大切なもの   作:フューチュラ

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読んでくれている方々、本当にありがとうござい。

今後も続けられるように頑張ります。


初めての…………

side 姫島 朱乃

 

『はぐれ悪魔』

 

転生により下級悪魔になったが、その強力な力に溺れて主を殺し、お尋ね者になったもの。

 

 

たまにいるぐらいで、今回のは偶々リアスが治める領土に入ってきたらしい。

 

「何という悪魔ですの?」

私は詳細な内容を聞いた。

 

「名前は『剛鬼』と言うらしいわ。力に溺れた後、主を殺し宝玉を奪って逃走。人間の味を覚え、その後魂が好物になり、今は、子どもの魂を好んで食べるらしいわ」

 

「最低ですわね…」

 

「それで今回は、剛鬼の討伐と宝玉の回収の依頼よ」

 

「宝玉というのは?」

 

「秘宝『餓鬼玉』だそうよ」

 

「が、餓鬼玉⁉︎あれは消滅したはずですわ⁉︎」

 

「剛鬼が殺した主が秘密裏に持ってたそうよ…」

 

 

『餓鬼玉』

 

大昔、魂のみを吸い出す殺戮兵器として作られたが、効力があるのが子どもだけという、最悪な物のため、悪魔たちによって消滅させた。

 

「その主の親が、消滅させる際に偽物とすり替えたらしいの」

 

「大公はなんと?」

 

「剛鬼自体は弱い、だから、宝玉の回収は楽だそうだわ」

 

「…………分かりましたわ」

 

リアスは立ち上がり魔法陣を作り、

 

「相手が弱いなら簡単な討伐だわ。チャッチャッと終わらせましょう」

魔法陣に入り転移の準備をする。

 

「分かりましたわ」

リアスに続き、魔法陣に入り転移し始める。

 

『明日は何を聴こうかしら?』

 

私は転送される中、影村さんと明日も会ってどんな話をするか考えていた。

 

 

 

明日も彼と話せる。

 

彼について色々聞こう。

 

明日も楽しみだな。

 

そんなことを考えていたが、まさか、明日話すことが悪魔についてでなんて知る由もなかった。

 

 

side out

 

 

side 影村 飛鳥

 

『姫島朱乃さんか…やっぱ綺麗な人だな〜』

 

放課後になり家に帰っている中で、俺は今日会った彼女のことを思い出していた。

 

『それに…初めて同級生の子の名前を聞いたよ…』

 

今まで他の子と話したことがない俺は泣いていた…

 

「ママ〜あの人泣いてるよ〜」

 

「ダメよ見ちゃ‼︎あの人○○○○だから‼︎」

 

親子に指を指され酷いことを言われた。

 

…………なんか前にもあったよな?

 

そんなことを思い出して、恥ずかしくなり顔を手で覆い顔を隠し、その場から離れる。

 

 

そして、昨日喧嘩があった高架下の道に入る。

 

『また彼奴らいるのかな?』

昨日のことを思い出し、道を変えるか考えたが家に帰るにはここを通るのが一番速い。

それに、アレだけ言ったからいる可能性は低いだろう。

そう考えて、そのまま行くことにした。

 

 

高架下に入り少し歩くと、目の前に人影があった。

 

人影は片腕を上に上げ何かを持っている。

 

『変な持ち方してるな?』

 

持っているものを肩にかけるわけでもなく、持ち上げているだけだった。

 

人影と距離が近づき、全体が見えてきた。

 

『な⁉︎』

 

人影は俺よりも少し大きく、身体もかなり筋肉質な男だった。

 

そして、男の腕の先にはランドセルを背負った小さな女の子がいた。

 

女の子は、男の手を掴み暴れている。

 

男はポケットから何かを取り出し、女の子の顔の前に近づけ、

 

「生きのいい魂だな」

 

手にしている玉だった。

玉が光ると女の子は、気を失ったのかカクンと、まるで糸が切れた人形のように急に動かなくなった。

 

俺は唖然としてその状況を見ているだけだったが、女の子が動かなくなったのを見て、

 

『ヤバイ‼︎助けねえと絶対ヤバイ‼︎』

 

思うのと同時に身体は動き男に殴りかかった。

 

「ウォォラッ‼︎」

男の顔に向かって全力の右ストレートをかます。

 

「ガッ‼︎」

男は突然の衝撃に耐え切れず吹っ飛ぶ、それと同時に子どもから手が離れ、子どもが宙に浮いた。

 

「おっと!君、大丈夫か⁉︎」

子どもが地面に落ちる直前に抱き抱え、声をかける。

 

