海防艦 犬島   作:重装甲空母信濃

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フレッチャーが犬島と交流のあるアイオワと藍島とも交流があるジャーヴィスと話をしている。(読みにくいから日本語で)
その後米海軍と英海軍のアカウントが投稿した話してしる映像と添えられたコメントが話題になる
(コメントの内容アメリカとイギリスの艦娘が話しているのに出てくるのはほぼ特定の日本の艦娘だった)
アメリカやイギリス側のネット上の反応も含む


米英艦娘交流会

米英艦娘三人の雑談

 

――その場にいない犬島と藍島の話ばかりになった日――

 

フレッチャーが河口へ入った事故から、しばらく経った頃だった。

 

アメリカ海軍とイギリス海軍による交流行事が行われ、フレッチャーはそこで二人の艦娘と同じ休憩室を使うことになった。

 

一人はアメリカ海軍の戦艦、アイオワ。

 

もう一人はイギリス海軍の駆逐艦、ジャーヴィス。

 

三人とも所属国は違うものの、互いに顔を知っており、特に珍しい組み合わせというわけではない。

 

ただし、この三人には偶然にも共通点があった。

 

全員、犬島か藍島と少なからぬ関わりを持っている。

 

アイオワは以前、航路図の位置情報のずれが原因となって犬島と接触事故を起こしたことがある。

 

双方に過失はなく、事故後の交流も続いている。

 

ジャーヴィスは合同演習中の魚雷事故で犬島を大破させたことがあり、その後犬島とは和解済み。さらに最近、藍島とも初めて直接会って話をした。

 

そしてフレッチャー。

 

つい先日、アメリカで河口進入事故を起こした結果、日本のネット上でなぜか犬島と藍島の名前まで出され、最終的には本人たちと「河口に入った時の感覚」について話すことになった。

 

三人。

 

誰も犬島でも藍島でもない。

 

犬島と藍島はその頃、日本の呉鎮守府にいた。

 

それなのに。

 

この日の会話は、始まって三分もしないうちに犬島の話になった。

 

---

 

一 きっかけはフレッチャー

 

休憩室。

 

フレッチャーが飲み物を持って椅子へ座る。

 

アイオワが向かい側。

 

ジャーヴィスがその隣。

 

しばらくは普通の話だった。

 

今回の訓練。

 

天候。

 

食事。

 

寄港地。

 

そしてアイオワが何気なく聞いた。

 

「そういえばフレッチャー、聞いたわよ」

 

フレッチャー。

 

「何を?」

 

「川」

 

フレッチャーの動きが止まった。

 

ジャーヴィスも反応する。

 

「川?」

 

アイオワが笑いながら説明する。

 

「この前、停泊中に事故が起きて河口に入ったのよ」

 

ジャーヴィスがフレッチャーを見る。

 

「大丈夫だった?」

 

「無傷。座礁もしてないわ」

 

「それなら良かった」

 

そこまでは普通だった。

 

ところが、フレッチャーが飲み物を一口飲んでから言った。

 

「でも日本で変なことになったのよ」

 

アイオワ。

 

「変なこと?」

 

「河口進入事故って情報が出たら、犬島か藍島じゃないかって言われた」

 

アイオワ。

 

「……ああ」

 

ジャーヴィス。

 

「……分かる」

 

フレッチャーが二人を見る。

 

«「なんで二人とも納得するの?」»

 

---

 

二 アイオワは犬島を知っている

 

アイオワが肩をすくめた。

 

「犬島でしょう? 知ってるわよ」

 

フレッチャー。

 

「知ってるって、会ったことあるの?」

 

「あるどころじゃないわ」

 

アイオワは少し苦笑する。

 

«「接触したことがある」»

 

フレッチャー。

 

「……船同士で?」

 

「船同士で」

 

ジャーヴィスが横から静かに言う。

 

「私も」

 

アイオワがジャーヴィスを見る。

 

「あなたの場合は接触という言い方で済ませちゃ駄目じゃない?」

 

ジャーヴィス。

 

「……魚雷」

 

フレッチャー。

 

ゆっくりジャーヴィスを見る。

 

「魚雷?」

 

ジャーヴィス。

 

「犬島に当てた」

 

「当てた!?」

 

「事故」

 

ジャーヴィスはすぐに付け加えた。

 

「ちゃんと調査されてる。犬島に過失なし。私にも故意はない。魚雷側の異常が重なった事故」

 

フレッチャー。

 

「それでも魚雷が犬島に当たったの?」

 

「うん」

 

「大丈夫だった?」

 

「大破した」

 

フレッチャーは完全に言葉を失った。

 

---

 

三 アメリカ海軍側のカメラ

 

実はこの休憩室。

 

交流記録用として、部屋の隅に固定カメラが一台置かれていた。

 

事前に三人とも撮影について了承している。

 

そのカメラには、フレッチャーがジャーヴィスを見ながら固まっている姿がきれいに残った。

 

フレッチャー。

 

「待って。私、河口へ入っただけで犬島と比較されてたのに、あなた犬島に魚雷当ててるの?」

 

ジャーヴィス。

 

「言い方」

 

アイオワが笑う。

 

「でも事実ではあるわね」

 

ジャーヴィス。

 

「アイオワもぶつかってる」

 

「私は航路図のずれが原因」

 

「私も事故」

 

フレッチャー。

 

二人を交互に見る。

 

«「犬島、海外艦と何が起きてるの?」»

 

アイオワ。

 

「本人に聞いた方がいいんじゃない?」

 

ジャーヴィス。

 

「たぶん犬島も分からないと思う」

 

---

 

四 犬島という艦娘

 

フレッチャーは少し興味を持った。

 

「私、犬島とはまだ直接ちゃんと会ったことないのよ。連絡したくらい」

 

