――― ????? ―――
漆黒の世界に星々が輝く美しく壮大な宇宙……そのとある空間を金色に光る一つの流星……否、黄金の鎧の翼を羽ばたかせた男性が次々に現れる追撃者達の攻撃を必死に躱しながら飛翔していたが、追撃者達に全く反撃をしなかった。
「「待って下さい、アイオロス先生!!」」
「…キュアムーンライトとキュアテンダーか!」
男性こと射手座(サジタリウス)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)アイオロスは新たに現れた追撃者達が自分の教え子達である事に驚いた。
「いくよムーンライト!」
「……」
「やるしかないのよ!」
「…『プリキュア・シルバーフォルテウェイブ』!!!」
「『プリキュア・スターストリーム』!!!」
見るからにためらいが出ているムーンライトだったが自分を押し殺してテンダーと同時に攻撃を仕掛けた。
「…くっ! 『アトミックサンダーボルト』!!!」
舌打ちをしたアイオロスだったが直ぐに迎撃打を放った。
「…っ! ちぃっ!!」
だが『シルバーフォルテウェイブ』と『スターストリーム』を消し切れず、左手に抱えた金色の卵を庇いながら残りを蹴飛ばしていった。
「……ふぅ…」
そして思わず卵に目線を落して無事を確認して安堵の息を吐いた。
だがその一瞬を突いて追撃者の一人がアイオロスの背後にしがみついた。
「…っ! サガ!……!?」
「シュラ!! 私ごとアイオロスを斬れ!」
背後の双子座(ジェミニ)の黄金聖闘士サガに何かに気付いたアイオロスだったが…
「…御免!! 『エクスカリバー』!!!」
…その直後に山羊座(カプリコーン)の黄金聖闘士シュラがサガの指示通りにアイオロスを斬った。
「先生!!」
「駄目よ!! 行ったら貴女まで逆賊になってしまうわ!」
「でも先生が!」
アイオロスが斬られた光景に思わず駆け寄ろうとしたムーンライトをテンダーが取り押さえていたが、斬った当のシュラは苦渋に満ちた表情をしていた。
だがアイオロスは何とか身体を捻って卵を守りながら致命傷だけは回避し、更にサガを振り払って飛行を再開した。
だが傷口から派手に出血して失速しながらよたついていた。
勿論、追撃者達も直ぐにアイオロスを捕捉しようとした。
「『プリキュア・ハートフルエコー』!!!」
だがその前に別方角から翔んで来た女性が追撃者達に牽制し、その一瞬の隙にアイオロスを抱き抱えて逃走した。
女性の登場と行為に追撃者達は少しの間茫然としたが、驚きと悔しさが混じった表情をしていながら直に追撃を再開した。
「大丈夫ですか、アイオロス?」
「…キュアエコーか」
痛みで少し意識がぼやけたアイオロスだったが、自分を助けた女性が自分がよく知るキュアエコーであった事に気付いた。
只、自分の身を案じるエコーもまた一目見ても分かる程に傷だらけであった。
「……此を…」
「アイオロス、何をするつもりなのです!?」
アイオロスから卵を渡されたエコーはそれが何を意味するのかを察した様であった。
「俺はもう助からん」
「でも!…」
「……早く行け!!」
ためらっているエコーをアイオロスは突き飛ばした。
更に自身の射手座の聖衣(クロス)を脱ぎ捨てて、エコーに纏わせた。
「…後は頼んだぞ……『インフィニティブレイク』!!!」
エコーと卵に微笑んで追撃者達に振り向いたアイオロスはエコー目掛けて一斉攻撃を仕掛けた追撃者達に向けて自身最大の拳を放った!
そしてその影響で発生した閃光と衝撃波の中に消えた。
「……アイオロスーーー!!!」
雛を守ろうとする親鳥の様に自身を守ったアイオロスの最後を確認したエコーは彼の名を泣き叫びながら衝撃波を上手く利用して逃避行を開始した。
最も追撃者達も大半が塵じりになっていたが直ぐにエコーを追い掛けたが、当のエコーはアイオロスから託された卵を力強く抱き締めていた。
――― 芦ノ湖 ―――
此の時、満天の星空の芦ノ湖のコテージの一つで初老の男性二人が笑い合いながらベランダでウィスキーを啜っていた。
「それにしても良かったな、源壱郎。
初孫が生まれて」
「ああ、ありがとう光政」
彼等、世界でも上位に入るグラード財団のツートップである城戸光政と水無月源壱郎は源壱郎に初孫が生まれた事を祝っていた。
何回か目の乾杯をして一気にウィスキーを二人揃って飲んだ。
「それで性別はどうだったんだ?」
「女の子だ」
「英理加ちゃんと同じでまた一子は女の子か」
「……それよりお前もいい加減結婚したらどうなんだ?」
源壱郎を茶化していた光政だったがその源壱郎から反撃を受けて誤魔化すようにウィスキーを自身のコップに注いだ。
「儂は良いんだよ。 儂みたいな冒険好きの自由人には嫁は出来んよ」
そう言った光政は一気にウィスキーを飲み、源壱郎は呆れていた。
「そう言えばお前、今度エベレストに登んだってな。
いい加減歳を考えろ」
「何のまだまだだよ………?」
「…どうした?」
「いや、流れ星が……っ!?」
源一郎の忠告を笑ってはぐらかそうとした光政だったが、ふと見上げた夜空に見付けた流れ星がそのまま大きくなり……そのまま此のコテージの近くに落下した!
