海防艦 犬島   作:重装甲空母信濃

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犬島もしくは藍島がアメリカで起こしたかけた事故。

アトランタ、コロラド、ジョンストン、を登場させて


アメリカでも事故

米国広報交流編

 

藍島、アメリカで衝突事故を起こしかける

 

――「コロラドさんの艦首が、思っとったより近かったです」――

 

アメリカでの広報交流三日目。

 

犬島と藍島は、ようやく現地での空気にも慣れ始めていた。

 

アイオワ。

 

フレッチャー。

 

ジャーヴィス。

 

そして今回、新たに交流へ参加したアメリカ艦娘たち。

 

軽巡洋艦アトランタ。

 

戦艦コロラド。

 

駆逐艦ジョンストン。

 

特にジョンストンは犬島と藍島に興味津々だった。

 

「日本から来た小さい二人が、途中で輸送船曳いてきたって本当?」

 

犬島。

 

「全員でやりました」

 

藍島。

 

「うちら二人だけではありません」

 

ジョンストン。

 

「そこすぐ訂正するんだ」

 

犬島。

 

「大事なので」

 

アトランタは横で笑っていた。

 

コロラドは少し離れた場所で腕を組む。

 

「聞いていた通り、真面目ね」

 

藍島。

 

「ありがとうございます」

 

犬島。

 

「たぶん褒められています」

 

アトランタ。

 

「間違いなく褒めてるわよ」

 

穏やかな交流だった。

 

その数時間後。

 

全員が本気で肝を冷やすことになる。

 

---

 

一 港内航行訓練

 

その日の午後。

 

日米交流の一環として、小規模な港内航行訓練が組まれていた。

 

戦闘訓練ではない。

 

外国港湾における交通管制。

 

無線手順。

 

現地航路標識。

 

曳船との連携。

 

入出港時の艦間距離。

 

そうした実務的な内容だった。

 

参加艦。

 

犬島。

 

藍島。

 

アトランタ。

 

コロラド。

 

ジョンストン。

 

フレッチャー。

 

犬島と藍島には米側の港湾連絡員も補助につく。

 

犬飼は陸上の広報・連絡拠点に残った。

 

出港前。

 

犬飼。

 

「事故だけはやめてくれよ」

 

犬島。

 

「何で出る前から言うんです?」

 

藍島。

 

「普通に帰ってきます」

 

犬飼。

 

「その言葉を信じたい」

 

犬島。

 

「信用してください」

 

「してるから念押ししてる」

 

---

 

二 訓練そのものは順調

 

午後二時十四分。

 

港内。

 

速力5ノット。

 

先頭。

 

アトランタ。

 

続いて犬島。

 

藍島。

 

ジョンストン。

 

少し離れてコロラド。

 

フレッチャー。

 

交通量は多いが、管制されている。

 

藍島。

 

『犬島さん』

 

犬島。

 

『はい』

 

『ここのブイ、日本と色の見え方が少し違いますね』

 

『配置も違います』

 

アトランタ。

 

『二人とも、前も見てね』

 

犬島。

 

『見ています』

 

藍島。

 

『はい』

 

ジョンストン。

 

『観光しながら運転してるみたい』

 

犬島。

 

『してません』

 

---

 

三 問題の曳船

 

14時27分。

 

大型民間貨物船を補助していた港湾曳船が、航路右側にいた。

 

正常な作業。

 

日本側にも事前情報が来ていた。

 

藍島は確認している。

 

距離。

 

約480メートル。

 

問題なし。

 

ところが。

 

曳船側。

 

突然。

 

曳航索張力。

 

急減。

 

貨物船側のウインチが一時的に異常作動。

 

曳航索が予想以上に弛んだ。

 

曳船長。

 

危険判断。

 

索が自船の推進器へ巻き込まれることを避けるため、

 

緊急離脱。

 

曳船。

 

急速。

 

左転。

 

その左。

 

藍島。

 

---

 

四 藍島の正面へ

 

藍島。

 

すぐ気づく。

 

「曳船、左へ来ます」

 

港湾連絡員。

 

「確認!」

 

距離。

 

約210メートル。

 

藍島。

 

機関。

 

減速。

 

右へ回避。

 

