背負うには重すぎる力であるからこそ、仮面ライダーは自分一人で十分だと告げる。
裕輝「本当に、違うんだ。俺は…才花さんが思ってくれてるほど、優しくなんてない。戦う理由だって、本当に自分のためなんだ」
才花「え?」
裕輝「……こうなった以上、ちゃんと話すよ。俺の戦う理由を」
明南「それは……」
裕輝「……元々、そろそろ話さないといけないと思ってたんです。院部さんとの約束でもありますから」
才花の思いを聞いた裕輝は、自分自身の意思で戦っていることを証明するためにこれまで語ってこなかった自らの過去を語る覚悟を決める。
裕輝「才花さん。俺は才花さんが思うような人じゃないんだ。誰かのためだけに戦ってるわけじゃないし、自分がやらなきゃならないことだからって使命感で戦ってるわけじゃない」
才花「それなら、機道はなんのために?」
裕輝「……復讐、だよ」
才花「え…?」
明南「……復讐、ですか」
ベータ「……」
裕輝「ああ。……話すと長くなるけど、聞いてくれるかな?」
才花「……うん。聞かせてほしい」
自身が戦うのは復讐のためだと明かした裕輝は、どうしてそんな目標を抱いているのか、そしてどのようにして力を手に入れたのか、その始まりを語る。
⭐︎⭐︎⭐︎
裕輝「元々、俺は孤児院にいたんだ。そこでテレビでやってたヒーローに憧れて、よく近所の友達とヒーローごっこをしていたような、そんな子供」
そう前置いて、裕輝は己の過去について語り出す。
裕輝「おれはヒーロー!こまってる人をたすけるぜ!」
「ヒーロー、たすけて〜」
「ぐへへ…!ヒーローなんて“ひねりつぶってやる”!」
「ゆうま、それをいうなら“ひねりつぶしてやる”じゃない?」
雄真「そうだっけ?って!えりはつかまってるんだから口はさむなよー!」
英里「しかたないなぁ」
裕輝「……とにかく!おまえをたおしてその子をたすける!」
幼い裕輝は二人の子供と仲睦まじげにヒーローごっこに興じていた。
舌足らずな口調でテレビの中の悪役の言葉を真似た際の言い間違いを囚われのヒロイン役の英里が指摘するなどの一幕を挟みつつも、三人は仲良く遊ぶ。
裕輝「緑川英里と赤崎雄真。小学生の頃に両親を事故で亡くして孤児院に預けられた俺にとって、あの二人が家族同然の存在だった」
才花「家族を事故で…」
裕輝「ああ。……家族を失って塞ぎ込んでた俺に、あの二人が一緒にヒーロー番組を見ようって誘ってくれて。ヒーローが俺の心を救ってくれたんだ」
才花「だからヒーローに憧れを…」
裕輝「あの二人といられるなら、他に何も必要なかった。それだけでも、あの頃の俺にとっては幸せだったんだ。だけど……四年前、俺たちが高校生だった頃、アイツが現れた」
裕輝は自身が幼い頃に家族を事故で亡くしており、孤児院にいた幼馴染の二人こそが家族も同然だったと語る。
雄真「裕輝、英里、今日はこないだテレビでやってた喫茶店行こうぜ!」
裕輝「おっ、いいね」
英里「いいけど、二人ともお小遣い大丈夫なの?」
雄真「問題ないぜ!何せ…バイトを増やしたからな!」
裕輝「おお…流石雄真!」
英里「裕輝も甘やかさないの!」
高校からの帰り道、放課後の寄り道として裕輝たち三人は以前テレビで見た喫茶店に行くことに決める。
「ご注文は?」
裕輝「……じゃあ…この“からくりスペシャルブレンド”っていうのをください」
雄真「俺もそれで」
英里「折角だし、私も」
裕輝「二人はパンケーキでいいか?」
雄真「おう」
英里「ええ」
裕輝「じゃあパンケーキ三つお願いします」
「からくりスペシャルブレンドとパンケーキを三つずつですね。少々お待ちを」
裕輝「はい」
当時の喫茶店からくりにやってきていた裕輝たち三人は全員同じメニューを頼み、老紳士といった雰囲気の店主のお爺さんは優しい笑みを浮かべながらその注文を受ける。
裕輝「……美味っ!」
英里「ホントだ…コーヒーってこんな美味しくなるんだ」
雄真「だな……」
「ほほ、私の拘りが詰まっておりますから」
コーヒーの味に感動する裕輝たちに、店主は柔らかく、しかし確かな自信を感じさせる声音でその質を保証する。
裕輝「ご馳走様でした!」
「またのご来店、お待ちしております」
英里「また三人で来ようね」
雄真「だな!」
いつかまた来よう、そんな他愛もない約束をしつつ三人はからくりを後にし、自分たちの家である孤児院へと向かう。
いつも通りの平穏で暖かな、ささやかな幸せの時間が続いていく。そのはずだった。そう思っていた……この時までは。
「……」
裕輝「……?」
雄真「あの、すみません、何か用ですか?」
「……ターゲット確認。連行します」
裕輝「っ!何すんだ!」
英里「離して…!」
突然裕輝たちの目の前に現れたのは黒スーツの男たちだった。
黒スーツの男たちは裕輝たちに襲いかかると、その身を拘束しようとしだす。
雄真「この…っ!」
「……ふん!」
雄真「うぐっ!」
裕輝「雄真!」
英里「きゃっ!」
