最強と最恐の系譜は雷霆の申し子です   作:道化の作家

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第一章最終回 第十四話 追い付きたい、あの憧憬達に

 

 

 

「大丈夫かい?! エルフ君」

 

 悶え苦しみながら倒れ伏した格好になっていたレフィーヤに、再度外から手が伸ばされた。

 小刻みに震える手をつき、何とか体勢を立て直そうとしていた体が、ゆっくりと地面から持ち上げられていく。

 

「かはっ、けほっっ、ぁ……!?」

 

 血の欠片を交ぜながら咳き込むレフィーヤは、一人の少女…もとい一柱の女神に支えなられながら上体を起こす。

 

 喉は焼け、腹部が燃えるように熱い。

 

 身じろぎすればすかさず痛みが走る己の体に、その柳眉を寄り合わせながら、レフィーヤは何とか視線を周囲に巡らせた。

 

 通りは荒れていた。石畳はことごとく巻き上げられ、両端の商店は全壊か半壊の差があるのみで全てひしゃげている。並んでいた屋台はもう原型をとどめておらず跡形もない。

 

 視線がおぼつかない瞳をさまよわせながら、レフィーヤは彼女達を探した。

 

 自分より遥かに強い冒険者達を。弱い自分をいつも守ってくれるあの心優しく、残酷でもある高嶺の存在達を。そしてあの日と同じく、自分を救ってくれる憧憬の少年を。

 

 やがて焦点がはっきり結ぶ頃、ようやくレフィーヤは、通りの奥にその姿を認めた。

 

「──」

 

 それと同時に、呼吸が凍り付いた。

 

 壁を粉砕された商店。破壊され、砕かれたニ階の民家。

 

 巨大な木造りのその建物に、モンスターの大口に捕まった金髪の少女が。

 レンガ造りのニ階の民家の壁を砕き、モンスターの触手に捕まりかける白髪の少年が。

 

 両方とも、半ば埋まるような格好で押さえ付けられている。

 

 嚙み付かれていることで球形の小嵐と化している風の気流。更にその側からもう二匹の食人花が押し寄せ、がつんっ、がつんっ、と喰らいつく。アマゾネスの姉妹が強引に摑みかかるが、引き剝がせない。

 

 穿ち抜こうと触手を暴れさせる食人花に対して、雷霆の加護を全開にし、自身の周りを気流ごと巻き込んで集約させ無理矢理結界を形成させる。

 その特殊な魔力に反応した食人花は、金髪のエルフを置き去りにせんと疾駆し、それを阻むように金髪のエルフも木刀で迎撃する。

 

 無数の牙が、金髪の少女の肌を蹂躙しようと。

 四本の触手が、白髪の髪の鮮血で染め上げようと。

 

 風の鎧を嚙み千切ろう、雷霆の結界を穿ち抜こうとしていた。

 

「動かないでください、治療のためにここから離れます!」

 

 必死になって立ち上がろうとする体を、女神の後ろから現れたハーフエルフのギルド職員に制される。

 

 抵抗するレフィーヤにうろたえる彼女は、その紺碧の目が見つめる先を追った瞬間、息を吞んだ。

 

「……【ガネーシャ・ファミリア】の救援がもうすぐやって来ます。彼等に任せて、貴方は避難を!」

 

「そうだぜ、今の君はすっごく危ない状況なんだぜ!」

 

 『幸』か、『不幸』か。後方にいる女神とハーフエルフには表にいる金髪の少女はおろか、後方の建物に押し込まれている白髪の少年を視界に収めることが出来ていない。

 

「……っ!」

 

 レフィーヤは走り抜けた激痛に体を咄嗟にくの字に折る。

 【ガネーシャ・ファミリア】。武装した彼等ならばきっと彼女達を、ベルやアイズ達を救い出してくれるだろう。負傷しているレフィーヤより遥かに彼女達の力になってくれるに違いない。

 

 ここから目を背け全てを委ねてしまえ、と体の痛みもそう囁きかけてくる。

 ぐっと喉を詰まらせるレフィーヤはうつむいて、目を瞑り──次には。

 左手を握り締め、勢いよく双眸を見開いた。

 立ち上がる。

 

「……っ!?」

 

 なんの為に冒険者になったのか、なんの為に強さを求めたのか。

 あの時の、その覚悟だけを燃料にレフィーヤは立ち上がる。

 

「──私はっ、私はレフィーヤ・ウィリディス! ウィーシェの森のエルフ!」

 

 瞠目する幼女の女神とハーフエルフの彼女達に見上げられながら、弱音の全てを追い払うように声を上げた。

 

「神ロキと契りを交わした、このオラリオで最も強く、誇り高い、偉大な眷属(ファミリア)の一員! 逃げ出すわけにはいかない!」

 

 何より、あの最高の兄であるベル・クラネルの妹。そう名乗り続けるためにも、この程度の逆境で逃げ出すわけにはいかない。

 

 言葉が、決意が、力へ変わる。前へと進む為の力になる。

 

 魔法と同様、自身を奮い立たせ力の本流を取り戻したレフィーヤは、ふらつく一歩を踏み出し、直後には一気に走り出した。

 

 窮地に陥っている兄や彼女達の力になろうと、今一度戦場へと舞い戻る。

 