しかし右側。

 

浅水域。

 

航路限界。

 

さらに。

 

そこへジョンストンがいる。

 

藍島。

 

『ジョンストンさん、右側注意してください!』

 

ジョンストン。

 

『見えてる! 私も右へ出る!』

 

犬島。

 

前。

 

状況確認。

 

『藍島さん、減速できます?』

 

『しています!』

 

曳船。

 

さらに左へ。

 

藍島。

 

選択。

 

左。

 

曳船。

 

右。

 

ジョンストンと浅水域。

 

後ろ。

 

コロラド。

 

藍島は後方確認。

 

そこで。

 

顔色。

 

変わる。

 

---

 

五 後ろに戦艦

 

コロラド。

 

藍島後方。

 

約310メートル。

 

戦艦。

 

大きい。

 

当然、急停止性能は海防艦より悪い。

 

藍島がその場で大きく減速すると、今度はコロラドとの距離が詰まる。

 

藍島。

 

『コロラドさん、うち急減速します!』

 

コロラド。

 

即答。

 

『了解。こちらも減速する』

 

コロラド。

 

機関。

 

後進。

 

しかし。

 

巨大な船体。

 

惰性。

 

残る。

 

藍島。

 

前。

 

曳船。

 

横切る。

 

右。

 

ジョンストン。

 

後。

 

コロラド。

 

藍島。

 

小さく息。

 

吸う。

 

「これ、嫌ですね……」

 

---

 

六 アトランタが気づく

 

先頭を航行していたアトランタ。

 

後方情報。

 

聞く。

 

『藍島、進路は?』

 

藍島。

 

『今右へ行けません。左も曳船です』

 

アトランタ。

 

『前方は私が空ける。犬島も左前方へ退避できる?』

 

犬島。

 

『できます』

 

アトランタ。

 

『犬島、前へ。藍島の逃げ道を作る』

 

犬島。

 

『了解です』

 

犬島。

 

加速。

 

少し左へ。

 

藍島の前方。

 

空間。

 

作る。

 

ただし。

 

曳船。

 

まだ横切っている。

 

---

 

七 最悪の位置関係

 

14時27分49秒。

 

藍島。

 

速力。

 

3.7ノット。

 

コロラド。

 

後方。

 

距離。

 

約170メートル。

 

曳船。

 

前方左。

 

距離。

 

約85メートル。

 

ジョンストン。

 

右舷。

 

約110メートル。

 

藍島。

 

「……狭い」

 

港湾連絡員。

 

「前方曳船通過まで保持!」

 

だが。

 

保持すると。

 

後ろのコロラド。

 

近づく。

 

コロラド。

 

『藍島、こちらとの距離110メートル』

 

藍島。

 

『確認しています』

 

ジョンストン。

 

『私、もっと右へ行く!』

 

藍島。

 

『浅いです!』

 

ジョンストン。

 

『まだ余裕ある!』

 

ジョンストンが可能な範囲で右へ逃げる。

 

藍島。

 

右前方。

 

数十メートル。

 

空く。

 

藍島。

 

即座。

 

判断。

 

『右へ出ます!』

 

---

 

八 コロラドの艦首

 

藍島。

 

右転。

 

しかし。

 

速力低下。

 

旋回。

 

遅い。

 

コロラドは後進をかけ続けている。

 

二隻。

 

接近。

 

藍島が旋回すると、艦尾が左へ振れる。

 

コロラドの艦首。

 

そこへ近づく。

 

犬島。

 

前方から見える。

 

『藍島さん、艦尾!』

 

藍島。

 

『見えています!』

 

距離。

 

60メートル。

 

45メートル。

 

コロラド。

 

『こちら停止寸前!』

 

藍島。

 

右転。

 

続ける。

 

ジョンストン。

 

さらに右。

 

アトランタ。

 

前方クリア。

 

犬島。

 

停止して藍島を見る。

 

距離。

 

31メートル。

 

藍島の艦尾。

 

コロラド艦首。

 

最接近。

 

約24メートル。

 

接触。

 

なし。

 

藍島。

 

コロラド前方。

 

抜ける。

 

---

 

九 アトランタ側にも危険

 

ところが。

 

