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side 影村 飛鳥
兵藤をエクソシストから助けた翌日。
俺は昼休みが終わってからいつもの林の中でタバコを吸いながら考えごとをしていた。
「兵藤のヤツ…どうしてるんだか…」
昨日兵藤を助けることは出来たが、エクソシスト『フリード』と一緒にいたシスター『アーシア・アルジェント』を兵藤は一緒に連れて行きたかっがそれは叶わなかった。
兵藤は転移する時まで助けたいと願い自分の傷を気にせず俺の上で暴れ回った。
俺は兵藤を止めるため殴ろうとしたが、
アーシアの顔を見て止まった。
敵である存在の俺達に彼女は優しい笑顔で、
「イッセーさんお元気で…また…何処かで…」
言ったのだ。
今まで会ってきた教会側の人間は自分達以外のものを見下し、神を信じないものを断罪しているヤツばかりだったが、
彼女は自分の身よりも兵藤のことを最後まで心配していた。
俺は彼女の表情、覚悟を見て兵藤を殴るを止めた。
アーシアは…フリードや堕天使から離すべきだ!
俺はそう思っていたがリアスから、
「彼女は堕天使の下僕。助けることは許さないわ」
言われ助けに行くことはできずにいた。
リアスは俺の主人。
主人の命令を逆らう訳にはいけない。
命を助けてもらった恩がある、それに俺が単独で動けば仲間に迷惑がかかる。
俺は悩んでいたが、
兵藤はリアスの言葉を聞いて何かを覚悟するのと同時に何かを悟っていた。
翌日。
兵藤のことが心配になり兵藤のクラスに行くが、
兵藤は休んでいるらしくクラスにはいなかった。
やっぱり…アイツ…
昨日の一件で落ち込んでるか…
助けに行くよな…
俺はそれ以降ずっと兵藤とアーシアのことを考えて今に至っている。
「どうすれば助けに行く口実が出来るか…」
後輩が危険なところに行くのを分かっているのに、ただ見ているだけ…
それだけはしたくない!
一緒に行って助けてやりたい‼︎
俺はそう考えどうにかしてリアスや朱乃、後輩達に迷惑が掛からない方法を考えるが…
全く出てこねえ〜!
出てこなかった。
俺は彼女との接点が全くない。
堕天使やエクソシストを倒すために行くとしてもそれにはリアスの許可がいる。
黙って言ったら朱乃が心配するし、仲間達も心配をする。
どう考えても迷惑がかかる。
俺は諦めようとしたが、
アーシアのあの顔…
最後まで自分のことよりも相手のことを思うあの姿。
あんな優しい子を見捨てるのか…
あんなか弱い彼女を俺は見捨てるのか…
助けなきゃダメだ‼︎
俺はそう思い動こうとするが、
再び仲間達の顔が浮かび止まってしまった。
「どうすればいいんだよ‼︎」
上を向いて叫びながら、
ドゴ‼︎
行動を起こせない自分に対して怒り、木に向かって本気で頭突きをかました。
「チキショォォォォ‼︎」
ドゴ‼︎ドゴ‼︎ドゴ‼︎
何度も木に頭突きをし額から血が流れ始めても、
ドゴ‼︎ドゴ‼︎ドゴ‼︎
止まらなかったが…
「それ以上やると骨が折れますよ」
急に声をかけられて止まった。
「ハァハァ…」
俺は息を上げながら声をかけられた方を見ると、
「気が済みましたか?」
そこにはソーナと、
「あ、飛鳥さん!」
俺の姿を見て慌てながら近づいてくる椿姫がいた。
「何しに…来たんだ…」
俺は二人に聞いたが、まだ、自分を許すことができず苛立っていたため、いつもとは違い低い声で聞いた。
「貴方に話があったのでここに来ました。ですけど…今は話より貴方の治療が先ね」
「そうです!早くここに座ってください!」
二人は俺を治療しようとするが、
「いい…」
俺は断った。
こんなんじゃまだ…足りない。
俺は仲間のせいにして今にも消えそうな命を見殺しにしようとしている自分に対して踏ん切りをつけるにはまだ…足りない!