裕輝「英里!!…この野郎…!」
「ふんっ!」
裕輝「!うああっ!!」
「……」
裕輝(あい…つは……)
抵抗しようとした雄真の攻撃をいなした黒スーツの男はそのまま首筋にスタンガンを打ち込んで気絶させ、続け様に英里もスタンガンで気絶させられる。
激昂した裕輝は殴りかかるも、それすらも通用せず、そのままスタンガンを打ち込まれ、その意識を手放してしまう。
その刹那、後ろに止まっていた車の中から見つめる鋭い眼光に気づく。
裕輝「……ここは…」
「目を覚ましたか」
裕輝「何だよこれ…!俺たちに何をした!」
「まだ何もしていないさ。“何かする”のはこれからだよ」
裕輝「は……?」
裕輝が目を覚ますと、そこは見知らぬ建物の中だった。
手足は鎖で繋がれて逃げられないようになっているその状況下で、白衣を纏った研究者のような男が裕輝の目覚めに気付く。
裕輝「そうして、俺たちはヤツらの施設に囚われた」
才花「……機道が…」
裕輝「それからは地獄の日々だった。アイツらは俺の身体を好き勝手に改造して弄びやがったんだ」
才花「!」
裕輝「副作用で苦しむ日々だった。痛みで眠れない日だってあった。……それでも、生きていれば、生き抜けばいつか二人ともう一度会えるって信じてたから…どうにか耐え抜けた」
そう語りながら、裕輝はかつて悶え苦しむ己の姿を回顧する。
裕輝「……そんな生活が続いて一年が経った頃…俺のいた研究所から逃げ出すチャンスが来たんだ」
才花「チャンス?」
裕輝「何でかは分からないんだけど、その直前に研究所の一部で爆発が起きたんだよね」
才花「!……三年前、研究所…爆発……まさか…いや、そんなわけは……」
裕輝は囚われてから一年後──今から見て三年前に研究所で起きた爆発事故が原因で逃げ出すチャンスが来たのだと語るが、それを聞いた才花は何かが引っかかったのか少し考え込む。
裕輝「……そんな中で出会ったのがベータだったんだ」
明南「お二人が出会ったのはそういった経緯だったのですね」
ベータ「まあな。……僕は、僕を作った製作者から裕輝を助け出すようにプログラムされていてね。だから託されたドライバーを持って、裕輝と共に逃げ出したのさ」
爆発による騒動の中、裕輝の元に現れたベータ。
三年前の一件を二人は思い出していた。
ベータ「僕様は…君を助けに来た」
裕輝「俺を…?そうだ、英里と雄真は?俺と一緒に連れてこられたはずの二人がいるだろ?逃げるなら二人も一緒に……」
ベータ「その二人は……残念ながら既に亡くなっている」
裕輝「え……?」
ベータ「実験の負荷に耐えきれず、緑川英里は五ヶ月前、赤崎雄真は二ヶ月前にそれぞれ命を落としているんだ……」
裕輝「嘘…だろ…ふざけんなよ…!なんで…何でアイツらがそんな目に…!」
ベータ「ここの連中は正義に取り憑かれた悪魔だ。自分たちの大義名分のためになら、子供の命を奪うことすら辞さない。……そういう奴らなんだ」
裕輝「そんな…嘘だろ……」
ベータ「……僕様の製造者も元は連中に与してしまった。そしてそれを悔いている。だから秘密裏に僕様を生み出し、君を助けるように命じたんだ」
裕輝「……俺は…」
助けに来たというベータの口から英里と雄真の二人の死を知った裕輝は絶望の淵に立たされてしまう。
ベータ「!危ない!!」
ガラガラ!
裕輝「っ!?…天井が…おい、大丈夫か!?」
ベータ「っ……問題ない」
裕輝の頭上から降ってきた建物の瓦礫から、ベータは身を挺して庇う。
頭部ユニットの一部から火花を散らしつつも、なんとか完全な破損を免れる。
裕輝「……今助ける」
ベータ「!……僕様を、信じてくれるのかい?君の大切な存在の命を奪った、ここの仲間が作ったロボットなんだぞ?」
裕輝「……ここの奴らはそりゃ、許せねえよ。けど、お前のことは…信じてみたいって思ったんだ。お前が心から俺を助けようとしてるのが嘘じゃないのは…わかるから」
ベータ「……そう、か」
裕輝「よいしょ…っと。……だから、俺と一緒に来てくれないか?」
ベータ「ああ。……僕様も、全力を尽くして君の力になるよ」
ベータを助けようとする裕輝は、この施設の一員が作ったロボットであるということで自分を信じてくれることを驚くベータに、自分を心から助けようとしてくれているのだとわかっているからだと返すと、ベータの動きを封じていた瓦礫を何とかどかし、ベータに手を差し出す。
裕輝「そうして俺たちは出会ったんだ」
明南「なら、ベータさんは裕輝さんを守るためのロボット…ということでしょうか?」
ベータ「ああ。そう作られた。もっとも、組織の情報は逃げ出す時に失われてしまったんだが……」
明南「そう、ですか……。その、あなたの製作者の情報は?」
ベータ「……それも一緒に消えてしまったかな」
明南「……そうでしたか…すみません、話の腰を折ってしまって」
裕輝「いえ、それで、組織から逃げようとした時、俺の目の前に奴が現れた」
