海防艦 犬島   作:重装甲空母信濃

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犬島公式SNS
犬島の所属する呉鎮守府の一般公開。
軍令部公式SNS
呉鎮守府の一般公開の案内。

予約不要、無料公開

この一般公開の発表の反応
一般公開当日の様々な反応(犬島を含む様々な艦娘との交流の感想も)


犬島呉鎮守府一般公開

呉鎮守府一般公開

 

――予約不要、入場無料。そして犬島がおる日――

 

ある日の午前九時。

 

軍令部公式SNSが、一件の告知を投稿した。

 

内容は簡潔だった。

 

«【呉鎮守府一般公開のお知らせ】

 

呉鎮守府では、下記日程で一般公開を実施します。

 

入場無料・事前予約不要です。

 

艦艇公開、装備展示、施設の一部公開、艦娘との交流・質疑応答などを予定しています。

 

開催時間:09:00~16:30

最終入場:16:00

 

※混雑状況により入場を一時制限する場合があります。

※立入禁止区域・撮影禁止区域があります。

※艦娘の任務状況により参加者が変更となる場合があります。»

 

最後に、参加予定艦娘の一部が記載されていた。

 

大和。

矢矧。

時雨。

雪風。

瑞鶴。

翔鶴。

秋月。

能代。

妙高。

 

そして。

 

海防艦・犬島。

 

投稿から、わずか数分。

 

反応が急速に増えた。

 

«「予約不要!?」»

 

«「無料!?」»

 

«「呉で大和に会えるの?」»

 

«「犬島いるじゃん」»

 

«「犬島本人に河口の話聞ける?」»

 

«「鹿の質問は禁止されてないよな?」»

 

«「一般公開なのに参加艦娘豪華すぎる」»

 

そして。

 

かなり多かったのが、

 

«「犬島公式からも何か言いそう」»

 

という反応だった。

 

実際。

 

二十分後。

 

犬島公式SNSが更新された。

 

---

 

犬島公式SNS

 

«呉鎮守府の一般公開にうちも参加します。

 

予約はいらんそうです。無料です。

 

実艦の公開も一部あります。

 

事故のことも聞いてもらって大丈夫です。分かることなら答えます。

 

ただ、鹿は追ってません。

 

よろしくお願いします。»

 

ネット。

 

即座に。

 

«「最後の一文」»

 

«「誰もまだ聞いてない」»

 

«「本人が先回りしてる」»

 

«「犬島公式が一般公開案内として完成されすぎてる」»

 

さらに。

 

«「事故のこと聞いていいって本人が言ってるぞ」»

 

この投稿が広がったことで、一般公開の注目度がさらに上がった。

 

---

 

一 発表直後の反応

 

一般公開発表から数時間。

 

SNS上では、早くも「誰に何を聞くか」という話題が始まった。

 

大和。

 

«「大和さんに呉の好きなところ聞きたい」»

 

矢矧。

 

«「矢矧に艦隊運用の話聞けるかな」»

 

時雨。

 

«「時雨と話せるなら行きたい」»

 

雪風。

 

«「雪風本人に幸運について聞くのちょっと緊張する」»

 

瑞鶴。

 

«「瑞鶴に艦載機の話聞きたい」»

 

秋月。

 

«「秋月に防空の話聞きたい」»

 

そして犬島。

 

«「犬島に第1回から第10回河口事故全部聞きたい」»

 

返信。

 

«「本人がSNSで全部まとめてるからまず読め」»

 

«「現地で11回目聞くなよ」»

 

犬島公式。

 

珍しく返信。

 

«第11回はありません。»

 

数分後。

 

«「一般公開前からフラグ立てるな」»

 

犬島。

 

«フラグではありません。»

 

---

 

二 軍令部の予想

 

軍令部。

 

広報担当会議。

 

「予約不要にしたのはよかったんでしょうか」

 

総長。

 

「地元の人にも気軽に来てもらうためだ」

 

「犬島公式の投稿がかなり拡散されています」

 

「どれくらいだ」

 

「軍令部公式告知より反応数が多いです」

 

総長。

 

少し黙る。

 

「……なぜだ」

 

参謀。

 

「最後の鹿の一文が」

 

総長。

 

「鹿か」

 

「はい」

 

総長は少し笑った。

 

「もう犬島と鹿は切れないのか」

 

---

 

三 一般公開当日

 

当日。

 

午前七時四十分。

 

呉鎮守府正門前。

 