アイオワ。

 

「小さいわよ」

 

ジャーヴィス。

 

「小さい」

 

フレッチャー。

 

「そこ二人とも最初に言う?」

 

アイオワ。

 

「でもすごく落ち着いてる」

 

ジャーヴィス。

 

「優しい」

 

アイオワ。

 

「事故が起きても、まず原因を確認するタイプね」

 

ジャーヴィス。

 

「自分に当たった魚雷でも、調査が終わるまで私を責めなかった」

 

フレッチャー。

 

「それはかなり冷静ね」

 

ジャーヴィス。

 

少し考えてから続ける。

 

「でも妹のことになると、あまり冷静じゃない」

 

アイオワ。

 

「妹?」

 

フレッチャー。

 

「ああ、藍島?」

 

ジャーヴィス。

 

「そう」

 

---

 

五 今度は藍島

 

ジャーヴィスは最近の呉訪問について話し始めた。

 

「この前、初めて藍島に会った」

 

フレッチャー。

 

「どうだった?」

 

「最初、警戒されてた」

 

アイオワ。

 

「そりゃあなた、姉に魚雷当ててるもの」

 

ジャーヴィス。

 

「分かってる」

 

フレッチャー。

 

「藍島からしたら『姉を大破させた人』だものね」

 

「そう」

 

ジャーヴィスは少し苦笑する。

 

「でも最後は普通に話せた」

 

「何話したの?」

 

「事故のことも話した。犬島が沈むと思って怖かったことも」

 

フレッチャーの表情が少し変わる。

 

「それ、本人に言ったの?」

 

「藍島に聞かれたから」

 

アイオワ。

 

「藍島は?」

 

「最後に『思ってたより普通の人でした』って」

 

フレッチャー。

 

一秒置いて。

 

笑い出す。

 

「それ本人に言ったの?」

 

ジャーヴィス。

 

「言われた」

 

アイオワも笑う。

 

「結構はっきり言うのね、藍島」

 

---

 

六 フレッチャーも藍島を知っている

 

フレッチャー。

 

「私も少し話したわ」

 

ジャーヴィス。

 

「いつ?」

 

「川の事故の後」

 

アイオワ。

 

「やっぱり川の話?」

 

「日本側で私の事故が話題になって、犬島と藍島から連絡が来たの」

 

正確にはフレッチャー側からの連絡も含まれている。

 

フレッチャー。

 

「それで『川の中で停止した時、落ち着かなかった?』って聞いたら」

 

アイオワ。

 

「何て?」

 

「二人とも即答で『分かります』」

 

三人。

 

少し黙る。

 

アイオワ。

 

「経験者同士ね」

 

フレッチャー。

 

«「私は経験者になりたくなかったのよ」»

 

ジャーヴィス。

 

「犬島たちもたぶん同じ」

 

---

 

七 河口経験者という謎の共通点

 

フレッチャー。

 

「日本には時津風もいるんでしょう?」

 

アイオワ。

 

「何の話?」

 

「河口」

 

ジャーヴィス。

 

「ああ」

 

フレッチャーが説明する。

 

「横須賀の時津風が普通の港で停泊してたら、係留索の材質が間違ってて全部切れて、川まで流されたの」

 

アイオワ。

 

「それも犬島と藍島が関係してるの?」

 

「してない」

 

ジャーヴィス。

 

「でも名前は出た?」

 

「出た」

 

アイオワ。

 

「どうして?」

 

フレッチャー。

 

«「河口だから」»

 

三人。

 

黙る。

 

そしてアイオワが吹き出した。

 

---

 

八 会話開始から七分

 

カメラの記録。

 

ここまで。

 

約七分。

 

会話中に出た艦名。

 

フレッチャー。

 

アイオワ。

 

ジャーヴィス。

 

時津風。

 

そして。

 

犬島。

 

藍島。

 

それ以外はほとんど出ていない。

 

しかも犬島の名前が圧倒的に多い。

 

そこへアイオワがさらに話題を追加した。

 

「犬島って、岡山の子だったわよね?」

 

フレッチャー。

 

「玉野?」

 

「そう。玉野を故郷だと思ってるって聞いた」

 

ジャーヴィス。

 

「藍島も」

 

フレッチャー。

 

「あの二人、本当に姉妹みたいなの?」

 

ジャーヴィス。

 

「藍島は犬島をお姉ちゃんって呼ぶことがある」

 

アイオワ。

 

「かわいい」

 

フレッチャー。

 

「見てみたい」

 

そして話はさらに犬島と藍島へ向かっていった。

 

---

 

九 担当官まで出てくる

 

ジャーヴィス。

 

「あと担当官」

 

フレッチャー。

 

「犬飼?」

 

「知ってるの?」

 

「河口事故の時、日本側の情報で名前見た」

 

アイオワ。

 

「犬島たちの兄みたいな人?」

 

フレッチャー。

 

「兄なの?」

 

ジャーヴィス。

 

「血縁はない」

 

アイオワ。

 

「でも本人、広報動画で兄って名乗ったんでしょう?」

 

ジャーヴィス。

 

「そうらしい」

 

フレッチャー。

 

「複雑ね」

 

ジャーヴィス。

 

「普段、犬島と藍島は『担当官さん』って呼んでる」

 

アイオワ。

 

「じゃあ犬飼って呼ばないの?」

 

「すごく心配した時とか、安心した時は犬飼さんになる」

 

フレッチャー。

 

「何それ」

 

ジャーヴィス。

 

「分かりやすい」

 

アイオワ。

 

「本人は気づいてるの?」

 

「気づいてる」

 

フレッチャー。

 

「かなり家族っぽいわね」

 

ここまで来ると。

 

