満員の神宮球場……俺はマウンドに立っていた。
2位のノブナガーズがずっと背後をついてきた為にマジックがなかなか点灯がしなかったが、8月終盤に点灯すると、勢いそのままに勝ち進み、俺が登板日に優勝が決まるという勝負の日だったんだが……。
俺は真っ青になっていた。
「大久保……顔真っ青だけど大丈夫か?」
「西住……ヤバい……絶不調の日に当たった」
「絶不調の日って何だよ」
「いや、3ヶ月に1日出力が全く出ない日があるんだ。今日はガチでヤバい……高中監督の時は休ませてもらったけれど、サクセン監督はそれでも投げてくれって言われてしまって……」
「心配するな、いつも大久保に頼っているんだから今日くらい野手陣がバックアップしてやる。ブルペン行ってどれくらい投げられるか確認するから」
「本当にすまん」
ブルペンに行き、俺の球を受けるが、西住も険しい顔をする。
この日の俺は超能力の無い普通の人になってしまう。
スタミナがあるから球数は投げられるが、変化球もカットボールとチェンジアップくらいしか投げられない。
ストレートも150キロしか出ない。
コントロールもいつもよりは悪い。
「優勝決定の今日は観客含めた全員が大久保の完投を望んでいるが……」
「何失点するか分からないぞ」
「大丈夫……うちの打線を信じろ」
こうして俺は超能力の無い、本当の実力でマウンドに上がることになるのだった。
西住の配球のお陰で3回まではランナーを出しながらも無失点であったが、俺が1球もライズや170キロを投げてこないことに疑問を感じた相手チームはざわつき出す。
勿論サクセン監督も心配する。
「故障はしてないんだな」
「はい、ただ出力が今日は全然上がりません……失点は覚悟をお願いします」
「分かった。井端、巴」
「「はい!」」
「大久保は5回で降ろす、継投に入るから準備を始めてくれ」
監督の指示でブルペンに移動を始める2人に申し訳なさを覚えながらも、今のところ味方打線も沈黙している。
苦しい展開であるが、いつかは起こると覚悟していた為に、俺は腹を括って、4回のマウンドに上がる。
超能力を使わなくてもいつもだったら疲れが殆ど出てこない球数……50球程度であるが、超能力という安心材料が無いと、いつもの数倍疲れが出てくる。
そして、そのような気持ちというのは打者は敏感に感じ取る。
俺がいつもの覇気が無いため、狙い球を絞った相手打者達は俺の球に対してガンガン振ってくる。
(気持ちで負けるな!)
自分自身で奮い立たせて、投げた直球は尽く打者に打ち返されて、センターの頭上を超えてスタンドに着弾する。
『入ったー! 大久保選手、今季2発目の被弾! 2ランホームランになります』
得点板に2点の文字が刻まれる。
一度流れを持っていかれるとなかなか止められないもので、更に2点追加点を入れられて、4失点。
滝のように流れる嫌な汗を拭いながら、ベンチで項垂れていたが、デロスサントスが俺に近づき、
『オオクボ、俺に任せろ。お前に負けは似合わない!』
他の選手もいつも以上に気合いを入れて、デロスサントスの前にランナーとして出ようともがく。
ランナー満塁で4番、デロスサントスがバッターボックスに入り、相手が投げた3球目。
右中間のフェンス直撃の長打コース。
デロスサントスは思いっきり走り、ヘッドスライディングをして三塁に到達し、俺のほうを指さす。
「デロスサントス」
超能力が無いからなんだ。
俺はプロ野球選手……お客さん達に今できる全力プレイを!