すでに人。

 

かなり多い。

 

午前八時。

 

列。

 

伸びる。

 

家族連れ。

 

艦艇好き。

 

学生。

 

地元住民。

 

SNSで犬島を知った人。

 

艦娘に会いに来た人。

 

軍令部広報担当。

 

少し青ざめる。

 

「予約不要」

 

「はい」

 

「無料」

 

「はい」

 

「犬島公式」

 

「はい」

 

「……なるほど」

 

午前九時。

 

開門。

 

最初の来場者が入る。

 

---

 

四 犬島の朝

 

犬島。

 

第一岸壁付近。

 

実艦。

 

公開準備。

 

白い半袖の水兵服。

 

紺色のプリーツスカート。

 

深緑色のスカーフ。

 

桃の花の髪留め。

 

いつもの姿。

 

提督。

 

「緊張するか」

 

「少し」

 

「宇野港一般公開の時より?」

 

犬島。

 

「呉なので」

 

「人数が」

 

入口を見る。

 

長い列。

 

「多いです」

 

提督。

 

「事故の質問も来るぞ」

 

犬島。

 

「それは慣れました」

 

少し考える。

 

「鹿も来ると思います」

 

「鹿本人は来ないだろう」

 

犬島。

 

「質問です」

 

---

 

五 最初の来場者

 

午前九時十五分。

 

犬島の交流スペース。

 

最初。

 

小学生の男の子。

 

「犬島ちゃん!」

 

「はい」

 

「ほんとに船動かしてるの?」

 

「動かしとります」

 

「一人で?」

 

「はい」

 

「人乗ってないの?」

 

「乗っとらんです」

 

男の子。

 

実艦を見る。

 

「すごい」

 

犬島。

 

少し嬉しそう。

 

「ありがとうございます」

 

その母親。

 

「写真いいですか?」

 

「ここなら大丈夫です」

 

SNS。

 

すぐ投稿。

 

«「犬島ちゃん、思ったよりすごく丁寧に話してくれた。実艦を本当に一人で動かしてるらしい。」»

 

---

 

六 時雨との交流

 

別のエリア。

 

時雨。

 

来場者と会話。

 

高校生。

 

「時雨さん、犬島とはよく話しますか?」

 

時雨。

 

少し笑う。

 

「うん。事故の後とか、よくね」

 

「犬島さんって落ち込みます?」

 

時雨。

 

少し考える。

 

「落ち込むよ。でも、自分で戻ってくる」

 

その投稿。

 

«「時雨に犬島のこと聞いたら『落ち込むけど自分で戻ってくる』って言ってた。なんかすごく犬島らしい。」»

 

犬島。

 

後で見る。

 

「時雨さん」

 

「はい?」

 

「何でうちのこと話しとるんですか」

 

時雨。

 

「聞かれたから」

 

「そうですか」

 

---

 

七 雪風

 

雪風。

 

交流コーナー。

 

子供。

 

「雪風さんって本当に運がいいの?」

 

雪風。

 

「どうでしょう!」

 

別の人。

 

「犬島とは逆ですね」

 

一瞬。

 

周囲。

 

静か。

 

雪風。

 

首を横に振る。

 

「逆じゃないです」

 

「え?」

 

「犬島ちゃんは、不幸なことに遭うことは多いですけど」

 

少し笑う。

 

「ちゃんと帰ってきますから」

 

SNS。

 

«「雪風が『犬島は不幸に遭うけどちゃんと帰ってくる』って言ってたの良かった。」»

 

この投稿。

 

犬島本人。

 

「いいね」。

 

---

 

八 瑞鶴

 

瑞鶴のところ。

 

航空隊についての質問。

 

当然。

 

例の事故も。

 

来る。

 

「犬島に艦爆ぶつけた事故って本当にあったんですか?」

 

瑞鶴。

 

かなり嫌そうな顔。

 

「……あった」

 

「犬島さん怒りました?」

 

「怒らなかった」

 

「本当に?」

 

瑞鶴。

 

少し間。

 

「その方がつらかったけどね」

 

その後。

 

犬島と瑞鶴。

 

偶然。

 

同じ交流スペースへ。

 

来場者。

 

「二人仲悪くないんですか?」

 

犬島。

 

「悪くないです」

 

瑞鶴。

 

「普通」

 

犬島。

 

「事故は事故です」

 

瑞鶴。

 

「そういうところ」

 

犬島。

 

「何ですか」

 

