性癖と原作を崩壊させる俺のヒーローアカデミア 作:エンディングハンター
第6話。転弧ちゃん無双が始まってますがまだまだ6話。
きっと何処かで詰まるはず……詰まってくれないかな!
「は………………?」
攻め込んできたヴィラン側であるリーダーは、絶句した。
平和の象徴用として、複数の個性を与えられて作り上げられた『脳無』がいとも簡単に、あっさりと。
リーダーには情報は伝わっている。『超再生』と『ショック吸収』。この2つを備えながらオールマイトレベルのパワーの素体も与えられているのだ。
それが、たった一人の女に?
「はぁ……………………?」
現実を受け止められないヴィランのリーダーが絶句していると、その身体が急に縛られた。
そう、抹消ヒーロー“イレイザーヘッド”の捕縛布。
両腕を使えない様に背中に固定されて圧迫し、完全に動かせなくなった。動かせても精々足元程度。良くて身体を転ばせて着地の時に地面に……だろう。だがそれをさせてくれる程、今の状況は甘くなかった。
まず、リーダー格の目の前にいる黒いロングコートを着た黒髪赤眼の女。この女がヴィランの思惑や目的を全てを
オールマイトにぶつける手筈だった脳無をいとも容易くぶち壊して。
他のヴィラン……所詮路地裏で小賢しい犯罪をしていた奴らを群れさせ、生徒達にぶつけるという流れだった。
しかしそのヴィラン達も、目の前の女とイレイザーヘッドに全てぶち壊された。
「ああ……ああ、ああ、ああ……!!!!!イライラする……!なんなのよ、お前ら……!なんで私の思い通りになってくれないのっ!?」
そうやって叫ぶが、誰も答えない。
何せ全員、のされている。
そして黙ってリーダー格を見つめるイレイザーヘッドとロングコートの女。
「うるせぇな。一々グチグチと実現しねぇ事に文句言いやがって」
ボリボリと髪を掻くロングコートの女―――志村転弧がそう告げる。
まるで子供の泣いて暴れる駄々こねを見てあやしもしない親のようにその様子を見ている。
「お前がオールマイト殺して何があるんだよ。平和の象徴が崩壊した世界でお前は何がしたいんだ?」
「この世界を壊すのよ。分かるでしょう、あなたなら」
「知るか。お前の世界を壊したい願いは俺にゃあまりにも“邪魔”なんだよ。分かって欲しいなら俺が納得できる条件を出せよ」
「おい志村…」
「聞く気はあるのね。簡単よ、何者にも縛られない、圧倒的力が支配する「ああもういい、黙ってろ」」
しかし、志村転弧は何一つ頷く事も関心を持つこともなかった。むしろ知ってた、聞くんじゃなかったと後悔している表情を浮かべている。うんざりしているとも。
「お前の理想とか全部どうでもいい。何が何者にも縛られないだ、お前がいるせいで何もかも出来ねぇだろうが。クソが」
「何を言ってるの、これはクソみたいなヒーロー社会をぶち壊して、全部―――」
「それがあった所で、もっと強い奴が上に立つ。そして上に立つ奴に逆らえない社会になる。なんだよ、お前にはそんな事も分からないのか?あぁ?」
苛立ちが隠せないのか、睨み付けながらまくしたてる志村転弧。その様子は、ガキの言い訳に腹が立ちながら説教する親のそれである。
「後な、お前舐めすぎなんだよ。俺達がこんなんでやられると思うなよ―――俺達1-Aは、全員強い」
一方、雄英高校の1-A。生活指導のハウンドドックは校舎の見回りを行っていた。
もちろん理由は差し詰め、前回のオールマイトのインタビューで雄英バリアーが破られていた為である。
雄英に侵入者が出てこない様に、生徒達の安全と敵への抑止力となる為に見回りを校舎から庭まで全部を探し回っているのだが……
ビーッ!ピピピピッ!ピピピピッ!
