side 影村 飛鳥
第2ラウンドの火蓋が切って落とされたのと同時に、
ドォン‼︎ドォン‼︎ドォン‼︎…
俺とユーベルーナの間で幾つもの爆発が起こった。
「クッ⁉︎」
「チッ⁉︎」
爆破による爆風で2人して少し後ろに下がり舌打ちをしながら、
タッ!
同時に動き始めた。
だが、動きは対照的でユーベルーナは距離を取るように後ろに更に下がり、俺はその反対にユーベルーナの懐に入る為前に跳んだ。
ユーベルーナは爆風に乗り、俺は爆風に逆らいながら跳んだ為、ユーベルーナと少し近づく程度しか距離は縮まらなかった。
「行きなさい!」
ユーベルーナは俺を完全に捉えて蝙蝠を大量に放った。
「チッ!なら‼︎」
跳んでくる蝙蝠達を見て再び舌打ちをしながら自分の腕を顔の前で交差させて、
ダッ‼︎
ユーベルーナに向かって再び跳んだ。
「死ぬつもりですか‼︎ならば望み通り…」
ユーベルーナは蝙蝠達に向かう様に跳んでくる俺を見て声を張って言った。
この数の蝙蝠達に自分から突っ込んでいくのは自殺行為に等しい。
だが俺は、
ボ!
自分の身体に炎を纏わせ、
ドォン!ドォン!…
跳んでくる蝙蝠達を俺の身体に触れる前に炎で燃やして爆発させた。
「な⁉︎で、ですがダメージはあるはず!」
確かに爆発は俺の近くで起きていて俺な肌を焼くが、直撃のダメージに比べればマシ、痛みは我慢するばいい。
「ウォォォォ‼︎」
俺は叫びながら爆発に耐えた。
だが、前に進むにつれて爆発が多くなっていき、俺の足を止めた。足が止まったことで全ての蝙蝠が俺目掛けて飛び爆発を起こし、爆発で起こった煙が俺を完全に包んだ。
「…やはりここまで」
ユーベルーナは全ての蝙蝠が爆発するのを見て俺を倒したと思ったが、
「捉えたぜ…ユーベルーナ…」
ユーベルーナは煙の中から聞こえてきた俺の声に表情を歪ませて背後に跳ぼうとするが、
「逃がさねえよ‼︎」
ユーベルーナが動く前に先に動き煙の中から出て距離を完全に詰めた。
「この距離なら俺の方が有利だからな…」
俺は拳を握りながら炎を出して、
「オォラ‼︎」
トゴ‼︎トゴ‼︎
ユーベルーナにボディブローを2発放ち、
バキ‼︎バキ‼︎
肋骨数本をへし折った。
「クッ⁉︎カハァ…」
ユーベルーナは更に表情を歪め、口から血を吐きながら俺から離れる為に空に飛び立とうとするが、
「まだだ‼︎」
グッ‼︎
ユーベルーナの服を掴んで引っ張り俺の方に寄せて、
「オォォォラ‼︎オラオラオラ‼︎」
ドドドドドドドド‼︎
今度はラッシュでボディに攻撃をし、
「オォラ‼︎」
ドォォゴ‼︎
最後もボディに入れて思いっきり振り抜いた。
「アァァァ‼︎」
ザザザザザザ‼︎
振り抜いた直後ユーベルーナは、叫びながら引きずられる様に吹っ飛んでいき、
ドォォン‼︎
グラウンドの隅にある体育倉庫に突っ込んでいき、体育倉庫は全壊し大きな音を鳴らしながら土煙を上げた。
「ユーベルーナ⁉︎」
近くでユーベルーナが吹っ飛んで行くのを見ていた、お嬢ちゃんは驚きの声を上げながら全壊した体育倉庫に走って行った。お嬢ちゃんはクイーンのユーベルーナがポーンの俺にあそこまでやられると思っていなかったのだろう。だが、ボディへの容赦ない攻撃と吹っ飛んで行ったユーベルーナを見て、お嬢ちゃんはあの攻撃でユーベルーナがリタイアしたと思っているのだろうが、
「ふぅ…………」
ゆっくりと息を吐いて体育倉庫の方を向いて構えをとり、
「ユーベルーナ‼︎まだ終わりじゃねえだろ⁉︎」
大声で言うと、
ガラ…ガラ…
ユーベルーナが突っ込んだ体育倉庫からゆっくりと瓦礫を退かす様な音が聞こえ、
「ええ…………まだ終わりには早いですよ…」
土煙の中からユーベルーナが出てきた。
だが、その姿は回復する前より酷く、服は攻撃を受ける前よりボロボロで口からは血が流れていた。
「ユーベルーナ⁉︎貴方がそこまで…カーラマイン‼︎貴方も一緒に闘いなさい‼︎」
お嬢ちゃんはユーベルーナの横に行きその姿を見て驚きの表情を浮かべた。今までユーベルーナがここまでボロボロの姿になった姿を見たことがないのだろう。表情は驚きから焦りの表情に変わり、カーラマインを参戦させようと、カーラマインに命令しカーラマインもそれに応える様に、何も言わずに短刀を出してユーベルーナの前に立ち俺の方を向くが、
グッ…
ユーベルーナはカーラマインの肩を掴み、
「カーラマイン……先ほども言いましたが…貴方では影村には敵わないわ…」
