長かった。
4,5話程度で終わるはずが、妄想と書きたいという思いで伸びに伸びこの話を含めて16話になってしまいました。
読んでくれた方々誠にありがとうございます。
side 影村 飛鳥
初めての契約から数週間経ち、その後もビラ配りや契約を取ったりと忙しい日々を送っていた。
そんな日々を送るなかある日の放課後、俺は部室で朱乃と二人っきりで紅茶を飲んで過ごしていた。
「朱乃の淹れる紅茶やっぱ美味いな♪」
「お口にあって良かったですわ♪」
「朱乃が…」
『朱乃が作るものならなんでも口に合うよ。』
と言おうとしたが言い終わる前に、
バタン‼︎
部室のドアが勢いよく開きリアスが入ってきた。
リアス‼︎もう少し遅れてこいよ‼︎
心の中で俺はリアスに文句を言ながら怒っていた。
二人っきりの時間を終わらせたうえに、折角恥ずかしさを押し殺して言おうとしたのに…
そんなことを思っているとリアスがこちらを見て、
「飛鳥、今日はビラ配りはいいわ」
「え?」
「その代わり今日は使い魔を手に入れに行くわよ♪」
「使い魔?」
「そう、使い魔よ。貴方も悪魔の仕事が板についてきたから、貴方にも使い魔を持たせようと思って準備したのよ」
「あ、ありがとう」
使い魔については以前リアスから聞いた。
それを手に入れに行く、そう考えると俺は先ほどの怒りを忘れワクワクしてきた。
『自分にも使い魔が…どんなのがいいかな?やっぱ強い奴?それともかっこいい奴?』
どんな使い魔を手に入れるか楽しく考えながら、あることに気づき二人に聞いた。
「リアスと朱乃はどんな使い魔なの?」
使い魔の話は聞いたが今まで二人の使い魔を見たことが無かった。
「ああ…そういえば見せてなかったわね。私の使い魔はこれよ」
リアスは右手を上げて開くと、
ボン
手の上にコウモリが出てきた。
「へぇ〜。リアスの使い魔はコウモリなんだ」
「ええ、そうよ。それにこの子は…」
リアスが使い魔の方を見ると、
ボン
コウモリは人間の女の子の姿に変わった。
「おお!スゲェ‼︎」
「こうやって姿を変えて商店街でビラ配りしてるのよ♪」
「私のは…」
朱乃は左手を床の方に向けると、小さい魔法陣が現れ中から、
「小鬼?」
可愛らしい小鬼が出てきた。
「ええ♪それに…」
再び魔法陣が現れ、小鬼が3匹出てきた。
「一体だけじゃないんだ?」
「はい。私の使い魔は群れですの」
「へぇ〜使い魔って色々な種類がいるんだな」
「ええ。使い魔には多くの種類がいて自分に合ったものを手に入れる必要があるのよ」
「自分に合ったものね…俺にはどんなのが合うんだか?」
「分からないわ…けどあの人に会えば多分合うのを見つけてくれるわ♪」
「あの人?」
「行ってみれば分かるわ…けど夜まで待たないといないから夜になるまで待つわよ」
「え?夜まで待つの?」
「ええ。満月の夜にならないと会えないから」
「そうなの?」
朱乃の方を見て聞くと、
「はい♪だからそれまでこれでも食べて待っていましょう♪」
朱乃は答えながら手作りであろうサンドイッチを出した。
「おお!これ朱乃の手作り?」
「そうですわ♪お口に合えばいいんですけど…」
タイミングが来た‼︎
俺はそう思いさっき言えなかったことを言おうとしたが、
「朱乃の「朱乃の料理はどれも美味しいから口に合わない訳がないじゃない♪」
リアスが被ってきた…
「本当ですの?」
朱乃は不安そうな顔でこちらを見ている。
「あ、ああ♪スゲェー美味しいよ♪」
