「え、こんなにグローブやインナーとかいただいて良いんですか?」
「ええ、どうぞどうぞ。大久保選手が使っているってだけで、うちのメーカーとしては凄まじい宣伝になるので」
少し時間は遡り、キャンプインの日、キャンプの宿舎にスポンサー契約したスポーツ用品店の人が来て、大量の野球の道具やソックスとかインナーとかを提供してもらった。
というか毎日違うインナー着ても良いくらいの量で、営業の人曰く、シーズン始まればまた持ってきます〜って言われて、外野守備あるかもしれないんで外野用のグローブもお願いしますって伝えたら、数日後には届いた。
すげぇ待遇って思いながらも、俺の場合身長がデカすぎるので、普通のユニホームのサイズだと毎回特注だったので普通にありがたく、あと身長は少し小さい(196センチの)デロスサントスが羨ましそうに見ていたので、余ったインナーはデロスサントスにプレゼントしていた。
グローブ用のワックスとかスパイクの泥を落とすブラシとかもいっぱい入っていたので、端コと巴、ロビカスにプレゼントしたり……。
そんな感じでオープン戦も終わったら、また大量にグローブとかの道具が贈られてきたので、部屋に置いておけない分は実家で保管してもらってしまった。
そんなこんなで、シリーズ開幕。
開幕投手は俺で、相手は神奈川スターズ。
奇しくもサクセン監督にとっては古巣相手の対決であったが、容赦なく俺を投入。
「大久保、120球までは任せる」
「了解です、きっちり9回まで締めてきます」
そんなこんなでマウンドに上がり、きっちり三者連続三球三振を奪って、神宮のボルテージは最高潮。
で、ベンチで応援しているフリをしながら、相手投手の投げる球の反発係数を超能力でいじると、当たれば飛んでく。
先頭打者の先輩がいきなり2塁打、2番の人がショートの間を抜けるヒットで、ランナー1、3塁。
バッターはデロスサントス。
『オオクボの球に比べれば止まって見えるぜ!』
軽く振り抜いた打球は神宮の夜空に消えていき、来日初打席初ホームランをデロスサントスは記録。
スコアボードに3の文字が記録される。
次のシャーマンはブンブン大振りで三振に倒れたが、寺門がバックスクリーンにぶち込むホームラン、6番の人と西住もヒットで繋がり、8番の人が犠牲フライで5点目。
ここまで援護点を貰えれば勝敗は決まったも同然。
スターズの応援団は死んだように沈黙していたが、神宮花火大会は終わらない。
デロスサントスと寺門が3打席連続ホームランにシャーマンも1発が飛び出し、西住も今季初ホームランが飛び出す。
火ヤク庫大爆発。
投げてはグラビティボールを使い始めたので、打たれることはあるが、大抵内野ゴロなので内野が捌いて終わらせる。
ノーヒットノーランコースで、終盤に突入。
火ヤク庫の勢いは止まらずに今日2回目の打者1巡の猛攻で、得点は0対28とスターズファンどころか、ベンチもお通夜みたいな状況に陥り、俺が85球で9回を終えて試合終了。
デロスサントス今日だけで4ホームランの大活躍。
ヒーローインタビューで、
『日本最高〜ヤクエナ最強〜』
と叫んでファンをガッツリ掴んでいた。
デロスサントスと寺門の勢いは止まらずに、俺が休みでベンチに居ない日でも2人は打ち続けて、チームは開幕3連勝。
デロスサントスは3試合8本、寺門も6本とヤクエナファン達は絶頂。
一方で期待されていたシャーマンは開幕戦で1本ホームランを打ったものの、オープン戦で攻略法を見つけられて、外に逃げるスライダーでくるくる三振を量産。
自分だけ打ててない状況でフラストレーションが溜まってしまったのか、5試合目で、外角しか投げてこない投手に向かって、罵声を連発。
それにキレた相手チームの外国人のサードがシャーマンにブチギレて乱闘に発展。
シャーマンが今シーズン初の退場処分となってしまった。
サクセン監督はシャーマンが居ると盛り下がるとして厳しく謹慎処分を言いつけたら、シャーマンは激高。
そのまま無断でアメリカに帰ってしまった。
