大切なもの   作:フューチュラ

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駄文ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。


本気

side 兵頭 一誠

 

「……う」

 

ゆっくりと目を開けると、目の前には今まで見たことが無い天井があった。

 

『………あの言葉は言ったら負けな気がする』

 

頭の中には某アニメの定番のあのシーンのセリフが浮かぶが、理由が分からないが口にせず、ゆっくり周りを見ようとすると、

 

「イッセーさん⁉︎」

 

ギュ‼︎

 

誰かが急に俺を抱きしめた。

抱きしめられたのと同時に、綺麗な香りが俺の鼻に入り、胸には柔らかい感触があった。

 

『コレは間違いなく女の子だ‼︎誰が俺が抱きついたんだ⁉︎』

 

匂いや抱き着かれた感触で女の子だとは分かったが、誰かは分からず興奮しながらも困惑した。

 

「良かった…イッセーさんが無事で…」

 

だが、少しづつ頭がクリアになり声を聞いて誰かがやっと分かった。

 

「アーシア?………」

 

何故、アーシアが泣きながら俺に抱きついているのか分からなかったが、自分の服がさっきまで着ていたはずの制服から病衣に替わり、身体に巻かれている包帯を見て、俺は全てを思い出し、

 

「‼︎ゲームは⁉︎ゲームは終わったのか⁉︎」

 

焦りながらアーシアの肩を掴み、アーシアを身体から離した。

 

「ヒャっ⁉︎」

 

「教えてくれ……ゲームは…」

 

『もし…負けていたら……部長は…』

 

俺は不安に駆られたが、

 

「安心して。ゲームはまだ続いてるよ」

 

アーシア以外の誰かが俺の背後から急に答えて、俺は声が聞こえた方を見ると、

 

「木場⁉︎それに子猫ちゃんまで⁉︎」

 

俺が向いていた反対側に、俺と同じ様にベッドから身体を起こし、病衣と身体の至る所に包帯を巻かれている木場と子猫ちゃんがいた。

 

「ここはリタイアをした人達が治療を受けた後に入る部屋です」

 

「僕達はリタイアをして、適切な治療を受けた後にこの部屋に入れられたんだよ。ゲームについてはあれを見てみなよ」

 

木場が言いながら顔を向けた方を見ると、

 

「⁉︎」

 

ゲームの映像が俺達の目の前に映し出されていた。

 

「部長に朱乃さん…飛鳥さんもいる……まだ…先輩達はライザーと闘ってるんだ…」

 

『まだ…ゲームは続いてる…良かった…なら!』

 

俺はまだゲームが終わっていないことに安堵し、

 

「飛鳥さん!勝ってくださいよ‼︎」

 

俺が今できるのは応援だけ。そう思ってライザーと対峙している飛鳥さんに声援を送ったが、

 

「「「…………」」」

 

木場、子猫ちゃん、アーシアは下を向き表情を暗くした。

 

「どうしたんだよ⁉︎部長達が闘ってるのに下向いてんだよ⁉︎」

 

「イッセー君……先輩達は……」

 

「勝つ方法が無くなったんです……」

 

「⁉︎どうしてだよ⁉︎」

 

「……飛鳥さんがライザーさんにダメージを与える方法を見つけたんですが……」

 

「…ライザーにダメージを与えるには先輩達じゃあ……力が足りないんだよ…」

 

木場、子猫ちゃん、アーシアは顔を上げず悔しそうな顔に変えて答えた。

 

「⁉︎部長や朱乃さん、飛鳥さんの3人がいてもか⁉︎」

 

「部長、副部長は魔力を使い果たして…今や戦力になりません…」

 

「飛鳥さんは万全の様だけど…飛鳥さんの攻撃では…ライザーにダメージを与えることができないんだ…」

 

「そんな……」

 

木場と子猫ちゃんから聞いて、俺はこのゲームが俺達の負けで終わると思い始めたが、

 

ガチャ…

 

ゆっくりとこの部屋のドアが開き、

 

「まだ…終わっていないよ」

 

今まで聞いたことの無い声が聞いて、

 

「え?」

 

俺は急に聞こえた少し驚きながらドアの方を見た。

そこにはグレイフィアさんと、部長と同じ紅い髪をした男がいた。

 

「「⁉︎」」

 

木場と子猫ちゃんは紅い髪の男を見て驚きの表情をし、ベッドから降りようとしたが、

 

「「クッ⁉︎」」

 

傷の痛みのせいか動けなかった。

 

「無理しなくていいよ。今君達は動ける状態じゃ無いんだから……。君が…赤龍帝の籠手の宿主か…初めまして、私は『サーゼクス•ルシファー』。リアスの兄だよ」

 

紅い髪の男は2人に言いながら俺ところまで歩き、紅い髪の男は俺とアーシアに向かって少し頭を下げた。

 