俺は…………………
兵藤をアーシアを助け…
再び木に向かって頭突きをしようとしたが、
「これから貴方に仕事を頼みたいのに万全な状態じゃないと困ります」
ソーナの言葉に、
ピタ
木にあたる前に頭突きを止めた。
「仕事…?悪いけど…」
今の状態じゃあマトモに仕事は出来ない。
そもそもする気すら無かった。
俺は断ろうとしたが、
「仕事内容はこの町にいる堕天使に協力する人間、『Dr.イチガキ』とその堕天使の討伐です」
「…………‼︎」
その名前を聞いて俺は言葉が止まった。
「お姉様のところにDr.イチガキと協力者の話が入りまして」
ソーナは俺の方に歩きながら話を進める。
「協力者はレイナーレとその幹部達という事だけ」
俺に近づきなからソーナはポケットに手を入れ、
「レイナーレは貴方達と関係があるはず、私達が手を出したらリアスが怒ります」
ハンカチを出し俺の額にあて、
「だからこの件はDr.イチガキと堕天使の討伐ということで貴方にお願いします」
俺の血を拭いた。
「因みにこの件はお姉様からサーゼクス様に行くようになっているので直ぐにもそちらに討伐の指令が行きます」
口実が出来た…と言うより口実を作ってくれた。
「ソ、ソーナ…」
口実を作ってくれたソーナに礼を言おうとしたが、
「その前に治療が優先です。椿姫」
「はい。飛鳥さんここに座ってください」
ソーナは礼を言わせる前に椿姫に言った。
「ああ…分かった」
俺は椿姫の前に座り椿姫は治療を始めた。
「礼をしたいならDr.イチガキを討伐してください」
治療を受けている俺に向けソーナは言い、
「ああ。任せろ!」
俺はソーナに笑顔で答えた。
治療を終え旧校舎に向かい、部室のドアを開けようとすると、
パン!
中から乾いた音が聞こえ、
「ダメなものはダメよ。彼女のことは忘れなさい」
リアスの声が聞こえた。
何があったんだ?
俺は部室に入り中で起こったことを確認しようとしたが、
「なら…俺をその眷属から外してください」
確認する前に兵藤の言葉を聞いて俺は止まった。
何言ってるんだ⁉︎
俺は心の中で驚きながら兵藤を見ると、兵藤は何か覚悟を決めた表情をしていた。
行く気なんだな…
その表情を見てすぐに分かった。
兵藤は今からアーシアを助けに行こうとしていることを。
俺達が止めたとしてもアイツは間違いなく行くことを。
俺は兵藤の決意や覚悟を見て、
『行かせてやれよ』
リアスに言おうとしたが、
ガチャ
部室のドアが開き俺はその音に反応してしまい言うのを止めた。
開いたドアからは朱乃が入ってきて、俺に声をかけてきた。
「飛鳥さん…先程大公から…」
「討伐の話か?」
朱乃が言い終わる前に俺は答えた。
「⁉︎…どうしてそれを?」
朱乃は俺の言葉に一瞬驚いた表情をするが、直ぐにいつもの表情に戻し聞いてきた。
「依頼主から聞いた」
「……そうですか。口実が出来ましたわね」
朱乃は俺の答えで全てを理解したようだ。
「分かってたんだ…」
「ええ。飛鳥さんのことですから…助けに行きたいというのは分かっていましたわ。それに…貴方がそれに悩んでいたことも」
朱乃は少し落ち込みながら言った。
「…………悪いな心配をかけて」
「謝る必要はないですわ。勝手に一人で行くよりはいいですわ」
朱乃に俺は謝るが朱乃は笑顔で俺に言い、リアスの所に歩いて行った。
朱乃も口実を作ろうと色々としていたのだろう…
ありがとう…
俺は朱乃を見ながら心の中で礼を言った。
そして、朱乃は討伐の件をリアスに言いリアスは兵藤との話を打ち切り俺の近くに来て、