「!?」
いきなり1-Aから謎の音が流れてきた。すぐにハウンドドックはスペア用の鍵を取り出して開く。
もしかしたら生徒の所有物が何かあったのかもしれないとの判断で、あまりにも速い動きだった。自身の個性をフル活用し、感情を溢れださせる。
「グゥルルルルルルルル……バウバゥッ!」
完全に叫び声というか鳴き声のそれではあるが、周囲にこの犬の鳴き声が響くだけで人は一瞬気が緩む。何せ自分一人だけだと思ったら犬の鳴き声が聞こえてくるのだ、恐ろしいたらありゃしない。
しかし、何も出てこない。不審に思ったハウンドドックが警戒態勢で教室に侵入していく。
音の発生原因は、それなりに近くにあった。
窓側の席の机の中から、スマホの通知音が鳴っていたのだ。
「……なんだスマホか」
ハウンドドックが警戒態勢を解いて、すぐにその問題の机を調べる。やはり、その中にスマホが置いてあった。
流石に厳しく相澤からも言っておこうかと思ったが初犯だ、多めに見ておくか……と考えていた最中だった。
なんとそこにはメッセージが送られていた。
『襲撃された。電波が届くようになったからすぐにオールマイトに連絡して欲しい。いつ敵の個性が復活して連絡できないか分からない、早急 志村転弧』
「……!?」
ハウンドドックが、その場をすぐに駆け出してスマホを握り締めたのは言うまでもない。
「―――あの子供達が強い?何を言って」
「お前は俺達の事を知ってんのか?知らなくて最初はガキ共を潰そうとしたのか?そりゃあマヌケだなぁ、笑えてくるよ」
「…………」
ったく、連絡にめちゃくちゃ時間かかったじゃねぇか。
だけどまぁこれで気が付いただろ。俺達でも軽くやれた事や色々と……まぁ分かった事も。
今の敵連合はそんなに強くないが、やっぱ黒霧のワープゲートが邪魔だ。だが、イレイザーヘッドを一人にする気はおきねぇ……おい再生すんな脳無、壊すぞ。
「言っとくが女、お前が変な事しても意味ねぇよ。イレイザーヘッドの視界内に入らないようにしゃがみ込めば……俺は地面に触れれる。お前は地面を介さないと
「……!」
「植物が天井で生えたりするって言われても、それの操作はイレイザーヘッドが止める。お前に今出来ることは大人しく捕まる事なんだよ、分かってるか?」
俺の説得には……ダメだな、応じなさそうだ。
そもそもこいつから反抗心が消えてない。反抗心を消していないのならイレイザーヘッドの『抹消』がなくなった瞬間に全部ぶっ壊してくるのも間違いない。
「……イレイザーヘッド」
「なんだ?」
「こいつはダメだ。反省も後悔もしてない……マジでクラスの奴らも教師もオールマイトも全部壊す気だ。もうダメだからこそ、こいつは『救えねぇ』。無力化するに限る」
「……そうなるか。お前にやらせる訳にはいかないな」
「ああ。これ以上下手な事はしねぇよ、緊急時だから戦っただけでな」
「だったら無理に戦わなくていい。全く……」
イレイザーヘッドが捕縛布を構えて、更に抵抗できないように足やまだ動く可能性があると見て持ってる捕縛布全部を使おうとしたタイミング。
『死柄木枯華から離れなさいッ!!!!』
「やっぱ来るよなぁ、お前はぁ!」
地面に触れて『崩壊』を発動させる。だがやっぱ『転送』された。くそが。
「ありがとう黒霧」
『いえ……やはりイレイザーヘッドは問題ですね。脳無は?』
「……あれよ」
『……なんと』
「あ?ああ……脳無か。わりぃなぁ!弱過ぎてぶっ壊しちまったよ!」
俺が煽りのように動き回りながら脳無の首を回す。黒霧の表情……つっても読めねぇか。俺もよく分かってねぇが、目を細めてる……座標を狙ってるか。
しかし、俺の意図に気が付いたイレイザーヘッドがすぐに捕縛布を構えながら『抹消』を発動し続ける。
『くっ……』
「もうこれ以上罪を重ねるな。投降しろ」
『私は……
「(新たな俺の枠の事だよな、死柄木枯華って……クソ、名前からじゃ何も想像できねぇ。顔も花で覆われてて全く見えねぇ……)」
これじゃどんな相手なのか分かんねぇ……だがなんだ?なんか……既視感がある気がする。
いや気のせいかもしれねぇが……過去の俺の姿と重なってるせいか?