「(──分かってる、分かってるけどッ!)」

 

 レフィーヤとて、とうに理解している。

 

「(私じゃあ、あの人達の足手纏いにしかなれないなんて! あの人の前では、私はいつも泣いてばっかだって)」

 

 自分はともすれば、アイズ達の足枷であり、ベルにとっては何がなんでも守らなければならない庇護の対象。

 

 これからも、きっと自分は守られる。

 これからも、強くなっていく兄に自分は守られる。

 

 彼女達を助けようと死力をつくしても、最後にはきっと、優しく胸を押され遠ざけられる。大丈夫だからと言われ、側にいることを許されない。

 

 なんとか勇気を絞り出して隣に立とうとしても、最後には必ずあの優しい背中を眺めているだけだって事を。大丈夫だから、そんな魔法の言葉に、自分は涙を流しながら見守ることしか出来ないって事も。

 

 あの時と、あの日のように。

 

「(どれだけ威勢を張っても、私はあの人達の隣に立つには相応しくない!)」

 

 追いかけても、追いつかない。

 追い縋っても、差はなお開く。

 

 少女は風のように、少年は雷のように自分の前から消えてしまう。遥か彼方、自分の手の届かない遠く(たかみ)へと。

 

 劣等感に押しつぶされる程に、卑屈になってしまう程に、才能の理不尽を感じ取ってしまうように、あの憧憬達は遠すぎる。

 

 心が折れてしまう程に、ただ眺めようとしてしまう程に、金色の少女は強く、純白の少年(あに)は偉大で、自分は弱い。

 

「(でも…)」

 

 追いつきたい。追いついてみせたい。

 助けたい、力になりたい。

 頼ってほしい、隣を歩かせてほしい。

 

 自分を何度も救い出してくれた彼女達の隣にいることを、あの英雄の輝きを見せる少年と共に在る事を、許される存在になりたい。

 

「っっ!」

 

 距離は詰めた。

 十分に近付き自身の射程圏内に目標を捉える。

 ベルとアイズに群がるモンスター達を見据え、レフィーヤは詠唱を開始した。

 

「【ウィーシェの名のもとに願う】!」

 

 追い縋るしかないのだ、結局。

 憧憬達に追い付くためには。

 

「【森の先人よ、誇り高き同胞よ。我が声に応じ草原へと来れ】」

 

 血反吐をいくら吐こうとも、何度も地に足をつこうとも、溢れる涙でその頰が枯れることはなかったとしても。

 

 追い縋る者達には、追いかけることしか許されない。

 

「【繫ぐ絆、楽宴の契り。円環を廻し舞い踊れ】」

 

 意志は折れる。何度でも折れる。折れない誓いなどありはしない。

 

 自分は、兄のように一途に、誓いを果たす為に走り続けられるような人間じゃないと。

 

 でも折れた意志を何度でも直す者が、諦めの悪い者がいるだけだ。

 

 それは、あの偉大なる兄の背から学んだものだと。自分よりも強い竜に立ち向かい、そして傷だらけになりながらも勝ちを掴み取ったあの日の光景を。

 

 いくら無様に転ぼうとも、何度でも立ち上がる、不屈を叫ぶ者がいるだけだ。

 

「【至れ、妖精の輪】」

 

 レフィーヤは歌う。

 

 逆流する血液を飲み下し、守られるだけの自分を脱却するため、憧憬達に追い付くため、詠唱を奏でる。

 

「【どうか──力を貸し与えてほしい】」

 

 歌を届けよう。

 

 歩みの遅い自分が、遥か先にいる彼女にも、遥か先へと至ろうとする彼にも、聞こえる歌を。

 

 例え振り返ってもらえずとも、彼女の耳に届け、彼を癒やし、彼女を守り、彼を脅かす敵を打ち払ってみせよう。

 

 森を踊る妖精のように。愛する者を救ってきた精霊のように。

 

 自分だけに許された歌を、どこまでも。

 

 この魔法を、届けよう。

 

「【エルフ・リング】」

 

 魔法名が紡がれるとともに、山吹色の魔法円(マジックサークル)が、翡翠色に変化した。

 

「レフィーヤ!?」

 

「っ!?」

 

「あれは!?」

 

 収斂された魔力にティオナが気付く。伴って、アイズやベルに牙を、触手を突き立てていたモンスター達も、より強い魔力の源へ振り返った。

 

 アイズの瞳もまた驚愕に見開かれる。

 リューの瞳が、驚きを隠せないと瞠目する。

 ベルは、その詠唱(うた)を聞き、騎士の言葉を思い返す。

 

 詠唱が、続く。

 完成した筈の魔法へ更に詠唱を上乗せ、別種の魔法を構築する。

 

 ──魔法の習得可能数は上限が存在する。

 

【ステイタス】に確保される魔法スロットは最高三つ。つまり才能ある者でも三種類の魔法のみしか行使することはできない。

 その中でレフィーヤが最後に習得した魔法は──召喚魔法(サモン・バースト)。

 

 ベルは、いつかの日にレオンが語っていたレフィーヤの魔法の内容を思い出す。

 