自身の顔にビンタして、闘魂を入れ直した俺は5回、6回のマウンドで気迫のピッチングを続け、7回のマウンドを井端に託した。
「お疲れ」
「西住……不甲斐ない投球で済まなかったな」
「いや、今季で一番気合いの入った球だった。スピードは出てなかったけど、気持ちの乗った良い球だったよ。さて、残りは逆転する事か……任せろエース様」
「西住……」
7回井端、8回巴が投げ抜いて、9回の表……こちらの攻撃で、デロスサントス四球、寺門がヒットで1、3塁……6番打者は凡打で7番西住。
カキーン
『打った大きい、大きい、相棒の負けを消す大きな一発……入った! 今季35号西住選手のホームランです』
俺は思わずベンチを飛び出して、本塁に戻ってきた西住に抱きついた。
そして最終回……守護神ロビカス。
三球三振。
『決まったー! ヤクエナキャッツ4年ぶりのリーグ優勝です!』
俺は思わず涙を流していたが、最初サクセン監督が胴上げをされた後に、他の選手が俺を囲んで7回宙を舞った。
思い出に残る1戦となるのだった。
そして、ペナント最終戦はフルパワー状態の俺が相手を圧倒して、9回無安打ピッチングで締めて、終了。
結局俺は今季29登板して28勝0敗という成績でペナントを終えることができるのだった。
最終成績がこんな感じ。
登板数29 投球258回回 防御率0.28 勝28 負0 奪三振318
完投28 完封24 四死球25 自己失点9
K/BB12.72
WHIP0.167
勿論投手5冠(最優秀防御率、最多勝、最多奪三振、最高勝率、最多完封)を達成。
日本最強の投手の名を欲しいままにするのだった。
そしてヤクエナキャッツの成績を見ていこう。
95勝39敗9分(勝率.663)
ベストオーダー
1番床田 中 打率.324 12本 34打点 38盗塁
2番島浦 ニ 打率.301 10本 36打点 30盗塁
3番源 DH 打率.315 31本 109打点 15盗塁
4番デロスサントス 遊 打率.435 80本 160打点 64盗塁
5番寺門 三 打率.401 60本 205打点 5盗塁
6番新藤 左 打率.285 28本 98打点 2盗塁
7番西住 捕 打率.348 39本 100打点 11盗塁
8番九里 一 打率.298 6本 28打点 20盗塁
9番園田 右 打率.289 14本 30打点 4盗塁
首位打者 デロスサントス
本塁打王 デロスサントス
打点王 寺門
最多安打 寺門
盗塁王 デロスサントス
チーム得点 845点
チーム打率 .328
投手
大久保 防御率0.28 28勝0敗
小林 防御率3.87 10勝5敗
奥寺 防御率2.95 8勝2敗
斎藤 防御率4.56 9勝6敗
少林寺 防御率3.14 10勝2敗
笹木 防御率2.75 11勝3敗
藤堂 防御率4.89 5勝2敗
岡島 防御率6.21 3勝4敗
中継ぎ H(ホールド)
江西 防御率2.24 1勝0敗29H
井端 防御率1.44 3勝0敗40H3S
巴 防御率1.54 3勝0敗38H2S
森 防御率4.83 0勝3敗10H
国枝 防御率5.24 0勝3敗5H
藤寺 防御率4.11 2勝2敗4H
他
抑え S(セーブ)
ロビンソン・カス 防御率0.65 2勝2敗41S
大久保 投手5冠
井端 最優秀中継ぎ 新人王
ロビカス 最多セーブ
【最強】ヤクエナキャッツ
1:ヤクエナファン
主要タイトルヤクエナキャッツで独占
2:ヤクエナファン
助っ人コンビがめっちゃ活躍してくれた
3:ヤクエナファン
というか怪我人が主要メンバーだと2人しかでなかったのがデカい
4:ヤクエナファン
結局床田も規定打席乗ったからな
5:ヤクエナファン
九里と園田は規定乗ってないけど、及第点の活躍はしてくれたしなぁ
6:ヤクエナファン
しっかし、4割打者が2人も出たのはすげえわ
7:ヤクエナファン
寺門がギリギリだったけど4割で持ちこたえたからな
8:ヤクエナファン
怪我人が少なければヤクエナキャッツは強いよ
9:ヤクエナファン
大久保様は優勝決定の試合以外は絶好調だったな
10:ヤクエナファン
あの試合は大久保様も人間なんだって感じた
11:ヤクエナファン
4失点する大久保様なんて初めて見たからな
12:ヤクエナファン
というかシーズンの安打の殆どをあの試合で打たれてたし、相当調子が悪かったんだろう
13:ヤクエナファン
神様仏様大久保様
14:ヤクエナファン
大久保様今年も28勝
15:ヤクエナファン
メジャー早く行っちゃうのかな
16:ヤクエナファン
22歳シーズンまでは居てくれるでしょ
17:ヤクエナファン
だといいけど
18:ヤクエナファン
サクセン監督の采配もズバリで凄かったな
結局大久保を過剰摂取しない投手運用続けたし
19:ヤクエナファン
しっかし、殆どの選手がキャリアハイの成績残せばこうなるか
20:ヤクエナファン
100打点4人って……ほぼ5人だけど
21:ヤクエナファン
西住はよぉ頑張った
キャッチャーで3割39本100打点は近年居なかったからなぁ
一応併用されていたけど8割試合に出てたから
22:ヤクエナファン
というか他2人のキャッチャーは壁性能は高いけど打撃が2割前半だから……西住ほど迫力ないし
23:ヤクエナファン
確かに
24:ヤクエナファン
他球団ファンは青ざめてるだろうな
25:ヤクエナファン
というかノブナガーズ強かったな
例年なら優勝だろ
26:ヤクエナファン
なんだかんだ80勝してるからなあのチーム
27:ヤクエナファン
クライマックスと日本シリーズも勝って日本一や