side 影村 飛鳥
俺は朱乃の顔を見てキレた。
コカビエルの言葉で朱乃が傷ついたことを許せず、コカビエルの腹に一発お見舞いしてやった。
手応えはそれなりにあったが、朱乃を傷付けた代償には全然足んねえ。
『まだ足りねえんだ‼』
俺はコカビエルを睨みながら立ち上がるのを待っていると、コカビエルは立ち上がりながら、
「お前はその女がそんなに大事か?堕天使の娘なのに?」
俺に言った言葉に怒りが更に混み上がり、心と本能が正直に答えた。
「堕天使だろうが関係ねえよ。俺はそれを引っくるめた朱乃の全てが好きなんだからな。コカビエル…テメエ只で帰れると思うなよ。ウチの者達に手を出したこと…朱乃を傷付けたこと後悔しろよ‼」
…………?俺今なんて言った?確か朱乃を………⁉
言い終わってから数秒後、少し冷静になって気付いた。
『何こんなところで告白してんだよ⁉もっと場所とか選んで言えよ俺⁉』
頭の中でそう思っていると、コカビエルは俺に向けて大量の光の槍を投げてきた。
『ちょっ⁉待て‼』
俺は少し驚きながらも光の槍を避けながら、告白してしまったことを後悔していた。
『俺の馬鹿ァァァァァ‼こんなところで告白なんて有り得ねえだろォォォォ‼』
光の槍を避けながら皆の方を見ると、イッセー、アーシア、祐斗、子猫ちゃんは呆れ顔、ゼノヴィアは訳が分からないのかポカンとしているが…リアスは般若のような表情で俺を睨み付け、朱乃に至っては下を向いる身体を震わせている。
『あ、アカン‼あれはアカンヤツだ‼』
リアスと朱乃がマジでキレる。
二人がキレたら俺は……死ぬ……
『ど、どないしよぉぉぉ‼』
何とか二人の怒りを納めようと色々考えようとしたが、
「私も飛鳥さんのことが好きです‼だから…だから…絶対に帰ってきてください‼」
朱乃の声が聞こえ俺は一瞬動きを止めて朱乃の方を見ると、朱乃は少し顔を紅くしながらも俺の方を見ていて、最後に最高の笑顔を俺に見せてくれた。
「了解‼」
俺は朱乃にサムズアップをして答え、再びコカビエルの光の槍を避け初めた。
「いつまで避けているつもりだ‼そろそろ攻めてきたらどうだ⁉」
コカビエルは避ける俺を見ながら、挑発するように笑いながら言ってきたが、
「なら…本気出せよ。じゃねえとマジで一瞬で終わるぞ。」
俺はコカビエルの挑発に乗ることなく睨みながら答えた。
「そうか…ならこれで‼」
俺が答えた直後、コカビエルは魔力を上げて更に多くの光の槍を俺に向かって飛ばしてきた。
「な⁉」
「あれじゃ避け場が」
俺に向かってくる光の槍の数を見て皆は驚いているようだが、俺は驚くことなく冷静に右手に魔力を集中させて、黒い炎を右手に出し、
「舐めんな…
光の槍に向かって拳を降りながら黒い炎を飛ばすと、黒い炎の玉が幾つもの出てきて光の槍を撃ち落としていった。
side out
side リアス·グレモリー
「黒い炎⁉」
私は飛鳥が放つ黒い炎を見て私は声を上げて驚いた。
今まで飛鳥が使っていた炎は紅い炎だった。だけど、今は黒い炎を使っている。
あの黒い炎は黒龍の力がなければ使えないはず、飛鳥が黒い炎を使ったのは邪王に飲まれたあの時の一度だけだった。
『黒い炎を使うということは黒龍の力に飲まれた…?』
私は飛鳥が黒龍に飲まれながらも使っているのではないかと思ったが、黒い炎を使う飛鳥の表情は特にいつもと変わらずにいる。
『飛鳥の顔からはそんなのは感じない…。なら…飛鳥は本当に黒龍の力を…』
コカビエルの光の槍を黒い炎を跳ばして打ち消すのを見ながらそう考えていると、突然、飛鳥の目の前にグラウンドの破片や土煙が上がった。
「な⁉」
私は突然起こったに小さく声を上げ驚いて考えが止まった直後、
土煙の中から右手に光の槍を握りしめながら、飛鳥に向かって少し高い場所から振り降ろしているコカビエルが出てきた。
その瞬間、私は全てが遅く見えた。
既にコカビエルは飛鳥に向かって振り降ろし、しかも、切っ先は飛鳥の眼前にまで来ている。
避けるには間に合わない。
イッセー、アーシア、子猫の三人は飛鳥が光の槍に貫かれると思い目を背け、私と祐斗とゼノヴィアは間に合わないと分かりながらも何とかしようと力を振り絞って動こうとしたが、
パシッ!