裕輝からベータとの出会いについて聞いた明南は何かに縋るようにベータから情報を聞こうとするも、その記録は逃亡時の記憶領域の損傷により消えてしまったのだとベータは語る。
「……お前は決して我々から逃れることはできない」
裕輝「!その目……お前…あの時の…!」
ベータ「……!」
「そのことを…いずれ、思い知ることになるだろう」
裕輝「ふざけんな!…お前たちだけは…絶対に許さない…!俺の大切なものを奪ったお前たちを…!」
逃走の間際、炎の向こうに現れたのは黒い外套に身を包んだ謎の男。
裕輝はその冷たく鋭い眼光からその男の正体が自身が攫われたときに垣間見た男と同一人物だと悟ると、沸き立つ激情をぶつける。
ベータ「とにかく、ここは危険だ。まずは逃げよう」
裕輝「……わかった」
今にも炎の向こうの男に殴りかからん勢いの裕輝を諌めると、ベータは裕輝を連れてその場から立ち去る。
裕輝「そうして、俺は奴らの元を離れたんだ。……それで、居場所を探して彷徨っていたところで…からくりの先代の店主…唐谷さんに拾ってもらったんだ」
才花「それで…この場所にいたんだ…」
裕輝は組織から逃げ出した後、居場所を探している中でからくりに辿り着いたのだと語り、それを聞いて才花は納得した様子を見せる。
⭐︎⭐︎⭐︎
裕輝「……これからどうしよう」
ベータ「アイツらに対抗するにはどこか拠点が必要だな。…そういえば、君はさっきからどこに向かってるんだい?」
裕輝「え?……半分無意識的に歩いてたけど…ここは…そっか、あの時の……」
当てもなく街を彷徨う中、裕輝はベータに言われて自身がやって来たのが攫われる直前、三人で訪れた最後の思い出の場所である喫茶店からくりであることに気づく。
裕輝「ここ…俺たちが攫われる直前に行った場所なんだ。……ここが、最後の思い出の…場所で……っ…」
ベータ「…そう、だったのか」
裕輝「…なんで…なんで俺たちがこんな目に遭わなきゃならないんだよ…!どうしてあの二人が死ななきゃならなかったんだよ…どうして…!」
「どうかされましたか?」
裕輝「!あっ、その……すみません」
「おや、君は……確か、一年ほど前に来てくれた子ですよね?」
裕輝「え?」
「……ふむ、何があったかはわかりませんが…ひとまず店に入りますか?このままでは冷えてしまいますよ。そちらのあなたも」
ベータ「……」
雨の中、大切な家族同然の存在を失った悲しみに暮れていた裕輝と、それをいたたまれない様子で見つめていたベータ。
そこにやってきたのは当時からくりの店主をしていた老紳士だった。
「私は
裕輝「ありがとう…ございます。……俺は、機道裕輝っていいます…」
ベータ「僕様は…ベータ、とでも呼んでくれ」
栗仁「裕輝君にベータ君ですか。……それにしても、まさかそのようなことが起きていたとは…。こんな言葉で片付けられるわけはありませんが……災難でしたね」
裕輝「……」
栗仁「……もし、お二人がよろしければですが…この店にいてもいいですよ」
裕輝「え…?」
からくりの店内にて二人にコーヒーを出しつつ、事の経緯を知った栗仁は二人にこの店にいてもいいと伝える。
ベータ「いいのかい?」
栗仁「ええ。……あの頃、テレビで取り扱われたお陰でお客様が増えたのはよかったのですが、その影響で忙しくなってしまい、その対応に苦戦していましてね」
裕輝「……」
栗仁「体の衰えを感じたものです。引退も考えていましたが…仲睦まじく過ごして笑顔を浮かべていた君たちを見て、私はもう少しだけ店を続けてみようと思ったんです」
裕輝「唐谷さん…」
栗仁「それに、店の後継者もそろそろ欲しかったところですから。その点、君になら任せられると…そう思ったんです」
裕輝「……ありがとうございます!」
栗仁の好意によって裕輝とベータはからくりで過ごすことになったことを思い返し、過去を懐かしむ。
裕輝「それで、栗仁さんのお手伝いをしながら調理師免許を取ったりしてたんだけど、一年前に栗仁さんも亡くなってね。……それから俺はこの店を受け継いだんだ」
才花「そうだったんだ……」
裕輝「機械の修理も元々栗仁さんが手先が器用なのもあって引き受けてて、それを手伝ってるうちに俺もできるようになったってだけ。……それに、そうして街の人たちの話を聞けば少しでも組織に繋がる情報が手に入るかなって。だから、本当に善意100%なんかじゃないんだ」
栗仁に拾われたことがきっかけとなり、今の裕輝に繋がったのだと語ると、やや自嘲気味に自分が街の人の頼み事を聞くのは完全な善意によるものなどではないのだと語る。
明南「そういう事情があったのですね…。エナジーテクノドライバーもベータさんが持っていたのですか?」
ベータ「ああ、僕の製造主に託されてな。裕輝に渡すようにプログラムされていたんだ」
才花「……機道が戦う理由も…力を得た理由も……私ちっともわかってなかったな」
裕輝「才花さん…?」
