興味ある人は見てね(催促)
僕はアヤネちゃんにシェルターまで案内してもらった後は、大人しく大将と事態の収拾がつくのを待っていた。あの後、アビドスと便利屋は戦闘になり、アビドスが勝利した後………ゲヘナの風紀委員が乱入してきたらしい。
風紀委員の目的は、便利屋の捕縛………ではなく、先生との接触。規格外の権限を持つシャーレの先生をゲヘナに
そんなこともあったが、風紀委員長がその場に訪れたことで事態は収まった。
そうして今は、念のため大将を病院まで連れていった後である。
先生にはとても心配されたが、(今の)僕は無傷であったので安心してもらえた。
「あ、先生☆ ムクロさんも爆発に巻き込まれたと聞きましたが、大丈夫でしたか?」
「モーマンタイ、この通り無傷さ。服は犠牲になったけどね」
「そうでしたか……良かった。それで、大将は………?」
「そっちも無事だよ。………身体の方はね」
「………では、身体以外には問題が?」
「それはまた後で、みんなが集まった時にね」
「先生がそう言うなら……気になりますけど、我慢します」
その後、僕たちはシロコとホシノが何やら揉めている現場に出くわした。
いや、揉めているというよりは、シロコがホシノに何かを問いただしている、というのが正しいのかもしてない。この時は、ホシノの言い訳で誤魔化されてしまったが、後々聞き出したほうがいいかもしれないね。
それにしても……気まずい空気だねぇ。
…………一発芸でもして空気を紛らわした方がいいだろうか?
「先輩たち、大変!! これ見て!」
「アビドス自治区の関係書類を持ってきました!」
「………あれ、何この空気?」
「何でもないヨ」
「そ、そうですか?」
二人が持ってきた書類、そこに記されていたのは――――――アビドスの土地の殆どが、カイザーの所有物になっているという事実であった。
柴大将にも、随分前から退去命令が出ていたらしい。病院にて大将は、この機会に店をたたもうと思っていると話していた。大将の話から、ようやくこの事実が明らかになったのである。
そして、所有権が渡っていないのは、今本館として使っているアビドスの校舎とその周囲の一部の土地のみ。このことから推察するに――――――――。
カイザーの狙いは、アビドスの土地か。理不尽な利息の借金も、度重なる襲撃も、恐らくはアビドスの生徒たちを追い出すため。そうすれば、アビドスの全ての土地が手に入るから。だが、アビドスの土地を手に入れて何をする? そこまでの労力と時間、金銭をつぎ込んでまで手に入れる価値があるのか?
アビドスの生徒たちも、この事実に辿り着いた。
「ちょっと耳に入れたいことがあるんだけど―――――――」
先生が話し出す。
『アビドスの捨てられた砂漠、そこでカイザーコーポレーションが何かを企んでいる』
という情報を、ゲヘナの風紀委員長から教えられたという。
「そ、そんなことをゲヘナの風紀委員長が…………?」
「それに、どうして先生に?」
「ああもう! そんなことを考えるより、先にやることがあるでしょ! アビドスの砂漠はうちの自治区なんだから! 実際に行ってみればいいじゃん!」
セリカの一言で、実際に行ってみることに決まった。
それぞれが、砂漠に向かう準備を進める中………シロコが相談したいことがあると、先生を呼び止めた。
「相談したいこと?」
「ん、ついでにムクロも聞いて」
「僕はついでかい?」
「ん……他意はない」
相談……か。十中八九、ホシノのことだろうね。
そうムクロは予想する。――――――そして、その予想は的中した。
「……これ。ホシノ先輩のバッグの中から見つけたの」
そう言って差し出したのは………対策委員会の退会・退部届であった。
「二人以外には、誰にも言ってない。でも…………そもそもバッグを漁ったこと自体、ホシノ先輩にはバレてる気がする」
わお、無断でバッグを漁ったのか。まぁ、そのことは置いておいて………これは、まずそうだね。
とりあえず、ホシノに事情を聞くのは先生に任せるとしよう。なんだか僕は警戒されてそうだしね。詳しい事情は、後で先生から聞くとしよう。今は、僕にも色々と準備があるしね。
