お前のミスでした―――。   作:とっとこ馬鹿野郎ッ!!

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投稿頻度が遅れてしまったッ!面目ねぇ……面目ねぇッ…………!

最近、ちょっとモチベーションがね…………。申し訳ねぇ。
まあ、最初から不定期になるって言ってたしぃ?………許してヒヤシンス。


其れが己の業罪だと云うのなら

対策委員会の皆と一緒に、黒服に教えられた住所まで行ったが………結局そこにもムクロはいなかった。数日見張っていたけど、一向にムクロは姿を見せなかった。

私たちは一度シャーレに集まって、状況を整理することにした。

 

「黒服が嘘をついていたって……ことだよね?」

 

「ううん、違うと思う」

 

黒服はああいう場面で虚言を吐くような奴ではないだろう。あの時の言葉に嘘は無いはず……。

 

「じゃあ、どうしてムクロさんはいないんですか?」

 

「ん、出かけてるとか?」

 

「いいえ、そもそもあの部屋には生活感がありませんでしたし………あそこにムクロさんは住んでないんじゃないでしょうか?」

 

「………結局、収穫なしですか」

 

「でも、ブラックマーケットにいるって線は濃厚なんじゃないかな?」

 

現在、三大校に加えてヴァルキューレもムクロの捜索を行っている。こんな状況でもなお居場所が分からないとなると、無法地帯であるブラックマーケットを拠点にしている可能性は極めて高いだろう。

 

「でも、ムクロさんは自分の意志でシャーレを出たんですよね?……一体、何の目的があってそんなことをしたんでしょう?」

 

アヤネが口を切って提示したのは、敢えて目をそらしていた、誰もが心の中では考えていた疑問であった。

 

黒服の言によると、ムクロは自ら望んでシャーレから去ったという。

誰かに強制された訳じゃないなら、ムクロは何故シャーレから離れることを選んだのか。

考えなかった訳じゃない。でも、もしその答えが……私の心を壊してしまうようなものだったら、そんな恐怖があったから深く考えることを止めていた。

 

「ん、捕まえて直接聞けばいい」

 

「それは……そうなんですが」

 

「今ここで頭を悩ませても、どうせ答えは出ない。だったらムクロを探すことに時間を使うほうが合理的」

 

「うへ、確かにそうだ。……うへ~、シロコちゃんも立派になったねー」

 

うん、シロコの言う通りだ。今は捜索に全力を尽くそう。

そう決意したのはいいものの、黒服のあの言葉が頭から離れなかった。

 

『真の意味で彼を救えるのは、きっと貴女たちだけなのだと………そう思ったのですよ』

 

この言葉からすると、ムクロは助けを必要とするような状況にある。それなのに、何の相談もなく姿をくらました。………もしかしたら、私たちはとんでもないものを見逃しているんじゃないの?

そんな不安が、体に纏わりついて消えることが無かった。

 

 

 

 

__________________

 

「ふんふんふーん♪ 心中は♪ 一人では出来ない~♪」

 

今日もスーパーで買い物を済ませて、アジトに帰る。

この前のイタリアンは、ヘルメット団の皆には大変好評であった。それからは皆、僕に料理を作ってほしいとねだるものだから、こうして毎度料理と買い出しをすることになっている。

今日はハンバーグの予定だ。子供っぽいと思われるかもしれないが、僕はハンバーグが好物なのである。ハンバーグには古い友人との思い出もあって、それなりに思い入れのある食べ物で、得意料理でもあるのだ。

 

そんな料理を振る舞うということもあって、表面上には欠片ほども現れてはいないだろうが、結構テンションが上がっている僕なのであった。

 

「ん?爆発音?」

 

前方からの爆発音。この方向は…………ヘルメット団のアジトと同じだ。背筋がひやりとする。

 

いや、いやいや……キヴォトスじゃ爆発音なんて日常的なもの。気にしすぎだ。

ここはブラックマーケット。ちょっとしたいざこざからの喧嘩なんてしょっちゅうある。

 

そうして自分の心を落ち着けながらも、足どりは早くなっていく。

 

「は…………?」

 

アジトが燃えている。手から力が抜けて、買い物袋を地面に落としてしまう。買ってきた卵が割れて滅茶苦茶になっているのにも気をとめず、ただ呆然と目の前の光景を見つめる。

 

「み、皆は!?」

 

走ってアジトに入っていき―――――その場面に出くわした。

 

あちこちで倒れ込んでいるヘルメット団。息を荒くしながら、片膝をついているラブ。

それを見下ろしている、狐面の彼女。

 

「ワカモ……かい?」

 

「あ……!はい!あなた様のワカモにございます!!」

 

こちらを見るなり、全身で喜びをアピールするワカモ。銃口はラブに向けられたままだった。

 

「良かった!あなた様がシャーレから姿を消したと聞いて、私心配していました!待っていてください、あなた様を連れ去った愚か者たちにはしっかりとお仕置きしますので♡」

 

そう言いながらラブの方に向き直り、ワカモは引き金を――――――――。

 

「やめろッ!!止めて……くれ」

 

ムクロの切羽詰まった制止の声に、ワカモは動きを止めてムクロの方に顔を向ける。

 

「あ、あなた様?わ、私は……ワカモは、そんな顔をさせるつもりでは………」

 

深い悲しいと少しの怒りが混じったような、今までに一度も見たことのないムクロの表情を目撃し、ワカモは動揺した。

 