俺は笑顔で朱乃に答えたが心の中では、
リアス‼︎テメエいい加減にしろよ‼︎
怒り心頭中だった。
その後サンドイッチを食べ、三人で色々な会話をしながら時間を潰した。
リアスに対しての怒りは消えはしなかったが、
俺の勇気が足りなかったからだよな…
そう思い少なくなっていった。
夜になり、
「それでは行きますわよ♪」
朱乃は魔法陣を出した。
「了解」
全員が魔法陣に入り転移を始めた。
「…………ここは?」
転移が終わり周りを見るとそこは薄気味悪い森の中だった。
「使い魔の生息する森ですわ♪」
「私達もここで使い魔を手に入れたのよ」
「へぇ〜。確かにこの森が放つ異様な雰囲気なら出てきてもおかしくないわな。」
「ゲットだぜい‼︎」
急に男の声が聞こえ、聞こえた方を見ると、
某モンスターを捕まえるアニメの主人公と服装が似ている(ズボンは敵マスターに出てくる短パン)ジジイがいた。
「え?」
あまりの光景に呆然としているが、
「俺は使い魔マスターのザトゥージだぜい‼︎う〜ん今宵はいい満月だ…使い魔ゲットには最高だぜい‼︎俺にかかればどんな使い魔も即日ゲットだぜい‼︎」
ジジイは両手で『G』を作りドヤ顔だ。
「…あ、あの人は?」
「彼はザトゥージ。使い魔に関してはプロフェッショナルですのよ♪」
「は、はぁー」
俺の質問に朱乃が答えてくれたが、
あのジジイ…頭大丈夫か?
俺はそんなことを思っていた。
「さあ‼︎どんな使い魔がご所望だぜい?強いの?速いの?それとも毒持ちとか?」
ジジイことザトゥージは勝手に話を進め、使い魔について聞いてきた。
「…………え、えっと…取り敢えず自分に合うので…………」
俺は呆然としていたがザトゥージの言葉で戻り、当たり障りのない内容を言った。
「へぇ〜坊主分かってるじゃないか…使い魔ってのは有用で強いのを捕まえてナンボ‼︎つまり個体の能力を把握してかつ自分の能力を補うのが必要なんだぜ‼︎お前さんはそこを理解してると見た‼︎いいのを紹介してやるぜい‼︎」
何故か…ザトゥージに気に入られた。
「良かったわ♪それじぁあお願いね♪」
リアスは笑顔でザトゥージに言うと、
「おう‼︎任せとけ‼︎」
ザトゥージは元気よく答えた。
「おいおい…あのザトゥージっていうジジイ大丈夫なのかよ?」
リアスに近づき耳元で小声で言うと、
「頭はともかく腕は確かだから安心して♪それに気に入れられるなんて男じゃ珍しいわよ♪」
「あのジジイ…女に弱いのかよ……あんなジジイに気に入れられる気無かったんだけど……」
「あらあら♪いいじゃないんですの?いいのを捕まえてくださるかもよ?」
朱乃が会話を聞き言ってきた。
「は、はぁ。」
俺がやる気のない返事で答えると、
「おい‼︎オマエら行くぜい‼︎」
ザトゥージは俺らを先導して移動を始めた。
「まずはここだぜい‼︎」
移動を始めてすぐ湖についた。
「この湖には水を司るウンディーネが生息してるんだぜい‼︎」
「ウンディーネ…………」
俺は頭の中でウンディーネを想像した。
『ウンディーネてゲームとかだと女で高貴なイメージがあるんだけど…実際はどんなんなんだか…………』
ゲームとは違い実物のウンディーネが見れる。
そのことに期待を膨らましていた。
「あら?湖が!」
朱乃が湖を指差しながら言うと、湖は光だし何かが出てきた。
お!ウンディーネの登場か‼︎
期待は絶好調に達し、光の中心を凝視した。
光の中から人が出てくる…
「うん?」
