キミとアイドルプリキュア♪~魂と輝き~   作:Ryo02913

9 / 10
どうでもいい個人的な話なんですけど大学の単位が心配


第9話 ななの七不思議⁉

 学校からの帰り道。

うた、なな、こころの三人は並んで歩いていた。

「ななちゃん、今日なんか変じゃない?」

うたが隣を見る。

ななは歩道の白線の上を、落ちないようにゆっくり歩いていた。

「そうですか?」

「うん。さっきからずっと白線の上歩いてるよ」

「……ちょっとやってみたかったんです」

ななは少し恥ずかしそうに答える。

すると今度は、突然ラップのような言葉を口にし始めた。

「数学の問題、解いていこう。明日のテストも怖くない。だけど宿題、多すぎる……」

「ななちゃん!?」

うたが驚いて立ち止まる。

こころも目を丸くした。

「ななさん、どうしたんですか?」

「私にも分かりません……」

なな自身も困ったような顔をしている。

「これは……ななの七不思議だね」

うたが笑う。

「七不思議……」

ななは首を傾げた。

 

翌日

 

喫茶グリッターにやってきたななは、こころとおそろいのようなツインテールの髪型にしていた。

「なな先輩、その髪型……」

「どうですか?」

「お揃いですね! 嬉しいです!」

こころが嬉しそうに答える。

うたも笑った。

「昨日からずっと不思議だよね」

「そうですか?」

ななは首を傾げる。

さらに、数学の勉強をしているうたに対して、英語を交えながら教え始める。

「ここはこの公式を使えば解けます。つまり、very simpleです」

「えっ、ななちゃんってそんな喋り方だったっけ?」

「私も自分で驚いてる」

ななは苦笑した。

こころはそんなななをじっと見つめていた。

「……やっぱり、何か理由があるんでしょうか」

「気になるよね」

うたも頷く。

 

 その日の放課後。

ななは一人で海辺の道を歩いていた。

その少し後ろを、うたとこころが歩いている。

「やっぱり気になるよね」

「はい。なな先輩が何をしているのか、少しだけ見てみたいです」

二人は、ななの様子を確かめるために後を追っていた。

「……今日は、少しだけ寄り道してみよう」

いつもなら真っ直ぐ家へ帰るところだが、今日は違った。

アイドルプリキュアになってから、今までやったことのないことにも挑戦してみたい。

そんな気持ちが、少しずつ強くなっていた。

海岸へ出ると、ななは砂浜へ降りていく。

そして、砂の上に絵を描き始めた。

「うたちゃんと、こころ、 それから……プリルン」

小さく笑いながら、四人の姿を描いていく。

 そのときだった。

背後から、何かが近づいてくる気配がした。

ななの身体に、冷たいものが走る。

以前にも感じたことのある霊圧だった。

「……っ」

ななの身体が強張る。

以前にも感じたことのある霊圧だった。

ななはゆっくりと振り返った。

そこには、黒い影が立っていた。

人の姿に似ている。

けれど、人間ではない。

白い仮面。

異様な姿。

そして、こちらへ向けられる強い霊圧。

 以前なら、ただの「もや」としか見えなかった。

けれど今は違う。

その姿を、はっきりと捉えることができた。

「……虚?」

 

その言葉を口にした瞬間、虚が腕を振り上げた。

「ななちゃん!」

遠くから、うたの声が響く。

ななが振り返る。

 そこには、こころと一緒に駆けてくるうたの姿があった。

「危ない!」

うたがななの前へ飛び込む。

その直後、虚の腕が振り下ろされた。

うたはななの身体を押して、その攻撃から逃れさせる。

二人は砂浜へ転がった。

「ななちゃん、大丈夫!?」

「うたちゃん……こころ……」

こころも二人のもとへ駆け寄る。

「なな先輩、怪我はありませんか?」

「うん……大丈夫」

ななは立ち上がり、目の前の虚を見る。

「どうして……ここに?」

「たぶん、ななちゃんの霊力を感じて来たんだと思う」

うたが虚を見ながら答える。

「私の……霊力?」

「うん」

うたは頷く。

虚は三人を睨みつける。

うたはななの前に立ったまま、虚を見据えた。

「ななちゃんは私たちが守る」

「はい!」

こころも隣に並ぶ。

ななは二人の背中を見る。

「私も……一緒に戦います」

うたが振り返った。

「うん。一緒に戦おう」

三人は並んで虚を見据えた。

 

 

『プリキュア! ライトアップ!

キラキラ、ドレスチェンジ! YEAH!

キミと~! YEAH!

一緒に~! YEAH!

キミと歌う、ハートのキラキラ! 笑顔ニッコリ、キュアアイドル!』

 

『プリキュア! ライトアップ!

キラキラ、ドレスチェンジ! YEAH!

キミと~! YEAH!

一緒に~! YEAH!

キミと瞬く、ハートの勇気!」

お目目パッチン、キュアウインク!』

 

『プリキュア! ライトアップ!

キラキラ、ドレスチェンジ! YEAH!

キミと~! YEAH!

一緒に~! YEAH!