「結局、僕は何処に行っても……こうなってしまうのか」

 

顔を伏せるムクロ。その表情は、誰にも伺い知れるものでは無かった。しかし、彼が悲しみに包まれていることは、容易に読み取ることが出来る。そんな様子のムクロを見て、ワカモは銃を取り落とす。

 

「あ、ああ………!私は、私は…………!!」

 

「ワカモ、彼女たちは僕の大切な人たちだ。どうか、もうこれ以上傷つけないでおくれ」

 

背を向けて、そう言い放つ。

ぽつ、ぽつ、と地面を水滴が濡らす。空は曇り、これから雨が振り出すことを知らせていた。

 

「おい、ムクロ……待って……ゲホッゴホッ」

 

ラブの声を無視して、ムクロは駆け出した。

雷鳴が響き渡り、雨水がだんだんと地面を湿らせていく。

 

 

 

雨が両肩を濡らす。激しい雨だ。

誰かの足音も、声も、全てが遠のいていくような、そんな錯覚すらさせる。

そんな中を、ひた走る。

そうしていると、世界から自分一人が切り離されたような感覚を覚えた。

 

何時も、そうだ。何時も……僕は一緒にいる誰かを不幸にしてしまう。

きっと、それこそが僕の宿業なんだろう。あの時も、あの時も、そして今日だって………。

 

何度も足を躓かせて、転びそうになって膝をついても、目的地が無くても、今は走っていなければ如何にかなってしまいそうだった。

 

ドン!

 

誰かにぶつかって尻餅をつく。

 

「………う!す、済まない」

 

「あんた…………ムクロ?」

 

顔を上げると、見知った少女の顔があった。

 

「あんた…………まぁ今はいいわ。取り敢えず、私の拠点に来て」

 

そう言って、さしていた傘をこちらに寄せる。

 

「ミサキ…………」

 

「その顔………色々あったんだろうけど、こんな雨の中で話なんて御免だから」

 

ミサキはムクロの手を掴んで立たせ、そのまま手を引いて歩き出す。

 

 

 

 

__________________

 

ムクロが失踪した、なんて話を先生から聞かされて………私はイラついていた。

無責任な男だと思った。とっとと捕まえてやろうと思った。

 

あいつは、私と同じで………少し違う。昔、こんな事を聞いた。

 

『ねぇ、あんたさ……何であんなに頑張って私たちを助けようとしたの?』

 

『え?……助けたかったから、とかじゃダメかい?』

 

『はあ………あんた、そもそも死にたいんでしょ?なのに、どうしてそんなに必死になれるのって聞いてるの』

 

『あれ、僕そんなこと話たっけ?』

 

『………私も死にたいから、なんとなく分かっただけ』

 

『へー』

 

『………あんたは、言わないんだね。死にたいなんて考えるな、とか』

 

『僕が言えることじゃないしね、それ』

 

『ま、それもそうか』

 

『でも…………』

 

『何?』

 

『君はまだ死ぬべきじゃない』

 

『は?何で?あんた、さっきそんなこと自分は言えないとか言ってたじゃない』

 

『ああ……けどね、君と僕じゃあ、少し違うところがある。……君は確かに、世界に絶望していて、生というものに価値を見出せないのだろう。けど、君はまだ自分に失望していない』

 

『自分に………?』

 

『うん……人は自分に希望を持っている限り、生きていられる。未来に可能性を見出せるからね。けれど、自分にまで失望してしまえば、もうお終いさ。そんな人間は最早、生存しているだけの屍だ。骸同然の、生きた死体。そんなものにまで落ちぶれていないのなら、まだ君は生きられる』

 

『……あんたは、自分に失望しているの?』

 

『ああ……とっくの昔に』

 

あいつの時々見せる光の無い目。この世全ての絶望を孕んでいるかのような暗い瞳。

それを知っていたから、その言葉も嘘じゃないんだと分かった。

けど、まだ最初の質問の答えを聞いていない。そう言うと、彼は答えた。

 

『どうせ、この生に意味は無いんだ。だったら少しくらい善行をしたっていいじゃない、なんてそれくらいのものだよ。君たちを助けた理由なんてさ』

 

意味が無いから、全てが虚しいから、全てを諦めるんじゃない。意味が無いからこそ、何かをしてもいいなんて考え、くだらないと思った。思ったはずなのに………何故か、その言葉がずっと胸に残っている。

 

こんな言葉を私に植え付けて、何も言わずに消えるとか……信じられないでしょ。

 

だから、とっとと見つけて文句を言ってやろうとブラックマーケットであいつを探した。

そうして、久しぶりに出会ったあいつは…………昔の暗い瞳の、数倍は酷い目をしていた。

 

そんなあいつの顔を見て、募らせていた怒りを忘れてしまった。自分に失望したとか言いながら、何処か達観しているように見えたあいつが、こんな表情をするなんて思わなかった。正直に言えば、ちょっと面食らった。そして……心配させられた。

 

ずるい男だ、どうやって怒りをぶつけてやろうか考えていたのに………。

 

思えば、こいつが死にたい理由とか聞いた事が無い。せっかくだ、弱っているところにつけこんで根掘り葉掘り聞いてやろうか。そう思うと、胸に溜まったもどかしさが消えていくような感じがした。

 

どういう話が見たいですか?今後の参考にしたいです。

  • 原作ストーリーに介入するムクロ
  • 最終章後のムクロや先生たちの話
  • 幽玄ムクロの過去(キヴォトスに来る前)
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