 同胞の魔法に限り、詠唱及び効果を完全把握したものを己の必殺として行使する、前代未聞の反則技。二つ分の詠唱時間と精神力を犠牲にし、彼女はあらゆるエルフの魔法を発動させることができる。

 

 その魔法にちなみ、オラリオの神々が彼女に授けた二つ名は、【千の妖精(サウザント・エルフ)】。

 

「【閉ざされる光、凍てつく大地】」

 

 召喚するのはエルフの王女にして都市最強の魔道士たる、リヴェリア・リヨス・アールヴの攻撃魔法。

 

 極寒の吹雪を呼び起こし、敵の動きを、時さえも凍てつかせる無慈悲な雪波。

 

 詠唱が紡がれる中、レフィーヤの玉音に加えもう一つ、美しい玲瓏な声音が重なり合う。

 

 翡翠色の魔法円がまばゆい輝きを放ち出した。

 

『────────────────ッ!!』

 

 食人花のモンスター達、五匹が急迫する。

 破鐘の啼き声を上げ、未だ高まる魔力の高まりへと殺到した。

 

「はいはいっと!」

 

「大人しくしてろッ!!」

 

「ッッ!」

 

「させませんッ!」

 

「黙って聞いてろッ!」

 

 だが、神速とばかりに一瞬で追いついたティオナ、ティオネ、アイズ、リューが妨害し、それに僅かに遅れたベルも、体(・)内(・)に(・)雷(・)霆(・)を(・)撃(・)ち(・)込(・)ん(・)で(・)なんとかレフィーヤの前に立ち塞がり、迎撃する。

 

「【サンダーボルト】ッ!!」

 

 ベルは無理矢理迫りくる一匹の食人花に対して連続で八条の雷光を放つ。

 放たれた魔法(ソレ)では食人花の外皮を削るには足らず、稚拙ながらにも脅威ではないと悟った食人花はソレを真正面から受け、そしてそれでも突き進んだ。

 

 彼女達の背中に守られるレフィーヤは、次いで腹を庇い前屈するように身を丸めた時、ベルはレフィーヤに笑いかける。

 その笑みに、兄に全幅の信頼を置いているレフィーヤは、その笑みに応え、歌を紡ぐことにのみ集中する。

 

 地面から槍衾のごとくモンスターの触手が突き出す。

 

 再度放たれる雷光の数は二。到底脅威ではないと触手をそれでも放つ食人花に直撃する。

 

 触手の衝撃が、レフィーヤの足、肩、耳朶を掠めようとした時、少年は嘲笑った。

 

「──【炸雷(エレクトリック)】ッ!」

 

 【サンダーボルト】の魔法の性質は速攻魔法。属性は雷、光属性であり、放たれた雷光はダメージと共に直撃した対象および空間対してに自身の魔力を纏った電雷(ざんし)を蓄積させる。

 

 そして今しがた放たれた詠唱は起爆鍵(スペルキー)。

 それは蓄積された電雷(ざんし)を強制的に集約させた上で炸裂させて対象を麻痺させる技。

 

 合計十発。

 それはベルが直感で弾き出した、その強靭な外皮を貫通し、そして体内に電雷(ざんし)を残す為に必要な弾数でもある。

 

「俺の妹に手を出すんじゃね。 馬鹿がっ」

 

 乱暴な口調を隠すこともなく、荒々しい表情と悪童(クソガキ)のような笑みを浮かべるベル。

 

 そしてレフィーヤもまた、笑っていた。

 

『ギィィアアアアアアアアアッ!!!!!!』

 

 そして唱えられた起爆鍵(スペルキー)と共に食人花の体内に蓄積された電雷(ざんし)は炸裂し、溜まりきった雷撃の残滓は一つに集約されて、放電(スタン)攻撃となって食人花の体内を焼き焦がす。

 

 防御無視、耐久無視の一撃は階位(レベル)すらもひっくり返して敵に消えない致命的なミスを発生させる。

 

 ───強制停止(リストレイト)。

 

 動きが止まった、ほんの僅かに、一瞬だけ。

 だが、その一瞬を作り出すだけで、十分だった。

 唇に笑みを浮かべ、すぐさま気合を入れ直して、レフィーヤは紺碧の双眸を吊り上げ一気に詠唱を終わらせる。

 

「【吹雪け、三度の厳冬──我が名はアールヴ】!」

 

 拡大する魔法円(マジックサークル)。

 そして唇が、その魔法を紡いだ。

 

「【ウィン・フィンブルヴェトル】!!」

 

 五条の吹雪。

 

 射線上からアイズ達が離脱する中、大気をも凍てつかせる純白の細氷がモンスター達に直撃する。体皮が、花弁が、絶叫までが凍結されていき、やがて余すことなく霜と氷に覆われた三輪の食人花は、完璧に動きを停止した。

 

 佇立する五体の氷像(ひょうぞう)。モンスター達が溶けることのない氷結の檻に封じ込めらる一方で、街路全体もまた氷の世界へと、白と蒼の凍土へと変わり果てる。

 

 蒼穹に舞う氷の結晶が、日の光を反射し、きらめくように輝いた。

 

「ナイス、レフィーヤ!」

 

「散々手を焼かせてくれたわね、この糞花っ」

 

 歓呼するティオナと若干鶏冠に来ているティオネが、五匹の内の二匹の懐にたっと着地する。

 

