TS外道人外ロリは怖すぎ聖女に遊ばれる   作:適当うなぎ

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なるべく湿度を高めます。理由は興奮するから。




10. 『私の絵本』

 

 

 「ワタちゃん、ぼーっとしてますか?」

 

 ……いつ起きたのかも覚えていない。

 

 女の膝の上で頭を撫でられている。ベッドの端で足を下ろしながら、耳を傾けていた。

 

 「おとなしい感じも可愛いですね……ふわふわしてて、本当に小さい子供なのが分かりますよ! 興奮してきました!」

 

 「? ……うん」

 

 俺はとりあえず頷いた。

 

 「色々あったから疲れてるんですかね。ちょっと今日は、優しくしたほうが気持ちよくなれる予感がします」

 

 頭が重い、考えるのが難しい。妙に自分の呼吸が気になる。

 

 「そうだ、絵本でも読みましょうか!」

 

 ……吐き気がする。お前、本当に治したんだよな?

 

 女が俺を慎重に動かし、ベッドの上に座らせる。部屋から出ていこうとする女が見えて、俺は急に不安になった。

 

 気持ち悪い。起きていられない……なんだこれ、耐えられなくてすぐに横になる。時間が長く感じる。

 

 女は今、本を取りに行ってるはずだ。買いに行ってたりしないよな?

 

 「吐きそう」

 

 小さい声が漏れた。

 

 「大丈夫ですか?」

 

 すぐに返事があった。女がいつの間にか俺の隣に座っている。手が頭まで伸びてきて、額にゆっくりと乗せられる。

 

 「あれ、お熱がありますね」

 

 ……言われると熱いような気もする。時間の流れが遅い感覚が、身体に纏わりつく。

 

 「なおして」

「え? どうしてですか?」

 

 ふざけるなよ。体調が悪いんだよ、お前に構う余裕が無くてもいいのか? 優しくとか言ってた気もするし、何なんだよ……

 

 「たのしくない」

「私は……昨日の続きが見れてる気分で最高ですよ。少しして良くなったら、絵本を読んであげますね!」

 

 もういいや、ただ吐きそうだ。

 

 「そっか……おやすみ」

 

 俺は静かに寝ようとしたが、女がそれを邪魔してくる。

 

 「いたい」

 

 首の皮をつねってきた。力が強くて気持ち悪い。俺は不快だと示すため、表情を分かりやすく曇らせてから言った。

 

 「やめて」

 

 「そんな顔されたらもっと興奮します!」

 

 ……死ねよ。今は本当にやめてほしい。

 

 「きらい」

「え、そんなこと言わないでください」

 

 「ダメ、嫌です。そんなの悪い子になっちゃいますよ? 好きですよね? もっと苦しくなりたいんですか? 私、たくさん愛してますよね。冗談でも口に出さないって約束してくれないと……本当に酷いことします」

 

 気持ち悪い。体調のせいで聞き取りにくいんだよ。

 

 「ごめ、んなさい」

 

 「そうですよね。それで?」

 

 …………そんなことあるか? 続きなんてないだろ。

 

 「本当は、思ってない。気持ち悪くて……アリスに当たっちゃった」

 

 全部お前が原因だけどな。女は満足そうな顔をしている気がするが、視界がぼやけてはっきりとしない。

 

 「聞けて良かったです。可愛いワタちゃんはお疲れなんですね……なら、我慢します」

 

 本当に腹立つな。

 

 「まだ言うことありますよね?」

 

 ……予想していない追撃がきた。なんだ? これは絶対に正解がある時の言葉だろう。頭が上手く働いてない、会話を思い出す。

 

 あ、分かった。

 

 「約束……するから。ちゃんと、好き」

 

 これで違ったら多分だが諦めるしかない。

 

 「私もですよ! もう少し堪能したら治してあげますね! いつもより甘い匂いが濃いの好きです。なんか、じっとりしてますし」

 

 心の底から気持ち悪い。全身を嗅いでくる……特にお腹と頭が気に入ってるようだ。

 

 「恥ずかしくて、寝れない」

 

 適当なことを言って牽制しておこう。

 

 ダメだ。クソ、失敗した可能性が高い。女の笑顔がはっきりと見えた……

 

 「あー! すきすき。すきです! 本当に可愛い♡ もっと興奮できそうなこと言ってください!」

 

 死ね。何も考えられない、頭がクラクラするからすぐに寝たい。

 

 「もう好きにしていいから、寝させて?」

「あ! それは効きすぎるやつです……胸が苦しくなってきました! こんな小さい女の子が! 自分で言って良い台詞じゃないかもしれません!!」

 

 今日はよく喋るな。頼むから黙っといてほしい。

 

 「じゃあ、ちょっと確認します」

 

 女の手が首から胸まで移動する。なんだよ、やっぱりロリペド野郎だったか?