三人の会話は、米英交流というより。

 

呉鎮守府犬島・藍島事情説明会

 

になっていた。

 

---

 

十 撮影担当が気づく

 

アメリカ海軍広報担当者。

 

カメラ。

 

モニター。

 

見る。

 

隣に英国側広報担当。

 

米側。

 

「……ずっと日本の艦の話してない?」

 

英国側。

 

「してるね」

 

「犬島って何回言った?」

 

「数える?」

 

少し後。

 

簡易字幕。

 

解析。

 

する。

 

撮影開始から約十四分。

 

艦名・人名への言及回数。

 

犬島。

 

19回。

 

藍島。

 

12回。

 

犬飼。

 

5回。

 

フレッチャー。

 

会話上の呼称として7回。

 

ジャーヴィス。

 

5回。

 

アイオワ。

 

4回。

 

時津風。

 

3回。

 

米側担当。

 

「……主役誰?」

 

英国側。

 

「犬島じゃない?」

 

「本人いないよ」

 

「知ってる」

 

---

 

十一 アメリカ海軍公式投稿

 

その日の交流行事終了後。

 

もちろん三人への公開確認を取った上で。

 

米海軍公式アカウント。

 

約二分三十秒の切り抜き動画。

 

投稿。

 

タイトル。

 

「フレッチャー、アイオワ、ジャーヴィスの休憩時間」

 

動画。

 

冒頭。

 

フレッチャー。

 

«「河口進入事故って出たら、犬島か藍島じゃないかって言われたの」»

 

アイオワ。

 

«「ああ」»

 

ジャーヴィス。

 

«「分かる」»

 

フレッチャー。

 

«「なんで二人とも納得するの?」»

 

場面。

 

切り替わる。

 

アイオワ。

 

«「私は犬島と接触したことがある」»

 

ジャーヴィス。

 

«「私は魚雷」»

 

フレッチャー。

 

«「魚雷!?」»

 

さらに。

 

ジャーヴィス。

 

«「藍島には『思ってたより普通の人でした』って言われた」»

 

フレッチャー。

 

笑う。

 

最後。

 

三人。

 

犬島。

 

藍島。

 

犬飼。

 

話。

 

続ける。

 

動画。

 

終了。

 

添えられた米海軍公式コメント。

 

«「アメリカ海軍艦娘2名とイギリス海軍艦娘1名の会話です。

 

日本の艦娘はこの部屋にいません。

 

それにもかかわらず、会話中に最も多く名前が出た艦は日本の海防艦・犬島でした。」»

 

---

 

十二 ネットが反応する

 

日本。

 

投稿。

 

翻訳。

 

される。

 

«「待ってコメントw」»

 

«「日本艦いないのに犬島が最多」»

 

«「米2英1で会話してるのに主役が犬島」»

 

«「藍島も12回いる」»

 

«「本人たち呉だぞ」»

 

そして。

 

誰か。

 

コメント。

 

«「登場人物:フレッチャー、アイオワ、ジャーヴィス。

 

話題:犬島、犬島、藍島、犬島、犬飼、犬島、藍島。」»

 

大量。

 

いいね。

 

---

 

十三 イギリス海軍も投稿する

 

米海軍。

 

投稿から。

 

約一時間後。

 

今度。

 

イギリス海軍公式。

 

別角度。

 

映像。

 

出す。

 

こちら。

 

ジャーヴィス中心。

 

ジャーヴィス。

 

«「この前、藍島に初めて会った」»

 

フレッチャー。

 

«「どうだった?」»

 

«「最初は少し警戒された」»

 

アイオワ。

 

«「当然でしょう。あなた犬島に魚雷当ててるもの」»

 

ジャーヴィス。

 

«「事故」»

 

字幕。

 

※事故調査済み。

 

さらに。

 

三人。

 

河口。

 

話。

 

している。

 

フレッチャー。

 

«「犬島と藍島に『川の中って落ち着かないよね』って聞いたら二人とも分かるって」»

 

ジャーヴィス。

 

「経験者」

 

フレッチャー。

 

「嫌な経験者ね」

 

動画。

 

終了。

 

英海軍公式コメント。

 

«「英国海軍と米国海軍の艦娘による交流映像です。

 

撮影場所に日本海軍の艦娘はいませんでした。

 

14分間の会話で確認された主な日本側の名前:

 

犬島 19回

 

藍島 12回

 

犬飼担当官 5回

 

なお犬島、藍島、犬飼担当官はいずれも撮影時、日本にいました。」»

 

ネット。

 

完全に。

 

笑い。

 

包まれる。

 

---

 

十四 犬島、動画を見る

 

呉鎮守府。

 

広報室。

 

犬島。

 

藍島。

 

犬飼。

 

三人。

 

動画。

 

見る。

 

犬島。

 

最初。

 

普通。

 

見ている。

 

一分。

 

経つ。

 

「……またうちですね」

 

二分。

 

「またうち」

 

藍島。

 

「今度うちです」

 

犬飼。

 

「俺も出た」

 

犬島。

 

動画。

 

終わる。

 

米海軍コメント。

 

読む。

 

英海軍。

 

回数。

 

見る。

 

犬島。

 

「十九回?」

 

藍島。

 

「多いですね」

 

犬島。

 

「何でうちが一番多いんです?」

 

犬飼。

 

«「お前、米英海軍の休憩室にいないのに話題の中心になってるぞ」»

 

犬島。

 

「嫌です」

 

藍島。

 

「でもちょっと面白いです」

 

犬島。

 

「藍島さんも十二回ですよ」

 

藍島。

 

「……多いですね」

 

---

 

十五 犬島公式SNS

 

«米海軍・英海軍公式アカウントが公開したフレッチャーさん、アイオワさん、ジャーヴィスさんの交流映像を見ました。

 

撮影時、犬島は日本の呉鎮守府にいました。

 

藍島さんも呉です。

 

担当官さんも呉です。

 

それなのに犬島の名前が19回出たそうです。

 

何でです?»