まだ終わっていない。

 

藍島が右へ逃げたことで、ジョンストンも右へ寄っている。

 

そのジョンストンの進路前方。

 

アトランタが航路を空けるため減速していた。

 

ジョンストン。

 

『アトランタ!』

 

アトランタ。

 

『見えてる!』

 

アトランタ。

 

加速。

 

左前方へ抜ける。

 

ジョンストン。

 

減速。

 

最接近。

 

約72メートル。

 

こちらも接触なし。

 

わずか数十秒。

 

藍島の回避行動を起点に、

 

藍島―コロラド。

 

藍島―ジョンストン。

 

ジョンストン―アトランタ。

 

三組が短時間に接近する状況になった。

 

---

 

十 全艦停止

 

管制。

 

即座。

 

指示。

 

«「訓練中止。参加艦、現位置で安全確保。」»

 

犬島。

 

停止。

 

藍島。

 

停止。

 

アトランタ。

 

停止。

 

コロラド。

 

停止。

 

ジョンストン。

 

停止。

 

フレッチャーも後方で停止。

 

藍島。

 

しばらく。

 

無線。

 

話さない。

 

犬島。

 

『藍島さん』

 

『……はい』

 

『大丈夫です?』

 

藍島。

 

一度自分の艦体状態を確認。

 

『接触なし。損傷なし。本人も大丈夫です』

 

犬島。

 

『分かりました』

 

藍島。

 

『コロラドさんは?』

 

コロラド。

 

『こちらも問題なし』

 

ジョンストン。

 

『私も平気!』

 

アトランタ。

 

『全員無事。まずそれでいいわ』

 

藍島。

 

長く息を吐く。

 

---

 

十一 藍島の第一声

 

状況が落ち着いた後。

 

藍島。

 

コロラドへ。

 

『……すみません。かなり近くまで行きました』

 

コロラド。

 

『謝るのは調査してからにしなさい』

 

藍島。

 

少し驚く。

 

コロラド。

 

«『あなたが勝手に私の前へ飛び込んだようには見えなかったわ。』»

 

藍島。

 

『はい』

 

コロラド。

 

『だから今は、全員ぶつからなかった。それだけでいい』

 

藍島。

 

『……ありがとうございます』

 

---

 

十二 ジョンストン

 

ジョンストン。

 

無線。

 

『藍島!』

 

『はい』

 

『24メートルだったって!』

 

藍島。

 

『聞きました』

 

『戦艦と24メートル!』

 

藍島。

 

『もう少し小さい声でお願いします』

 

『よく抜けたね!?』

 

藍島。

 

«『うちもそう思います』»

 

犬島。

 

『藍島さん』

 

『はい』

 

『ほんまに怖かったです』

 

藍島。

 

声。

 

柔らかくなる。

 

『うちもです、お姉ちゃん』

 

---

 

十三 陸上の犬飼

 

犬飼。

 

連絡拠点。

 

米側職員。

 

「日本側のAishima、near collision」

 

犬飼。

 

「何と?」

 

翻訳担当。

 

「藍島がコロラドと衝突寸前です」

 

犬飼。

 

「……コロラド?」

 

「はい」

 

犬飼。

 

一瞬。

 

固まる。

 

「戦艦の?」

 

「戦艦の」

 

犬飼。

 

「接触は?」

 

「ありません」

 

「藍島本人は?」

 

「無事です」

 

「犬島?」

 

「無事」

 

犬飼。

 

大きく息。

 

吐く。

 

「良かった……」

 

数秒後。

 

«「なんでアメリカまで来て戦艦と24メートルなんだよ……」»

 

---

 

十四 帰投

 

安全確認後。

 

訓練。

 

中止。

 

全艦。

 

低速。

 

帰港。

 

今回は隊形を大きく変更。

 

藍島。

 

中央。

 

犬島。

 

少し前。

 

ジョンストン。

 

かなり右。

 

コロラド。

 

十分後方。

 

アトランタ。

 

先頭。

 

藍島。

 

『コロラドさん』

 

『何?』

 

『今度かなり離れていますね』

 

コロラド。

 

『お互い安心でしょう?』

 

藍島。

 

『はい』

 

ジョンストン。

 

