誠にごめんなさい‼
side リアス·グレモリー
忌呪帯法を外した飛鳥の右腕には、黒い龍の刺青が腕を巻くように肩の下辺りから手の甲まであり、そして、あの時と同じ様に黒い炎が右腕から出てきて更に飛鳥の魔力が上がり始めた。
飛鳥の魔力が上がっていくのと同時に、グラウンドの周りに黒い光の柱が現れ、その中から雷が出てきてグラウンドの至るところに落ちていき、建物に当たれば当たった場所は砕け、地面に当たれば地面を抉った。
「ちょっ⁉これヤバくないっすか⁉」
イッセーは周りを見て自分達にも被害が及ぶのではないかと不安がった。
確かにこの力は私達を巻きこみ兼ねない。
何とかしたいのだが、私は魔力を使い果たし結界を作ることができない。唯一私以外に結界を作ることができる朱乃も魔力を使い果たし作ることができない筈。
不安を隠しながら考えるなか、
飛鳥は私達の方を見てから少し上を見上げると、
バサバサ‼
何か大きな音が私達の上空から聞こえてきた。私は上に顔を向けると、
「なっ‼」
そこには、人の倍以上の大きな青い鳥が私達の元に向かって降りてきているところだった。
「新しい敵⁉」
降りてくる青い鳥に向かってゼノヴィアはデュランダルを構えたが、
「ゼノヴィアさん…剣を下ろしてください…」
朱乃がゼノヴィアの肩に手を置いて言い、降りてきた青い鳥に近づき、右手を鳥に向けて出すと、青い鳥はその手に乗るように首を伸ばした。
「やはり…あなたはプーちゃん何ですね。」
「プー!」
朱乃は下顎を撫でながら言うと、その言葉を聞いた青い鳥は鳴き声を上げて答えた。その鳴き声を上げる顔はどこか嬉しそうな顔をしていた。
「プーさん何ですか⁉」
朱乃の言葉にアーシアがいち早く反応し驚きの表情になり、その直後、私以外の子達が驚きの表情に変わった。
「なんだ?あれはお前達の仲間なのか?」
プーちゃんの事を知らないゼノヴィアだけは、分からないため私に聞いていきた。
「あれは飛鳥の使い魔よ。数時間前はもっと小さくて可愛かったけど…」
私はゼノヴィアに言いながら私も朱乃同様にプーちゃんの元に近づき手を伸ばした。
プーちゃんは朱乃の手から顔を話して、私の手に軽く顔を載せた。私が触れると私の手にはプーちゃんと同じ暖かさを感じた。
「一時だけ見なかったのに…まさかこんなに大きくなるなんて。」
私は言いながらプーちゃんの喉元を撫でると、
「プー‼」
プーちゃんは嬉しそうな鳴き声を上げた。
「プー。皆との再会を喜んでるところ悪いんだが、皆のこと頼んだぞ。」
飛鳥はコカビエルの方を見ながらプーちゃんに言うと、プーちゃんは私の手から顔を離して、小さく羽を広げ顔を上に向けて、
「プゥゥゥゥ‼」
今までの中で一番大きい鳴き声を上げた。
私達は急に上がった大きな鳴き声に耳を手で塞ぎ下を向いた。
そして、鳴き声が収まり私達が顔を上げると、私達の周りには結界が張られていた。
「ちょっと激しくなるからな。『壁』をしっかり張っといてくれ。」
「プー‼」
飛鳥の言葉にプーちゃんは頭を上下に降りながら鳴き声を上げて返答して更に『壁』を厚くした。
「頼むぜ。んじゃ…いくぜ‼」
飛鳥は右手を開き邪眼を更に見開き魔力を上げていった。
上がった魔力は全身から溢れ、その魔力の量はフェニックスの時以上の量だった。
飛鳥は最後に両目を閉じて、邪眼と同じように目を見開き、
「いくぞ‼」
飛鳥はコカビエルに向かって走りだし、
「喰らえ‼炎殺黒龍波‼」
飛鳥が右腕を前に出すと、黒い炎が出て黒い炎は龍の姿に変わり、コカビエルに向かって飛んでいった。
一方、コカビエルはその場から動かず更に魔力を上げながら両腕を広げた。
『まさか⁉あれを受け止めるつもり⁉』
私はコカビエルがやろろうとしていることが分かり表情を強ばらせた。
『それは無理よ⁉黒龍波の莫大の魔力を受け止めるのは不可能だわ‼一瞬で燃えて消える…』
私はそう思っていたが、
「ウォォォォ‼」
ガシッ‼
私の予想を裏切り、コカビエルは声を上げて黒龍を受け止めた。
「嘘だろ⁉」
「あの黒龍波を受け止めるなんて⁉」
イッセーと私や皆は黒龍波を受け止めたコカビエルを見て驚きの表情に変わり、
「ウォォォォ…⁉」
一方、コカビエルは受け止めたが、表情を苦しいものに変わった。
黒龍波に飲まれまいとコカビエルは口先を掴み耐えていたが、
「やるな!けど…これで終いだ‼」
飛鳥は耐えるコカビエルを見て、黒龍波に更に魔力を送り込んだ。
「アアアア‼」
更に黒龍波の威力が上がりコカビエルを襲った。
コカビエルは声を上げたのと同時に黒龍波の威力に負け、黒龍波を押さえながら後ろに飛ばされていった。
side out
side コカビエル
邪王炎殺拳。
