大切なもの   作:フューチュラ

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駄文ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。


信じる…

side リアス・グレモリー

 

飛鳥さんが私達から離れた6日後。

お兄様から、

 

『飛鳥君を探すのは今日でお終いだ。彼のことについては、冥界で話し合いをして決めることになったから……リアス…最悪の場合を想定しといてくれ』

 

飛鳥の捜索の打ち切りの命令が入った。

そして…お兄様が最後に言った言葉それは、

『飛鳥をはぐれ悪魔として、私達の手で討伐しなければならない』

というもの、

その時のお兄様の声はいつもとは冷たく、いつものような冗談では無く、本気で言っていることが分かり、自分の力では、もう、どうすることもできないことを悟り、

 

「分かりました…………」

 

私は小さな声で答え、お兄様との連絡を終えた。

 

「私は飛鳥を…殺さなければならないの…親友が好きな人を……私には…私には…!」

 

ドサ…

 

「出来ない‼︎絶対にしたくない‼︎」

 

大切な仲間を…私の右腕と言える存在の飛鳥を自分が殺すことなんて今まで考えたことなかった。

そんなことは絶対にないと思っていた。

だけど…それが少しずつゆっくりと、現実に起ころうとしている。

 

創部してから直ぐに仲間になり、2年間も苦楽を一緒に過ごしてきた仲間を…

 

私はどうすればいいのか分からず、その場に蹲りながら叫びながら涙を流した。

 

ギイ…

 

「リアス……」

 

部屋の扉がゆっくりと開いて、

 

「朱乃…」

 

朱乃が入ってきた。

 

朱乃はあれから私の屋敷にいる。

と言うより私が目の届くところに居るように命令をした。

 

あの後の朱乃の落ち込みようは酷かった。

 

あの後、一旦朱乃を私の家まで連れてきたが、ずっと飛鳥のパーカーを抱きながら泣き続けていた。

泣き続け涙を流し落ち着いたかと思い声をかけたが、

 

「…………」

 

返答は無くただ椅子に座り放心状態になっていた。

 

その後、食事を出しても手をつけずただ椅子に座り、時に飛鳥を思い出し無くを何度も繰り返していた。

 

このままでは肉体的、精神的に限界が来て朱乃は死んでしまう。

 

『これ以上、大切な人を失わないたくない』

 

私はこの4日間学園を休んで、朱乃のそばにいた。

仲間として、そして、親友として。

 

朱乃が何もせずにいるときは紅茶を出して話しかけ、泣いた時には朱乃を抱きしめた。

 

私はそれを繰り返していると、

3日目に、

 

「……リアス…」

 

やっと朱乃は口を開いた。

 

「朱乃!」

 

私は朱乃がやっと口を開いてくれたことに喜び、

 

ギュッ‼︎

 

朱乃を力一杯抱きしめた。

何も言わずに力強く。

 

「……リアス」

 

朱乃は私の思いに気付き、ゆっくりと私を抱き返し、

 

「私は大丈夫です…」

 

弱々しい声で答えた。

 

それから、少しづつだが朱乃は食事を食べるようになり、前と同じように紅茶の準備をするまでに回復をし、今に至るのだが…

 

 

『朱乃になんと言っていいのか…』

 

私は迷った。

せっかく朱乃が良くなってきているところで、このことを話せば、朱乃はもっと傷ついてしまう…

もう…立ち直れないかもしれない…

でも……いつかは指令として通達されて知ることになる。

 

私はどうすれば良いか分からず迷っていると、

 

「リアス…飛鳥さんの討伐の指令がきたんですか?」

 

朱乃は真剣な表情で私に聞いてきた。

私は朱乃の言葉に驚きの表情を浮かべかけたが、考えてみれば朱乃は私の懐刀という存在。頭が良い朱乃が分からないわけがない。

私は今更隠すのは無理だと思い、立ち上がって何も言わずに首を縦に振って答えた。

 

『また…朱乃が…』

 

朱乃が深く傷つき涙を流す。

私はあの姿を見たくないと思い、目を瞑っていると…

 

「そうですか。そろそろ来ると思っていましたわ」

 

予想とは違い、冷静に坦々とした答えが返ってきた。

 

「え?」

 

私の予想とは違う答えに、私は驚いた表情を浮かべながら朱乃の方を見ると、

 

「1週間以上経っていますからね…大公も頑張って粘ってくれたんですね」

 

朱乃はいつもの優しい笑顔を浮かべていた。

 

「あ、朱乃…貴女…」

 

「覚悟はしていましたから」

 

私の言葉に朱乃は表情を変えて真剣な表情で答えた。

 

朱乃からはあの時のような姿が見えないことに、少し安堵するが、それ以上に、

 

「貴女は大丈夫なの‼︎飛鳥を討つことに⁉︎」

 

大公の話の内容が分かっている朱乃の返答に驚いた。

 

『朱乃が飛鳥を殺す。』

 

朱乃はそれを覚悟していることに声を上げて言うと、

 