 深い蒼色の氷像へ、二人は滑らかに淀みなく、申し合わせたように同じ動きをなぞった。

 

「ッッ!!」

 

「いっっくよおおおぉ────ッ!」

 

 一糸乱れない、渾身の回し蹴り。

 

 褐色の素足が体軀の中央に炸裂すると同時に、夥しい亀裂が刻まれ、食人花の全身は文字通り粉砕された。

 

「やはり、凄まじいですね」

 

「強くなったね、レフィ」

 

 ティオネとティオナの後に続くように、リューとベルもまた大きく跳躍し、そして食人花の氷像の上を陣取る。

 

「────フッ!!」

 

「【鳴り荒れろ(テンペスト)】ッ!!」

 

 リューは空中で身を五回転させ、纏う新緑のケープが荒れる中、手に持っている木刀《アルブス・ルミナ》をまるで戦斧の如く振り被さり、直撃と共に氷像を砕く。

 

 ベルもまた氷像の頭上から勢い良く落下し、黒剣《神の剣杖(ヘスティア・ソード)》を突き立てて、パキッという擬音と共に纏う雷霆の威力を上げる。

 

 その一撃を持って、食人花の氷像は砕け去る。

 

 

「アイズー!」

 

「……ロキ?」

 

 ティオナ達やベル達がモンスターを粉々にする横で、アイズは自分を呼ぶ声に視線を上げる。

 

 半壊した商店の屋根に立つ二つの影。見覚えのあるすすり泣くヒューマンの少年と、彼を腰に抱き着かせたロキだ。

 

 アイズの主神は、ほいっと言って剣を放り投げた。

 

「これは……」

 

「ん、そっから、ちょちょっとな」

 

 ロキが指さす方向は、モンスターに潰された屋台の一つ。

 日差しを反射する刀剣類の光を覗かせるのは、武器の出店。

 それは奇しくも、闘技場(アンフィテアトルム)で行われていた調教(テイム)の演目に遅れ、少年と再会させてくれた理由を作った店だった。

 

「じゃ、頼むなー」

 

 笑いかけてくるロキに、いつのまに少女と一緒に回収したのかという言葉は吞み込んで、アイズも小さく笑った。

 

「……」

 

 通りそのものが凍り付き、冷気に包まれる中。

 アイズはゆっくりと、残ったモンスターの氷像へと歩み寄る。

 凍り付いた食人花は物言わない。

 時間も停止している蒼の彫刻に向かって、アイズは鞘から抜剣し、振り抜いた。

 刻み込まれる無数の斬撃。

 最後の一閃を見舞うと同時に“ヒュンッ”、と剣を振り鳴らす。

 ずれ落ちていく氷塊。

 均衡を失い、次には涼やかに砕け散っていく。

 清音を奏で、細氷が舞い、金の長髪が蒼いきらめきとともになびいていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫〜ッ、レフィーヤ!」

 

 「ティ、ティオナさん!?」

 

 傷付いているのも関係なしに、ティオナがレフィーヤへと抱き着く。

 顔を真っ赤にする彼女は、体が痛むのか左目を眇める一方で、まんざらでもなさそうに頰を緩める。

 どこか安堵したようなその表情に、アイズも素直な言葉を送った。

 

「ありがとう、レフィーヤ」

 

「アイズさん……」

 

「リヴェリア、みたいだったよ……すごかった」

 

 目を軽く見開いた彼女は、感極まったような照れたような複雑な表情を作り、うつむいてしまった。ティオナに横から抱き着かれたまま林檎のように赤くなる。

 

「ほいほい、まだ仕事が残っとるでー」

 

 ぱんぱんと、手を叩いてロキが場に割り込んだ。

 

 見ると、確かに周囲ではギルド職員が慌ただしく動き回っている。闘技場から抜け出したモンスター達は討伐し終えたが、まだ新種のモンスター達は討伐し終えていない。

 

 予断を許さない状況は続いていた。

 

「ティオネ達はちょっと地下の方、行ってもらってええ? まだ何かいそうな気がするわ」

 

「はいはい、任されたわ」

 

「レフィーヤは此処で? ギルドの連中に治療してもらい」

 

「あ、はい。わかりました」

 

 朱色の瞳が次にアイズを見る。

 

「アイズは残ってるモンスターのとこ。うちも付いてくわ」

 

「わかりました」

 

 ロキが指示を出し終えると、ティオナ達と別れた。

 

「じゃ、行こうか。少年とは此処に残って、レフィーヤを助けてくれた礼と、あとは傷の手当もなぁ。リューたんはこの子の親をお願いな」

 

 そう言ってはロキは助け出した少年をリューに預け、そして目を僅かに開く。

 

「はい」

 

「分かりました、神ロキ」

 

「…はい」

 

 やがてアイズ達が進み出し、リューとベルも応えた、すぐ。

 遠く離れた場所から歓声と思しき叫喚が耳に届いてきた。

 気にかける余裕もないまま一瞥した先は、闘技場の方角ではなく。

 ここから真東、そちらは【アストレア・ファミリア】が交戦している場所だった。

 

 

………

……

…

 

 

「…兄さん」

 