カーラマインを退かして、
「それに…影村を相手するのは私1人……例え…御嬢様の命令でも手助けは許しません」
俺の方にゆっくりと近づいてきて、
「それに…こんな楽しい闘いに水を差されるの嫌ですから…」
再び俺の前で立ち止まった。
「ハハ…あんたもか。俺も初めはアンタを倒すって殺気立ってけどよ…今はアンタを倒すことと、この闘いを楽しみたいって思いが半々ぐらいになってきたよ」
「ハハ(フフ)…」
お互い相手の攻撃で身体も服もボロボロ。普通なら苦痛や疲れで表情は歪むはずだが、2人の顔は笑顔で満足そうな顔をしている。
「楽しみたいのは山々なのですが…」
「ああ…そろそろ決着つけねえとな」
笑い終えた後、ユーベルーナは両手に爆弾を出し、俺はゆっくりと左足を背後に下げて構えを取った。
side out
side レイヴェル•フェニックス、カーラマイン
「…………」
「…………」
今度は先程とは違いお互いの顔を見ながらその場から動かない。
「……ゴクッ…」
カーラマインはその2人の姿を見て額に汗を流しながら生唾を飲んだ。
「カーラマインどうかしましたの?」
カーラマインの姿を見たお嬢ちゃんは、ただ2人を見ているだけなのに何処か恐怖している姿に疑問を持ちカーラマインに聞いた。
「御嬢様…あの2人は余りにも次元が違います…」
「え?貴方何を言って」
「お互い相手の小さな動き、気配を読んでいるんです…高次元な領域で…」
「高次元な領域?」
「はい。2人には見えているんです…互いの攻撃しようとしている軌道が…」
「見えてる?なら…見せない」
レイヴェルにはカーラマインが言っていることが分からなかった。
私は闘いが得意な方ではないが、ある程度の戦闘訓練は受けてきた。その中で相手を誘うために小さな動きや気配を出すことがあると言うのは教わったが、カーラマインの言う『軌道が見えている』。それでは相手を誘うことも出来ず手の内が見えてしまっている。ならば見えないようにするば良いのではないのか。
レイヴェルはそう思ったが、
「無理なんです…あの2人のレベルになると見えてしまうんです。隠すこともできるかもしれないですが、見せないと直ぐに誘いだとばれてしまい…一瞬で終わってしまう可能性がある。しかも…その範囲は広く私達のいる一歩手前まで来ています」
「…………」
カーラマインの言葉を聞いてレイヴェルは唖然とした。
リアスの下僕達の中で注目するのは姫島朱乃だけだと思っていた。だが、姫島朱乃以外にユーベルーナに認められ互角に闘えるものがいるとは考えていなかった。
影村飛鳥。
『私は彼の実力を舐めていた…もしかしたら彼なら…』
レイヴェルはあることを考えようとしたの同時に、
カラ…カラ…
ユーベルーナが飛ばされて壊れた体育倉庫から何かが崩れていく小さな音が聞こえ始めた。
「⁉︎お嬢様…次の一瞬で全てが決まります…」
カーラマインは2人の中で今の小さな音で何かが揺らいだのを感じレイヴェルに言った。
「…………」
それを聞いてレイヴェルは考えるのを止め、高い実力を持つ2人の闘いの決着を目に焼き付ける為に何も言わずに2人の方を見て集中した。
そして…
ガラ…ガラガラガラ…ドン‼︎
崩れていく音が大きくなっていき、最後に何かが倒れる大きな音が鳴ったの同時に、
ダッ‼︎
同時に上へと飛んだ。
先に仕掛けたのはユーベルーナ。
空を自由に飛ぶことが出来るユーベルーナは先に高く飛んでいき、足場を作りながら跳ぶ影村と距離が開いたところで止まり、
「行きなさい‼︎」
影村の方を見て爆弾を飛ばした。
飛ばした爆弾は今までの蝙蝠型のとは違い、更に大きく蝙蝠よりも大型の鳥の形をし数も2つと減っていた。
「ウラ‼︎」
それを見た影村は自分の周りに今までよりも大きい竜巻のような炎を出し、影村に向かって飛んでいった爆弾は炎に巻きこまれて爆発した。
ズドォォン‼︎ズドォォン‼︎
「‼︎お嬢様‼︎」
「⁉︎」
爆発したのと同時にカーラマインをユーベルーナを覆うように抱いた。直後、今までの中で1番の爆風が起こり2人を吹き飛ばしかけたが、カーラマインは何とか踏ん張り2人とも飛ばされずに済んだ。
「お嬢様大丈夫ですか?」
「私は大丈夫。それより2人は…」
カーラマインに答えた後、再び2人に目を向けると、
「クッ⁉︎」
顔の前に右腕を出して爆風を耐えるユーベルーナと、
「シッ‼︎」
炎で爆風を耐えて、炎の中から出てきた影村がユーベルーナの方に跳んでいた。