俺は出てきた人の後ろ姿を見て不安になった。
『何?あの筋肉質な体型?………もしかして…………?』
そう考えていると光の中から出てきた人はこちらを振り返り、
「フゥガァァァァァ‼︎」
室○広○ばりに叫びこちらを見た。
「……………………」
絶句した。
「あれが水の精霊ウンディーネだぜい。しかも戦闘が得意というレア度が高い使い魔だぜい‼︎」
「イヤイヤ⁉︎あんな世紀末過ぎるの嫌だから‼︎」
ザトゥージがドヤ顔で説明するが俺は全力で拒否をした。
「そうか?なら…おお!あれなんかどうだぜい?」
ザトゥージは空を指差し、
「あれはかなりレアだぜい‼︎」
「え?」
俺は指差した方を見た。
「あれは魔力も最強クラスで強さも保証するぜい‼︎」
空には黒い球体の一つ目のデカイ化け物がいた。
「あれはバックベアードって言う…」
「却下‼︎」
「‼︎どうしてだぜい⁉︎」
「不気味‼︎それにあれ西洋妖怪の総大将でしょ⁉︎使い魔にしたら俺が殺されるわ‼︎」
「ワガママな奴だな…なら…あれなんか…」
「却下‼︎」
ザトゥージが指差した先には、青いヒゲを眉毛に持つ可愛らしい生物がいた。
「どうしてだぜい⁉︎あんなレア滅多にお目にかかれないんだぜい⁉︎」
「なりは可愛いけどあれ背中にチャックついてるし中に2匹いる奴だよね‼︎」
「お?詳しいじゃねえか!あいつの名はメソ…」
「やめて⁉︎それ以上言わないで‼︎」
「ダメなのか?今捕まえたらセットでボナン○が付いてくるだが…」
「更に要らないわ‼︎その玩具‼︎」
その後もザトゥージ曰く、レアな使い魔を紹介されるのだが見た目、能力など特殊過ぎるのばかりで却下しまくった。
「ワガママな奴だぜい‼︎こんなに紹介したのに全部嫌がるなんてよお‼︎」
「当たり前だろ‼︎まともなの一匹もいねえんだから‼︎」
「何⁉︎レア度が高いのを中心に勧めたのにか⁉︎」
「それ全てがまともじゃなかっただろう⁉︎最終的には種から生まれる使い魔?見た目気持ち悪すぎだわ‼︎それに自爆するとかありえないわ‼︎」
最後に出会った使い魔は種から生まれる使い魔なのだが、エイリアンの様で気持ち悪く、更に俺を敵とみなしたのか襲ってきた。強くはなかったのですぐ片付くと思っていたが、最後の一匹が俺に抱きつき自爆した。
自爆後、死にかけたがリアスや朱乃の魔法でなんとか一命を取り留め現在に至る。
「何が気に食わないんだぜい?」
「全てだよ‼︎自分に合うどころか敵とみなされるなんてありえないだろまったく!」
俺はザトゥージに愚痴を言いながら近くにあった岩に腰を掛けタバコを吸い始めた。
「飛鳥さんそんなに苛立たないでください。ザトゥージさんも頑張ってくださっているんですからね。」
「そうだけどよ〜」
「次はきっと貴方に合う使い魔のはずですわ♪だから…頑張りましょ?」
朱乃のは俺の顔の目の前まで顔を近づけ言った。
「あ、ああ…」
朱乃の顔が目の前にある。
俺はドキドキして顔が赤くなった。
朱乃にその顔を隠すためにタバコの煙を吐きながら上を向いた。
「…………?」
俺が上を向いた時、真上にある木の枝の中で何かが光った。
少し顔の位置を変え確認すると光ったり消えたりした。
頭の位置を一定にすると光は消えなかった。
『ということは…あそこに何かが引っかかってる…てことだよな…………』
「どうしましたの?」
朱乃は俺の行動を見て聞くが、
「…朱乃離れろ」
答える前に朱乃を木から離す。
「?」
朱乃は疑問に思いながらも木から離れ、俺はそれを確認した後、