キミと踊る、ハートのリズム! 心キュンキュン キュアキュンキュン!』

 

 三人はプリキュアへと変身した。

変身を終えると、三人は一斉に虚へ向かって駆け出す。

そのまま三方向へ散開した。

うたが正面から攻撃を仕掛け、こころが横から援護する。

ななは二人の動きを見ながら、虚の隙を探した。

「今!」

ななが踏み込む。

虚の腕をかわし、その懐へ入る。

「そこ!」

攻撃が虚へ届く。

ななの攻撃が虚の身体を捉える。

しかし、虚はわずかに身体を揺らしただけだった。

「まだ……!」

ななは怯まずに続ける。

 

 その頃、少し離れた場所では響が虚の霊圧を感じ取っていた。

響は死神代行証を取り出し胸に押し付けた。

その瞬間、身体が死神へと変わる。

斬月を背負い、響は砂浜へ向かった。

「待ってろ」

 

虚の前では、三人のプリキュアが戦っていた。

「こころ、右!」

「はい!」

うたとななが連携し、虚の動きを止める。

こころが前へ出る。

「今です!」

三人の攻撃が重なる。

しかし、虚はなおも立ち上がった。

「まだ倒れない……!」

 

 その瞬間、上空から響が降り立った。

斬月を構える。

「下がれ!」

うたが振り返る。

その姿を見て、ななとこころも驚く。

「響さん……」

「お兄ちゃん!」

響は三人の前へ出た。

「こいつは俺が引き受ける」

「でも……!」

「お前たちは、あいつを倒すために力を使え」

響は虚の攻撃を受け止める。

その間に、三人は攻撃の準備を整えた。

響は虚を見据える。

虚もまた、響へ視線を向けた。

「……来る」

虚が襲いかかる。

響は斬月を振るった。

一撃を受け流し、そのまま横へ回り込む。

虚の腕が空を切った。

「動きは読める」

続く攻撃をかわし、響は斬月を振り抜く。

虚の身体が大きく揺らぐ。

「今だ!」

うたが叫ぶ。

三人のプリキュアが一斉に前へ出る。

「みんなの力を合わせよう!」

「はい!」

「分かりました!」

響が虚の攻撃を受け流す。

その隙に、うたが虚の正面へ回り込んだ。

「今だよ!」

ななとこころも続く。

三人の攻撃が同時に虚を捉えた。

虚の身体が大きく揺らぐ。

「もう一度!」

三人は力を合わせ、最後の攻撃を放った。

虚の身体が光に包まれていく。

やがて、その姿は消えていった。

戦いが終わる。

 ななは静かに息を吐いた。

「……終わった」

「うん」

うたが笑う。

こころも頷いた。

「三人で戦えましたね」

ななは二人を見る。

「ありがとうございます」

響は斬月を収めた。

「怪我はないか?」

「大丈夫です」

ななが答える。

ななは響の死神の姿を見ながら、少し考える。

「響さんは……いつも、こんなふうに虚と戦っているんですね」

「ああ」

「だったら、私たちももっと強くならないとね」

「無理はするな」

「分かっています」

ななは微笑んだ。

 その後、うたとこころは、ななの後をつけていたことを謝った。

「ごめんね、ななちゃん」

「私たち、ちょっと気になってしまって……」

「いえ。私も変な行動をしていましたから」

ななは砂浜に描いた絵を見る。

そこには、うた、なな、こころ、プリルンの姿が並んでいた。

「アイドルプリキュアになってから、ピアノ以外のことにも挑戦してみたいと思ったんです」

ななは少し照れながら話す。

白線の上を歩いたこと。

ラップをしてみたこと。

こころと同じ髪型にしたこと。

どれも、今までならやろうと思わなかったことだった。

「だから、いろんなことをやってみたくて」

うたは笑顔になる。

「ななちゃんらしいね」

「はい」

こころも砂浜の絵を見る。

「すごく素敵です」

プリルンも絵の中に描かれた自分を見つけて嬉しそうにする。

「プリルンもいるプリ!」

「もちろんです」

四人は顔を見合わせる。

そして、海辺に笑い声が広がった。

少し離れた場所では、響がその様子を見ていた。

「……みんな、変わってきたな」

 プリキュアとして戦ううた。

自分の殻を破ろうとするなな。

新しい仲間として歩き始めたこころ。

そして、虚と戦う自分。

それぞれの力は違っている。

それでも、守りたいものは同じだった。

響は海へ目を向ける。

先ほどまで感じていた虚の霊圧は、もう消えている。

「……また現れるのか」

答えはない。

ただ、響の中には以前よりも強く、虚の存在を意識するようになっていた。

そして、その先に何が待っているのかを、まだ知らないまま――。





剣を握らなければおまえを守れない
剣を握ったままではおまえを抱きしめられない

BLEACH/第5巻 茶渡泰虎

キミプリの推しは?

  • 咲良うた/キュアアイドル
  • 蒼風なな/キュアウィンク
  • 紫雨こころ/キュアキュンキュン
  • プリルン/キュアズキューン
  • メロロン/キュアキッス
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。