 

 「ここ、つねりたいです」

 

 ダメに決まってんだろ、気持ち悪いな。期待した顔してんじゃねぇよカス。

 

 「ちょっと、それは……ダメかな」

「絶対に寝させますから。ちょっとだけですから!!」

 

 どれだけ必死なんだ……目がやばい。呼吸も酷く乱れている。あー、クソ……死ねよ。

 

 「言いましたよね。さっき許可してくれました! というかワタちゃんって私のものですよね? こんな生意気に挑発してくるのが悪くないですか? 反省してください!」

 

 勢いに任せて女の指が閉じられた。

 

 「んっ……」

 

 自分から出てほしくない声が出た。普通に痛かっただけだが、確実に勘違いされているだろう。

 

 女はすぐに手を抜いて、顔を赤くしながら口をパクパクしている。

 自分の指と俺の顔を交互に見て、静かに口を開いた。

 

 「これもう、()()()()()()ですよね」

 

 どういうことだよ。手を引いたお前は、そこまでの資格しかないことを自覚したんじゃないのか? さっさと寝させろよ。

 

 「え、寝させてってそういうことなんですか? これ誘ってます? そんなのいけないことですよね」

 

 「ぷにぷにの子供が、大人の私にこんなことを……やっぱり理解(わか)らせって必要なんですね!?」

 

 どっちが子供だよ……吐き気がしてきた。

 

 「あとで、良いことするから。やめて」

「あ! え! まっ、うっ!!!!」

 

 女は胸を押さえて蹲っている。もうそのまま起き上がるなよ。

 

 「私、こんなのじゃなかったのに……酷いことするほうが好きなのに…………」

 

 体調が悪い時に過去一で気持ち悪いな。もうやめてくれよ、寝たいだけなんだ。

 

 それも無理なら治してくれ。

 

 「わか、りました。ワタちゃんはおねんね、してください!! ちゃんと聞きましたからね? やっぱりナシとか言ったら、その『おてて』とかをナシにします!!」

 

 こいつ、結構キツめの脅ししてくるの何なんだよ。容赦とかあれよ……お前には一般体調不良女児に見えるんだろ?

 

 「おやすみ」

 

 ……考えるのは後だ。気分が悪い。

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた。異常にすっきりしている気がする、おかしいだろこれ。

 

 目の奥だけ不快感がある気もするが、気分が良い。軽く身体を起こそうとしたら、女が肩を押して戻してきた。

 

 「……なに、ワタ起きる」

「何言ってるんですか? 私にこんなに我慢させたのに!! そのとぼけた顔もわざとですよね?」

 

 なんか圧が凄いな。見たこともない顔をしている……そんなに必死になるなよ。

 

 「とても好きで可愛いのに……壊したくないのは、初めてです」

 

 お前のほうがよっぽど魔物だな。なんで人として産まれたんだ? 全部のことを反省した気になってるから、神様に許されたのか?

 

 「あー! 好きです。本当に!」

 

 うるせぇよ。残念だけど俺は嫌いだ。

 

 「なんかそのちょっと引いてる感じの顔……くるんですよ!! このっ! やめてください!!」

 

 口の右端に指を突っ込まれて、強引に顔を歪めてきた。

 

 「……あ! 生意気な目してます、見下してますか? 弱いのに、小さいのに!」

 

 「ひがう」

 

 否定しておくか、暴走されそうだ。手遅れかもしれないが。

 

 「ワタちゃん、何人食べても私には勝てませんよ。絶対にです」

 

 呼吸を激しく乱して、ニヤニヤしながら女は言う。

 

 「私は強いんですよ、選ばれてますから」

「試してみます? 奴隷でも買ってきて食べさせましょうか? 意味ないですよ。ワタちゃんが変な匂いになるだけです」

 

 「絶対に!! 勝てないのに!! そんな顔してるのが…………どうしようもなく興奮します!!」

 

 ほぼ泣いている。どういう情緒してるんだよお前は?

 

 「わかりますか? 私の魔力、放出してますけど」

 

 ……何も分からない。

 

 「これも理解できない程度の子供なのに、殺せると思ってずっと媚びてるんですよね」

「そういうのが一番、なんかこう! わかりますかね?!」

 

 …………もう分かった、殺せるよ。

 

 「もう私の全部なんです! 動いてくれるだけで好き!! 伝わりますか、ねぇ!!」

 

 お前、そんなに喋るっけ? 

 

 「すみません、怖がらせちゃいましたね。好きなのだけ分かってほしいんです、変でしたよね? 泣かないでください」

 

 女が俺の目に指を置いた。何かが移る感覚がある。

 

 ……涙?