 

反応。

 

«「こっちが聞きたい」»

 

«「三人全員犬島とのエピソード持ってるから」»

 

«「アイオワ:接触」»

 

«「ジャーヴィス:魚雷」»

 

«「フレッチャー:河口」»

 

犬島。

 

«最後はうちとの事故ですらないです。»

 

---

 

十六 藍島公式SNS

 

«うちは12回だったそうです。

 

犬島さんより少ないです。

 

別に競ってません。

 

ジャーヴィスさんが初めて会った時の話をしていました。

 

「思っとったより普通の人でした」と言ったところまで使われています。

 

今見ても同じ感想です。

 

ジャーヴィスさんは普通の人です。»

 

ジャーヴィス。

 

翻訳。

 

見る。

 

日本語。

 

返信。

 

«ありがとう……でいいの?»

 

藍島。

 

«褒めてます。»

 

犬島。

 

«藍島さん、その褒め方分かりにくいです。»

 

---

 

十七 アイオワも参加

 

アイオワ。

 

SNS。

 

«犬島へ:悪口は言ってないわよ。»

 

犬島。

 

«それは分かっとります。»

 

アイオワ。

 

«今度会ったら直接話しましょう。»

 

犬島。

 

«はい。ただし接触なしでお願いします。»

 

アイオワ。

 

«それは私も同意。»

 

ネット。

 

«「ちゃんと事故ネタにできるくらい関係回復してる」»

 

---

 

十八 フレッチャー

 

フレッチャー。

 

公式。

 

«私が話し始めたのは河口事故の話だけだったはずなのに、途中から犬島の事故歴説明会になっていました。

 

私は悪くないと思います。»

 

犬島。

 

«フレッチャーさんだけならたぶん河口の話で終わっとりました。»

 

フレッチャー。

 

«そうよね!?»

 

ジャーヴィス。

 

«私が魚雷の話をした。»

 

アイオワ。

 

«私は接触事故。»

 

犬島。

 

«何で事故の種類を並べるんです?»

 

---

 

十九 犬飼担当官は五回

 

ネット。

 

別。

 

ところ。

 

注目。

 

する。

 

«「犬飼さん5回出てるの笑う」»

 

«「艦娘ですらない」»

 

«「撮影場所にいない日本人男性が米英海軍会話で5回」»

 

犬飼。

 

公式。

 

«俺まで回数を数えなくていいです。»

 

一般。

 

«「犬島・藍島の話をすると自然に担当官が出てくる」»

 

犬飼。

 

「それは……」

 

少し。

 

考える。

 

否定。

 

できない。

 

公式。

 

返信。

 

«まあ、それはそうかもしれません。»

 

犬島。

 

«認めたんですね。»

 

---

 

二十 最も伸びたコメント

 

米海軍動画。

 

コメント欄。

 

最上位。

 

«「アメリカ海軍のフレッチャーとアイオワ、イギリス海軍のジャーヴィスが話している動画なのに、会話を要約すると

 

『犬島知ってる?』

 

『知ってる。ぶつかった』

 

『知ってる。魚雷当たった』

 

『知ってる。河口の話した』

 

『藍島にも会った』

 

になってるの何なんだ。」»

 

犬島。

 

いいね。

 

押す。

 

少し考えて。

 

解除。

 

また。

 

押す。

 

藍島。

 

「犬島さん何しとるんです?」

 

犬島。

 

「いいねしてええのか悩みました」

 

犬飼。

 

「最終的にしたの?」

 

「はい」

 

---

 

二十一 別の人気コメント

 

«「三人とも犬島との関係性が違うのがおもしろい。

 

アイオワ:接触事故から交流。

 

ジャーヴィス:魚雷事故から交流。

 

フレッチャー:自分が河口に入ったせいで犬島と話すことになった。

 

犬島本人:全部想定外。」»

 

犬島。

 

返信。

 

«最後はその通りです。»

 

---

 

二十二 ジャーヴィスと藍島

 

ジャーヴィス。

 

後日。

 

藍島。

 

連絡。

 

『動画見た?』

 

「見ました」

 

『ごめん、また初対面の話した』

 

「別にええですよ」

 

『“普通の人”まで公開された』

 

藍島。

 

少し笑う。

 

「事実なので」

 

ジャーヴィス。

 

『やっぱりそこ変えないんだ』

 

「はい」

 

『次に会った時は違う感想になる?』

 

藍島。

 

少し考える。

 

«「もっと普通に話せる人、になると思います」»

 

ジャーヴィス。

 

『それ良くなってる?』

 

「なってます」

 

---

 

二十三 アイオワと犬島

 

アイオワからも犬島へ連絡。

 

『Inushima』

 

「はい」

 

『今度アメリカ来ない?』

 

犬島。

 

「何でです?」

 

『フレッチャーも会ってみたいって』

 

「ええですよ」

 

アイオワ。

 

『ただし川じゃなくて港で』

 

犬島。

 

しばらく黙る。

 

«「アイオワさんまでそれ言うんですね」»

 

アイオワ。

 

笑う。

 

『冗談よ』

 

犬島。

 

「港なら行きます」

 

---

 

二十四 米英双方が気に入る

 

数日後。

 

米海軍広報。

 

今回。

 

動画。

 

再生回数。

 

かなり。

 

高い。

 

英国海軍側も。

 

同様。

 

理由。

 

戦術。

 

訓練。

 

でも。

 

国際政治。

 

でもない。

 

ただ。

 

三人。

 