「⁉︎部長のお兄様⁉︎っていうことは貴方が現魔王⁉︎は、初めまして!俺は部長、いや、リアス様の下僕でポーンの兵藤一誠です!」

 

「わ、私もリアス様の下僕でビショップのアーシア•アルジェントと言います」

 

俺とアーシアは現魔王であるライザー様に失礼が無い様に自己紹介をするが、

 

「ハハ、2人ともそう畏まらなくてもいいよ」

 

ライザー様はそう言って、ゲームの

 

「それよりも…ゲームを見てみなよ。そろそろ、飛鳥君が本気を出すはずだから」

 

「「「「?」」」」

 

サーゼクス様の言葉を聞いた俺達は不思議に思った。

 

『飛鳥さんは本気を出してユーベルーナに勝ち、ライザーにも攻撃をした筈。それ以上の力が飛鳥さんにまだあるのか』

 

俺達4人はそう思いながら映像の方を見ると、飛鳥さんはいつもつけている両手首のバンドの片方を外した。

すると、

 

バチバチ!

 

飛鳥さんの手首に光の輪が出て、もう片方の手首、両足の手首についていた全てのバンドを外すと、

 

バチバチ‼︎

 

同じ様な光の輪が出てきて、光の輪は手首、足首同士を繋いだ。

 

「飛鳥さんはアレを…だからユーベルーナさんにやられた時、リタイアを止めさせたんですね」

 

「ああ。彼はこの時までアレを付けていた。あの時に外そうとすればリタイアさせようと思ったが…彼は外さずにユーベルーナに勝った。そして、運がいいことに傷も完全に万全な状態。今の彼ならライザーに勝てる可能性があると僕は信じている」

 

映像を見ながら2人の話を聞いていた俺は、

 

「あの…飛鳥さんについているあの光と飛鳥さんの本気って何か関係があるんっすか?」

 

映像だけで流石に分からず、理由を知っているであろう2人に聞いた。

 

「ああ。アレは昔…この日本で魔力とは違う力、『霊力』という力を使う人達がいてね。その中でも最高の力を持つ人間、『幻海』がいたんだ。齢70歳ぐらいの老婆だがその力は私達、上級悪魔に匹敵するほどのものだ。私はその力に興味を持って幻海に会って彼女が使う、『霊光波動拳』を教えてもらった。そして、彼、飛鳥君の手首や足首についているのは霊光波動拳の一つ、『呪霊錠(じゅれいじょう)修の行』を魔力版に私がアレンジしたものだ。その力は受けた者に多大な負荷を与え力を抑えつけるもの…言うなれば『魔力の養成ギブス』みたいなものだよ」

 

「「「「⁉︎」」」」

 

俺達は最後の言葉を聞いて驚きの表情を浮かべた。

飛鳥さんがこのゲーム中にそんなものを付けて闘っていたことに。

 

「飛鳥さんはこのゲーム中にそんなものを付けていたなんて…」

 

「それでも、上級悪魔でクイーンのユーベルーナに勝った…」

 

「あの修行中にそんなものを付けていたなんて…」

 

「俺と同じように負荷を付けてあの合宿をしていたんだ…」

 

それを知った俺達は自分の思いを口にしたが、

 

「確か…リアスから聞いたが合宿中にイッセー君は、『獄錠の粧』、『念縛封呪の粧』をしていたみたいだけど、彼が付けているのはそれ以上のものでね。重さは君が付けていた粧の倍以上。常に魔力を全開にしないとあの光同士がくっつき枷のようになる。それに力は70%まで抑えられてしまうんだ。しかも彼は…」

 

side out

 

side リアス、朱乃

 

リアスは飛鳥がいつからか手首、足首にバンドを付けていたのに気づいていたが、バンドの下に光の輪があるのは知らなかった。

 

「朱乃、貴女は知ってた…?」

 

「いえ…私も初めて見ましたわ…」

 

リアスに聞かれた朱乃は顔を小さく横に振りながら答えた。

飛鳥と一番一緒にいる朱乃ですら知らないもの、アレは一体なんなのか2人は考え始めたが、

 

「それは…?」

 

ライザーの言葉に飛鳥が答えたことで、直ぐに光の輪が何かが分かった。

 

「これはな…お前に倒すために付けた『呪霊錠修の行』っていうもんでな。簡単に言えば鉛でできたバネみたいなもんだ」

 

「鉛でできたバネ?ということはお前はこの闘いの最中そのハンデを付けていたのか?」

 

「そうだ。こいつを外すのはお前とやるときと決めてたからな」

 

「フフ…それを付けてユーベルーナを倒したのは褒めてやってもいいが…たかが10日前に付けたものを外しても俺には勝てんぞ?」

 

「10日前?何言ってんだ?こいつをつけたのは2年前だ」

 

「「⁉︎」」

 