そうして、アビドス砂漠に行った僕たちが見たのは――――――カイザーPMCの基地であった。
そこには、アビドスを潰すにはあまりにも過剰なほどの戦力。
そして、カイザーコーポレーションの理事。彼曰く、アビドスの土地を購入したのは、アビドスに眠る
また、結果的にアビドスの借金の金利を3000%に上昇させられた。さらに、一週間以内に三億を預託するように要求してきた。
完敗……と言ったところだね。まぁ、何も収穫が無かった訳ではないけれど。
その後、対策委員会は失意の中で校舎に戻ってきた。
アビドスのために、今後どのように動くか。それを話し合ったものの、今の冷静さをかいた頭では良い案でるはずもなく………一度、解散することとなった。
この追い詰められた状況…………ホシノは危ういところがあるし、最悪の状況も想定しておかないといけないかもね。まぁ、先生がなんとかしてくれることに期待しよう。
ま、人生そう都合よくいく訳も無いんだけどね――――――――。
翌日、対策委員会がいつも集まっていた部屋には、ホシノの退部届が置かれていた。
そこには、対策委員会に向けられたメッセージも残されていた。
また、以外にも僕へのメッセージもあった。
正直に言うと、ムクロのことは最初は先生以上に信じてなかった。というか、怪しい奴だと思ってた。今も、正直怪しいとは思ってるけど、それと同時にとても優しいってことも分かってる。ムクロもさ、先生と一緒にアビドスの皆を支えてほしいんだ。厚かましいお願いだってことは分かってる。でも、ムクロならきっとうまくやってくれると思うからさ。お願いね。
全く、ふざけた話だ。君のほうが、よっぽど上手くやれるだろうに。
いや、そもそも上手くやれるかどうかなんてことは関係ないんだ。ホシノの100倍優秀な生徒がいたとしても、それがホシノの代わりになれるなんてことはない。
対策委員会には、ホシノが必要だ。彼女は、彼女だけが、それを理解していない。
先生の話によると、ホシノは前々から黒服という人物から勧誘を受けていたという。
なるほど、合点がいった。黒服さんのやりそうな手だね。
恐らく、カイザーと黒服さんは協力関係にある。カイザーはアビドス生徒会をどうにかするため、黒服さんは小鳥遊ホシノという最上の素材を手に入れるため。それぞれの目的のために協力していたんだろう。
そして、アビドスから最後の生徒会メンバーが消えた今、カイザーが取る手段は――――――。
ドカアァァァァン!!!
ま、そうだろうね。
「うわぁ!?」
「爆発音………!?」
「近いです。場所は………そんな!?」
アビドスに侵攻する、カイザーPMCの兵隊たち。
その目的は………アビドス高等学校の占拠だろう。
彼らは市街地を無差別に攻撃しながら、こちらに迫って来る。
対策委員会は、アビドスに侵入してきた兵士を退け、住民の避難を促しながらカイザーPMCと戦闘を行う。この戦闘で、僕に出来ることは殆どないだろう。なら、今やるべきは――――――――。
「もしもし、黒服さん?………取引をしよう。小鳥遊ホシノから手を引いてくれ。代わりに、今までは拒否してきた解剖の実験とかにも協力する。…………うん、分かった。また今度」
ここまで想定内なんだろうね、あの悪党め。
小鳥遊ホシノを実験に使えても良し、僕を実験に使えても良しって感じだったんだろう。
はーー……流石に解剖とか投薬とかは勘弁願いたかったけど、仕方ない。
こうなったからには、僕の不死という唯一無二の特性を生かして、絞り取れるだけ絞り取ってやろう。それで借金の方も、幾分かマシになるだろうしね。
ムクロ、特大ブーメランの回!!
お前、それ未来の自分にも言ってやれよ。
どういう話が見たいですか?今後の参考にしたいです。
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原作ストーリーに介入するムクロ
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最終章後のムクロや先生たちの話
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幽玄ムクロの過去(キヴォトスに来る前)