休憩。

 

して。

 

話。

 

している。

 

それだけ。

 

なのに。

 

反応。

 

良い。

 

米側担当。

 

「次もこういう自然な会話でいいのかもしれない」

 

英側。

 

「ただし次は本人を呼ぶ?」

 

米側。

 

「犬島?」

 

英側。

 

「犬島と藍島」

 

米側。

 

少し考える。

 

«「そうすると今度は本当に日本艦が主役になる」»

 

---

 

終章 本人不在の主役

 

数日後。

 

呉鎮守府。

 

第一岸壁。

 

犬島。

 

第二岸壁。

 

藍島。

 

犬飼。

 

二人。

 

ところ。

 

来る。

 

犬島。

 

海。

 

見ながら。

 

「担当官さん」

 

「何?」

 

「うち、アメリカにもイギリスにもおらんかったんですよね」

 

「いなかった」

 

「藍島さんも?」

 

「いなかった」

 

藍島。

 

「担当官さんも?」

 

「俺も」

 

犬島。

 

少し困ったように笑う。

 

«「それで何で三人とも、うちらの話ばっかりしとったんでしょう」»

 

犬飼。

 

「三人ともお前らとの話があるからだろ」

 

藍島。

 

「アイオワさんは犬島さん」

 

「うん」

 

「ジャーヴィスさんは犬島さんとうち」

 

「うん」

 

「フレッチャーさんは河口」

 

犬島。

 

「そこだけやっぱりおかしいです」

 

犬飼。

 

笑う。

 

「でもフレッチャーにとっては、それがきっかけだったんだろ」

 

犬島。

 

「そうですけど」

 

その夜。

 

米海軍公式。

 

短い。

 

追加投稿。

 

三人。

 

休憩室。

 

笑いながら。

 

犬島。

 

藍島。

 

話。

 

している。

 

静止画。

 

添える。

 

コメント。

 

一文。

 

«「念のためもう一度。日本の艦娘はこの写真に写っていません。」»

 

英海軍。

 

引用。

 

«「しかし会話にはかなり登場します。」»

 

犬島。

 

それを見る。

 

そして。

 

ついに。

 

一言だけ。

 

返信。

 

«本人を呼んでください。»

 

藍島。

 

すぐ続ける。

 

«うちも行きます。»

 

アイオワ。

 

«歓迎するわ。»

 

ジャーヴィス。

 

«今度は直接話そう。»

 

フレッチャー。

 

«ただし河口以外で。»

 

犬島。

 

数秒後。

 

«それでお願いします。»

 

そしてネットでは、最後まで同じ感想が並んだ。

 

«「米英艦娘の動画なのに、最後まで犬島と藍島だった。」»

 

 

米英ネット上の反応

 

――「なぜ日本の海防艦が主役になっている?」――

 

アメリカ海軍公式アカウントとイギリス海軍公式アカウントが、それぞれ同じ休憩時間の別映像を投稿してから数時間。

 

最初に大きく反応したのは、当然アメリカ側だった。

 

映像に出ているのはフレッチャー、アイオワ、ジャーヴィス。

 

アメリカ海軍艦娘が二人。

 

イギリス海軍艦娘が一人。

 

日本の艦娘は一人も映っていない。

 

それなのに、コメント欄では誰もが同じことを言っていた。

 

«「なんで日本の海防艦が会話の中心なんだ?」»

 

---

 

一 アメリカ側、最初の反応

 

米海軍公式が公開した映像の冒頭。

 

フレッチャーが自分の河口進入事故について話し、

 

«「日本で事故情報が出たら、犬島か藍島じゃないかって言われたの」»

 

と言う。

 

するとアイオワが「ああ」と納得し、ジャーヴィスまで「分かる」と頷く。

 

この時点でアメリカ側の視聴者はかなり困惑した。

 

«「待って。何が分かるんだ?」»

 

«「アメリカの駆逐艦が川に入った話だよな?」»

 

«「なんで日本の海防艦の名前が自然に出てくるんだ」»

 

«「アイオワもジャーヴィスも反応が早すぎる」»

 

そして、その直後。

 

アイオワが犬島との接触事故を話す。

 

ジャーヴィスが魚雷事故を話す。

 

フレッチャーが完全に驚く。

 

この流れで、一気にコメントの勢いが増した。

 

«「アイオワも犬島と事故ってるの!?」»

 

«「待って、ジャーヴィスは魚雷?」»

 

«「この犬島って子、何回外国艦と事故に遭ってるんだ?」»

 

«「しかも本人全部生きて帰ってるの?」»

 

---

 

二 アメリカ側で初めて犬島を知る人たち

 

日本艦に詳しくない視聴者も多かった。

 

そのため、

 

«「Inushimaって誰?」»

 

という質問が大量に出る。

 

すると、以前から日米交流を追っていた人たちが説明を始める。

 

«「日本の小型海防艦。岡山の玉野に強い思い入れがある子」»

 

«「かなり小柄だけど、実艦を一人で操作するタイプ」»

 

«「事故が多いことで有名だけど、だいたい本人の過失じゃない」»

 

«「Iowaとの接触事故も双方過失なし」»

 

«「Jervisの魚雷事故でも犬島側には過失なし」»

 

その説明を読んだ人が、さらに困惑する。

 

«「事故が多いのに本人が原因じゃないってどういうこと?」»

 

«「それはもう運が悪いのでは?」»

 

別のユーザー。

 

«「日本ではそう言われてるけど、本人は自分を不幸艦扱いされるのあまり好きじゃない」»

 

«「しかも事故が起きても相手をすぐ責めない」»

 

«「調査が終わるまで原因を断定しない子」»

 

これを見たアメリカ側ユーザー。

 

