大切なもの   作:フューチュラ

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多分今年最後の投稿。

ペースがガタ落ちしてごめんなさい。

リアルがかなり忙しく、安定するのがいつになるのか分からない状態ですが、月に2,3回は投稿出来るように頑張ります。


覚悟

side 影村 飛鳥

 

暗い世界の中で俺は揺らいでいた。

 

水の中で揺らぐように俺は何も考えず、何も思わずにその中をただ揺らぎ続けていた。

 

だが…

 

揺らぐ中で俺には誰かの声が聞こえていた。

 

『ふ…力に飲まれたか……雑魚だな…』

 

その声は黒龍とは違う声で、俺を挑発するように言ってきた。

 

『抵抗することもなく…お前は黒龍に喰われ…自我を無くし黒龍に身体を乗っ取られていく…』

 

ピク…

 

『そして…お前を信じている者達を傷つけていく…』

 

ピク…ピク…

 

『お前にはあの声が聞こえないのか?』

 

直後俺に、

 

『飛鳥さん‼︎帰ってきて‼︎』

 

朱乃の声が聞こえてきた。

 

グッ‼︎

 

俺は朱乃の声が聞こえたの同時に拳を握り締め、

 

『聞こえてても寝続けるなら…お前は本当の雑魚だ…お前の言う大切な者達が傷つくのを何も思わずに指を咥えて見て』

 

「⁉︎……ウ……ア…ア…アアアァァァァァァァ‼︎」

 

バリン‼︎

 

俺は叫び声を上げながら握り締めた拳を振るうと、暗い世界が少し崩れて俯きながら泣いている朱乃の姿が見えた。

 

「朱乃‼︎」

 

朱乃の名前を叫びながら崩れた所に身体を動かし始めた。

 

『フ…少しは抗うことが出来たようだな…だが…まだお前の力は弱すぎる。いつかは黒龍に飲まれる…それまで…黒龍の力に怯えて暮らせ…』

 

「⁉︎」

 

崩れた所に辿り着いたの同時に、今まで聞こえてきた声が鮮明に聞こえてきた。

 

俺は声が聞こえた方を向くと、そこには、白いスカーフに腰のくびれたコート、黒いパンツと黒いブーツを履き、髪は炎ように黒い髪を逆立てた小さい男がいた。

 

「あんたは…?」

 

『雑魚に名乗る名は無い。それよりも…早く行け。このままだと彼奴が死ぬぞ』

 

小さい男は朱乃の方を見て言った。

 

「⁉︎」

 

俺は小さい男の言葉を聞いて直ぐに朱乃が見える所に身体を動かした。

 

『精々抗い続けろ…黒龍の力に…そして…』

 

男の声が遠くなっていく中で俺の身体は光に包まれていき目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

少ししてから俺はゆっくりと目を開けると、

 

「⁉︎」

 

目の前には顔を俺から背け涙を流す朱乃がいた。

 

朱乃の左頬には叩かれた痕があり、顔は恐怖や悲しみで満ちている。

 

『黒龍!これ以上テメエに朱乃を傷つけさせねえぞ‼︎』

 

朱乃の姿を見た俺は怒りが込み上げ抵抗しようと踠いたが、身体は自分の意思とは関係なく止まらずにゆっくりと朱乃に近づいていく、

 

『チッ⁉︎朱乃を…朱乃を泣かせるわけにはいかねえんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎』

 

俺の意思では止まらない身体に怒りが更に上がり、魔力も上がり始め、

 

スゥゥゥゥゥ…

 

それに応えるように邪眼が開き、右半身のみ少し動くようになり、

 

「朱乃に手を出すなや…」

 

俺は朱乃に近づこうとする身体を止めるように少しだけ動く右手で左腕を掴んだ。

 

「あ、飛鳥さん⁉︎」

 

「あ…朱乃…逃げろ…」

 

俺は必死に身体を動かし朱乃の上から身体をどかすが、

 

『フ…少しは抵抗できるようだが…それではまだ俺からは逃げられないぜ…』

 

黒龍の声が頭の中に響き、黒龍の力が更に上がり俺の身体から自由を奪い始めた。

 

「アアァァァァァ‼︎」

 

俺は声を上げて全身の力、魔力を上げ俺は黒龍の力に抵抗した。

 

「あ、飛鳥さん⁉︎」

 

俺の姿を見た朱乃は涙を流しながら俺の元に来ようとしたが、

 

「く…来るな‼︎」

 

「⁉︎」

 

俺は必死に声を上げて朱乃を止めた。

朱乃は俺の声で一瞬止まるが、

 

「ア…アァァァ……」

 

更に強まる黒龍の力に膝を着くと、

 

「あ、飛鳥さん⁉︎しっかりしてください‼︎」

 

朱乃は再び俺の元に走り出して、膝を着く俺の横に来て肩に手を乗せようとしてきた。

 

ヒュ!

 

ガッ‼︎

 

だが、朱乃が手を乗せようとしたの同時に、一瞬黒龍の力に負けて俺の左腕が動き朱乃を襲おうとしたが、俺は右手で再び左腕を掴んで動きを止めて、

 

ドン‼︎

 

朱乃に身体をぶつけて俺から離した。

 

「⁉︎あ、飛鳥…」

 

俺の突然の行動に朱乃は驚いていた。

 

今まで朱乃に対してだけはこんな事をしたことがなかった。

 

大切な人だから…

 

好きな人だから…

 

だけど…

 

『こいつが…俺の身体を奪うのは…時間の問題だ…そこまで…長くは保たねえ…………奪われたらもう取り返すことは出来ない…こいつは間違いなく彼奴らを…朱乃を傷つける…………それだけは絶対にさせるわけにはいかねえ‼︎なら…………………やることは1つだけだ…』