瑞鶴。

 

「何でもない」

 

SNS。

 

«「犬島と瑞鶴普通に仲良かった。事故は事故、本人同士は別って感じだった。」»

 

---

 

九 秋月

 

秋月。

 

かなり人気。

 

防空装備。

 

食事。

 

節約。

 

いろいろ聞かれる。

 

そこへ。

 

「四艦衝突事故の時、犬島さんどうでした?」

 

秋月。

 

「あの時は犬島さんが前にいたので、かなり助かりました」

 

「怒ってました?」

 

秋月。

 

少し笑う。

 

「犬島さん、少しだけ怒ってました」

 

近くにいた犬島。

 

「秋月さん」

 

「はい?」

 

「それ言わんでも」

 

「でも本当です」

 

犬島。

 

少し困る。

 

SNS。

 

«「秋月本人から『犬島さん少し怒ってました』証言出た」»

 

犬島公式。

 

後で返信。

 

«少しです。»

 

---

 

十 大和

 

大和の周辺。

 

やはり人。

 

圧倒的に多い。

 

「大和さん、犬島ってどんな子ですか?」

 

大和。

 

少し考える。

 

「とても真面目ですね」

 

「事故多いですよね」

 

大和。

 

「多いですね」

 

周囲。

 

少し笑う。

 

「でも」

 

大和は続ける。

 

「事故の数だけで、その艦を見るものではありません」

 

「犬島さんは、護衛を終えて普通に帰ってきた日の方が、ずっと多いですから」

 

SNS。

 

«「大和が犬島の事故回数より通常任務の方がずっと多いって言ってた。すごくまともな話。」»

 

犬島。

 

その投稿も。

 

「いいね」。

 

---

 

十一 矢矧

 

矢矧はかなり実務的だった。

 

来場者。

 

「犬島って護衛艦としてどうなんですか?」

 

矢矧。

 

即答。

 

「優秀です」

 

「事故多いですけど」

 

「事故原因と能力は分けて考えるべきでしょう」

 

「河口10回」

 

矢矧。

 

一瞬。

 

止まる。

 

「……それは多いわね」

 

周囲。

 

笑い。

 

SNS。

 

«「矢矧ですら河口10回は『多い』判定」»

 

犬島。

 

«うちも多いと思います。»

 

---

 

十二 能代と妙高

 

能代。

 

一般公開。

 

かなり丁寧。

 

ただ。

 

四艦衝突事故について。

 

質問される。

 

能代。

 

「その事故は私の手順違反が原因です」

 

周囲。

 

少し静かになる。

 

「犬島さんは?」

 

「過失ありません」

 

「今は仲いい?」

 

能代。

 

「はい」

 

少し離れたところ。

 

犬島。

 

聞こえる。

 

「能代さん」

 

「はい?」

 

「その話ばっかりせんでもええですよ」

 

能代。

 

「でも事実だから」

 

犬島。

 

「それもそうですけど」

 

妙高。

 

横。

 

少し笑う。

 

SNS。

 

«「能代が自分の事故原因を誤魔化さず話して、犬島が『もうそんなに言わなくていい』って言ってた。関係修復できてる感じした。」»

 

---

 

十三 犬島への事故質問

 

午後。

 

犬島。

 

質疑応答。

 

大人気。

 

「河口何回ですか?」

 

「十回です」

 

「第11回は?」

 

「ありません」

 

「座礁は?」

 

「海底が上がっとりました」

 

「貨物列車は?」

 

「脱線させてません」

 

「鹿は?」

 

「追ってません」

 

「観覧車は?」

 

「見ただけです」

 

「停電は?」

 

「知りません」

 

会場。

 

笑い。

 

犬島。

 

少し笑う。

 

「まとめて聞かんでください」

 

SNS。

 

«「犬島本人による事故FAQ、テンポ良すぎた」»

 

---

 

十四 艦体喪失の質問

 

少し真面目な人。

 

「前に艦体を失った時の投稿、読みました」

 

犬島。

 

「ありがとうございます」

 

「今の艦は好きですか?」

 

犬島。

 

少しだけ。

 

実艦を見る。

 

「はい」

 

「前の艦と違っても?」

 

「違うところもあります」

 

少し間。

 

「でも、今のうちの艦です」

 

周囲。

 

静かに。

 

拍手。

 

犬島。

 

「何で拍手ですか」

 

---

 

十五 来場者の投稿

 

午後二時頃。

 