«「それならIowaやJervisと今も普通に話してる理由が分かる」»

 

---

 

三 アイオワの評価が上がる

 

アイオワが事故について、

 

«「私は航路図のずれが原因」»

 

と説明した場面。

 

視聴者の中には、

 

«「Iowa、自分の事故のこと普通に話すんだな」»

 

と驚く人もいた。

 

ただ、それ以上に反応が大きかったのは、アイオワが犬島について自然に、

 

«「すごく落ち着いてる」»

 

«「事故が起きてもまず原因を確認するタイプ」»

 

と話したところだった。

 

«「Iowaが相手をかなり評価してる」»

 

«「接触事故の相手なのに普通に友好的なんだ」»

 

«「事故後にちゃんと関係作れてるの良い」»

 

さらに、

 

«「今度会ったら直接話しましょう」»

 

とアイオワが犬島へ送った後のやり取りも転載される。

 

犬島。

 

«「はい。ただし接触なしでお願いします。」»

 

アイオワ。

 

«「それは私も同意。」»

 

アメリカ側。

 

«「笑えるようになってるなら良かった」»

 

«「当事者同士がこれなら外野が怒る必要ないな」»

 

---

 

四 ジャーヴィスの魚雷事故にアメリカ側が驚く

 

アメリカ側で一番衝撃が大きかったのは、やはりジャーヴィスの話だった。

 

フレッチャーが、

 

«「魚雷!?」»

 

と本気で驚く場面。

 

これが短い切り抜きになって大量に拡散される。

 

タイトル。

 

「Fletcher learns what Jervis did to Inushima」

 

もちろん内容は事故だったと明記されている。

 

コメント。

 

«「Fletcherの反応が私たちと同じ」»

 

«「私も魚雷って聞いた時同じ顔した」»

 

«「接触事故の次に魚雷事故が出てくる会話とは思わなかった」»

 

そして、事情を知った後。

 

«「Jervisが今でも事故映像を見たくないって言ってたの結構重い」»

 

«「犬島が怖かっただけじゃなく、Jervisも沈むかもしれないって思ってたんだな」»

 

«「両方にとって嫌な事故だったんだ」»

 

という反応が増えていく。

 

特に評価されたのは、ジャーヴィスが藍島に対して自分から、

 

«「あなたの姉をすごく壊した」»

 

と認めた過去のやり取りだった。

 

«「言い訳せずに認めてるのは良い」»

 

«「藍島が警戒したのも当然だし、Jervisがそれを受け入れてるのも良い」»

 

---

 

五 イギリス側ではジャーヴィスの扱いが少し違う

 

英国側では、当然ながらジャーヴィスを以前から知っている視聴者が多い。

 

そのため最初の反応は、

 

«「またその魚雷事故の話してる……」»

 

«「Jervis本人、本当に気にしてるんだな」»

 

というものだった。

 

一方で、犬島との現在の関係を知って安心する声も多い。

 

«「Inushima herself seems to have forgiven her」»

 

«「少なくとも今は普通に冗談を言える関係なんだ」»

 

«「『今日は魚雷持ってません?』って聞かれた話、まだ面白い」»

 

ジャーヴィス。

 

英国側公式への返信。

 

«「毎回聞かれるわけではありません。」»

 

すると。

 

«「“毎回ではない”ということは何回か聞かれてるの?」»

 

ジャーヴィス。

 

«「……数回。」»

 

英国ネット。

 

«「犬島、意外と根に持ってるというよりネタにしてるな」»

 

別の人。

 

«「本人たちが笑えるなら、それが一番良い」»

 

---

 

六 藍島の「思っていたより普通」

 

英国側映像では、藍島との初対面の話が長めに使われていた。

 

ジャーヴィス。

 

«「最後に『思ってたより普通の人でした』って言われた」»

 

フレッチャー。

 

«「それ本人に言ったの?」»

 

ジャーヴィス。

 

«「言われた」»

 

ここで英国側コメント欄がかなり盛り上がる。

 

«「Aishima、強い」»

 

«「妹からの初対面評価が“普通の人”」»

 

«「それ褒め言葉なの?」»

 

ジャーヴィス本人も、

 

«「私もまだ判断できていません。」»

 

と返信。

 

すると藍島本人が日本から、

 

«「褒めています。」»

 

英国側。

 

«「本人来た!」»

 

«「直接確認できた」»

 

«「良かったねJervis」»

 

ジャーヴィス。

 

«「ありがとう。」»

 

少し後。

 

藍島。

 

«「思っていたより話しやすかったです。」»

 

ジャーヴィス。

 

«「そっちの方が分かりやすい。」»

 

---

 

七 「犬島19回」が完全にネタになる

 

英国海軍公式が投稿文で、

 

犬島 19回

藍島 12回

犬飼担当官 5回

 

と名前が出た回数を公表したことは、予想以上に受けた。

 

英国側。

 

«「誰が数えたんだ」»

 

«「Royal Navyの広報は何を集計してるんだ」»

 

«「19回って多すぎるだろ」»

 

«「本人が部屋にいないのが一番面白い」»

 

アメリカ側でも転載。

 

«「犬島、本人不在で最多発言艦」»

 

«「Inushima won the conversation without attending」»

 

日本語訳。

 

「犬島、参加せずに会話で勝利」

 

犬島本人。

 

«「勝負してません。」»

 

これがさらに拡散される。

 

---

 

八 「犬飼5回」が地味に注目される

 

アメリカでもイギリスでも、一部の人が別の数字に注目した。

 

犬飼担当官 5回。

 

«「待って。この人艦娘ですらないよな?」»

 

«「日本の広報担当官がなぜ米英艦娘三人の雑談に5回も出てくる?」»

 

«「犬島と藍島の話をすると高確率で出てくる人」»

