大切なもの   作:フューチュラ

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駄文ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。


さよならbyebye

side サーゼクス•ルシファー

 

「ふぅ…」

 

リアス達が部屋を出て行った後、僕はゆっくり息を吐いた。

 

コト…

 

それと同時にグレイフィアが僕の目の前に新しく入れた紅茶を出し、僕はグレイフィアに礼を言おうとグレイフィアの方を見ると、グレイフィアの表情は少し曇っていた。

 

「サーゼクス様…そのような表情をされるなら本当の事をお話しになった方が良かったのでは?」

 

グレイフィアは表情を曇らせたまま僕に聞いてきた。

 

「…本当の事?」

 

グレイフィアが言いたい事は分かっていたけど僕は答えずに聞き返した。

 

「悪魔の中には1人も邪王炎殺拳を極めた人がいませんでしたが…悪魔以外で1人だけ極めた人がいたではありませんか」

 

「確かに…1人だけ邪王炎殺拳を極めた者がいたね…だけど…リアス達に話しても今は意味がないからね」

 

「意味がないというのは?」

 

「彼は邪王炎殺拳を極めたけど…彼はもうこの世界には存在しないんだ…いない存在の者を話しても彼が邪王炎殺拳を極められるわけではない。それに…今話してもリアス達に無駄な希望を持たせるだけだからね」

 

「そうですが…ですが後悔…してますよね?」

 

「…………」

 

グレイフィアから出た『後悔』という言葉を止めた。

 

「彼は冥界の悪魔や堕天使、天使達から敵視されていましたが…彼や彼の仲間達が居なければ冥界は…」

 

「グレイフィアそれ以上言うな。彼はどこかで死んだんだ」

 

「ですが!貴方の大事な!」

 

「グレイフィア‼︎」

 

「⁉︎」

 

僕はグレイフィアに強く言うと、グレイフィアは少し驚きながら下を向いた。

 

「……すまない。強く言いすぎたよ」

 

グレイフィアに小さく頭を下げ謝ると、グレイフィアは顔を上げて僕の方を見た。

 

「彼についてはまだリアス達には早すぎるんだ。何より…飛鳥くんが知る前に話すのはね…僕が話すとすれば飛鳥君が全てを知った後だよ」

 

「サーゼクス様…」

 

「話はこれで終わりだ。グレイフィア仕事を頼みたいだが良いかい?」

 

「はい」

 

グレイフィアは僕の顔を見て直ぐに表情を戻して、いつもと同じように答えた。

 

「飛鳥君のことなんだけど………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 姫島 朱乃

 

飛鳥さんが出て行った後、私達オカ研メンバー、生徒会メンバーで飛鳥さんを探しましたが、飛鳥さんは未だ見つからず3日も過ぎていました。

 

一度は自宅に帰って来たようで、ゲーム終了後治療の際に着ていた病衣が脱ぎ捨てらていていましたが、それ以降は自宅には戻っておらず、飛鳥さんと付き合いが永い、私、リアス、ソーナ様、椿姫さんが飛鳥さんの行きそうな場所を考えて手分けして探しましたが、飛鳥さんは居らず何処にいるかの手掛かりすら見付からない状態が続くなか、

 

『私の大切な人が居なくなるのは………もう…嫌ですわ!飛鳥さん…お願いどうか私の前から居なくならないでください‼︎』

 

私は何度も繰り返すように心の中で叫びながら必死に飛鳥さんを探していました。

 

『朱乃そっちはどう?』

 

耳につけていた通信機からリアスの声が流れてきました。

 

「こちらはまだ…部長の方は?」

 

『こっちもダメ…さっきみんなに聞いたけど誰も見つけられてないわ』

 

「そうですか…」

 

『朱乃…今日はここまでにしまして休まない?貴女この3日間まともに休んでないわよね?』

 

「皆さんは帰ってもらって構いませんわ。ですが…私はまだ…」

 

『朱乃!これ以上休まずに探し続けていたら貴女の身体が保たないわ!』

 

「ですが!」

 

『飛鳥を見つける前に貴女が倒れたら意味がないの!貴女が…いつものような…笑顔で飛鳥を迎えに行かないと…』

 

リアスは通信機越しから泣いているのが分かりました。

 

「リアス…」

 

『飛鳥が居なくなって…その上……貴女まで倒れたら……私は…』

 

リアスも私と同じようにボロボロになってきている。

それでも、飛鳥さんを見つけようと必死に探している中でまた…誰かが居なくなれば…。

 

「分かりましたわ…今日はここまでにして帰りますわ…」

 

『朱乃…今日はゆっくり休んでまた明日探すわよ…』

 

「はい…それでは…」

 

私はリアスと通信を終えて日が傾き紅く染まる空を見ました。

 

「飛鳥さん…」

 

空を見上げながら飛鳥さんと過ごしてきた日々を思い出すなか、

 

「あ…そういえばあそこにはまだ…」

 