「堕天使達は今どこにいるか分かる?」
小声で聞いいてきた。
「堕天使は教会裏の近くの森に3匹いるみたいだ。だけど…その中にレイナーレはいない。レイナーレは多分…」
俺は邪眼を出しリアスに言うと、
「教会ね…」
リアスは言い終わる前に答えた。
「なら…貴方をを含めた私達三人で教会裏の堕天使を…」
リアスはこれからの行動に着いて話し始めたが、
「悪いが俺はアイツに同行するよ」
俺は兵藤の方を横目で見ながら言った。
「理由は?」
「アイツに力の説明と標的が教会にいるから」
「標的?」
リアスは不思議がりながら聞いてきた。
当たり前だ。
堕天使全体が俺達の標的なのに俺は堕天使以外のことを言っているからだ。
「俺の標的は一人…Dr.イチガキだけだ」
標的はDr.イチガキ。
俺はあの研究所で死んだ人達に誓った。
アイツを殺すことを。
「…分かったわ」
リアスは俺の言葉に納得し、
「気をつけてくださいね…」
朱乃は俺の心配をした。
「ああ…任せろ」
俺は二人に余裕な笑みを見せて答えた。
「そうだ…貴方にこれを渡しとくわ」
リアスは俺に大きめの封筒を渡した。
「これは?」
「Dr.イチガキがしていた研究の内容よ」
俺はそれを聞いて中を確認すると、
「⁉︎」
アイツが研究していたのは、
『人工悪魔の製作』
内容は言葉のまんまだが、研究で使用した人や悪魔の数、研究結果を写した写真はどれも反吐がでるものだった。
「ありがとう」
リアスに礼を言うと、
「そいつはクズだわ。命令よそいつを消し飛ばしなさい」
リアスは殺意を帯びた目で俺に言った。
「O.K.ボス」
俺は親指を上げて答えた。
その後、二人は魔法陣で転移したが、
リアスは直前、
「いいこと。プロモーションを使っても堕天使は駒一つで勝てるほど甘くないわ」
兵藤に言っていった。
素直に言えばいいのに…。
リアスは始めから兵藤を助けに行かせることを許すつもりだったのに、回りくどい言い方をした。更に今ので祐斗と子猫ちゃんの同行まで許していった。
心配してんだな。
俺はリアスの本当の真意を思っていると、
「そのくらい…分かってますよ!」
兵藤は真剣な顔で歩き始めた。
「行くのかい?」
祐斗は兵藤に聞いた。
「止めても無駄だかならな」
「殺されるよ?」
祐斗は兵藤に言うが、
「たとえ死んでも…アーシアだけは助ける」
兵藤は臆することなく答えた。
いい顔だ…
負ける要素は無いな…
兵藤は覚悟を決めた。
なら…後はアイツに見本を見せてポーンの戦い方を教えてやるだけだな…
俺は腕を組みながらドアの近くの壁に背を置き考えていると、
「僕も行くよ」
「二人だけでは不安です」
祐斗と子猫ちゃんは兵藤に一緒に行くと言い、
「先輩はどうしますか?」
祐斗は答えが分かっているのに俺に聞いてきた。
「行くに決まってんだろ」
俺は祐斗に答えて、
俺は鞄を下ろして中にメガネを入れ、中からワックスを取り出し髪をオールバックにした。
「影村先輩…あ…」
兵藤は俺に礼を言おうとしたが、
「礼はいい。俺達は仲間だ気にするなよ」
俺は言い終わる前に言い、
「もし言うとしたら、アーシアを助けた後に言え」
パーカーを腕捲くしながら言った。
「は、はい!」
兵藤は俺の言葉に大きな声で答えた。
「んじゃ…行くぞ!」
「「「はい」」」
俺達はアーシア救出作戦を開始した。
レイナーレ戦突入しますとか言っておきながら出来ませんでした。
誠に申し訳無いです。
次回は確実に突入します。