SNS。

 

呉鎮守府一般公開関連の投稿。

 

大量。

 

«「犬島、小さいけど実艦はちゃんと海防艦サイズ。並ぶと不思議。」»

 

«「時雨めちゃくちゃ話しやすかった」»

 

«「大和は本当に存在感すごい」»

 

«「矢矧が質問に全部実務的に答えてくれて良かった」»

 

«「秋月に防空の話聞いたらめちゃくちゃ詳しかった」»

 

«「瑞鶴、航空機の話になると急に早口」»

 

«「妙高は落ち着いてて話しやすい」»

 

«「能代、事故の件ちゃんと自分から説明してた」»

 

そして。

 

«「犬島、事故ネタの印象強かったけど実際会うとかなり真面目で優しい。」»

 

さらに。

 

«「犬島に『今日は事故起きそうですか』って聞いたら『起きる予定の事故は事故じゃないです』って返された。」»

 

この投稿。

 

かなり拡散。

 

犬島。

 

後で見る。

 

「当たり前のこと言っただけです」

 

---

 

十六 写真撮影

 

写真撮影スペース。

 

犬島。

 

時雨。

 

雪風。

 

秋月。

 

四人。

 

来場者。

 

撮影。

 

一人。

 

「犬島さん、もう少し中央!」

 

犬島。

 

移動。

 

時雨。

 

「河口には行かないよ」

 

犬島。

 

「ここ陸です」

 

雪風。

 

笑う。

 

秋月。

 

「大丈夫です」

 

撮影。

 

SNS。

 

«「犬島・時雨・雪風・秋月の4人撮れた。犬島が河口ネタに即ツッコミしてた。」»

 

---

 

十七 白桃差し入れ禁止

 

一般公開。

 

差し入れ。

 

原則。

 

直接受け取り禁止。

 

犬島へ。

 

「白桃持ってきたんですけど」

 

犬島。

 

かなり残念そう。

 

「直接は受け取れんです」

 

「そうですよね」

 

「気持ちは嬉しいです」

 

「また玉野で」

 

犬島。

 

少し笑う。

 

「はい」

 

SNS。

 

«「犬島に白桃渡せなかったけど、めちゃくちゃ残念そうな顔してた」»

 

返信。

 

犬島公式。

 

«規則なので。»

 

数分後。

 

追記。

 

«でもありがとうございます。»

 

---

 

十八 軍令部の想定超過

 

午後三時。

 

来場者数。

 

すでに。

 

二万三千人。

 

軍令部。

 

「予想は?」

 

「一万二千」

 

「倍近い」

 

「はい」

 

総長。

 

「事故は」

 

「ありません」

 

「迷子」

 

「十三件、全員保護」

 

「救護」

 

「軽い暑さによる休憩数件」

 

「艦娘側」

 

「問題なし」

 

総長。

 

少し安心。

 

「犬島は」

 

「ずっと質問されています」

 

「休ませろ」

 

---

 

十九 犬島休憩

 

午後三時十五分。

 

犬島。

 

裏側。

 

椅子。

 

水。

 

提督。

 

「大丈夫か」

 

「喉が疲れました」

 

「何回鹿聞かれた」

 

犬島。

 

「数えてません」

 

「河口は」

 

「もっと多いです」

 

「嫌だったか」

 

犬島。

 

少し考える。

 

「いえ」

 

「知ってもらえるなら」

 

「ええです」

 

そして。

 

少し笑う。

 

「直接聞いてもらった方が」

 

「変なSNS投稿より早いです」

 

---

 

二十 終了

 

午後四時三十分。

 

一般公開。

 

終了。

 

最終来場者数。

 

二万七千八百人。

 

大きな事故。

 

なし。

 

トラブル。

 

軽微。

 

艦艇損傷。

 

なし。

 

犬島。

 

出港予定。

 

なし。

 

今日は呉に留まる。

 

犬島。

 

「それなら安心です」

 

提督。

 

「何が」

 

「一般公開の後に出港すると」

 

少し間。

 

「宇野港みたいになる可能性があるので」

 

提督。

 

「別世界線だ」

 

犬島。

 

「そうでした」

 

---

 

二十一 軍令部公式SNS・終了報告

 

夕方。

 

軍令部公式SNS。

 

«【呉鎮守府一般公開終了】

 

本日の一般公開は終了しました。

 

来場者数:約27,800人

 

大きな事故・混乱なく終了しました。

 