「フッ‼︎」
ドゴン‼︎
木を右足で思いっきり蹴った。
「「キャッ‼︎」」
「うお⁉︎」
俺の突然な行動にみんな驚くが、俺は上を見て光っているものを見ていた。
すると、
ポトン
光っていたものは落ちてきて俺は両手でキャッチした。
落ちてきたものを見てみると、
「…卵?」
落ちてきたのはうっすら黄金色に光る卵だった。
「急にどうしたのよ⁉︎」
リアスは怒りながら聞いてきた。
「え?」
「『え?』じゃないわよ!急に木を蹴るんだから驚いたじゃない⁉︎」
「わりーわりー。上で何か光ってたからさ。蹴ったら落ちるかと思って蹴ったんだよ。そしたら…」
俺は言いながら落ちてきた卵を見せた。
「卵?」
「卵ですわね…」
まんま鳥の卵と変わらない卵。二人とも興味無い顔で言うが、
「こ、これは⁉︎」
ザトゥージだけは全く違う反応をし驚いていた。
「ザトゥージ?」
「オマエこれは超レア中のレアだぜい‼︎」
ザトゥージは急に卵に近づきながら言いまじまじと見ている。
「これが?俺には普通の卵にしか…」
「バッカ野郎‼︎」
言い終わる前にザトゥージに怒られた。
「これは霊界獣の卵だぜい‼︎」
「霊界獣?」
「…俺も初めて見たぜい…………」
「そんなにすごいのこれ?」
ポイ
俺は卵を手に持ち上に投げ遊びながら言うと、
「バッカ野郎‼︎丁重に扱え‼︎」
再びザトゥージに怒られた。
「これはな…さっきも言ったがこいつは霊界獣の卵だぜい。霊界獣ってのはドラゴンの上位クラスに匹敵するほどのウルトラレアなんだぜい‼︎」
「そんなにすごいんだこいつ」
「ああ。生態・生息地などその殆どが不明。分かっていることは卵で生まれることだけだぜい!俺も祖父の話でしか聞いたことないが…話が合っていればこれはその卵だぜい‼︎」
「?…これを使い魔にした人いないの?」
「俺は聞いたこないぜい。話によると主の心によって生まれるのが左右されるらしいぜい」
「左右されるってどういうことですの?」
朱乃が聞くと、
「どうやら…主の心が悪ければ邪悪なモノが産まれ、産まれた瞬間に主を喰うらしいぜい」
「お、おい!大丈夫なのかよこれ⁉︎」
話を聞き俺は不安になりザトゥージに言うが、
「大丈夫でしょ♪」
「大丈夫だと思いますわ♪」
リアスと朱乃が自信満々に答えた。
「え?」
「だって…貴方悪い心ないじゃない」
「ええ♪喧嘩はしますけど自分から喧嘩をすることはないですし、それに、子猫や子どもを助けたりとしているから悪い心の持ち主だとは思えませんわ♪」
「あ、ありがとう…」
二人に言われたことが恥ずかしくて、俺は顔を赤くしながらお礼を言った。
「どうするだぜい?見つけたのはおまえさんだから主になるならないは自由だぜい。」
俺は少し考え、
「俺…こいつを使い魔にするよ。どんなのが生まれるのか少し楽しみだし、それに…二人のお墨付きも頂いたから♪」
二人に向かって笑いながら言った。
二人がああ言ってくれるなら、邪悪な使い魔は産まれない気がする。
そう思い、俺はこの卵を持って帰って産まれるのを待った。
どんなのが産まれるのだろう?
カッコイイの?
それとも強いのかな?
三人とも期待を膨らませ楽しく待っていた。
数ヶ月後卵はすごい光を放ち使い魔が産まれるのだが、まだこの時俺を含めた三人はあんな使い魔が産まれるとは思ってもいなかった。
次話から原作突入です。
面白く書けるよう努力していきますのでこれからもよろしくお願いします。