才花「…っ…ごめん、ちょっと外の空気吸ってくる」
裕輝「う、うん…」
才花は裕輝が戦う理由の根底には復讐という重い理由があったのだと知ると、これまで裕輝のことを全然わかっていなかったのだと思い知り、悔しげに顔を歪ませて店を出ていく。
⭐︎⭐︎⭐︎
シルト「……そろそろ目覚めろ、二代目」
サイビアによってシーアーチンラズマが倒された現場にて、シルトは呼びかける。
すると、物陰に落ちていた泡沫のようなものから何かが蠢き、そしてシーアーチンラズマの形を成す。
シーアーチン「ご機嫌よう、シルト様」
シルト「礼儀正しいな。…さて、お前の“お母様”の遺志をしっかり受け継いでもらうぜ?」
シーアーチン「……勿論。僕が母様の遺志を継いで、安定態となってみせましょう」
やや棘の配置が異なるなど倒された先代のシーアーチンラズマとは見た目に差異がある二代目シーアーチンラズマはうやうやしげにシルトに挨拶をすると、“母”の遺志を継ぐことを宣言する。
⭐︎⭐︎⭐︎
才花「はあ…。私、馬鹿だな……。勝手に機道の気持ちを決めつけて…機道にとっての悲願を達成するための力を奪おうとするなんて…」
復讐はとてもよいこととは呼べないが、それでも裕輝の背負うものは重く、切実な理由だったことを思い返し、そんな裕輝から戦う理由を決めつけて力を取り上げようとした自身の愚かさを才花は嘆く。
裕輝「才花さん」
才花「機道……」
裕輝「はい」
才花「どうして…」
裕輝「……才花さんは優しいからさ、きっと、俺のドライバーを取り上げようとしたこと、後悔してるのかなって」
才花「……」
自己嫌悪から公園のベンチで項垂れていた才花に、追いかけてきた裕輝は缶コーヒーを差し出す。
裕輝「…気にしなくていいよ。俺がずっと隠してたんだから、才花さんが知らないのは当たり前だし。……それに、本当はわかってるんだ、そもそも復讐なんて、正しい行いなんかじゃないって」
才花「機道…。でも、機道にとっては切実な、大切な目的でしょ?……それを知りもしないでそのための力を、私は取り上げようとした」
裕輝「……確かに、復讐は俺にとって、生きる理由の一つだよ。その想いがあるからここまでやってこれた部分はある」
才花「……そんな想いを、私は蔑ろにしようとした」
裕輝「けど、復讐だけで俺はここに来れたわけじゃない」
才花「え?」
裕輝「……俺がここまで来れたのは、才花さんのお陰なんだよ」
才花「私の…?」
復讐という目標そのものの是非は別としつつも、それが裕輝を支え続けたものであることを鑑みて、再び才花は自己嫌悪を覚えるが、それを打ち消すように裕輝は才花への感謝を告げる。
裕輝「そう。……仮面ライダーの力は復讐のためじゃ…自分のためだけじゃ使えない」
才花「……!」
裕輝「俺はそれを知らなかった。どうして使えないんだろうって嘆いてばかりだった」
才花「そう、だったんだ」
裕輝「そんなとき、俺は才花さんに出会った。びっくりしたよ。俺が求めていた力を使いこなしてるんだもん」
才花「……」
裕輝「それでさ、復讐に囚われてる俺と違って、才花さんはいつだって“誰か”のために戦ってた。それが自分の為すべきこと、責任だからって」
才花「……うん」
裕輝「そんな才花さんが、俺は凄いなって思ってさ。……初めて変身できたあの日も、俺は才花さんの力になりたかった。才花さんみたいになりたかった。そう心から思って、心に思って力を使おうとした。そしたら変身できたんだよ」
才花「あのとき、そんなこと考えてたんだ」
裕輝「そうだよ。才花さんに出会えなかったなら、才花さんが才花さんじゃなかったら、俺はきっと今も復讐に囚われて仮面ライダーになんてなれやしなかった。諦めたりしてたかもしれない」
裕輝は才花がいたからこそ、才花への憧れがあったからこそ、あの日自分は仮面ライダーの力を手にすることができたのだと、そう語る。
裕輝「……俺、ずっとヒーローに憧れてたんだよ。自分の力で、沢山の人の笑顔を守る、そんな存在に。けど、復讐が目標になってから、心のどこかで『こんな俺にヒーローなんて無理だ』って、そう思ってた」
才花「そんなこと…」
裕輝「今だって、自分がヒーローに相応しい人間だとは思ってない。けど…それでも、そうわかっていても、憧れちゃったんだ、才花さんに」
才花「!」
裕輝「才花さんは俺にとって最高の…憧れのヒーローなんだよ」
ヒーローへの憧れを抱きつつも、復讐という目標もあって諦めつつあった裕輝だったが、才花との出会いが憧れを再燃させたのだと、裕輝が伝えると、才花は驚いた様子を見せつつも嬉しげに微笑む。
才花「そっか。…私のこと、そんな風に思ってくれてるんだ。……ありがとう」
裕輝「こちらこそ、いつもありがとう」
才花(機道になら…明かしてもいいかもしれない。こんな私の過去も。きっと……受け止めてくれるから)
裕輝「才花さん、どうかした?」
才花「あのね、その…聞いてほしい話があるんだ」