私はあるところに行っていないことに気づいて、帰り道から少し遠回りになりますが然程遠くはないのでその場所に向かって歩き始めました。

 

 

歩いて十分程でその場所に着きました。

場所は2年前飛鳥さんが悪魔に転生した時の公園。

 

飛鳥さんがここで悪魔に転生しなければ…

 

皆んなと楽しく笑って過ごすことはできなかった…

 

私も飛鳥さんと一緒に過ごすことはできなかった…

 

だけど…飛鳥さんが転生しなければ…

 

「…………飛鳥さん…私は…」

 

私は答えの出ない問題を繰り返しながら私は公園のなかに入って行きました。

 

 

 

side out

 

 

side 影村 飛鳥

 

「ふぅ…」

 

俺は公園のベンチに座り、ユックリとタバコを吸っていた。

 

『僕達も彼を助けたいけど…彼が再び飲み込まれれば君達を殺す…』

 

頭の中では大公の言葉が何度も頭の中に聞こえていた。

 

 

 

 

 

 

 

ゲームが終わり俺は誰もいない部屋で病衣を着て誰もいない部屋のベッドで目を覚ました。

 

ゲームの中で俺は黒龍という奴に飲み込まれて……リアス…朱乃…を傷つけた…

そして…死のうとしたところまで覚えていいたが…そこからは全く覚えていない…

 

『リアスと朱乃はどうなった…大丈夫なのか…』

 

起き上がると身体に痛みが走るが俺は我慢をして足を引きずりながら部屋を出て歩き始めた。

廊下を歩きながら俺はここがリアスの屋敷だと分かり、不安に駆られながらも、2人がどうなっているのかを知る為に俺は誰かがいる部屋を探し、

 

そして…ドアの隙間から灯りが漏れるている部屋を見つけ、

 

「誰か居るよな…」

 

ユックリと歩いてドアの前に着き、ドアノブに手を掛けて開けようとしたが、聞き覚えがある声とその持ち主から出た言葉を聞いて俺は止まった。

 

声の主は大公。そして、大公から出た言葉は『黒龍』…

 

俺はそれから大公の言葉をドア越しから聞いて唖然とした。

 

『誰も極めたことができなかった』

 

『黒龍に飲まれたものは全てを破壊し災害となる』

 

そして…

 

「彼が再び飲み込まれれば君達を殺す…」

 

俺が皆んなを…

子猫ちゃん…祐斗…アーシア…イッセー…ギャスパーを……

 

キングであるリアスを………………

 

俺が……………………朱乃を……………………

 

「⁉︎」

 

俺は走ってその場から離れたい、そう思い自由がきかず痛みが走る体を無理やり動かし必死に走り外に出て、

 

「クッ⁉︎先ずは服をどうにかしねえと…」

 

外では目立つ病衣を着替える為に自分の家に向かって走り始めた。

 

数十分程で家に着き、俺は服を着替えて家からすぐに出て行った…………

 

 

 

 

 

そして、今に至るのだが…

 

その間、俺は考えていた…

 

『このまま皆んなから離れても…力に飲まれれば…俺は災害となって関係ない奴らを傷つける…。……死を……嫌だ……』

 

この力を極めることができない俺に出来る、誰も傷つけなくて済む方法は『死』。

それ以外ないと思っているが…

 

『死にたくねえよ……皆んなと…朱乃と会えなくなるのは……』

 

初めて出来た仲間や好きな人から会えなくなる恐怖に、俺は何も出来ずに街の中を歩き続けていた。

 

そして…気付けば俺は皆んなと一緒にいた場所を転々と歩いていた。

 

お好み焼き屋…

 

イタリア料理店…

 

教会…

 

廃墟…

 

皆んなと笑い時には泣いた場所…

 

皆んなと過ごした日々を思い出しながら、最後に公園に来た。

 

俺が悪魔になった公園。

 

俺は公園に入って噴水の近くにあるベンチに腰掛けてタバコを吸い始めた。

 

今は何もなかったようになっているが、俺が2年前はぐれ悪魔『剛鬼』と殺り合った時は俺が一方的に殺られて血が至るところに飛び、最後には腹を刺されて死んだ。

だが…リアスが転生してくれたことで、俺は新しく生を受けて悪魔として過ごしてきたが……

 

『ここで…転生しないで死ぬば……俺はこの力に恐怖せずに…………皆んなや…朱乃のことを…だけど…転生しなければ皆んなに…朱乃に出会うことはなかった……』

 

ここで死んで転生して悪魔になって初めて、仲間や好きな人ができた。だけど…転生したことで黒龍の力が目覚め今では初めて出来た大切な仲間を…好きになった人を殺しかねない……

 

「これから俺は…どうしたら良いんだ……」

 

死を選ぶことに恐怖し、仲間から離れようとしてもこの街から離れることが出来ずに歩き続けている俺自身にタバコの煙を吐きながら夕日に染まる空を見て言うと、

 

「飛鳥さん…」

 

「え…」

 