 やがて、紺碧の瞳と深紅(ルベライト)の瞳が交差する。リューはその場からスッと身を引き、ロキが預けた少年をギルド職員の元へと誘導し、そして親探しに協力しに行った。

 

「強く…なったね。 もう僕が守る必要もなくなっちゃったし」

 

 そう、ベルは少し名残惜しそうになりながらも、優しい瞳でレフィーヤに語る。

 その言葉にレフィーヤは長い耳を赤らめながらも、慌ただしく答える。

 

「そんなッ! 私はまだまだ、最後なんて結局兄さんに守られただけですし…」

 

「でも、僕もレフィに守られたよ」

 

 ベルは笑みを浮かべて、レフィーヤの山吹色の髪を撫でながら言う。

 

「レフィがいなかったら、今頃僕はあの触手に貫かれちゃってたし、君のおかげたよ」

 

「そんな?! 私だって…、最後はもしかしたら触手に……」

 

「それだったら僕もッ!」

 

「いえ、だから私がッ!」

 

「だ・か・ら・、僕がやられちゃってたってッ!」

 

「そもそも、兄さんが守ってくれなかったら私がッ!」

 

「いや、だ・か・ら〜」

 

「いえ、ですからッ!」

 

「だからッ!」

 

「ですからッ!」

 

 両者一歩も譲らない謙遜の押し付け合い。

 やがて二人は「クスッ」と笑い合い、そして再会を喜んだ。

 

「お久しぶりです、兄さん」

 

「うん、七年ぶりだね。 あの頃よりすっかり大きくなっちゃって」

 

 ベルはやっぱり名残惜しそうにレフィーヤに言う。

 そんなベルとは対象的に、レフィーヤは少し悔しそうに、でも嬉しそうに言う。

 

「やっぱり、兄さんに守ってもらってばっかりで」

 

「でも、最後は助けられたよ? あの時は、僕の背中にいた君がね」

 

 ベルはレフィーヤの頭を再度撫で、レフィーヤもそれを嬉しそうに受け入れる。

 そんな優しい、家族団欒のような雰囲気が流れる中、ベルの主神たるヘスティアが話かける。

 

「仲良しそうにしてる所で悪いんだけどね、ベル君」

 

「はい? なんですか、神様」

 

「ごめん、僕もう限界ッ!」

 

「え?」

 

 その瞬間、ヘスティアがまるで操り糸の切れた人形のようにぶっ倒れた。

 

 ベルは混乱した?!

 レフィーヤは瞠目した。

 自分を助けてくれたのは兄の主神であり、そして今目の前で──もしかしたら自分のせいで──倒れてしまったことに焦りまくっていた。

 

「神様が死んだッ! この人でなしッ!」

 

「何やってるんですか!?兄さんッ!! 縁起でもないこと言わないでくださいッ!」

 

「あ、ごめんレフィ。 いつものノリで」

 

「どういうことですか、いつものノリって」

 

「あぁ、お祖父ちゃん達とのノリでね」

 

 ヘスティアがぶっ倒れた所を見ながらベルが叫び、それを聞いたレフィーヤが頬を引き攣らせながら叫ぶ。

 そんな中、叫び合い混乱する2人を前に、見知った酒場の店員が話しかける。

 いつもの若葉色の制服ではなく、白いワンピースの格好をした薄鈍色の少女が。

 

 

 


 

 

 

 太陽が西へと傾き、市壁の奥に消えようとしている。

 

 夕暮れの色に街が染まる中、アイズはティオナ達と北のメインストリートを進んでいた。

 

「はぁ~、なんか色々あって疲れちゃった」

 

「とんだ日になっちゃいましたね」

 

 ティオナの言葉にレフィーヤが苦笑する。

 怪我を負った彼女自身、治療した傷痕はともかくそのぼろぼろになった服は酷い有り様になっていた。

 

 今回の事件はひとまず収拾した。【ガネーシャ・ファミリア】やギルドの素早い対応で市民に一切の死傷者は出ず、被害もごく僅かな範囲に抑えられたらしい。唯一、騒ぎを起こした犯人だけは捕まっておらず、この騒動がただの愉快犯だったのか何かしらの意図があったのか、真相は闇の中だ。

 

 もう一方の、食人花のモンスター達を率いていたのは、死んだとされていた闇派閥(イヴィルス)の幹部である【白髪鬼(ヴェンデッタ)】オリヴァス・アクトである事が、その場にいた【アストレア・ファミリア】が証言していた。

 

「ギルドと【ガネーシャ・ファミリア】はしばらく肩身が狭い思いをしそうね。安全や管理の責任を追及されて」

 

「もしかして、今日の騒ぎもそれが狙いだったんじゃあ……?」

 

「かもしれないわね」

 

 ティオネとレフィーヤの話を耳にしつつ、アイズは自分の体を見下ろして口を噤んでいた。

 

 その様子に気付いたレフィーヤが、下から顔を覗き込んでくる。

 

「どうしたんですか、アイズさん? 何かあったっんですか?」

 

「…レフィーヤ」

 

 どこか申し訳なさそうに眉を下げるアイズは、彼女に「ごめん」と謝罪した。

 

「レフィーヤの大切なお兄さんを、馬鹿にされてた時に、止めてあげられなくて……」

 

「アイズさん…」

 