「…………」

だが、子どもからの返答はなく、生気すら感じられなかった。

 

『どうしてだ⁉︎目立った外傷はないのに⁉︎』

子どもは無傷で、先程まで掴まれていた首にもアザもなく折れてはいない。

 

『とにかく救急車呼ばねえと⁉︎』

携帯を取り出そうとポケットに手を突っ込んだ、

 

「テメェ…人が食事してる時になんてことしてくれてんだよ…」

後ろから声が聞こえ振り向くと、そこには吹っ飛んでいた男がいた。

男はまるで何もなかったように佇んでいる。

 

「う、嘘だろ…?」

手加減なしで殴った、それに、手応えもかなりのものがあった。

普通だったら相手は気絶するほどのものだ。

 

なのにこいつは、何もなかったようにしている。

 

「テメェ…なにもんだよ?」

立ち上がり男の方を見る。

 

男は何も言わずに笑いこちらを見る。

 

「オマエ…普通の人間だな。人間にしては中々やるな…だが‼︎」

 

「エ!」

男は体格には見合わないスピードで、俺に近づき右の拳を俺の顔めがけて振り下ろすが、

 

「フン‼︎」

男のスピードに少し驚くが、冷静に左腕でガードし止め、ガラ空きの左の脇腹に全力の右のボディブローを入れる。

 

「ぐ…」

 

「オォォラ‼︎」

男は少し前のめりなる。それに、合わせて男の顔面に頭突きをかました。

 

男は顔を手で覆い蹲る。

 

『…こいつ本当に人間なのか⁉︎』

顔に一発入れた時は相手が気を抜いていたためか、全く気づかなかった。

 

『こいつ…ハチャメチャ硬え…』

殴った右手、頭突きをした頭が痛む。

 

今まで何人かの人間を殴ってきたが、ここまでの硬さは初めてだ。

余りにも人間離れしている。

 

『ヤバイ…』

このまま続けたら殺られる。

 

そう感じて、俺は直ぐに鞄を左手で持ち、同時に女の子を右脇に抱え全速力で走り、その場から離れた。

 

 

 

 

高架下から走り続け10分程経ち、噴水がある公園に差し掛かる。

 

「ハーハー」

息は上がり、脚は震えていた。

 

疲れなのか、先ほど感じた恐怖のせいか分からない、だが脚は震え続け走るのは難しい状態だった。

 

「ハーハー…少し休むか…」

公園の中に入り、噴水がある場所まで行き、近くにあったベンチに女の子を横にして、女の子な状態を確認する。

 

「君…大丈夫か?」

声をかけるが返答、反応もなく先程と同じ状態だった。

 

「声をかけても無駄だぞ。そいつには魂がないんだからな」

後ろを振り返るとそこにはあの男がいた。

 

男はさっきの攻撃で受けたダメージは感じられず、10分程走ったはずなのに息すら上がっていない。

 

『おいおい…化け物かよオマエ…』

余りにも男の人間離れさに、そんな疑問が浮かんだ。

 

「ホント、オマエは中々やるな。人間に2回もダウンさせられたのは初めてだ」

 

「そのまま…寝てくれてても良かったんだけど…」

 

「あの程度じゃ寝るのは無理だな。それにオマエは俺の食事の邪魔をしたから、ただじゃおかねえぞ」

 

「食事?何言ってんだオマエ?あの時何食ってたって言うんだよ?」

 

男は女の子を指差し、

「そのガキの魂だよ」

 

「ハ?」

 

何言ってるんだコイツ?

 

魂を食う?

 

厨二病か?

 

そんな疑問が浮かぶが、あの子の異常な状態は説明できない。

 

あの男が何かをしてからああなったのは、間違い無いのだから。

 

男はポケットからあの玉を取り出し、玉に指を入れ何かを取り出した。

 

だが、手にあるものは見えず何かは分からない。

 

「これはな『餓鬼玉』って言ってな、大昔冥界で作られた魂だけを取り出す、便利な道具だよ。そにこいつは、さらに便利な点があってな、効力があるのはガキだけなんだよ」

 

「…何言ってるんだ?」

 

「人間に話しても分からねえよな」

そう言いながら男は、手に持っている何かを口に入れ飲み込む。

 

「ふ〜。やっぱり生きのいい魂は美味い。ホントなら人間をぶっ殺して、不味い肉まで食わなきゃ魂は食えないんだからな…」

 

「人間を殺す、食う?」

 

「そうだ。俺は人間を殺し魂を喰らう。それが俺の食事だ。だが、今はこいつを使ってガキの魂だけを食っているがな。なんせ…ガキの魂は新鮮さと生きがいいからな」

 