シャーマンが居なくなって、フロントは慌てたが、デロスサントスとロビカスの2人は大喜びで、テンションが上がったのか更に調子を上げて、6試合目でデロスサントスは10号、11号、12号の3打席連続アーチを放っては、その翌日、デロスサントスの13号2ランで2対1の緊迫した試合で、ロビカスが9回をピシャリ。
三者連続三振で今季3回目のセーブを達成。
というかチームはシャーマンが退場になった5戦目を除き、3カード(9試合)中8勝でスタートダッシュに成功。
というかデロスサントスは開幕9試合で143試合計算で206本ペースでの本塁打を放っており、ネコちゃんズの掲示板はお祭り騒ぎ。
本物が来たとかシャーマンなんか要らんかったんやとかシャーマンは疫病神としてボロクソに言われていたが、デロスサントスとロビカスの外国人助っ人2人はヤクエナファンから俺を含めて3神と崇められていた。
というか、大勝の試合が殆どなので、中継ぎの端コと巴のコンビも躍動し、両方3試合で6イニングずつ投げて、失点0。
サクセン監督と桑葉コーチも新人投手2人が力投しているのを見てご満悦であった。
そのままヤクエナは10試合目で負けたものの、そこから10連勝を達成し、1位を独走。
サクセン監督の継投術と桑葉コーチの投手管理で開幕21試合消化時点で故障者0。
ヤクエナファン達は嬉しすぎてヤクエナキャッツのマスコットのヤクネコをサクセン監督に見立てて胴上げする様子がネットで拡散。
ヤクネコファン嬉しさの余りに狂い始めるとネット記事なっていた。
【ヤクエナファン集合】開幕21試合終えて
1:ヤクネコファン
18勝2敗1引き分け
2位と5ゲーム差
2:ヤクネコファン
ネコちゃんズは神
サクセン監督は神
3:ヤクネコファン
神様仏様名将サクセン監督様
4:ヤクネコファン
サクセン・ズバズバ・アタルンデス
5:ヤクネコファン
当たりすぎやろ
6:ヤクネコファン
戦術大久保刺さりすぎる
というか大久保の投げる日のネコちゃんズの火ヤク庫っぷりがヤバい
7:ヤクネコファン
大久保現在4登板
援護率25.7
8:ヤクネコファン
大久保の投げる日は打線が頼もしすぎる
9:ヤクネコファン
そっか……大久保の投げた日の得点合算するともう100点超えるのか(困惑)
10:ヤクネコファン
デロスサントス大当たり
なんでこいつがA+のリーグにいたんだよ
11:ヤクネコファン
デロスサントス『大久保さんに見つけてもらった』
12:ヤクネコファン
ヤ大久保神
13:ヤクネコファン
大久保を崇めろ
14:ヤクネコファン
様をつけれよデコ助野郎
15:ヤクネコファン
デロスサントス(21)打率.460 25本 54点
寺門(23)打率.431 19本 50点
16:ヤクネコファン
シャーマン消えてデロスサントス4番、寺門5番に圧縮したら打線の穴がなくなったでござる
17:ヤクネコファン
なんで21試合で既に打点50点超えてるの2人もいるの(困惑)
18:ヤクネコファン
というか寺門もシーズン129本ペースで打ってるんだけど
19:ヤクネコファン
流石に何処かで落ちるでしょ
20:ヤクネコファン
デロスサントス出塁率6割超えてるんだけど……
盗塁も上手いから既に12盗塁してるし
21:ヤクネコファン
相手からしたらたまったもんじゃないだろうな
22:ヤクネコファン
それに守備も上手いし……
大久保も今年はバットに当たること多くなったけど、全部内野ゴロで処理してるのは流石だわ
23:ヤクネコファン
??? 『大久保の球は滅茶苦茶重い、鉄球打ってるみたい』
24:ヤクネコファン
ロビカス既に9セーブ達成
9登板で失点は1点だけの模様
25:ヤクネコファン
というか小林は大丈夫か?
中継ぎの新人組の井端と巴が戦力化したからなんとかなってるけど、防御率5点台まで悪化してるし
26:ヤクネコファン
中継ぎで信用できるの井端、巴の新人コンビと江西しかいねぇ
他が投げると大抵火だるまだからな
27:ヤクネコファン
でも9回にロビカスが上がると大抵火消ししてくれるから最高
28:ヤクネコファン
大型連勝できてるのロビカスのおかげやろ
7対8のルーズベルトゲーム(シーソーゲームとも言う点の取り合いの馬鹿試合)が滅茶苦茶多くないか?