だが…
「…影村さん…二番煎じは効かないと言いましたよね?」
ユーベルーナは右腕を下げて後ろを向き、
「貴方がその技を使うことは分かっています‼︎」
左手にダイナマイトのようなモノを4本巻きつけた爆弾を出して、
「⁉︎」
後ろから跳んでくるもう1人いる影村を見て爆弾を放った。
「ダミーに騙されのは一度だけです‼︎」
ユーベルーナが攻撃を放つのが本物で真正面から跳んで来るのはダミーなのだろう、レイヴェルとカーラマインはこの技が初見の為に、急に現れた影村と炎から出た影村のどちらが本物か分からなかったが、ユーベルーナは一度見たことで完全に読んでいると2人はそう思った。
背後から仕掛けようとした本物の影村の顔は驚きと今から起こる爆発の痛みの恐怖で表情は歪み次の瞬間、
バァン‼︎
影村の全身を包むように爆発した。
『『勝った!』』
爆発を見たレイヴェルとカーラマインはそう思った。
あの爆発では確実に相手は即死。運良く生き残ったとしてもリタイアは間違いない。
「⁉︎まさか⁉︎」
だが…攻撃をしたユーベルーナだけは違う反応をし振り返った。
そこには、
「読み合いは俺の勝ちだな」
右手に炎を出した影村がいた。
「な⁉︎ならユーベルーナが攻撃したのは⁉︎」
レイヴェルとカーラマインはユーベルーナが攻撃した影村を見ると、
ユラ…
影村の形が崩れて炎になって消えた。
「ダミー⁉︎」
レイヴェルとカーラマインは再び驚きの表情を浮かべた。
ユーベルーナは『二番煎は効かない』と言っていた。つまり、ユーベルーナはこの技を一度は受けて読んでいるはずなのに騙されたことになる。
『あのユーベルーナを同じ技で二回も騙すなんて⁉︎』
どう騙されたかは分からないが、ユーベルーナを騙した影村の攻撃に驚いていると、
ピタ…
「ダミーに俺が化けたんだよ…気配をずらしてな」
影村はユーベルーナに言いながらユーベルーナの腹に右手を置き、
「喰らえ‼︎」
バァァァァン‼︎
一瞬でユーベルーナの炎がユーベルーナを包んだ。
「…………」
炎に包まれたユーベルーナはゆっくりと地面に向けて落ち始めるが、
「クッ⁉︎」
それよりも先に表情を歪ませて影村が落ちていった。
「ユーベルーナ⁉︎」
落ち始めたユーベルーナを見てレイヴェルが叫ぶようにユーベルーナの名を呼ぶと、
「⁉︎」
ユーベルーナの表情は戻り落ちていく影村を見た。
「魔力を使い果たしましたか…あれ程の技を使い続けければ…どんなに魔力げ上がっても直ぐに魔力は尽きます……影村さんこれで終わりです…」
意識を取り戻したユーベルーナは体勢を直して上空に留まろうとした。
ユーベルーナには空を飛べるほどの魔力が残っている。一方、影村は魔力は尽き落ちていくだけ。アレだけ身体にダメージがあれば地面に落ちた時の衝撃でリタイアする。レイヴェルとカーラマインの2人はそう思った。
「ユーベルーナ……俺の魔力は尽きちゃいねえよ。少しだけ残ってんだよ…地面に叩きつけらる衝撃を耐えるぐらい…」
影村はそう言いながら体勢を直そうとするユーベルーナの首に脚を絡めた。
「⁉︎」
脚を絡められたユーベルーナは表情を歪ませた。
「1人なら飛ぶことはできても…2人以上になると無理みたいだったな…」
「⁉︎なら‼︎貴方はここからどう攻めるんですか⁉︎貴方も攻撃に使う魔力は残っていないはずです‼︎」
「あるんだよ…魔力を使わずに絶大的なダメージを与える技がな…」
影村はそう言いながら逆立ちをするような形で、ユーベルーナの首に絡めていた脚を首四の字に変えて落ちていき、
「ガキの頃から一度やってみたかったんだよ…この技をよ……これで終わりだ‼︎」
ダッ‼︎
両手に地面も着き、
「飛鳥版‼︎ロビンスペシャル‼︎」
技の名前を叫んだ。
ガキッ‼︎
首四の字を受けながら落ちたユーベルーナは首に強い衝撃を受けて、2人に聞こえるほどの音が首から聞こえ、
「カハァ…」
口から血を吐いて、
パ…
影村が首を離したの同時に地面に向けて倒れ、
スゥ…
光に包まれて消えた直後、
『ライザー様のクイーン。リタイア』
グレイフィアさんの放送が流れた。
最後の技だけは…どうしても出したくてしょうがなかった…
ガキの頃からキン肉マンにハマっていて、今も新しく出たのを買っています。
今後も気分しだいでは超人達のフィニッシュホールドを出すかもしれません。
ない感がある人はごめんなさい。
感想、評価お待ちしています。