「…………オマエ…」

 

「俺の名は剛鬼。悪魔だよ」

 

「…悪魔?」

 

「人間を辞めて、悪魔になった男だよ‼︎そしてオマエら人間を喰う者だよ‼︎」

 

男の身体少しづつデカくなり服が破れる。そして、身体はひと回りデカくなり、肌は紅くなり髪は逆立ち、額に角が5本現れる。

 

「…………マジかよ?」

 

それを見て俺は唖然とする。

 

相手は人間ではなかった。

 

それが分かり絶望し、逃げようとしたが…

 

『あの子を置いては行けない‼︎』

 

ベンチで横になっている女の子。

俺が運良く逃げだせたとしても、あの子は喰われてしまうかもしれない。

 

この子だけは、絶対に守らなきゃいけない。

 

そう思い逃げるという選択肢はなくなった。

 

「ほぉ…この姿を見ても逃げんのか?」

 

「…誰が逃げるかこの化け物。返り討ちにしてやるよ」

自分を奮い立たせるため強気で返答するが、

 

「どんなに強く見せても無駄だ。脚が震えているぞ」

 

脚を見ると震えていた。

 

やっぱり怖えよ…

 

そう思うが、

 

『この子を守れるのは自分しかいない』

 

ドン‼︎

 

両脚を殴り震えを止め、

 

「ウォォォォォォォォォォオ‼︎」

 

叫びながら制服の上着を脱ぎ捨て、剛鬼に飛びかかる。

 

「オラ‼︎」

剛鬼の顔に全力の右を入れ直ぐに、

 

「オォォォォォォ‼︎」

ラッシュで顔、ボディ、脚に拳や蹴りを入れる。

 

『硬え…けど、止めたら殺られる』

 

可能な限りラッシュを続ける。

 

だが、相手の硬さにより、拳や脚から血が出始め、感覚がなくなり始める。

 

限界はとうに過ぎた。

 

それでも止めずに、拳、蹴りをいれる。

 

だが…ラッシュは急に止まった。

 

剛鬼の顔をめがけて放った右のストレートを左手で止められた。

 

「弱いなオマエ…」

剛鬼は右腕を挙げ、俺の手を離すのと同時に、

 

「ドォラ‼︎」

手を開いた状態で俺めがけて振りかぶった。

 

「チッ‼︎」

左腕に右手を添えてガードするが、

 

「ガァ‼︎」

あまりの威力に数mほど吹っ飛ばされる。

 

「ガァ…………」

止まったところでその場で蹲る。

 

『一撃で左腕が折れやがった!それに…』

 

「グフッ‼︎」

咳をすると口の中から血が出てきた。

 

『肋骨数本と内臓までやられてるのかよ‼︎』

 

余りにも戦力差にどうしていいか分からなかった。

 

「…………あの子を…グフッ…守…らねえと…」

 

身体は限界、普通ならその場で気を失い倒れている。

 

だが…『あの子を守る』その想いが俺を動かした。

 

「つまらん…」

 

剛鬼はそう言いながら、女の子のいる方に歩いて行く、

 

「…待てよ…まだ……終わってねぇろ」

剛鬼は振り返る。

 

俺は立ち上がり剛鬼に言う、

 

呂律は廻らず、立っているのが奇跡なほどだ。

 

それでも、剛鬼に近づいていく。

 

「死に損ないが…その状態でまだやるのかよ?」

 

「馬鹿野郎…俺は…まだ……………絶好調だよ」

剛鬼の目の前まで行き、右腕を振り上げ顔面を殴る。

 

パシ…

 

だが…威力は全く無い。

 

剛鬼は右手で俺の首を掴み、

 

「ふざけるなよ‼︎この人間が‼︎」

女の子がいるベンチの方に俺を投げる。

 

「〜〜〜〜〜ッ⁉︎」

声にもならない声が出る。

 

「死に損ないが」

剛鬼が近づいてくるが、

 

俺はまた立ち上がり、女の子の前に腕を広げて仁王立ちするように立つ。

 

身体は限界を超えている。痛みすら感じず、本当に死に損ないの状態。

 

だが、精神が肉体を凌駕した。

 

『守る』この一点が身体を動かした。

 

「わかった…なら!先に死ね‼︎」

 

剛鬼は俺の服を左手で掴み持ち上げ、右の拳で何度も俺の顔や身体を殴る。

 

拳は鉄のよう硬く、威力も半端ない。

 