「な、何だ!?……ってオイ!
光政、何所に行く!?」
驚いていた源壱郎だったが光政がベランダから飛び降りて落下地点に向ったのを見て呆れながら続いた。
只、背後から二人の執事達が慌てた声で呼んでいた…
――― 同・落下地点 ―――
「……どうした光政?」
先行した光政に何とか追い付いた源壱郎だったが、その光政が立ち上がって周囲を見渡していた為に質問した。
「此の辺りに落ちた筈何だがクレーター等が無いんだ」
「間違えたんじゃないか………ってオイ!!」
光政に反論した源壱郎だったが何の気無しに振り向いた先に射手座を纏った満身創痍の血みどろのエコーが俯せに倒れているを見付けて慌てて駆け寄り、ひっくり返して安否確認を行った。
「大丈夫か?……?
何だこ、れ!?」
勿論、光政も続いたがエコーの近くに落ちていた卵を見付けて予想より重かったそれを持ち上げた直後…
「…こ、此は!?」
…卵が左右に開き……揺籠に変形したその中で毛布に包まれた赤ん坊がスヤスヤと寝ていた。
「……っ! ~~…」
「気を確かに!」
その直後にエコーが目を覚まして光政から赤ん坊を奪おうと思ったが、彼女と同時に起きた赤ん坊が光政に愛しく手を伸ばしているのを見て安心して後ろに崩れかけた為に源壱郎に支えられた。
「直ぐ救急車を呼ぶぞ!!」
「…もういいです。
私は長くありません」
源壱郎を止めたエコーは自分の死期を悟って二人を見つめ、思いを託せると判断した。
勿論、光政と源壱郎もエコーの思いを察した。
エコーは突然光政に指を指したと思ったらレーザーポインターみたいなのを放ち、更に彼女の行為に驚いた源壱郎にも続けて放った。
すると二人に先程までのエコーとアイオロスの未に起こった出来事と知識……“プリキュア”と“聖闘士”、そしてプリキュアと聖闘士達が守り信奉する…
「「…アテナ!!」」
…戦女神アテナに関する情報が流れ込んできた。
そして光政が抱いている赤ん坊こそがそのアテナである事を知り、二人揃って赤ん坊
を驚き戸惑いながら暫く見つめた後、エコーに再び振り向いた。
「…信じてくれませんと思いますが、私は数多の世界を守るプリキュアの一人、キュアエコーです。
お二方にはその子をお願いしたいのです」
エコーの言葉を光政と源壱郎は疑う事なく、耳を傾けていた。
「今から十数年後、あまねく世界に光と平安を漏らすその子の下に少年少女が必ず現れます。
少年達は真の勇気を持った聖闘士としてその子を守る存在になり、少女達は真の愛を持ったプリキュアとして心の支えになる筈です。
どうかその時までその子を守り育てて欲しいのです」
エコーの言葉に光政と源壱郎が思わず目線を合わせたが直ぐ頷き合って…
「分かりました。 責任を持ってその時まで我々が此の子を守りましょう」
…二人が快く同意したのを確認したエコーは微笑んだが、その直後に彼女の身体が光輝く粒子に変わり始めた。
「…此の射手座の聖衣はのいずれかに与えて下さい………アイオロス…私も今からそちらに行きます…」
エコーが安らかに息絶えた直後、彼女は儚く美しく消えた…
そして主が消えた射手座の聖衣は静かに地面に落ち、少しして自身を模した弓矢を構えた有翼のケンタウロスに集結合して大きな金板に変わったが、装着者を二人も失った事を嘆き悲しむ様に美しい金属音を上げ、光政と源一郎も暫くエコーであった光の粒子群を見つめていた…
感想・御意見お待ちしています。
次回青銅達と組むプリキュアチームが出ますが、此れ読んだらどれか分かりますよね?
因みにドキドキまでのオールスターズ(パピネスは現時点ではテンダーのみの予定)が黄金聖闘士と共に敵対しますが、ムウや老師みたいに一部のチームは実は味方だったり未参戦だったりします。
最後に今回のみPIXIVで投稿している“ゴジラvsビオランテ F・battle”の設定を一部流用し、同じく“ドキドキ!プリキュア アナザーキャンバス”とストレートでない何らかのリンクがあるかもしれません。