「志村」
「なんだよ!」
「これ以上は……『抹消』が不味い」
「……俺が隙作るから、とっとと避けてろ!脳無は掴んだまま離さねぇ!」
どうやらイレイザーヘッドの方が限界が来たみてぇだ。クソ……まだ何も出来てねぇ……!
どうやったら黒霧を俺の方に引き込める……何かしらコンタクが取れると一番いい……
……黒霧って、確か脳無だったよな……クソ、何が思い出せる記憶……いやでもこれは……今思い出す必要は、ねぇ……様な。
「『崩壊』、全開だ……!今からここで、全部ぶっ壊すッ!!!!!」
脳無の首を地面に落とし、踏み付ける。そして両手が地面に触れる。
五指が完全に、両手に触れれば最後。全てをぶっ壊す。伝播する崩壊が周囲を破壊して、地割れを引き起こす。
「(脳無回収、イレイザーヘッドは……撤退した!後は俺が行くだけだ!)」
『円環』を起動し、一気に両足で円環状の足場に突っ込み……跳ぶ!
危ねぇな、あの一瞬で肩くらいまで再生してんじゃねぇか脳無……面倒くせぇ。
「黒霧!」
『ええ、やれるだけやって―――』
!やべぇ、アイツら何しようと…………!
SMASH!!!!!
「もう大丈夫。何故って―――」
「私が!!!!!来た!!!!!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
残念ながら、死柄木枯華とかいう女と黒霧は逃した。それ以外は全員捕まえる事に成功。
怪我人はスペースヒーロー13号と、敵の個性を喰らってそれを引きちぎった時に皮膚から血が出てしまった俺と、あとなんか指をぶっ壊した緑谷も。
今はリカバリーガールがオールマイトを見に行ってるそうだ。いっつもこき使われてんな。
「お前何してんだよ、克服したんじゃねぇのか」
「あはは……いや、正直あの時は落ち着いて動く事が難しくて……」
「……集中モードに切り替えれるくらいの練習はしとけよ」
俺は絶賛保健室。リカバリーガールに体内に敵の個性で埋め込まれた種子がないか検査してもらったが異常なし。
今は治癒してもらって傷は塞がっている。
「そういえば、帰ってきてから速攻で相澤先生とハウンドドック先生に怒られてたけど」
「あああれか。俺携帯二つ持ってんだよ、緊急用にな」
「凄いね!?」
「俺の父親がアホなくらい心配症だからな。まぁ寧ろいいんだよ、ハウンドドックが気が付いてくれただけで良かった」
「ホントだね……」
あの後、ハウンドドックに唸られイレイザーヘッドにはめちゃくちゃ死ぬ程怒られた。命を捨てるような行為はやめろとか、連絡するようにしたのはいい事だが爆音にしておくなとか。
ハウンドドックは耳がいいので耳がキンキンしたらしい。そりゃ悪かったな。
てか無駄に動いたりして蒸れてきたな……クソ、あっちぃ。
「はぁ、クソあちぃ……」
「え、はぁっ!??!?!?ちょっ、転弧サンッ!?!?!?」
「なんだよ……っと。やっぱここは涼しいな」
「いやっあのっ、転弧さん……!服きてください……!」
「暑いんだから仕方ねぇだろ。てか見たくねぇなら見んな」
「すいませんでした!」
なんだよ、上の下着程度で動揺しやがって……あークソ、これも汗で濡れて気持ちわりぃ。こいつも取っ払ってやろうかな……いや、流石に擦れて気分が変になった事があるからな、やめておくか……くすぐってぇしな。
「やぁ、志村少女!緑谷少年、元気して―――」
「おいオールマイト、まだ病人がい―――」
「あ?」
「す、っまない!私はここで失礼する」
「おいちょっと待て失礼するんじゃねぇオールマイト」
何が失礼するだ、お前が失礼したらダメだろうが。緑谷の事見に来たんだろ。
「志村ちゃん、志村ちゃん」