 

日本側ユーザーが説明する。

 

«「二人の通常指揮官」»

 

«「広報担当官」»

 

«「血縁はないけど兄みたいな扱いされてる人」»

 

«「本人も最近一回兄って名乗った」»

 

アメリカ側。

 

«「情報が増えるほどよく分からない」»

 

英国側。

 

«「つまり犬島と藍島について知ろうとすると自動的に犬飼が出てくる?」»

 

日本側。

 

«「だいたいそう」»

 

犬飼本人。

 

«「自動的ではありません。」»

 

---

 

九 アメリカではフレッチャーの河口事故も再注目

 

今回の動画をきっかけに、フレッチャーの河口進入事故そのものも再び注目された。

 

«「そういえばFletcherはどうして川に入ったんだ?」»

 

説明。

 

無人曳船暴走。

 

緊急離岸。

 

前方に大型船。

 

浅瀬と防波堤。

 

最も安全な回避先が河口。

 

約490メートル進入。

 

損傷なし。

 

フレッチャー過失なし。

 

すると。

 

«「それで日本のInushimaとAishimaに比較されたのか」»

 

«「なるほど……いや、なるほどなのか?」»

 

«「日本側に河口進入事例が多いから資料共有されたらしい」»

 

アメリカ側。

 

«「US Navy sent river-entry data to Kure because of two tiny Japanese escort ships?」»

 

«「本当に?」»

 

米海軍公式。

 

«「類似事例研究の一環です。」»

 

コメント。

 

«「公式が認めた」»

 

---

 

十 イギリス側では「なぜジャーヴィスは犬島に詳しいのか」

 

英国側の新規視聴者。

 

当然疑問。

 

«「Why does Jervis know so much about Inushima?」»

 

古参。

 

«「Because she hit her with a torpedo」»

 

新規。

 

«「WHAT?」»

 

このやり取りが何度も繰り返される。

 

最終的に英国海軍公式が補足。

 

«過去の合同演習中の事故であり、調査および処理は終了しています。現在、双方の関係に重大な問題はありません。»

 

すると。

 

«「公式が毎回説明しないと新規が驚く事件」»

 

«「一文目の情報量が強すぎる」»

 

---

 

十一 アメリカ側で人気になった関係図

 

あるアメリカ人ユーザーが簡単な関係図を投稿した。

 

中央。

 

犬島

 

そこから。

 

アイオワ

→ 接触事故

 

ジャーヴィス

→ 魚雷事故

 

フレッチャー

→ 河口事故をきっかけに会話

 

藍島

→ 妹

 

犬飼

→ 通常指揮官・広報担当・兄みたいな人

 

そこへコメント。

 

«「日本の海防艦一人から線が伸びすぎ」»

 

別の人。

 

«「AishimaからJervisにも線を引け」»

 

追加。

 

藍島 → ジャーヴィス

初対面時やや警戒→現在普通に交流

 

さらに。

 

フレッチャー → 藍島

河口経験者会話

 

どんどん複雑になる。

 

作成者。

 

最終的に。

 

«「I regret making this chart」»

 

日本語訳。

 

«「この図を作り始めたことを後悔している」»

 

犬島。

 

«「うちも見ていて少しそう思います。」»

 

---

 

十二 イギリスでは三人の温度差が人気

 

英国側では、会話そのもののテンポも好評だった。

 

フレッチャー。

 

犬島の事故歴を初めて詳しく知る。

 

毎回驚く。

 

アイオワ。

 

すでに犬島を知っているため落ち着いて説明する。

 

ジャーヴィス。

 

自分が最大級の事故当事者なので少し気まずい。

 

この温度差。

 

«「Fletcherが視聴者代表」»

 

«「Iowaは説明役」»

 

«「Jervisは“私も事故相手です”って言うたび空気が変わる」»

 

さらに。

 

フレッチャー。

 

«「犬島、海外艦と何が起きてるの?」»

 

という一言。

 

英国側でも非常に人気になる。

 

«「全世界の疑問」»

 

«「Inushima herself probably asks the same thing」»

 

犬島本人。

 

«「聞きたいです。」»

 

---

 

十三 犬島本人が海外コメント欄に現れる

 

犬島の公式アカウント。

 

英語翻訳付きで米海軍投稿へ返信。

 

«映像を見ました。

 

犬島は撮影場所にいませんでした。

 

19回も名前が出るとは思っていませんでした。

 

アイオワさん、ジャーヴィスさん、フレッチャーさんとは今後も普通に交流したいです。

 

事故の話だけではなく、別の話もしたいです。»

 

アメリカ側。

 

«「本人!」»

 

«「最後ちょっと切実」»

 

«「次は事故以外の話をしてあげて」»

 

英国側。

 

«「Jervis、次は普通の話題にしてください」»

 

ジャーヴィス。

 

«「努力します。」»

 

---

 

十四 藍島も海外で人気になる

 

一方。

 

藍島。

 

犬島ほど名前は出ていない。

 

それでも海外視聴者には、

 

«「Inushima's slightly taller sister」»

 

として認識され始める。

 

日本側ファンが訂正。

 

«「双子ではなく姉妹艦」»

 

«「藍島の方が少し背が高い」»

 

«「犬島より少し好奇心が強い」»

 

«「たまに犬島をお姉ちゃんと呼ぶ」»

 

アメリカ側。

 

«「She calls Inushima 'big sister'?」»

 

日本。

 

«「時々」»

 

アメリカ。

 

«「That is adorable」»

 

藍島。

 

翻訳。

 

見る。

 

«「そんなに珍しいです?」»

 

犬島。

 

«「海外まで知られましたね」»

 

藍島。

 

«「犬島さんの方が19回です」»

 