『私も離れてるよ!』

 

アトランタ。

 

『あなたは少し静かにしなさい』

 

---

 

十五 岸壁で犬飼

 

藍島。

 

接岸。

 

犬島も。

 

犬飼。

 

待つ。

 

藍島。

 

降りる。

 

「担当官さん」

 

犬飼。

 

「本人は?」

 

藍島。

 

「大丈夫です」

 

「本当に?」

 

「はい」

 

犬飼。

 

少し近くへ。

 

「怖かった?」

 

藍島。

 

ここで。

 

少しだけ声が変わる。

 

«「……犬飼さん。かなり怖かったです」»

 

犬飼。

 

「そうか」

 

藍島。

 

「コロラドさんの艦首、見上げるくらい近かったです」

 

犬飼。

 

「24メートルだって聞いた」

 

藍島。

 

「はい」

 

犬島。

 

横から。

 

「うちも前から見えました」

 

犬飼。

 

「お前も怖かった?」

 

犬島。

 

「かなり」

 

犬飼。

 

二人を見る。

 

«「今日はもう訓練終わり。休め」»

 

二人。

 

「はい」

 

---

 

十六 事故調査

 

日米合同。

 

すぐ。

 

検証。

 

結論。

 

藍島に重大な操艦過失。

 

なし。

 

主因。

 

港湾曳船の曳航索張力異常。

 

ただし。

 

曳船側の判断も、推進器への索巻き込みを避ける緊急措置。

 

合理性あり。

 

貨物船側ウインチ。

 

制御装置。

 

瞬間的な電気的異常。

 

再現試験。

 

一部成功。

 

これが直接原因。

 

藍島。

 

回避判断。

 

適切。

 

ジョンストン。

 

回避。

 

適切。

 

コロラド。

 

早期後進。

 

適切。

 

アトランタ。

 

前方空間確保。

 

適切。

 

つまり。

 

誰か一人が大きなミスをした事故ではなかった。

 

正式分類。

 

«「港湾曳航作業異常に伴う日米艦艇多重接近事案」»

 

犬島。

 

名称を見る。

 

「長いですね」

 

藍島。

 

「事故じゃなく事案なんですね」

 

犬飼。

 

「接触してないからな」

 

---

 

十七 アメリカ海軍公式発表

 

«本日実施した日米交流港内航行訓練中、港湾曳船の緊急回避に伴い、参加艦艇複数が一時的に接近する事案が発生しました。

 

海防艦藍島と戦艦コロラドの最小離隔距離は約24メートルでした。

 

軽巡洋艦アトランタ、駆逐艦ジョンストンを含む参加艦艇も回避行動を実施しました。

 

艦艇同士の接触はありません。

 

人的・物的被害もありません。

 

調査の結果、参加艦艇各艦の操艦に重大な過失は認められませんでした。»

 

---

 

十八 呉鎮守府公式

 

«【藍島の米国港内航行訓練について】

 

米国での交流訓練中、港湾曳船の緊急離脱に伴い、藍島が複数の米艦艇と接近する状況が発生しました。

 

藍島とコロラドの最小距離は約24mです。

 

接触・損傷はありません。

 

藍島本人も問題ありません。

 

アトランタ、コロラド、ジョンストンを含む米側参加艦艇にも被害はありません。

 

日米合同調査の結果、藍島を含む参加艦艇に重大な操艦過失は認められていません。»

 

---

 

十九 日本ネット

 

速報。

 

«「藍島、アメリカでコロラドと衝突寸前」»

 

日本。

 

一瞬。

 

騒然。

 

«「戦艦!?」»

 

«「24m!?」»

 

«「近すぎる」»

 

«「アメリカ行ってまで何してるんだ」»

 

詳細。

 

出る。

 

«「藍島のミスじゃないのか」»

 

«「曳船が急に進路入ってきたのね」»

 

«「ジョンストンも逃げてアトランタも動いたのか」»

 

そして。

 

«「藍島一隻の周りで米艦3隻が一斉回避してるの情報量多い」»

 

藍島。

 

後日返信。

 

«うちも情報量多かったです。»

 

---

 

二十 「アメリカでも事故未遂」

 

当然。

 

言われる。

 