裕輝「?」
才花「私の…昔の話」
裕輝「!……わかった。聞くよ。教えてほしいな、才花さんのこと」
才花「私…昔はずっとどこかの研究施設にいたんだ。物心ついたときからずっと」
裕輝の自身への想いを知った才花は、自らの過去についても裕輝に語り出す。
⭐︎⭐︎⭐︎
才花「私はその研究施設で生まれたのか、それともどこかから連れてきたのかすらわからない。それくらい幼いときから研究所で育ってきた」
裕輝「そう、だったんだ…」
才花は自分は幼い頃はずっと研究機関にいたことを明かすと、裕輝もシンパシーを感じてか神妙な面持ちになる。
「今日も検査だ」
才花「はい」
「順調に数値が伸びているな」
才花「……そう」
施設にて、幼い才花は様々な機器を体に繋がれ、複数の白衣を着た研究者たちになんらかの検査をさせられる。
才花「私はずっと一人だった。友達なんて…当然いなくて、毎日検査と実験の日々だった」
裕輝「…!」
才花「そんな生活が続いて、それをなんとも思ってもいなかったんだけど、ある日外から新しい子がやってきたんだ」
幼い頃を回顧していた才花は、外から研究施設にやってきた女の子のことを思い出す。
「今日から君と相部屋になる子だ」
才花「……そう」
「あなたが私と同じ部屋なの!?よろしくね!私は
才花「……被検体第8号」
真姫「ええ、それ名前?」
才花「馴れ馴れしくしないで」
真姫「ええ〜?あ、そうだ!才花ちゃん、っていうのはどう?私の好きなアニメのキャラなんだけどさ!」
才花「……別に、好きに呼べばいいんじゃない?識別できればなんでも」
真姫「そんなのつまんないじゃーん!」
相部屋になったのは人懐っこそうな笑顔を浮かべた少女、真姫だった。
才花にマシンガントークを仕掛ける真姫に対し、才花はあくまで冷たい態度で返す。
真姫「私さあ、不安だったんだよね。いきなりこんな所に行くことになって。けど、才花ちゃんみたいな可愛い子と一緒なら頑張れそう!」
才花「そうなんだ」
真姫「才花ちゃんもさ、もっと笑った方がいいよ!その方が可愛いって!」
才花「可愛いことになんの意味があるの?」
真姫「可愛いっていうのはね、正義なんだよ!」
才花「?…意味がわからない」
真姫は才花のことを可愛いと褒めそやし、いつでも彼女を肯定し続ける。
しかし、今よりも感情に乏しかった才花はそんな真姫の言葉を不可解なものとして接する。
裕輝「そんな人がいたんだ」
才花「うん。結局、それからもしつこく絡んでくるものだから、一年も経つ頃にはなんだかんだ真姫ちゃんと仲良くなってて…」
才花は一年もの間、冷たく接されてもめげずに仲良くなろうとしてきた真姫に折れ、友達となったことを思い出す。
真姫「ねえ、才花ちゃん」
才花「どうしたの?」
真姫「外の世界って、どう思う?」
才花「……興味はあるよ。真姫ちゃんがいた世界だしね。まあ、私は知らないけど」
真姫「…私さ、いつの日か才花ちゃんと一緒に外の世界を歩きたいな」
才花「真姫ちゃん…そうだね。いつか、そんな日が来るといいかも」
真姫「約束だよ。……この約束があれば、まだ私…頑張れる気がするからさ」
才花「うん、約束」
外の世界への憧れや懐古といった感情を見せつつ、真姫は才花と共に外の世界を歩きたいのだと伝え、それを聞いた才花もそんな日が来ることをささやかに願う。
才花「だけど、あの日…全てが変わったんだ」
裕輝「あの日?」
才花「……三年前、私のいた研究所で爆発が起きたんだ」
裕輝「!……それって」
才花「…そして、その時私は助けられて、外の世界へと出ていくことになった」
そう語り、才花は自身の三年前のターニングポイントを思い返す。
才花「爆発…!?一体何が起こって…」
「才花君」
才花「あなたは…?」
「僕が誰かなんて、この際関係ない。さあ、これを持って外の車へ乗り込むんだ」
才花「えっ?」
「この世界には、君の力が必要なんだ。……だからこそ君は、世界を知らなくちゃならない」
才花「世界を…知る…」
真姫「才花ちゃん!」
才花「真姫ちゃん。そうだ、真姫ちゃんも一緒に逃げよう」
真姫「えっ!?」
研究所で起こった爆発による混乱の中、アタッシュケースを持った謎の青年が才花の元に現れ、逃げるように促す。
その中で真姫も合流し、才花は真姫と共に逃げようと考える。
「さあ、行くんだ」
才花「は、はい!さ、真姫ちゃん」
真姫「うん──!危ない!」
才花「きゃっ!?…真姫ちゃん!」
真姫も一緒に逃げることについては特に咎めず、青年は早く行くよう促す。
それを受けて才花は真姫に手を差し出し、真姫もその手を取ろうとするが、次の瞬間、才花の頭上の天井が崩れ落ちてきたことに気づいて咄嗟に才花を突き飛ばす。
才花「真姫ちゃん!大丈夫!?」
真姫「うん。怪我はないよー!」
才花「今助けるから、逃げよう!」
真姫「……私は大丈夫」
才花「えっ?」