犬島。

 

«「回数で返さんでください」»

 

---

 

十五 英国側で最も評価されたコメント

 

英国海軍投稿。

 

最上位付近。

 

«「この映像が良いのは、過去の事故を笑い話だけにしているわけではないところだと思う。Jervisは今でも魚雷事故を軽く考えていないし、Iowaも自分の接触事故を覚えている。Fletcherは河口事故を経験したばかり。それでも、それぞれ今はInushimaやAishimaと普通に話せている。事故が関係を決める唯一の出来事になっていない。」»

 

ジャーヴィス。

 

いいね。

 

犬島。

 

いいね。

 

藍島。

 

いいね。

 

アイオワ。

 

いいね。

 

フレッチャー。

 

いいね。

 

---

 

十六 アメリカ側で最も評価されたコメント

 

米海軍投稿。

 

一番伸びたのは、もっと簡単なものだった。

 

«「米海軍2人と英海軍1人が休憩してるだけの動画なのに、最終的に日本の小さい海防艦姉妹について詳しくなる動画。」»

 

返信。

 

«「見る前:Fletcherの動画」»

 

«「見た後:犬島って誰?」»

 

«「さらに調べた後:犬島また事故に遭ってる」»

 

«「さらに調べた後:藍島って妹いるの?」»

 

«「さらに調べた後:犬飼って誰?」»

 

«「沼が深い」»

 

---

 

十七 「次は本人を呼べ」が増える

 

米英双方。

 

共通。

 

意見。

 

増える。

 

«「次回はInushima本人を呼んで」»

 

«「Aishimaも」»

 

«「Fletcher、Iowa、Jervis、Inushima、Aishimaの5人で話してほしい」»

 

さらに。

 

«「犬飼も呼べ」»

 

犬飼。

 

日本から。

 

«なぜ俺まで。»

 

アメリカ側。

 

«「5回名前出てるから」»

 

英国側。

 

«「説明役として」»

 

犬飼。

 

«私は海軍艦娘ではありません。»

 

犬島。

 

«担当官さんも来た方が話が早いです。»

 

犬飼。

 

«犬島まで。»

 

---

 

十八 米海軍広報部の反応

 

米海軍側も予想以上の反響に驚いていた。

 

広報担当。

 

投稿データ。

 

確認。

 

「訓練映像より伸びてる」

 

別担当。

 

「三人が休憩して話してるだけなのに」

 

「国際政治でもない。ただ、三人で休憩して話している。それだけなのに反応が良い」

 

「犬島の名前を出したから?」

 

「それだけじゃないと思う」

 

事故。

 

和解。

 

交流。

 

それぞれの関係。

 

人間らしい会話。

 

そこ。

 

支持。

 

された。

 

米側担当。

 

«「次に日本と合同企画をやる時、本当に犬島と藍島を呼ぶ案を出してみる?」»

 

相手。

 

«「まず日本側に聞こう」»

 

---

 

十九 英国海軍広報部

 

英国側も同じ。

 

担当。

 

ジャーヴィス。

 

聞く。

 

「次回、犬島と藍島を呼ぶとしたら?」

 

ジャーヴィス。

 

即答。

 

«「私はいい」»

 

「魚雷の話またする?」

 

ジャーヴィス。

 

«「できれば別の話がいい」»

 

担当。

 

笑う。

 

「それは犬島も言ってた」

 

ジャーヴィス。

 

「でしょうね」

 

---

 

二十 そして海外で定着した呼び方

 

数日後。

 

一部。

 

海外ファン。

 

犬島。

 

藍島。

 

まとめて。

 

“the Kure sisters”

 

呉の姉妹。

 

呼ぶ。

 

人。

 

増える。

 

ただ。

 

犬島。

 

公式。

 

見る。

 

«「呉姉妹?」»

 

藍島。

 

«「分かりやすいですね」»

 

犬島。

 

«「まあ、変な名前ではないです」»

 

犬飼。

 

«「河口姉妹よりずっといいだろ」»

 

犬島。

 

すぐ。

 

«「それと比べたら何でも良く見えます」»

 

---

 

終章 本人たちは日本にいる

 

映像公開から一週間。

 

アメリカ。

 

イギリス。

 

まだ。

 

コメント。

 

続く。

 

ただ、犬島と藍島本人は変わらず呉にいた。

 

第一岸壁。

 

犬島。

 

第二岸壁。

 

藍島。

 

犬飼。

 

二人の間を歩く。

 

犬島。

 

「担当官さん」

 

「何?」

 

「アメリカでうちのこと知った人増えたみたいです」

 

「そうみたいだな」

 

藍島。

 

「イギリスでも」

 

「そうだな」

 

犬島。

 

「何もしてないんですけどね」

 

犬飼。

 

笑う。

 

「今回は本当に何もしてないな」

 

藍島。

 

「ただ名前が出ただけです」

 

「それが19回な」

 

犬島。

 

「数えんでください」

 

その頃。

 

太平洋の向こう。

 

フレッチャー。

 

SNS。

 

投稿。

 

«次に犬島と会ったら、事故と河口以外の話をします。»

 

アイオワ。

 

«賛成。»

 

ジャーヴィス。

 

«私も。»

 

犬島。

 

日本から。

 

«お願いします。»

 

藍島。

 

«うちも参加します。»

 

フレッチャー。

 

«もちろん。»

 

そしてアメリカ側で、一つの返信が大きく伸びた。

 

«「次回は日本の艦娘が実際に出演するのに、逆に犬島の名前が19回より少なくなりそう。」»

 

犬島はそれを見て、少し考えたあと返信した。

 

«そのくらいでええです。»

 

今度は、アメリカとイギリスの視聴者も、その意味をかなり理解できるようになっていた。

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