«「犬島と藍島、海外でも事故に近づくの?」»

 

犬島。

 

«今回は藍島さんの操艦原因ではありません。»

 

藍島。

 

«事故は起きてません。»

 

犬飼。

 

«接触していないので事故ではありません。»

 

ネット。

 

«「三方向から訂正入った」»

 

---

 

二十一 コロラドへの反応

 

日本側ではコロラドの、

 

«「謝るのは調査してからにしなさい」»

 

が高評価。

 

«「落ち着いてる」»

 

«「戦艦の余裕」»

 

«「藍島を責めないの良い」»

 

«「まず事実確認するの犬島たちと相性良さそう」»

 

犬島。

 

«うちもこの考え方好きです。»

 

藍島。

 

«あの時かなり助かりました。»

 

---

 

二十二 アトランタへの反応

 

アトランタ。

 

前方空間。

 

即座。

 

作る。

 

日本。

 

«「アトランタ判断早い」»

 

«「犬島を前に出して藍島の逃げ道作ったのうまい」»

 

«「状況全体見てる」»

 

アトランタ。

 

米公式。

 

«Everyone was doing their job.»

 

日本語訳。

 

«「全員が自分の仕事をしただけよ。」»

 

さらに人気になる。

 

---

 

二十三 ジョンストンへの反応

 

一方。

 

ジョンストン。

 

事故後。

 

第一声。

 

«「24メートルだったって!」»

 

日本。

 

«「温度差」»

 

«「藍島が静かにしてって言ってる」»

 

«「でもジョンストン自身もかなり危なかっただろ」»

 

ジョンストン。

 

投稿。

 

«I was fine. Aishima was the scary part. Colorado is BIG.»

 

日本語訳。

 

«「私は大丈夫。藍島の方が怖かった。コロラドは大きい。」»

 

コロラド。

 

«I am aware.»

 

日本。

 

«「本人が一番冷静」»

 

---

 

二十四 海外ネット

 

アメリカ。

 

«「Aishima almost met Colorado's bow at 24 meters.」»

 

«「24 meters is NOTHING at ship scale.」»

 

«「Johnston moved, Atlanta cleared the front, Colorado backed down. Great coordination.」»

 

«「The Japanese escort ship handled that better than I expected.」»

 

これに対して。

 

藍島。

 

英語併記。

 

«ありがとうございます。でも、もう一回やりたいとは思いません。»

 

大量。

 

同意。

 

---

 

二十五 犬島公式SNS

 

«今日、港内航行訓練中に藍島さんがコロラドさんへかなり接近しました。

 

最小距離は約24mです。

 

接触はありません。

 

藍島さんもコロラドさんも無事です。

 

アトランタさん、ジョンストンさんも回避に入りましたが、全艦損傷ありません。

 

原因は港湾曳船側で発生した曳航設備異常に伴う緊急離脱でした。

 

藍島さんを含め各艦の操艦に重大な問題はないとの調査結果です。

 

前から見ていましたけど、かなり近かったです。

 

藍島さんから返事がずっとあったので、それだけは安心できました。»

 

藍島。

 

«犬島さんの声も聞こえとったので安心しました。»

 

---

 

二十六 藍島公式SNS

 

«藍島です。

 

今日、アメリカで港内航行訓練中、コロラドさんと約24mまで接近しました。

 

接触していません。

 

うちもコロラドさんも損傷ありません。

 

ジョンストンさん、アトランタさんにも回避してもらいました。

 

皆さん無事です。

 

調査では、うちを含め参加艦艇に重大な操艦過失はないとのことでした。

 

正直に言うと、かなり怖かったです。

 

コロラドさんの艦首が、思っとったよりかなり大きかったです。

 

次はもっと離れたところから見たいです。»

 

コロラド。

 

«Agreed.»