 

 「震えてますよ。ちょっと過剰でした、反省してます。脅したいわけじゃないんですよ……ただ一緒にいたいんです」

 

 「こわ、くないよ」

 

 俺は自分に言い聞かせた。安心できる。

 

 「ふふ、ありがとうございます。また……寝ますか?」

 

 ……は? どういうことだ。

 

 「ワタちゃん、ずっーと寝てましたから。もう外は暗いんですよ」

 

 女がゆっくり立ち上がり、部屋の壁に手を置いた。

 

 「ほら、こんなに」

 

 何か、壁紙が浮いて溶けるみたいに……そこから窓が現れた。

 

 女は巨大なカーテンを開けて外を見せてくれる。

 

 「……綺麗」

 

 小さな明かりが見えて、たくさんの生活をそこに感じる。

 

 俺は誘われるように、女の横まで歩いていった。窓に触れる。

 

 「静かだね」

 

 「……そうですかね?」

「ねぇ、ワタちゃん」

 

 カーテンを閉めて、女が声を出す。外はもう見えなくなって、気づけば壁が広がった。

 

 「酷いことをしなければ、この関係は変わりますか? 私を少し嫌ってるのは、当然分かってます」

 

 少し? その程度の認識のお前なら、変わるわけねぇだろ。ただ一緒に時間を過ごしましょうってか? 気持ち悪いな。

 

 「きっと」

 

 俺はつまらない日を終わらせたくて、適当に返事をする。意味のわからない一日だったけど、もう寝ることにしよう。

 

 本当にずっと寝てるな……

 

 「明日こそ、絵本を読みましょう」

 

 女が笑顔でそう言って、俺の手を握り歩き出す。なんか……目が回ってきたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「次のお話を読みますか?」

「うん……」

 

 もう何冊を読んだかなんて、俺は覚えていない。女はおかしくなってしまったのか、本を読み聞かせし続けるマシーンになった。

 

 

 一冊目を読み始める前に、女が俺に質問をしたことが始まりだ。

 

 「あの時は冷静じゃありませんでした。だから聞かせてください……良いことって、なんですか?」

 

 「…………ワタが絵本を作ってあげる。花火を見る時、プレゼントとして渡すから」

 

 字も分からないから、難しいがな。

 

 「……! 嬉しいです。じゃあ、字のお勉強もしましょう!」

 

 それから俺は女の膝に囚われている。

 

 

 最悪だ。痛いこともしてこないが、不愉快なやつに『優しくしてる』面されるのもクソだな……

 

 「このお話は、好きかも」

「……私もです。どこが好きですか?」

 

 「終わり。怪物の指を握るとこ」

「同じです、私もずっと……」

 

 お前は共感以外をやめたのか? そんなに愛されたくなったなら残念だが、すぐに人は変われないんだよ。

 

 俺みたいに、特別な経験がないとな。

 

 「そろそろ、字も分かってきた。練習に何か書くものと……本番用のが欲しいかも」

 

 「もちろんです。すぐに買ってきますね」

 

 どっちが飼われてるんだろうな。今はもう、お前のほうがよっぽど…………

 

 頭が重くなってきた、やっぱり疲れたんだろうな。そろそろ解放されても良くないか?

 

 ベッドに戻る。俺はアリス人形を手に取った。優しく首の部分に手を置いて、少し力を入れてみる。

 

 「つまらない」

 

 退屈が終わりますように。そう願いながら、俺は女の帰りを待った。

 

 

 

 

 

 

 寝ていると笑顔で、たくさん道具を渡された。お前は薬でもやったのか? やっぱりおかしいよ。

 

 これも夢だったらどうしよう。

 

 俺の息は少し荒くなったけど、すぐに落ち着いた。大丈夫だ。

 

 「じゃあ、今日から頑張るから」

 

 「絵本……楽しみにしててね」

 

 女に微笑むと、少し苦しむような顔をして小さく言われた。

 

 「こんなに幸せでいいんでしょうか? 私は、酷いことばっかりしてます。きっとこれからも……多分、しちゃいます」

 

 そうだろうな。でも、幸せじゃいけない人間のほうが……ずっと俺より幸せなんだ。

 

 「知ってる。でも、大丈夫だよ。これを読んだらアリスも、きっと同じになれるから」

 

 下を向きすぎて疲れる程度の時間が経って、女が俺の絵を覗く。

 

 「綺麗な、絵ですね。ワタちゃんとっても上手です……初めてには見えません」

 

 …………俺はゆっくり口を開いた。

 

 「花火、貸してほしい。描きたい」

 

 少しして、透明のケースごと渡された。一番上には、四角い小さな紙がある。

 

 「……これ、読んでほしい」

 

 絵本には使われていない字だった。

 

 女がわかりやすいように、俺に優しく説明をする。

 

 「やっぱり」

「どうしましたか?」

 

 反応されて、漏れていたことに気づいた。

 

 「…………ううん。綺麗だなって」

「ねぇ、このスイッチ。ワタが持ってても良い?」

 

 女が俺に笑いかける。今までの表情を忘れたかのような落ち着いた顔だ。

 

 「ふふ、どうしてですか?」

 

 「アリスには……読みながら楽しんでほしいから」

 

 「今から持ってたいんですか?」

「うん。楽しみだからね」

 

 久しぶりにいたずらっぽく笑って、スイッチを胸に抱えた。

 

 「もちろんです……どうぞ」

「私もとっても、楽しみにしてます」

 

 俺は床に寝転がり指を動かす。

 

 何日も経った気がするし、一瞬だったかもしれない。

 

 貰った道具が小さくなって、描きづらさを感じた頃に……やっとそれは完成した。

 

 

 

 

 

 




全年齢だったな。ヨシ、通ります。情緒不安定女はみんな好き。
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