 

今の俺に黒龍の力に抵抗し続け、身体を完全に奪い返すのは無理だった。余りにもデカすぎる力の差、更に抵抗する為に魔力を消費し続けた俺には殆ど魔力が残っていない。

 

残された道は1つ…

 

『一番やりたくなかったがよ……仲間や朱乃を傷つけられるぐらいなら…俺は‼︎』

 

「へへ…あ、朱乃…こいつの力…やばいわ……俺の力じゃ……黒龍を抑えきれねえ…」

 

俺は屋根の上を足を引きずりながら歩いて、朱乃と距離をとりながら必死に笑みを浮かべながら朱乃に言った。

 

「あ…飛鳥さん?」

 

朱乃は離れていく俺を見ながら何かを悟ったのか、驚きや哀しみや恐怖といったものが入り混じった表情をしている。

 

「こいつの力はやべえ…乗っ取られたら最後……俺はもう取り返せねえ……そして…間違いなくこいつはリアス達を…朱乃を傷つける……なら…」

 

「あ…飛鳥さん…や……」

 

朱乃は悟ったものが確信に変わり、俺を止めようと口を動かすが、俺は残った魔力を右手に集中させて、

 

「バイバイ……朱乃……」

 

朱乃にいつものような笑みを見せて、

 

ビュ‼︎

 

自分の心臓目掛けて右手を動かした。

 

「飛鳥さん‼︎止めて‼︎」

 

朱乃は俺を止めようと必死に動き始め、朱乃の声を聞いても俺の焼かれた右手を止めずに心臓に向かわせた。

 

朱乃が徐々に俺との距離を縮めるが、朱乃が俺の元に来るよりも先に俺の右手が先に俺の胸を貫き始めた。

 

「朱乃……俺は…お前のこと…」

 

胸の皮膚を抉り心臓に向かっていく中、俺は死ぬ前に朱乃に俺の想いを伝えようとしたが…

 

『そこまでだ宿主』

 

グッ‼︎

 

再び黒龍の声が俺の頭の中に響いて動きが止まった。

 

『宿主が死ねば俺も消えちまう。それだけは…させるわけにはいかねえ』

 

その声に合わせた俺の身体は俺の意思とは違う行動を始めて、右手を胸から抜こうとするが、

 

「テメエのことなんて知るか…テメエが俺の大切なもんを傷つけるなら……俺はテメエを道連れに死ぬ‼︎」

 

グッ‼︎

 

俺は声を上げると、魔力が回復し右手の自由が少しだけきき、俺は再び右手を心臓に向けて刺し始めた。

 

『な⁉︎本気か⁉︎』

 

俺の行動に黒龍は驚きの声を上げるが、

 

「……テメエが俺の大切なもんを傷つけるなら…俺は死ぬ事を厭わねえ‼︎」

 

俺は黒龍に対して叫びながら言って、右手を心臓に向かって動かし続ける。

 

『ちっ……なら…死ぬ前に宿主の身体を完全に乗っ取るだけだ‼︎』

 

黒龍は更に力を強め、本気で俺の身体を乗っ取りきた。

 

「⁉︎がぁぁ…」

 

その力は今までの何倍以上。気を抜いたり魔力を少しでも弱めれば一瞬で乗っ取られる。

俺は黒龍の力に抗おうと魔力を上げ右手に力を入れるが、

 

『フフ…諦めろ宿主。大人しく身体をよこせ‼︎』

 

更に黒龍の力が増していき俺の身体の自由を奪っていく。

 

俺の身体の自由は奪われていくなかで、残った少ない魔力を全開にし、唯一自由がきく残った右腕に力を入れ、

 

「⁉︎……アアァァァァァ‼︎」

 

「飛鳥さん‼︎止めてぇぇぇぇ‼︎」

 

声を上げて勢いよく手を進め、心臓まであと数ミリにまで迫った。

 

フ…フ…フ…フ…

 

そんな中、急に俺の身体の至る所に魔方陣が現れ、急に全身に重みが走り、

 

「君を死なせるわけにはいかないよ」

 

誰かの声が聞こえたの同時に俺の意識は急に飛んだ。

 

side out

 

side 姫島 朱乃

 

飛鳥さんが死のうとしてる…

 

私は飛鳥さんを止めようと身体を動かそうとしましたが、

 

「⁉︎」

 

体力、魔力を使い果たし身体の限界を超え、私の身体は動かない程になっていました。

 

『どうして⁉︎お願い動いて‼︎』

 

私は必死に身体を動かそうとしましたが、

 

「⁉︎……アアァァァァァ‼︎」

 

それよりも先に飛鳥さんは魔力を上げて、胸を突き刺す右腕を更に進めていきました。

 

『間に合わない…お願い‼︎お願い‼︎お願い‼︎』

 

「飛鳥さん‼︎止めてぇぇぇぇ‼︎」

 

私は飛鳥さんに向かって声を上げて言いました。

 

それと同時に、

 

フ…フ…フ…フ…

 

飛鳥さんの首、腕、脚、胴体に幾つもの魔方陣が現れ、

 

「君を死なせるわけにはいかないよ」

 

ズドン‼︎

 

誰かの声が聞こえ、飛鳥さんは動きを止めてその場に勢いよく倒れました。

 

「誰が…」

 

飛鳥さんの身体に施された魔方陣は拘束用の魔方陣の上位クラスのもの。

私は誰が魔方陣を飛鳥さんに掛けたのか分からなかったが、

 

「ギリギリだったか…間に合ってよかったよ」

 

トン…

 

倒れた飛鳥さんの前に大公と、

 

「お嬢様。今治療いたします」

 

倒れているリアスの隣にグレイフィアさんが現れました。

 

 




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