「飛鳥さんなら間違いないなくそれを望みますわ。その時は私が飛鳥さんを討ちます。そして…飛鳥さん討った後…私は飛鳥さんのことを忘れずに生きていきます」

 

朱乃は表情を崩さずに私に答えた。

 

「ですが…それは最悪な場合ですわ。私はそれ以上に飛鳥さんが帰ってくることを信じて…いえ…確信していますから」

 

最後にいつもの様に優しい笑顔で私に言った。

 

「飛鳥が帰ってくる?」

 

「はい。飛鳥さんは絶対に帰ってきます。いつもの様に余裕な笑みを浮かべながら私達の前に」

 

「どうして…?朱乃は信じて…?」

 

自分が思ったこと、したことは頑なに守る飛鳥が、自分から眷属を離れて行ったのに。

私には朱乃がどうしてそこまで信じているか分からなかっが、

 

「プーちゃん」

 

ボン!

 

「プー」

 

パタパタ…

 

朱乃は私に答える前に、飛鳥の使いまであるプーを呼び出し、プーは出てきたの同時に朱乃の元に、耳らしきものを動かして飛んでいき朱乃の腕に止まり、朱乃は優しくプーを抱きしめた。

 

「飛鳥さんが少しヌケていて助かりましたわ」

 

「?どういうこと?」

 

「プーちゃんは私達の使い魔と違って飛鳥さんと心が繋がっていて、プーちゃんは飛鳥さんの心を栄養を餌にしているのは覚えていますわね?」

 

「ええ。確かそう…あ⁉︎」

 

「気づきました?飛鳥さんとプーちゃんの心が繋がっているということは?」

 

「プーは飛鳥の居場所を知っている」

 

「はい。それに心が繋がっているということは、飛鳥さんが死んだり、黒龍の力に飲まれればプーちゃんの方にも影響が出るはずですわ」

 

「なら!飛鳥はまだ死んでいないし、黒龍に飲まれていない!」

 

「そうです。まだ…飛鳥さんは黒龍の力に抗っているんです」

 

『まだ、どうにかできるかもしれない』

 

仲間を殺さずに済む。

私はそう考えて、

 

「プー!直ぐに飛鳥の居場所を…」

 

私はプーに近づき居場所を聞いて、直ぐに飛鳥を迎えに行こうとしたが、

 

「リアス…それはダメです」

 

プーを抱きながら、朱乃は私に背を向けて言った。

 

「どうして⁉︎今迎えに行けば飛鳥を…」

 

「私達が行っても飛鳥さんは…間違いなくまた…私達の前からいなくなりますわ。そして…今度はプーちゃんを連れて行き…私達と完全に離れていきますわ…そうなったら…取り返しがつきませんわ」

 

「あ…」

 

朱乃の言葉で私も気が付いた。

プーがいなくれば私達は飛鳥を完全に追えなくなり、どうなっているかも知らないままになる。

 

「プーちゃんはを使うのは最後の手段。どうにもならなくなった時に使いますが…。飛鳥さんなら…絶対…黒龍の力を自分のものにして帰ってくるって」

 

私に笑顔で言う朱乃に、

 

「どうして…そこまで信じていられるの?」

 

私は聞いた。

 

「ふふ。私の好きな飛鳥さんなら絶対にそうするって信じているからですわ。飛鳥さんは逆境の時ほど燃える人ですから」

 

「…確かにそうね。…同じ時間を過ごして来たのにどうして…私はそれに今まで気付けなかったんだろう…」

 

朱乃と一緒に彼と過ごした2年間…

 

今、思い出してみれば飛鳥はいつも逆境の中にいた。

最初に悪魔に転生した時も人間でありながら悪魔と闘い、悪魔になって直ぐに自分を殺した自分よりも強い悪魔と闘い、ライザーの時も自分の身を犠牲にし、ライザーに勝つために自分の力に制限をかけて闘い続け、レーティング•ゲームでは絶望な状況になっても諦めずに闘いつづてきた。

 

「はぁ…もっと早く飛鳥のそういう処に気付いてたら…好きになってたんだろうな…」

 

私は今初めて気づいたことを口にすると、

 

「…ふふ。今更遅いですわ」

 

朱乃は笑顔を浮かべながら応えた。

 

 

それから、私達は飛鳥との思い出を話した。

一緒に過ごした時のことや、お互いしか知らないことを。

流石に飛鳥と一番長く一緒にいた朱乃の方が、飛鳥のことをいっぱい知っていたが、それでも、私しか知らない飛鳥の姿を話した。

朱乃はそれを聞いて今まで見たことや、聞いたことない飛鳥の姿に驚きの表情を浮かべていた。

 

 

 

討伐や離れたままで終わるのは許さないわ。

飛鳥…

貴方は絶対に帰ってこないとダメよ。

貴方の帰りを待つ仲間がいる…仲間以上に貴方の帰りを待つ人がいるんだから…

 

私も朱乃と同じように、飛鳥が帰ってくることを信じて過ごそうと思った。

 

翌日。

 

朱乃が学園に復帰したが、1週間後、新しくオカ研に亀裂が走った。

 

 

佑斗が私の前から姿を消した。




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