 

翻訳。

 

«「同感。」»

 

---

 

二十七 犬飼公式

 

«【広報担当・犬飼藍人】

 

藍島の港内接近事案について、本人および参加艦艇全員の無事を確認しています。

 

「藍島がコロラドと衝突した」という情報が一部で流れていますが、接触はありません。

 

最小距離は約24m。

 

近かったのは事実です。

 

藍島本人もかなり怖かったと話しています。

 

調査が終わる前に藍島へ責任があると決めつけないようお願いします。

 

本人には今日はもう休むよう伝えました。»

 

一般。

 

«「犬飼さん、アメリカでも通常運転」»

 

犬飼。

 

«担当なので。»

 

---

 

二十八 集合写真の翌日の写真

 

事故未遂の翌日。

 

広報撮影。

 

再び。

 

集合。

 

今回は。

 

犬島。

 

藍島。

 

アイオワ。

 

フレッチャー。

 

ジャーヴィス。

 

時津風。

 

霞。

 

電。

 

清霜。

 

さらに。

 

アトランタ。

 

コロラド。

 

ジョンストン。

 

全員。

 

並ぶ。

 

藍島。

 

コロラド。

 

隣。

 

ではない。

 

間。

 

アトランタ。

 

一人。

 

入る。

 

写真公開。

 

ネット。

 

すぐ。

 

«「藍島とコロラドの間にアトランタいるの草」»

 

米公式。

 

«This was not intentional.»

 

日本語訳。

 

«「意図的な配置ではありません。」»

 

藍島。

 

«でも少し安心します。»

 

アトランタ。

 

«ちょっと。»

 

---

 

二十九 ジョンストンが余計なことを言う

 

撮影後。

 

ジョンストン。

 

«「次は24メートルより離れようね!」»

 

藍島。

 

「次は100メートル以上欲しいです」

 

コロラド。

 

「私は300メートル欲しいわ」

 

犬島。

 

「うちもそれくらいがええと思います」

 

アトランタ。

 

「全員、事故基準で距離決めるのやめない?」

 

フレッチャー。

 

笑う。

 

ジャーヴィス。

 

「でも安全」

 

時津風。

 

「じゃあ河口の幅くらい――」

 

犬島。

 

「時津風さん」

 

時津風。

 

「はい」

 

犬島。

 

「その話は今しません」

 

---

 

終章 普通の交流に戻る

 

夜。

 

ホテルではなく、海軍側宿泊施設。

 

広報用休憩室。

 

藍島。

 

犬島の隣。

 

座る。

 

犬飼。

 

向かい。

 

藍島。

 

「アメリカ来て事故起こしかけるとは思いませんでした」

 

犬飼。

 

「事故は起きてない」

 

「はい」

 

犬島。

 

「そこ大事です」

 

藍島。

 

「でも24メートルです」

 

犬飼。

 

「それも分かってる」

 

藍島。

 

しばらく黙る。

 

「コロラドさん、怒らんかったですね」

 

犬島。

 

「原因決まる前に怒っても仕方ないですから」

 

犬飼。

 

「犬島と同じ考え方だな」

 

藍島。

 

「そうですね」

 

少し。

 

笑う。

 

翌朝。

 

藍島は普通にコロラドへ挨拶した。

 

「おはようございます」

 

コロラド。

 

「おはよう、藍島」

 

藍島。

 

少し迷ってから。

 

「今日は離れてますね」

 

二人の距離。

 

約3メートル。

 

コロラド。

 

「艦体じゃないんだから、それくらいは近くてもいいでしょう」

 

藍島。

 

笑う。

 

「そうですね」

 

前日。

 

24メートルが怖かった二人。

 

今日は3メートルで普通に話している。

 

艦体は離しておけばいい。

 

本人同士まで離れる必要はない。

 

その日の米海軍広報部の投稿には、二人が普通に会話している写真とともに一文だけ添えられていた。

 

«「昨日の最小距離24m。本日の会話距離約3m。こちらは安全です。」»

 

日本。

 

«「その比較いる?」»

 

アメリカ。

 

«「Much safer.」»

 

犬島。

 

«単位だけ見ると近くなっています。»

 

藍島。

 

«本人なので大丈夫です。»

 

犬飼。

 

«今度こそ普通の広報をしてください。»

 

アトランタ。

 

«私もそう思う。»

 

ジョンストン。

 

«でも面白かった!»

 

コロラド。

 

«Johnston.»

 

ジョンストン。

 

«はい。»

 

そして、その日以降の交流日程では、本当に事故も事故未遂も起きなかった。

 

少なくとも、帰国の日までは。

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