 アイズはレフィーヤに頭を“コテン”と下げて、そして言う。レフィーヤは「気にしないでください、兄さんだってそう言ってましたよ」と優しく返す。

 今だけは、彼の優しさも少女の言葉も胸に刺さり、アイズは再度唇を結んでしまう。

 

「にしてもッ、あの糞狼も何やってんのよッ!」

 

「そうだよね~。 あの子、どう見ても『Lv.1』の動きじゃなかったし。 それにあの魔法(かみなり)…凄かったなぁ〜、アルゴノゥトみたいだったし」

 

「でも…、兄さんは確か3週間前にオラリオに来たって言ってましたし、手紙にもそう書いてありました。 ご家族の意向で神の恩恵(ファルナ)は刻んてもらってないとも言ってましたし」

 

 そう、レフィーヤが語り、ティオナとティオネも考え込んでしまう。

 そんな中、はっと思い出したようにアイズは言葉を発する。

 

「あの子の魔法…、何だが…こう、血がざわつくような、感じがした」

 

「「「えっ…」」」

 

 アイズは決してそんなつもりで発した訳では無いが、そんなアイズの内心を乏しい表情から察する事が出来なかった三人はアイズの発言を『強そうだった、戦ってみたい』と言う意味の“血がざわついた”と受け取ってしまった。

 

 三人と一人の中でただならなぬ誤解が生まれてしまい、3人は頬を引きつらせてなんとか頷こうとする。

 

「それに…また謝れなかった」

 

 そう、アイズは言う。

 アイズ達が戻った頃にはベルは居らず、ヘスティアを連れて何処ぞの酒場へと行ってしまったらしい。

 

 また謝る機会を失い、アイズはどうやったらあの白兎に出会い、謝れるかを思案していた。

 

「なら、会いに行きましょうッ!」

 

「えっ?」

 

「大丈夫ですっ。兄さんはいつも間が良いので、会いたいと思ったら会えますよ」

 

「そう…なのかな?」

 

 確かに、と一度考えてからアイズは頷いた。

 レフィーヤを助けた時も、完璧な瞬間(タイミング)であらわれ、あの触手を斬り伏せた。

 

 茜色に染まるレフィーヤの笑顔を見て、アイズもようやく笑うことができた。

 彼女の頬もまた、西日の光に照らされて、茜色に染まっていた。

 

「でも…」

 

「ん? どうしたの、レフィーヤ」

 

 だが、そんなレフィーヤにも一抹の不安があった。

 それはなにかというと、

 

「兄さん、とっても気分屋なんです」

 

「え?」

 

「なにか嫌な予感がするとすぐにどっか行っちゃったり、面倒事があると察すと気分が良い時はそのまま突っ込んで、悪いときは普通に逃げちゃうし…」

 

 だから、会えるかどうかは五分五分かもしれません、とレフィーヤは零す。

 そんなレフィーヤに対して、アイズは優しく言う。

 

「じゃあ、会えるまで何でも行こう。 私も…、あの子と会いたいし───」

 

 ───もっと、お話したいから。

 

 と、最後の言葉はレフィーヤ達には言わず、心の中で留めていた。

 

「はいッ! もし兄さんが来なかった時は、私が引っ張り出してみせます!!」

 

「そうだね、私もあの子に会えるまで何度でも行くよ」

 

 レフィーヤとアイズは、1人の少年の為に新たな誓いを立てて、っとその前にレフィーヤは思い出したかのように拳を握りしめ、言い放つ。

 

「私の兄さんを馬鹿にしたあの糞狼は、帰ったら『見敵必殺焼死の刑(レア・ラーヴァテイン)』に処してやりますッ!」

 

「へぇ~、いいじゃない。私は賛成よ」

 

「私も私もッ! ベートをブッ飛ばしちゃおーう」

 

「えぇ…ほどほどに…ね?」

 

 そう、三人が息巻く中、良い子であるアイズは頬を引き攣らせ、なんとか三人を止めることはしないにしても、本拠への被害は減らそうと試みていた。

 

 だがその日の夜、アイズ達【ロキ・ファミリア】の本拠たる『黄昏の館』から途轍もない魔力を帯びたエルフの王女と同じ魔法による炎の柱が登ったと言う噂(事実)がオラリオ中を震撼させた。

 

 

「そういえばさぁ、ロキは?」

 

 ホームへの帰路をもう僅かにする頃、ティオナが今更のように尋ねる。

 

 彼女の隣にいるティオネが、肩をすくめながら答えた。

 

「急用ができたらしいわよ。遅くなるから、夕飯もいらないって言ってたわ」

 

「またお酒? こんなことあったのに、元気だよねー」

 

「もしかしたら、神同士のお付き合いかも……」

 

 日が徐々に傾いていく。

 通りを行く四人の影が、建物の影が、市壁の影が長く伸びていく。

 黄昏が、静かに街を覆っていった。

 

 

………

……

…

 

 

 都市の南、魔石灯の光が氾濫する繁華街。

 

 夜半を迎え空が吸い込まれるような黒一色に染まる中、その盛り場は昼間のように明々としていた。種族は問わず多くの者が店の出入りを繰り返しており、装備に身を固めた冒険者はもとより容姿の整った神々の姿も多く見受けられる。