既に6試合はそんな感じだろ
29:ヤクネコファン
先発で大久保以外怪我明けか新人で長いイニング任せられない
井端、巴、江西以外の中継ぎが信用できない
↓
結果火だるま
30:ヤクネコファン
9回まで勝ってればヤクエナの勝ち
9回で負けてればヤクエナの負け
31:ヤクネコファン
まさにそんな感じ
32:ヤクネコファン
まぁ18勝2敗をまずは喜べや
33:ヤクネコファン
というか今年はノブナガーズ強いな
左右の毛受と津田、3番手の柴田とローテ安定してるし、和製大砲の豊臣と滝川、丹羽に去年首位打者取ったショートの明智とヤクエナに隠れて整備してきたよな
34:ヤクネコファン
2位のノブナガーズがヤクエナが唯一うちが2敗してるチームだから付いてきてるのわかるけど
35:ヤクネコファン
というかうちとノブナガが勝ち過ぎて、他4球団が死んでる
2強4弱状態や
36:ヤクネコファン
猛虎と東京(ジャイアンズ)はどうした?
死んだふりするには早いぞ
37:ヤクネコファン
猛虎、ご自慢の和製大砲トリオ以外が死んだ……3人が踏ん張ってるからなんとか
東京は期待したメジャー250本の外国人が扇風機になってる
契約関係で使い続けないといけないらしくて、DHが機能してない
38:ヤクネコファン
草
39:ヤクネコファン
大草原
40:ヤクネコファン
東京は自滅やんけ
41:ヤクネコファン
というか今年このまま優勝しないとヤバくないか
デロスサントスとロビカスも25歳超えたらメジャーで若年の年俸制限外れるから絶対メジャー行くし
42:ヤクネコファン
あと絶対年俸高騰するからなぁ……
残ってくれたら最高だけど
金満球団が金積むだろうし……
43:ヤクネコファン
絶対に長くいてくれないだろうなぁ……
「デロスサントス、ロビカス。競馬やろうぜ」
「競馬ですか? 別に良いですけど、競馬やってる日は野球のある日ですよ?」
「あ、いや、俺がいう馬に賭けてくれない? 1000円くらいでいいから」
『別に良いけど』
「勝ったら全額2人に上げるから、お願いだからメジャー行くまでの4年日本に居てくれない?」
「それはもちろんでーす! 大久保と一緒にやるのが楽しいでーす!」
『俺もオオクボが居るからこの球団来たし、薄給でも居るつもりだけど』
俺は、でもお金があった方が良いだろっていう。
2人はそれはそうだと頷くし、話を聞いていた端コと巴も何してるんですかって近づいてきた。
「2人は20歳未満だから競馬やれないだろ。2人には株のやり方教えてやるから」
「え、いいんですか?」
「株って損したら大変って聞きますが……」
「損しても大丈夫な範囲でやるの。外国人の2人は日本の株持ってるよりも即物的な競馬の方が良いと思って」
「大久保先輩ってそんなにギャンブルも強いんですか?」
『イバタにトモエ、お前ら知らないのか? アメリカのカジノでオオクボ300万ドル以上1夜で稼いでいたんだぞ』
「さ、300万ドル!? え! 大久保、そんなにギャンブル強いの?」
「まーな、直感でなんとなく当たり外れわかる。ネットで馬券買えるから2人も登録してやろうよ。俺はまだ19歳だから馬券買えないからアドバイスだけするから」
「お、おう」
そんな感じで、後輩2人には上がる株を教えて、助っ人コンビには当たり馬券を教えていった。
最初1000円スタートだったが、俺がいうのが当たりまくるので、毎レース1万賭けるようになり、毎回3連単(1着、2着、3着当てる賭け方)を当てる俺を2人は化け物を観るような目で見ながら、増えていく貯金額に大笑い。
後輩2人も低い株を買わせて、ぐんぐん株価が上がったところで売らせてを繰り返したら、3ヶ月ちょっとで5000万近く稼げていた。
「神様仏様大久保様! 俺、大久保先輩に一生ついていきます!」
「僕もです!」
こうして元から信者気味だった端コと巴は狂信者にジョブチェンジしてしまうのだった。