真姫「流石にこの瓦礫をどけるのは無理だよ。……だから、才花ちゃんだけでも逃げて」
才花「でも…」
真姫「ならさ、いつか、いつかまた会えたその時に、外の世界での経験を聞かせてよ!約束だよ!」
「……すまない、今は君だけでも逃げてくれ」
才花「……わかりました。…真姫ちゃん、いつか絶対、迎えにくるから!……だから、その時にもう一つの約束も果たそうね」
真姫「うん。……またね、才花ちゃん」
瓦礫によって分断されてしまった才花と真姫。
なんとか瓦礫をどけて真姫と共に逃げようとする才花だったが、他でもない真姫自身から止められたために断念し、代わりに約束を結ぶ。
「さあ、乗りたまえ」
才花「はい。…真姫ちゃん……」
なんとか外へと脱出した才花は、青年の運転する車に乗り込み、未だ混乱の最中にある研究所を後にする。
「ここに住んでいる院部明南という女性を訪ねるんだ。そのアタッシュケースを渡せばきっと伝わるはずだから」
才花「あの、あなたは…?」
「僕はまだやることがあるからね。組織に戻るよ。……君の健闘を祈っているよ、才花君」
才花「……」
どこかのマンションまで才花を連れてくると、青年は才花を降ろし、明南を頼るよう言い残して自身は研究所まで戻っていく。
才花「そうして私は院部先生の元に引き取られて…それから一年が経った頃にラズマの被害が出始めたことがきっかけで仮面ライダーになったんだ」
裕輝「そんなことが……。それに、才花さんのいた組織って……」
才花「うん、きっと機道がいたのと同じ組織だと思う」
裕輝と才花は互いの話の共通点を鑑みて、どちらも同じ時期に同じ場所にいたのだと推察する。
才花「復讐はさておき、私も組織を探してる。真姫ちゃんを迎えにいくためにも」
裕輝「目的は同じってことか」
才花「そうなるね」
裕輝「なら、俺と一緒に戦おうよ、才花さん」
才花「うん。私の方こそ、これからよろしく……裕輝君」
裕輝「え?」
才花「……だって、一緒に戦う対等な関係でしょ、私たち。…嫌だった?」
裕輝「……いや、そんなことないよ。寧ろ嬉しいかな。……これからも一緒に頑張ろう、才花さん」
互いの過去を明かし合い、絆を深めた裕輝と才花はそれぞれの目的のためにも共に戦うことを決める。
裕輝「ん?着信……もしもし?」
ベータ『裕輝、才花君は見つかったかい?』
裕輝「うん。今一緒にいるよ」
ベータ『それは丁度よかった。さっきのラズマ、どうやらまだ生きてるみたいだ』
裕輝「え!?」
ベータ『被害に遭った人が目を覚ましていないことがわかったんだ。それで今、デジカメドローナーが捕捉した位置情報を送るから向かってくれ』
裕輝「……了解。行こう、才花さん」
才花「うん!」
ベータからシーアーチンラズマが生き残っているという連絡を受けた裕輝は才花と共に現場へ向かう。
⭐︎⭐︎⭐︎
「うわあああっ!!」
シーアーチン「一人で寂しかったでしょう…。大丈夫、これからは僕と一緒ですよ」
裕輝「あいつ…!」
才花「本当に生きてる…」
シーアーチン「仮面ライダーのお二方……先程は母上が随分とお世話になりました」
裕輝「は、母上!?」
シルト「こいつはやられても卵を遺してエナジーを引き継げるんだよ」
サイビアによって倒されたシーアーチンラズマの子であるということに困惑する裕輝と才花に対し、怪人態のシルトが丁寧に解説しながら現れる。
裕輝「……何度だって倒す。だよね?才花さん」
才花「勿論。私たち仮面ライダーが何度でもね」
シルト「なんだ、喧嘩はもう終わりか?」
裕輝「覗き見なんて、ちょっと趣味悪いんじゃないか?」
才花「雨降って地固まるって諺、あなたに教えてあげるよ」
《ホッパー!》
《バイク!》
《スパイダー!》
《コンピューター!》
《エナジーオン!》
「「変身!」」
《アクティベート!》
《シナジースピード!ホッパーバイク!》
《シナジーブレイン!スパイダーコンピューター!》
結束を固めた二人は並び立つと、裕輝は仮面ライダーメカニック ホッパーバイクシナジーへ、才花は仮面ライダーサイビア スパイダーコンピューターシナジーへと変身を果たす。
メカニック「さて…最高速でいくぜ!はあっ!」
シーアーチン「ふん…!相手になってあげましょう」
サイビア「あなたの相手は私だよ!」
シルト「半年前の借り…返してやる!」
メカニックはホイールカリバーでシーアーチンラズマへ、サイビアはキーボードブレードでシルトへとそれぞれ斬りかかっていく。
メカニック「はあっ!だあっ!!」
シーアーチン「ふ…僕は母上とは違うんですよ!」
メカニック「!?うああっ!!…棘を発射できるのか…!」
メカニックは初代シーアーチンラズマとの戦いを思い出し、ホイールカリバーによる刺突を中心に攻めようとするが、シーアーチンラズマは全身の棘をミサイルのように発射することで抵抗する。
メカニック「だったら…こいつで!」
《ドリル!》
《エナジーオン!》
《アクティベート!