飛鳥の言葉にリアスと朱乃は驚きの顔をした。

 

飛鳥は2年前からアレを付けて生活し、ハンデを付けたままはぐれ悪魔や堕天使達と闘っていたことになる。

それに、飛鳥が付けているものとなれば、かなりの力があるものだと容易に想像ができた。

 

2人が思っている中、飛鳥は両腕を上に上げて交差させ、

 

「外します…大公。『アンテ』‼︎」

 

『アンテ』という言葉と同時に両腕を降ろすと、

 

バチン‼︎

 

大きな音が鳴ったの同時に光の輪が消え、

 

ブワァ‼︎

 

飛鳥の身体から、今までの何倍以上の魔力が溢れ出し始めた。

 

「あれが…飛鳥の本当の魔力の大きさ…」

 

「なんていう…大きさですの……上級悪魔にも匹敵する量ですわ…」

 

2人は飛鳥の魔力を感じて、

 

『『この力なら…ライザーに…』』

 

飛鳥の力に期待を寄せた。

 

一方、飛鳥はゆっくりと息を吐いて、溢れ出した魔量を自分の身体に集中させ、

 

「さて…ライザー…」

 

ダッ!

 

ライザーに向かって走っていき、

 

ビュン!

 

途中で姿が消えた。

 

「⁉︎」

 

「速い⁉︎」

 

一瞬で自分達の視界から消えた、飛鳥のスピードに2人は驚きの表情を浮かべた。

 

「何⁉︎」

 

ライザーも同じように、自分の視界から飛鳥が消えたことにで驚きの表情を浮かべかけたが、

 

ビュン!

 

ライザーの表情が完全に完全に変わる前に、飛鳥がライザーの目の前に現れて、

 

「ウオォォォォ‼︎」

 

ドドドド‼︎

 

今まで以上の速さの拳を何発もライザーの顔に叩き込こみ、

 

「オォラ‼︎」

 

ドゴ!

 

最後に振りの大きい右のアッパーをライザーの顎に放った。

攻撃を受けたライザーは、

 

「グォ…」

 

唸り声を上げながら飛んで行った。

 

「ライザーを⁉︎」

 

「拳だけで飛ばした⁉︎」

 

目の前で起きたことに2人は驚いた。

 

イッセーの放った攻撃だけがライザーに傷を与えたが、それでも、ライザーを飛ばすことが出来ず傷も数cmだけだった。だが、飛鳥の攻撃はライザーを一瞬で回復させずに、しかも、ライザーを魔力を使わずに拳の力のみで飛ばし、このゲームで初めてライザーを倒した。

 

「クゥゥ…」

 

飛ばされたライザーはその場でゆっくりと立ち上がったが、攻撃を受けたライザーの顔にはイッセーが与えた以上の傷が幾つもあり、口や目元からは血が流れていた。

 

「ライザーにダメージを⁉︎なら!飛鳥‼︎」

 

「飛鳥さん‼︎」

 

「行くぜぇぇ‼︎」

 

ライザーの姿を見た2人は飛鳥の名前を叫んだ。飛鳥もそれに応えるように声を上げて、

 

ダッ!

 

ライザーに飛びかかった。

 

「チッ!」

 

ライザーは舌打ちをしながら、

 

ボォ‼︎

 

体制を立て直して、先程以上の炎を出して飛鳥に向かって飛ばすが、

 

「無駄だ‼︎」

 

火球が当たる直前に左手に魔力を集中させて炎を殴り、

 

バァン‼︎

 

炎は飛鳥の拳が当たったの同時に消えた。

 

「⁉︎」

 

ライザーは炎が消えたことに再び表情を歪めかけたが、

 

「吹っ飛べ‼︎」

 

表情が変わり切る前に目の前に来た、飛鳥の魔力を帯びた右のボディブローをモロに喰らって身体が少し浮いたの同時に、

 

「オォラ‼︎」

 

ドォン!

 

魔力を帯びた左の拳を振り下ろすように、ライザーの顔面を殴り、

 

ドォォン‼︎

 

大きな音を出しながらライザーを倒した。

 

「ウオォォォォ‼︎」

 

ドドドドドドドドドドドド‼︎

 

そこから飛鳥はライザーの上に馬乗りなって、魔力を帯びた両拳で休む事なく殴って行った。

 

「飛鳥ァァ‼︎イケェェェ‼︎」

 

「飛鳥さん‼︎」

 

2人は飛鳥の背を見ながら声援を送った。

 

『飛鳥なら勝てる‼︎』

 

2人の期待は確信に変わり始めようとしたが…

 

「⁉︎」

 

飛鳥は急に表情を変えてライザーから離れた。




夜遅い為、誤字脱字の確認を怠ったていると思います。
あったらごめんなさい。
確認しだい直していきます。

評価、感想お待ちしていきます。
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