 

 深夜でも賑わうそんな繁華街の一角に建つ、高級酒場。

 

 貴族の一室を思わせる広い個室に、ロキとフレイヤは卓を挟んで腰を下ろしていた。

 

「もう、こんな時間に呼び出して。今度はなんの用?」

 

「薄々感付いとるくせによく言うわ」

 

 杯を手に酌み交わす女神達はどちらも笑みを浮かべていた。

 

 フレイヤは瞑目した余裕のある微笑を、ロキはにやついたいやらしい笑みを。

 

「今日の怪物祭(モンスターフィリア)の騒ぎ、起こしたのは自分やな」

 

「あら、証拠でもあるのかしら?」

 

「そんな馬鹿の一つ覚えみたいな言い回しすんな。状況が状況や、自分しかできる者はおらん」

 

 値が張るワインを水のように飲み干し、ロキは話を続けた。

 

「『魅了』、『魅了』、『魅了』、全部『魅了』や。ガネーシャのとこの子もギルドの連中も腑抜けにして、見張りはあっさり往なしたんやろ?」

 

 美神の『美』は万人を『魅了』してのける。

 

 理性が太刀打ちできないその力は全ての生物の本能を揺さぶり、ある時は恍惚からの放心状態を意図的に喚起し、またある時は一方的に対象を美の虜にしてしまう。超越存在(デウスデア)である神々も誘惑しうる女神の『美』に抗える子供達、下界の者は皆無と言っていい。

 

 そしてそれは、怪物(モンスター)でさえも同様だ。

 

「外に出たモンスターは誰も傷付けんかった。ちゅうより、何(・)か(・)を探し出そうと躍起になっておった。大方、骨の随まで『魅了』されて、どっかの色ボケ女神以外のものが目に入らんかったんやろうな」

 

 人を一度も襲おうとしなかったモンスターの奇行を指摘しながら、ロキは結論した。

 

「あんな大事起こしといて死人なしなんて芸当、自分以外に誰もできへん。まぁ何がやりたかったのかはよくわからんが……事件の犯人はお前やー、ってな。決まりや」

 

「……ふふっ、そうね、概ね貴方の言う通りよ」

 

「ほほう、殊勝な態度やな」

 

 あっさりと己の推理を認めるフレイヤに、ロキはニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

「ギルドにちくったろうかなぁ~? 罰則(ペナルティ)は相当かさむこと間違いなしやろうなぁ~?」

 

 隠しもせず脅しをかけてくるロキに、フレイヤは微笑を崩さなかった。

 

 閉じていた瞼を薄く開け、次の言葉を言う。

 

「鷹の羽衣」

 

「はっ?」

 

「貴方に貸したあの羽衣、まだ戻ってきていないわ。私をギルドに売るんだったら、その前に返してくれない?」

 

 ロキは顔を驚きに染めた。

 

「なっ、あれは天界にいた時にいただいたゲフンゲフンッ、か、借りたやつやぞ!? 今更もう時効やろ!? ていうか、今ここで持ち出すかフツー!?」

 

「私の知ったことではないわ。ああ、勿論、女神とあろう者が約束を反故にするとは言わないわよね?」

 

 口端は曲げたまま、眼差しだけが鋭さを帯びたフレイヤの笑みに、ロキはたじろぐように声を詰まらせる。

 

「いや、でも、あれ……うちのオキニやし、今更返せって言われても……」

 

「もし今日のことを黙ってくれるのなら、いえ今後の私の行動に目を瞑ってくれるなら……あの羽衣も貴方に差し上げるけど、どうかしら?」

 

 ぴたりと動きを止めたロキは、フレイヤの言わんとしていることをはっきりと理解し、頰をひくつかせる。

 

 ええいくそっ、と片手で頭をかきむしりながら悪態をついた。

 

「この性悪女っ、今になって昔のことを引きずり出しおってっ」

 

「ゆすろうとする貴方も大概よ」

 

 くすくすと面白そうに肩を揺らすフレイヤに、ロキはあからさまに不機嫌な顔で背に体重をかけた。豪華なソファーが彼女の体を柔らかく受け止める。

 

「んで、一応もう一つ。 ないとは思うけど、自分闇派閥(イヴィルス)と裏で繋がってたりなんかは──」

 

「あら? そう思うのかしら」

 

「別に、んなこと思っとらんわ。 にしてもなんやったんやろな、あのモンスター達は」

 

「さぁ? 私は、貴方の言うそれを見たわけじゃないし。 何であるのかもわからないし」

 

 言葉に、覇気が纏われる。

 顔を見合わせたまま、ロキとフレイヤの間に奇妙な沈黙が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雲のかかった月が、うっすらと輝いている。

 周りに散りばめられる銀砂の星は冷たい光を放っていた。

 静謐な夜空が見下ろすところ、屋根が崩れ落ちた古い廃墟。

 朽ちた建物は壁も至る所が破損しており、石材が剝き出しになっている。昼夜問わず光を絶やさないオラリオの中でもその奥深い路地裏の一角には灯りの手が届かず、宵闇がはびこっていた。

 

 そんな廃墟の中に、月を見上げる影が一つ。

 

 闇夜に紛れるように、一人、暗がりの奥でたたずむ者がいた。

 