ホッパー&ドリル!》
メカニック「はあっ!!」
シーアーチン「近寄れると思ったら大間違いですよ!」
メカニック「うああっ!!…くっ、なんとか近づければ…!」
メカニックはホッパードリルへと姿を変えてスラストドリルランサーで刺突を繰り出すも、シーアーチンラズマのミサイル攻撃を掻い潜りきれずに被弾してしまう。
サイビア「はあっ!」
シルト「ふん!…そんなもんか?」
サイビア「…勿論、この程度じゃ終わらないよ」
《
サイビア「はっ!」
シルト「っと…!」
《エンター!コーリング!1!》
サーバント「……」
シルト「あ?今回は一人だけか?」
サイビアはキーボードブレードを用いてサーバント・ヒューマノイドタイプを一人呼び出す。
しかし、数が少なかったためにシルトは余裕そうな態度を見せる。
サイビア「油断大敵って知ってる?」
シルト「ふん!……!?」
サーバント「……」
シルト「チッ…!」
サイビア「はあっ!!」
シルト「ぐっ…!」
舐めてかかった様子のシルトの拳を、サーバントは左手に持ったディスプレイシールドで受け止め、右手に持ったマウスマシンガンを至近距離から連射して退ける。
そしてその隙に距離を詰めたサイビアがキーボードブレードによる一撃を叩き込んだことでシルトは地面を転がされる。
シルト「やるじゃねえか。なら、こういうのはどうだぁ?」
サイビア「……面倒なこと、してくるじゃん」
シルト「ハハハハッ!喰らえっ!!」
サイビア「っ…と…!」
シルトは立ち上がりつつ自身の体を甲羅へと収納すると、甲羅型のエネルギー弾を発射しながら高速回転してサイビアとサーバントに攻撃を仕掛ける。
メカニック「うあああっ!!……せめて近づければ…!」
シーアーチン「じっくりいたぶってやりましょう…!」
ベータ『させるか!』
シーアーチン「ぐあっ!……今のは!?」
メカニック「ベータ!」
棘のミサイルによって接近できず苦戦するメカニックに対し、シーアーチンラズマは追撃で棘を発射しようとするが、そこにベータが遠隔操作した状態のメカニカルダッシャーが駆け付け、シーアーチンラズマを撥ね飛ばす。
ベータ『やっと新しいエナジーデンチが完成した!コイツを使うんだ!』
メカニック「これは…ライノセラスか。いいね、待ってたよ!」
《ライノセラス!》
《エナジーオン!》
メカニック「いくぜ!」
《アクティベート!
シナジースラスト!ライノセラスドリル!》
メカニックはメカニカルダッシャーに括り付けてあったケースを開くと、その中に入っていた水色のサイが描かれたライノセラスエナジーデンチを取り出す。
そしてホッパーエナジーデンチをライノセラスエナジーデンチと入れ替えることで水色のサイを模した装甲と茶色のドリルを模した装甲を纏った仮面ライダーメカニック ライノセラスドリルシナジーへと姿を変える。
シーアーチン「ふん…姿が変わったとて…結果は変わりませんよ!」
メカニック「それは…どうかな!」
シーアーチン「!?攻撃が…!」
メカニック「こっちの番だ。この力で貫いてやる!」
《ハックーツ!》
メカニック「どりゃあああっ!!」
シーアーチン「うああっ!!」
メカニックは全身各部のサイの皮膚を模した重装甲“コーンプロテクター”で棘ミサイルを受け切ると、スラストドリルランサーの左側に飛び出たグリップ“ラッシンググリップ”を一度握り込み、スラストドリルランサーの刀身部に渦巻くオーラを生じさせて攻撃を強化し、そのまま突撃してシーアーチンラズマをぶっ飛ばす。
シーアーチン「このっ!この!!」
メカニック「…無駄だ」
《ハックーツ!》
《フンサーイ!》
メカニック「はっ!だあっ!おりゃあっ!!」
シーアーチン「うあああっ!!」
メカニックに対しシーアーチンラズマは諦めずに棘のミサイルを大量に発射するが、対するメカニックはラッシンググリップを二度握り込むと、より広範囲に渦巻くエネルギーを纏わせたスラストドリルランサーを振り回して棘のミサイルを弾き飛ばしつつ突撃し、強烈な刺突を浴びせる。
シーアーチン「こんな…馬鹿な…!」
メカニック「悲劇はここで終わらせる…!」
《ハックーツ!》
《フンサーイ!》
《コッパミジーン!チャージオン!》
メカニック「幕引きだ!はあーっ!!」
《エナジークラッシュ!》
シーアーチン「うっ…く……ぐうああああっ!!」
メカニックはスラストドリルランサーのラッシンググリップを三度握り込むと、渦巻くエネルギーを巨大なドリル状のエネルギー体に変えて発射し、更に自らも突進してシーアーチンラズマとの激突の瞬間にドリル状のエネルギー体とスラストドリルランサーを重ね合わせることで瞬間的な破壊力を増大させ、そのままシーアーチンラズマを貫き爆散させる。
パキャン!