「なんだよリカバリーガール」
「恥じらいを知りなさい」
そう言って思い切り杖でシバかれた。いてぇ……なんだよ恥じらいを知りなさい持ちなさいって。周りから散々言われてるが遥かにどうでもいいんだが。
「いってぇなぁ……怪我人なんだぞ」
「怪我人と痴女は別だよ」
「ああっあの!リカバリーガール!僕はちょっと見えてしまっただけで何も見てません!」
「ああうん、そうかい良かったね……いや良くはないけど」
「それでオールマイトは何用なんだよ」
「その前に服着ようか」
くそ、暑いって言うのに服着ろなんて面倒くせぇ……次から戦闘服は夏服使用にするか。ロングコートは暑すぎる。
まぁオールマイトは何とか戻ってきた。危なかったな、脱線するところだった。
「んん、すまなかったね!二人共無事で良かった!」
「言うほど緑谷は無事じゃねぇと思うが」
「まぁそうだがね。さて……緑谷少年には伝えていると思うが……」
まるで焼け焦げる音の様に、身体から煙を出して元の姿……八木俊典の姿に戻ったオールマイト。その姿を出してきた事に緑谷は驚愕して振り向いた。
「おおおおおおオールマイトッ!?その姿は」
「いいんだ。私も志村少女には説明しているからね。それにこれは君らにも聞かなればならない話になる」
「……なんかあったのか?」
「ああ。君が考察してくれた脳無についてだが……見事に合っていたよ。
『脳無』は改造された生物……というより『人間』だよ。人間の死体がベースになっている」
「な、っ……!」
やっぱりか。この世界でも相違点はないみてぇだな。
それにしても……この世界でもドクターはドクターしてて良かったぜ。お前をぶっ壊す為の準備を着々と始めてるからな。後は建物全体をぶっ壊す崩壊のやり方を覚えねぇとな。
「そして複数個性を与えられている事も確認した」
「え……?」
「つまりだ、志村少女……緑谷少年には初めて伝えるが、やはりあの男は生きていた様だ……
私が過去に打ち倒した巨悪。その名も『オール・フォー・ワン』が」
……だよな。黒霧や死柄木枯華って女が作られてる時点であの男が生きてるのは至極当然の話だ。
ただそれを考えると、あいつ女の肉体を器にするって事だろ?…………ちょっとキモイな。
「オール・フォー・ワン……」
「そして、オール・フォー・ワンは志村少女とも関係がある。君の複数個性の話だ。オール・フォー・ワンはね、他人の個性を奪い……
「!」
「志村少女はおそらく、それの犠牲者だ。私達も過去の事件や不審者情報を洗いざらい見ているがね」
「(……実際は俺が生まれ変わった影響で持ってただけなんじゃねぇの?)」
よく分かんねぇが、実際はどうなのか。俺はそこについて知ったこっちゃないが……
「しかし安心したまえ。今回は私の親友、警察官の塚内君と協力して今回接敵したヴィランである二人の特徴を持った人物の目撃情報を探している。すぐに見つかるはずさ」
「なら安心なんですけど…」
「それに、君達は今後にやる気を振り絞った方がいいね!」
「何でだ?」
「その内、相澤君から伝えられるんだが……近い内に、
死柄木枯華(しがらき かれは)
全身の所々が花に侵食されたような、黒色の髪を持つ女性。黒色のドレスを着ていて、まるで喪女の様な風格を醸し出している。峰田が喜びそう。
胸もそれなりにあるが志村転弧には負けている。可愛そう。
個性は推定『植物操作』。植物から出した香りや触れた際に『種子』を与え、身体の中を侵食するという攻撃方法を繰り出す。かなり凶悪。
子供っぽく、自分のやりたい事思ってることが叶わないと怒り狂う。
どうやら、志村転弧からは既視感があると感じられているが……?