「ディオニュソス様」

 

 不意に、その人影に向かって声が響く。

 

 物音一つ立てず、どこからともなく姿を浮かび上がらせたのは一人の女性だった。木の葉のように尖った細いエルフの耳が、雪のような白い肌も相まって、はっきりと輪郭を作り上げる。

 

 廃墟の闇を払って歩み出てくる彼女に対し、呼びかけられた神物はゆっくりと振り返った。

 

 雲が割れ、大穴の開いた屋根から差し込む蒼い月明かりに、端整な神の容貌がはっきりと照らし出される。

 

「ギルドより先に、回収することはできたか?」

 

「はい、こちらになります」

 

 普段纏っている笑みを消した男神、ディオニュソスは、その女性の団員から差し出されたものを受け取る。

 

 手の平の上で転がすこと数度。

 

 長い指で摑み、夜空に掲げ、双眸を細める。

 

「面倒なことになってきたな……」

 

 中心が極彩色に染まった魔石が、月の光を反射し、毒々しく輝いていた。





 《あとがき》

 本作は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の二次創作でもあり、散々擦られているアルフィア&ザルド生存√と言うこともあり、あれ?ここどっかの作品で見たぞ?と言う展開にならないようにそこそこ頑張りました。
 結構ベル自身の設定には時間をかけており、ベルの【スキル】にはかなりの意味があるんですが、まあそれは追々ということで。

 こっからベルをどうやって【ソード・オラトリア】に巻き込もうかと考えていますが、んまあそこもボチボチやっていきます。

 ベル君の容姿の設定は原作の容姿とは少し違い、前世?前々世?と思わしき人物である『アルゴノゥト』によっています。一人称が変わるのは激昂時が大きく、ある種のスキルみたいなものだと考えて下さい。
 簡単に言えば『反転した善意(ベルオルタ)』みたいな感じ、マジで黒王みたいな性格しとる。

 ベル君の戦闘スタイルは二刀流による速度と手数に物を言わせたスタイルではありますが、基本オールラウンダーです。食人花との戦いでは、戦闘効果(パフォーマンス)が三、四割減してる(二刀流じゃないから)。

 一撃必殺、圧倒的技量による暴力のせいで、ダンまち本来の「ヒロインとの共闘」という醍醐味が失われてしまうのが本作の失点ですね。

 素で滅茶苦茶強いので、レベルが上がり過ぎると一人で良くね?となったりしてしまう為、そこそこ弱点を作るのに苦労しました。ですが、ここから滅茶苦茶強化を積み、せめてアルフィアと戦えるくらいには強くしたいですね(笑)。

 ちなみにアルフィアが全力で戦ったら、ザルドでもボコボコにされます。ですかスキルによる体力自動回復(オートヒール)のせいで無限に回復し、寝る必要もない為、無限福音撃ち込み(サッドバック)の出来上がりとなってしまいます。

 今のオラリオの戦力では到底アルフィアに敵うはずもなく、ともすれば参戦したところでオッタル以外はザルドの足手まといとなり、オッタル自身はアルフィア達がフレイヤがベルを見初めたという事実を知った瞬間に、共闘していたザルドに後ろから刺されます。

 ザルドはベルをアルフィア達ほどではないにしろ大切に思っており、もしオッタルがベルの前に立ち塞がった時はベルの偉業になればいいなと思い、静観し、終わったあとでもしベルがオッタルに負けたら、ボコボコにしてベルを助けます。

 現状ベルが最も早くレベルを上げる方法がアルフィア達にフルボッコにされることなので、言い方がアレだととっとと実家に戻れ状態ではあります。

 今作のヒロインは一応アイズではありますが、原作同様色んなヒロインが出てきます。
 ベル自身は恋愛感情が半分死んでいたり、そもそもそんな事を考える余裕がなかったりする為、特定の人物以外とはあまり発展しなさそうではありますが、流石は主人公。天然ジゴロのスケコマシ万年発情ウサギ、勝手に助けて、勝手に英雄ムーブかまして、相手が一番欲しい言葉を気取らずに言えるベル君は気づいたらハーレムを形成しているでしょう(アルフィアの折檻不可避)。 

 メインヒロインであるヴァレン某君は普通にそのまま、妹枠に収まったレフィーヤは違う部分でベルの支えになるでしょう(故郷幼馴染枠に収まった)。何気に、普通に冒険者やってるリューもかなりの強化を食らっており、アイズ達と同じくランクアップ目前ではあります(ステはアイズに似てるかな?)。

 それでは最後に、第一章最終回まで見ていただいて、ありがとう御座います。もっとこうして欲しい、ああして欲しいというコメントがあれば、できうる限り反映させたいと思っているのでどんどんして下さい。

 第一章、迷宮都市オラリオ編はこれにて終了です。
 それでは皆様、ここまで見ていただいてありがとう御座いました。

 次回はエピローグ、その次は遂に第二章。ヒロイン候補達もといメインヒロインが新たに胎動する大事な章となることでしょう(笑)。


 お気に入り登録やコメントをしてくれるとモチベに繋がるので是非お願いします!評価もしてくれると嬉しいです、コメントでのアドバイスも待っています!
 それでは次回まで楽しみに待っていて下さい!
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