飛鳥は焦ること無く、コカビエルの光の槍を左手だけで受け止めていた。
「…………⁉あ、飛鳥さん⁉」
「え、え、え⁉」
「⁉」
「嘘…」
「幹部クラスの光の槍を握って止めるなんて…」
「あ、あり得ないわ…」
私達、六人は飛鳥がコカビエルの攻撃を何もないように受け止めている飛鳥の姿を見て驚きの表情に変わった。
「いつまで俺の力を探ってるつもりだ?こんな小手調べ程度の攻撃じゃ意味がねえぞ‼」
飛鳥はコカビエルを睨みながら言い、左手の魔力を少し上げると、
ドロ‼
光の槍は一瞬で溶けて消えてしまった。
「コカビエルの光の槍を溶かすなんて⁉」
「お前らの仲間はとんでもない奴だな…」
祐斗とゼノビィアやイッセー達は、飛鳥がコカビエルの光の槍を一瞬で溶かしたことに驚きの表情を浮かべながら飛鳥の方を見ているが、
『やっぱり…飛鳥が操る炎の威力が数倍にアップしてる。それに魔力も充実して、その上、まだ上昇してるなんて……まさか…本当に黒龍を…』
私は飛鳥が更に強くなったことを感じ、黒龍を自分のものにしたのではないかと思うなかで、
『もしかして…飛鳥は私達を護るために無理して力を出しているんじゃ…』
飛鳥は黒龍の力を使えないのに、自分を犠牲にして力を使っているのではないかと思い、私は不安になっていたが、
「リアス。飛鳥さんなら大丈夫です。」
「朱乃?」
後ろにいた朱乃が横に来ながら、私の横に来ると朱乃はいつもと同じ表情をしながら飛鳥の方を見つめた。
「飛鳥さんは私に言いました。帰ってくるって…なら…信じて待ちましょう。あの人はいつものように笑いながら帰って来ますから。」
その言葉で私の不安は一瞬で消えた。
朱乃に約束したなら今度は約束を破らずに絶対に戻ってくる。
『なら…私も飛鳥を信じるわ。……貴方が黒龍に負けずに私達の元に帰ってくる。』
私は表情を変えて朱乃と同じように飛鳥の方を見た。
一方、
光の槍を溶かされたコカビエルは慌てること無く少し後ろに下がり右手に新しく光の槍を出したが、
「…さっさと本気を出せよ…魔力が殆ど通ってない攻撃が俺に通じると思うなよ!いい加減ムカついてきたぜ‼」
飛鳥はコカビエルを追わずにその場から動かず、コカビエルを睨みながら全身の魔力を少しづつ上げ始めた。
「確かに…このままではお前を殺せそうには無いな。」
コカビエルは光の槍を消して、自身を睨む飛鳥を少し笑いながら飛鳥の方を見て言うと、
「ハァァァァ…」
少し両腕を広げながら拳を握りしめて魔力を上げ始めた。
コカビエルが魔力を上げ始めたの同時に私は寒気を感じ、急に御兄様や御父様、家族に会いたくなった。
『な、何⁉』
私は急に感じたものの理由が分から無かったが、その理由は直ぐに分かった。
魔力を上げるコカビエルの体から魔力が溢れ始め、徐々にコカビエルの足が地面から離れていき、コカビエルは溢れた魔力のみで地面から浮かんだ。
私達が必死に攻め、コカビエルも今まで数えきれない程の光の槍を放ったのに、コカビエルの魔力は私達の何倍以上の魔力があった。
純粋な力の差。
生まれながら持ち更に高めてきた純粋な力を、技術力や精神力だけでは埋められない。
『コカビエルには勝てない!ここから逃げろ!』
本能がそう伝え、このまま闘えば間違いなく死ぬというのを直ぐに理解し、周りを観ると皆同じようなものを感じたようで、顔を真っ青になった。
「…お前も本気を出せ。死ぬ前に良い思い出にさせてやる。」
コカビエルは一瞬私達を見て飛鳥に言った。
飛鳥に言うコカビエルの表情は勝ち誇った顔をしていたが、
「そうか…なら。俺も本気を出してやるよ。」
コカビエルの力を知りながらも飛鳥はいつもと変わらなかった。寧ろ、私は飛鳥から余裕すら感じるような顔付きと口調で、包帯が巻かれ札がついている右腕をコカビエルに見せるように上げながら、左手で札を剥がし巻かれている包帯を取り始めた。
「ぶ、部長!飛鳥さんが取り始めましたよ!あの二世帯住宅だがって言うのを⁉」
イッセーの言葉を一度は無視したが、今回は真剣な表情をしながら私に言うので答えて上げた。
「忌呪帯法よ。特殊な包帯で封印の呪縛を施して、自分の力を押さえつけてるのよ。」
「飛鳥さんはそんなに強い力を…」
イッセーは私の言葉を聞いて、飛鳥の方を見て冷や汗を流し始め、それを聞いていた祐斗や子猫達も顔に冷や汗をかき始めていた。
皆、不安がるなか、飛鳥は包帯を解き右腕を上げながらコカビエルを睨み小さく笑みを浮かべ、
「コカビエル。もう…後戻りできねえぞ。巻き方忘れちまったからな…」
黒い炎を右腕から出し、コカビエルの魔力と対抗するように自分の体に纏わせていった。
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