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。»

 

反応。

 

«「無料予約不要で27800人すごい」»

 

«「楽しかった」»

 

«「またやってほしい」»

 

«「艦娘と直接話せたの良かった」»

 

«「運営大変そうだけど最高だった」»

 

---

 

二十二 犬島公式SNS

 

その約十分後。

 

犬島公式。

 

写真。

 

夕方の呉鎮守府。

 

実艦。

 

大和。

 

複数の艦艇。

 

遠く。

 

来場者が帰っていくところ。

 

«呉鎮守府一般公開、終わりました。

 

たくさん来てくださってありがとうございました。

 

河口、鹿、貨物列車、観覧車、停電、座礁、潜水艦の事故までいろいろ聞かれました。

 

ちゃんと普通の護衛の話も聞いてもらえました。

 

そこが一番嬉しかったです。

 

今日は事故ありませんでした。

 

良い日でした。»

 

反応。

 

«「最後の一文が一番いい」»

 

«「普通の護衛の話聞けてよかった」»

 

«「犬島、実際会うと印象変わった」»

 

«「事故の艦じゃなくて護衛の艦なんだなって思った」»

 

そして。

 

かなり多く「いいね」が付いた投稿。

 

«「SNSで事故報告を見て知った犬島に、実際会って『普通の日の方がずっと多い』って分かった。それだけでも行ってよかった。」»

 

犬島。

 

その投稿に。

 

「いいね」。

 

---

 

二十三 艦娘たちの感想

 

一般公開終了後。

 

艦娘側。

 

食堂。

 

時雨。

 

「疲れた?」

 

犬島。

 

「かなり」

 

雪風。

 

「でも人気でした!」

 

犬島。

 

「事故の質問が多かったです」

 

秋月。

 

「でも、護衛の話もされていましたよ」

 

犬島。

 

少し。

 

嬉しそう。

 

「はい」

 

瑞鶴。

 

「私のところでも犬島のこと聞かれたんだけど」

 

犬島。

 

「何て言いました?」

 

「事故に遭うけどしぶとい」

 

犬島。

 

「言い方」

 

翔鶴。

 

「瑞鶴」

 

瑞鶴。

 

「でも褒めてるから!」

 

大和。

 

少し離れたところで笑う。

 

矢矧。

 

「次回は事故質問専用窓口でも作った方がいいんじゃない?」

 

犬島。

 

「嫌です」

 

全員。

 

笑った。

 

---

 

二十四 一般人側の最終的な感想

 

その夜。

 

SNS。

 

一般公開の感想。

 

写真。

 

動画。

 

大量。

 

中でも多かったのは。

 

«「艦娘ってもっと遠い存在だと思ってたけど、普通に話してくれた。」»

 

«「大和は大和だった。存在感がすごい。」»

 

«「時雨が優しかった。」»

 

«「雪風がずっと元気。」»

 

«「矢矧は説明が分かりやすい。」»

 

«「秋月が質問に真面目に答えてくれた。」»

 

«「瑞鶴と翔鶴のやり取りが本当に姉妹っぽかった。」»

 

«「能代と妙高が事故について誤魔化さず話していたのが印象的。」»

 

そして。

 

犬島。

 

«「犬島、事故の話より工具の話をした時の方が明らかに楽しそうだった。」»

 

«「白桃の話したら急に岡山弁強くなった。」»

 

«「『普通に帰る日の方が多いです』って本人に言われて、確かにそうだと思った。」»

 

«「事故が多い艦じゃなくて、事故が起きても帰ってくる艦なんだな。」»

 

その最後の投稿を。

 

犬島は。

 

かなり長く見ていた。

 

提督。

 

「どうした」

 

犬島。

 

「これ」

 

画面を見せる。

 

「嬉しいです」

 

「そうか」

 

「はい」

 

少し間。

 

「事故のこと知って来て」

 

「普通のうちも見て帰ってくれたなら」

 

犬島は、夕方の静かな呉鎮守府を見る。

 

「一般公開やって良かったです」

 

その日の犬島公式SNSは。

 

それ以上。

 

更新されなかった。

 

事故なし。

 

河口なし。

 

接触なし。

 

座礁なし。

 

ただ。

 

二万七千人以上の人と。

 

話した。

 

笑った。

 

説明した。

 

そして。

 

「犬島」という艦を。

 

事故以外のところまで。

 

知ってもらえた。

 

それだけの。

 

かなり良い一日だった。

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