「…私、どうしてこんな所に……」
シーアーチンラズマが倒されたのと同時に、どこかの病院に入院していた宿主の女性の体からシーアーチンラズマデンチが排出され、そのまま砕け散る。
女性は何故自分が病院にいるのかわからず困惑するのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
サーバント「……」
シルト「ハハハハッ!この俺の力の前に手も足も出てないな!!」
サイビア「手も足も出てないのはあなたの方でしょ…!」
シルトの高速回転しつつの砲撃のコンボにサーバントも倒されてしまい苦戦するサイビアだったが、亀らしく甲羅に籠ったその状態を指して手も足も出ていないのはシルトの方だと苦言を呈する。
《エナジーオン!》
サイビア「……けど、負ける気もないよ!」
《1!》
《エンター!チャージング!1!》
サイビア「はあっ!」
《エナジーブレイク!》
シルト「ふん、そんな攻撃じゃ俺の勢いを止めるなんて無理無理!」
サイビアはキーボードブレードにコンピューターエナジーデンチを装填し、「1」キーを押すことで刀身に白いエネルギーを纏わせた直接斬撃を放つことでシルトの砲撃を斬り裂く。
サイビア「……それはどうかな?もう見切ったよ、あなたの動き!」
《3!》
《エンター!チャージング!3!》
サイビア「これならどう?」
《エナジーインパクト!》
サイビア「はあーっ!!」
シルト「何…!?ぐあああっ!!」
サイビアはシルトの軌道を見極めると、今度は「3」キーを叩き、白いエネルギーを集めた巨大な光刃をキーボードブレードに展開し、それをカウンターで叩き込むことでシルトを吹き飛ばし、近くの壁に叩きつける。
シルト「……やるじゃねえか。…今日のところは引いてやるよ」
サイビア「……ふう…」
メカニック「才花さん!」
サイビア「裕輝君、そっちは片付いたみたいだね」
メカニック「うん。シルトは?」
才花「追い払えはしたけど、倒すところまではいけなかったかな」
裕輝「流石に安定態は一筋縄でいかないか」
才花「……そうだね」
煙幕弾を発射し、そのまま逃げていくシルト。
そして戦いを終えたサイビアの元にメカニックが駆けつけると、互いに変身を解きつつ、状況を伝え合う。
「素晴らしい戦いぶりだったわ」
裕輝「えっ!?」
才花「誰…?」
沙知代「初めまして、私は“ガレージ”の副長官をしている理佐というものよ、以後お見知り置きを」
裕輝「ど、どうも…?」
才花「ガレージ……?」
戦いが終わったのも束の間、戦いぶりを評価すると共に近くに停まった高級車を降りてきたのは黒髪に切長の瞳が特徴的な女性……沙知代だった。
沙知代は名刺を手渡すも、聞いたこともない組織名に二人は困惑の意を隠せない。
沙知代「ガレージとは、秘密裏にラズマと戦う組織…」
裕輝「そんな組織が…!?」
才花「初めて知った…」
沙知代「あなたたち二人の仮面ライダーの活躍についても把握しているわ。……そこで、ガレージにスカウトしに来た…と言えば用件は伝わるかしら?」
「「!」」
沙知代は裕輝と才花の仮面ライダーとしての活躍を把握していることを伝えると、ラズマと戦うための組織だというガレージにスカウトしにきたと告げる。
⭐︎⭐︎⭐︎
陽菜美「……はい、はい。間違いありません」
シーアーチンラズマが撃破され、沙知代が裕輝と才花に接触していた頃、陽菜美はどこかと電話していた。
陽菜美「……ふう。いつまでこうしてればいいんでしょうか」
やや疲れた様子で電話を切ると、陽菜美は古びた鴨のキャラクターのストラップを取り出し、寂しげな瞳でそれを見つめる。
陽菜美『…………』
『ひなちゃん、これ欲しいのか?』
陽菜美『えっ!?は、はい…でも、わたしお金ないので…あきらめます…』
『……なら、オレがやってみようかな』
陽菜美『えっ、わ、わるいですよ!』
『いいのいいの、ひなちゃんが欲しいやつ、取ってみせるから、任せとけ』
陽菜美「……それで結局、二つ出たんでしたよね。……また、会いたいな…」
そのストラップを得た時のことを回顧しつつ、陽菜美は一人会いたい思いを吐露するのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
次回、仮面ライダーメカニック!
陽菜美「“漁港の宝物”の噂知ってますか?」
沙知代「この漁港にラズマがいる可能性が高いという情報を掴んでいるわ」
──ガレージからの依頼と漁港に伝わる噂話…
裕輝「メタックスエナジーって一体何なんですか?」
沙知代「あなたたちは超古代文明、というものを信じる?」
「怪物を知っているのか!?」
謎に迫る二人……登場!シャークサブマリン!
裕輝「水中なら、この力で…!」
vol.7「お宝探し×忍び寄る罠!?」
日曜午後9時!
第6話、ご覧いただきありがとうございます!
今回は裕輝と才花が互いに抱えていたものを明かし、真の意味で対等な仲間となる回となりました。
同時に今まで断片的に描かれてきた、裕輝が復讐を志すに至った過去、そして才花が仮面ライダーの力を手にして明南と出会うこととなった過去、それぞれが明かされることともなりました。
今回明かされたそれぞれの過去は、裕輝と才花、両者にとって戦う理由の根幹といってもいい部分になります。
今後も要所要所で出てきますので、是非ともご注目ください!
ラストにはガレージからのスカウトもあり、一つ転機を迎えた仮面ライダーメカニックの物語を、今後とも是非ともよろしくお願いします!
そして、メカニックとサイビアの二人が出揃い、メカニックのメインフォームも出揃ったということで変身講座をこの後10月11日(日)21時30分より番外編シリーズで公開しておりますので、よろしければそちらもご覧ください!