急に誰かに声をかけられて、俺は少し驚きながら声を掛けた人の方を見ると、そこには一番会いたくもあり、一番会いたくない……朱乃がいた。

 

「朱乃…」

 

「フフ…飛鳥さんやっと見つけましたわ」

 

朱乃はいつものような優しい笑顔で俺に近づき、

 

「さ…帰りましょう。皆さんが待っていますわ」

 

俺の手を取りながら言った。

 

朱乃からは俺が皆んなから離れたことを怒ることなく、何もかもを許し優しく包むような感じがしたが、

 

「朱乃…俺は…帰れねえよ…………」

 

俺はタバコを口から離して地面に落としながら、朱乃が掴んだ手を振りほどきながら言った。

 

「⁉︎……皆んな飛鳥さんの力について聞いています。皆んな飛鳥さんが力に飲まれないと信じていますわ。だから…」

 

朱乃は俺の行動に驚き表情が一瞬変わるが、直ぐに表情を戻して言うが、

 

「…無理だ………俺には分かるんだ。…………こいつの莫大な力を……俺にはこいつを極めるのは無理だってことが……」

 

今は黒龍の力が俺の奥底で眠っているが、それでもこいつの力を感じていた。そして、その力は俺のキャパ数を超えている。

俺は下を向きながら言うと、

 

「飛鳥さん‼︎貴方はそんな人ではないですわ!飛鳥さんはどんなに相手が強くても諦めずに努力して強くなってきた!だからこそ、子猫ちゃん、ギャスパーさん、佑斗さん、アーシアちゃん、イッセーさん、椿姫さん、ソーナ様、リアスもそんな飛鳥さんを信じているんです!」

 

朱乃は表情を強張らせながら声を上げて言い、

 

バッ!

 

俺を抱きしめた。

 

「朱乃…」

 

「私も貴方のことを信じています!貴方が絶対黒龍の力を自分のものにすると…私の好きな…貴方なら絶対…」

 

「え……」

 

『好き』

 

初めて朱乃から聞いた言葉。

 

『朱乃…そうだったんだ…………なら……』

 

俺は朱乃から出た言葉に驚きながらも…その言葉で覚悟を決めた。

 

「だから…飛鳥さん皆んなのところに…」

 

朱乃は身体を少し話して言おうとしたが、

 

「朱乃…ありがとう……俺も朱乃のこと好きだよ…」

 

ギュッ…

 

俺は左手を朱乃の頭に置いて俺の方に寄せ、

 

「だから…ごめんな」

 

トン…

 

右手を朱乃の後頭部目掛けて軽く振った。

 

「え…飛鳥……さん…………」

 

朱乃は俺の方に倒れていきながら、ユックリと口を動かして言うが、

 

トサ…

 

言い終わる前に気を失い目を閉じた。

 

「ごめんな…朱乃…俺は朱乃を絶対に…」

 

初めて出来た好きな人…

朱乃も俺の事を好きだと言ってくれた…

 

そんな大切な人を傷つける訳にはいかない……

たとえ…朱乃が許してくれたとしても…

 

俺は朱乃を抱えて近くにあったベンチに横にし、パーカーのポケットからスマホを取り出しメールを送った。

 

『朱乃が公園にいるから迎えに行ってくれ。

 

 

オマエに会えて、最高のキングに会えて良かった。

 

 

ありがとうな』

 

メールを送った後、風が吹いた。

五月になったといえどまだ夜は寒さがあった。

 

俺はパーカーを脱ぎベンチで横になっている朱乃にパーカーを掛けて、

 

「プー出てこい」

 

ボン!

 

呼んだの同時に小さく音をながらしながら、目の前にプーが出てきたが、プーの目はいつもの目とは違い悲しそうな目をしながら俺を見ていた。

 

「プー…オマエは朱乃のところに」

 

「プー⁉︎」

 

多分…俺と心が繋がっているプーには最初から分かっていたようで俺が言い終わる前に、プーは目をつぶり身体を横に振った。

 

「プー…俺にとってオマエは使い魔じゃない……大切な仲間なんだ。そんな大切な仲間を俺は傷つけたくないんだ…」

 

「プー‼︎」

 

プーは更に強く身体を振るって、耳を動かして飛び俺の方に飛んでこようとするが、

 

「プー‼︎分かってくれ‼︎俺は大切なものを自分の手で傷つけたくねえんだ‼︎」

 

俺が声を上げて言うと、

 

「……プー…」

 

プーは下を向きながら、方向を変えて朱乃の方に飛んでいき、

 

ト…

 

朱乃が横になっているベンチの肘掛にとまった。

 

「ごめんな…プー。朱乃や皆んなと仲良く暮らせよ…」

 

「プー…」

 

プーは寂しそうな表情をしながら俺の方を見て鳴いた。

 

「バイバイ…朱乃…朱乃の事を好きになれてよかったよ…」

 

俺は最後に朱乃の方を向いて言いその場を後にした…




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