その拳が、俺の身体の骨や内臓を壊していく、顔もどうなっているか分からない。

 

何度も殴られ、身体がピクツキ始める。

 

だが、拳は止まらない。

 

そして、ピクツキすら止まり言葉すら出ない状態になった。

 

「やっと…死んだかこの人間が…」

 

剛鬼は血だらけの俺を見て言う、

喋れない状態の俺は剛鬼に返答するため、

 

「ペッ」

 

剛鬼の顔に口の中の血を飛ばしてやった。

 

そして、顔はどうなっているか分からないが笑い顔を見してやった。

 

「‼︎‼︎死ね!この死に損ないが‼︎」

 

そう言い、剛鬼は右手の指を立て、掴んでいた手を離すのと同時に俺の腹を右手で突き刺した。

 

「〜〜〜〜〜〜‼︎」

 

右手は俺の腹を貫通し、肘の辺りで止まる。

 

腹、口から大量の血が飛び出る。

 

そして…完全に俺の動きが止まった。

 

「やっと…死んだか手こずらせやがって」

剛鬼は右腕を引き抜く。

 

俺はその場でうつ伏せに倒れた。

 

「オマエも死ね」

 

剛鬼は女の子の前に立ち左腕を振り上げ、彼女めがけて拳を放った。

 

side out

 

 

 

side 剛鬼

 

「やっと…死んだか手こずらせやがって」

 

悪魔になって初めて、人間相手に本気を出した。

 

人間など俺にとっては餌でしかなく、虫ケラ程度のものだと思っていたが、この男は何度も立ち上がり俺に挑んできた。

 

『チッ!胸糞がワリー』

初めて人間相手本気を出し、手こずったことに苛立ちを覚えていた。

 

『このガキを殺して、憂さ晴らしでもするか…』

 

ベンチで横になっている女の子に近づき、

 

「オマエも死ね」

 

左腕を振り上げ、ガキをめがけて振り下ろす。

 

 

 

だが…途中で腕は止まった。

 

左腕を見ると、そこには何者かの手が俺の腕を握り止めていた。

 

「…誰…‼︎」

止めた奴がいる方を見ると、そこには殺したはずのさっきの男が立って俺の腕を握っていた。

 

「な!何⁉︎」

腹を刺した。普通だったら即死のはずなのに、奴は立ち上がり俺の腕を握って止めている。

 

ありえない‼︎

 

生きていることさえ奇跡だ‼︎

 

なのに奴は立っている‼︎

 

そのうえ、俺の腕を止めるなんてありえない‼︎

 

考えていると、奴は腕を離し、

 

「⁉︎」

急に顔に衝撃が走った。

 

「ガハ⁉︎」

衝撃によって2〜3m程後退りする。

 

『何があった⁉︎』

考えるが分からない、だが、奴を見て理解した。

 

「な、何だと⁉︎」

奴は右腕を振りかぶった状態で止まっていた。

 

「ホントに死んでいるのか?」

奴は何も言わない、フラフラしながら体勢を戻し、再び仁王立ちをする。

 

奴の行動を見て身体が震え始めた。

 

『何だ⁉︎何故俺は震えている⁉︎』

身体の震えは止まらない、そして、奴を見ると、

 

「ひっ⁉︎」

 

奴はこちらを睨んでいた。

 

その眼はまるで、獣のように殺意が籠っているものだ。

 

『俺は…コイツを怖れているのか⁉︎人間に!しかもこんな生きているのか分からない人間にか⁉︎』

 

『ここでコイツを殺さなければ…殺られる⁉︎』

決心して奴に一歩一歩近づく、

 

奴は立っているだけで動きは無い、

 

「ビビらせやがって…今度こそ殺してやる‼︎」

 

右腕を挙げ、右手を広げる。

 

狙いは首。

 

首が跳べば確実に死ぬ。

 

「死ねぇぇ‼︎」

叫びながら振り下ろそうとするが、デカイ魔力を感じ動きを止めた。

 

「デカイ…こっちに近づいてきている…」

感じる魔力の差は相手の方が圧倒的に強く、勝ち目を感じないものだ。

 

「ここにいたら殺られる」

分かった瞬間に人間の姿に戻る。

 

『ほっといてもコイツは直ぐに死ぬ。ならば…立ち去るのが先決だな』

そう考え、そこから跳んで離れていった。




初めて幽遊白書のキャラ出せました。

本来なら妖怪の設定ですが、はぐれ悪魔の設定にしました。

戦闘シーン妄想が止まらず、予定より文字数かなりオーバーしてしまいました。

分かりずらかったらゴメンなさい。
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