その武術があるというのは知っていたが、今まで極めた者は居らず、俺はその拳を使うものに会ったことがなかった。
たが、今俺の目の前にその拳を使う者が現れ、俺の胸は高揚していた。
『赤龍帝、聖魔剣、デュランダルどれも俺を倒すには至らなかったが…邪王炎殺拳は違う‼間違いなく俺を倒す力を持っている筈‼さぁ‼放て邪王炎殺拳の最終奥義『邪王炎殺黒龍波』を‼俺はそれを返してアイツ等に力を見せつけて戦争を始めてやる‼』
上級悪魔、堕天使、天使の幹部クラスの者達が恐れている技を返す力があると知れば、悪魔、天使達は間違いなく俺を倒そうと必死になり、堕天使達に手を出してくる筈。そうなれば、戦争をしたくないと言っていた奴等も嫌でも動き戦争を始められる。
そのためにも、この炎殺黒龍波は返さなければならない。出来るなら打ち破りたいが、冥界随一と言われているこの技を俺が破るのはかなり厳しいが返すのは無理ではない。
何より、彼奴が邪王炎殺拳を極めたと思いがたい。力に目覚め長い期間修行しても極めることが出来なかった武術を、たった数週間前にその力に目覚めた奴が、そこから極めるのは無理な筈。
『あの忌呪帯法も邪王炎殺拳を使えないから着けたハッタリ!そんな未熟な奴が放つ炎殺黒龍波なら間違いなく返せる‼』
俺はそう思い、奴が放つ炎殺黒龍波を返すため全身に魔力を出した。
案の定、飛鳥は俺に向かって炎殺黒龍波を放ってきた。
俺は黒龍波を受け止めたがその威力は俺が思っている以上のものだった。
『ウゥゥゥ⁉極めていないものが放ってもこれほどの威力があるのか⁉一瞬で気を抜けば一気に持ってかれる‼』
俺は何とか耐えているが、黒龍波は少しずつ俺を押し始めていった。
飛鳥は俺のその姿を見逃さなかった。
飛鳥は黒龍波に向けて魔力を送り込んで、黒龍波の威力を更に上げた。
「!!!!!!!」
黒龍波は叫び声を上げて俺を喰わんと襲ってきた。
「アァァァァ⁉」
俺はその威力に負けて、俺を空へと押し上げていった。
「ウゥゥゥ……⁉」
黒龍波を押さえる手や腕の皮膚が焼かれ血が流れ始め限界が近づいていたが、
『これを…この黒龍波を返して‼俺はあの熱い…命を削って闘った日々を再び始めるんだ‼あの日々に戻るために俺はこいつらを血祭りに上げなければならないんだ‼』
俺は更に魔力を上げて少しずつだが黒龍波を押し返し始めた。
俺を仕留めんと飛鳥が近づいてくるのが見えて、俺は魔力を全開にして、
「ウゥゥゥオォォォ‼」
黒龍波を投げ返し向きを変えて飛鳥に向かって飛んでいった。
「やった‼」
「な⁉マジ」
飛鳥は返された黒龍波を見て一瞬動きを止めた瞬間に、
「!!!!!!」
黒龍波は大きな叫び声を上げて、
「アァァ」
小さく声を上げた飛鳥を一瞬で飲み込み、再び上空に飛んでいった。
「飛鳥さん⁉」
「嘘…」
「あの技を返すなんて…」
飛鳥が飲まれるのを見て奴らは表情を真っ青になった。
「フフフ…ハハハハ‼炎殺拳敗れたり‼」
俺はグレモリー達の方を見て笑みを浮かべた。
『これでまた戦争が始まる‼さぁ…誰から血祭りに…』
俺は心底喜んだ。
再び戦争が始められる。
こいつらの首を…絶望の表情を浮かべた奴等の首を持っていけば、悪魔達は絶体に動く。
俺は仲間が死に絶望の表情を浮かべる奴らの首を一人ずつ斬ろうとしたが、二人だけ違う顔の者がいた。
「…なぜ…お前達はそのような顔をしている!リアス·グレモリー、バラキエルの娘‼」
それはリアス·グレモリーとバラキエルの娘で、二人は他の者達と違いまだ何かを信じている表情をしていた。
「飛鳥が黒龍や貴方に負けるわけがないわ!絶体に帰ってくる‼」
「私達に『帰ってくる。』って言ったんです‼だから‼」
「そうか…なら…」
俺は魔力を両手に集中させた。
『お前達がどれ程アイツを信じていても、黒龍波に喰われた者は術者であっても死ぬんだよ‼』
現実を直視しない二人に、俺は少し呆れながら光の槍を出して、
「その思いを胸に抱いたまま死ね‼」
二人に投げようとしたが、
ドゴォォォン‼
同時に空から何かが爆発する鈍い音が聞こえてきて、音が鳴った方を見た。
そこには、飛鳥を飲み込み空を飛んでいた黒龍波が苦しむように悶えるように身体を動かしていた。
『なっ⁉いったい何が起きて』
飛鳥を飲み込んだ筈の黒龍波が何故苦しんでいるのか分からず考え始めるが、直後黒龍波は無くなり大き火の塊になって、その中から一回り小さい黒い炎が落ちてきた。
「コカビエル…見せたいのはこれからだぞ…」
黒い炎の中から無傷の姿の飛鳥が出てきて、俺を睨むように見ていた。
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