姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~ 作:東雲(しののめ)
学園四日目の朝。
教室の扉を開けると、騒がしい声が飛びこんできた。
「――はぁ? あたしの言うこと聞けないわけぇ!?」
例の如くというか、ウルズがクラスメイトを恫喝していた。
ただ珍しく相手が抵抗しているようで――
「……ウルズ。もうホームルーム始まるけど」
せめて教室でくらい静かにすごしたい。
何気なくそう伝えると、彼女はハッと僕の存在に気づいて。
「……カ、カゲルヤっ!」
昨夜のことを思い出してか、顔を真っ赤に染める。
――どうやら僕はかなり暴走したらしい。
特に後半はほとんど記憶にないが、反応を見るに相当やらかしたのだろう。
「……昨日は気の迷い……深夜テンション的なやつよ……」
「ウルズ?」
「……だってあたしが男に媚びて……ご、ご主人様呼びするとか……」
ブツブツブツと独り言を呟いている。
「ふ、ふんっ! あんたみたいなクズ大っ嫌いよ!」
なぜか僕まで恫喝すると、手下を連れて教室を去って行く。
「あ、ありがとう、ございました」
先ほど恫喝されていた少女が、おずおずと僕に頭を下げた。
周囲の女子たちも安堵の表情をしている。
――クラスのトップは、カゲルヤ・ノア。
忘れがちだが、教室のカーストが逆転したのだ。
ウルズの権威は失墜し、代わりに僕が牛耳る形である。
「あの、このお礼は、どうやって返せば……」
おっかなびっくりな表情で訊かれる。
お礼って言われても、別に助けようと思ったわけじゃ――
「や、やっぱり、身体で、ですか?」
「は? 身体?」
「さ、さっきウルズさんが、カゲルヤさんのことを少し……」
な、何を言ったんだアイツは……ちょっと怖いぞ。
「カゲルヤさん、が望めば、わたしたちは従うしかないので……」
約三○名いるクラスメイトが、恥ずかしそうに僕を見る。
「いや、従うって言われても……」
じゃあ例えば、極論、全員裸になれって命じたら従うのか?
いくらトップの命令といえど流石に――
「わ、分かりました、全裸で授業、ですね」
ク、クラスメイトが全員、揃って制服を脱ぎ出した!?
「品定めして、つ、使いたい身体があれば言ってください……」
勝者が全てを手に入れる。
このクラス内限定とはいえ、僕は彼女らを使い放題で――
「――さて、ホームルームの時間に、なりま、し、た?」
ここで担任教師の登場。
半脱ぎの生徒たちに目を見開き、眼鏡が斜めに傾いてしまう。
「つ、つつ、ついに学級崩壊……男により秩序が乱れ……」
「ぼ、僕の責任じゃ――あの、服! 急いで服を着てもらえると!」
なんとか場は収めるが、権力には責任が伴う……身をもって学んだよ。
***
そして昼休み。僕は保健室に訪れていた。
目的はゼゼ先生に、今後のことを相談するため。
……それに、教室の居心地はかなり悪いし。
今朝の全裸事件に加え、隣席のウルズからちょっかいが増えたのだ。
「気になる相手には、イタズラしたくなるものです」
ベッドに腰掛けた所、足下でしゃがんでいる先生がそう告げる。
……恥ずかしいことに、僕は下だけ丸裸。
媚薬使用後の、健康状態を確認するためらしいけど――
「触診しましたが異常は見当たりません」
「じゃ、じゃあ服着させてもらいま――」
「お待ちを。その状態では困るでしょう?」
性器の状態確認のため、先生に何度も触られていたのだ。
医療行為とはいえ、生理現象はどうしても起きてしまう。
そして彼女は強引に迫ってきて……。
***
「――ご苦労さまでした。では改めて、カゲルヤさんの今後の方針についてです」
先生は手と口を拭うと、何事もなかったように開口する。
「第一目標であった、クラスのトップになることは達成しました」
「……なんとか二つ星になりましたね」
そして入れ替わる形で、ウルズが一つ星へ降格をした。
「なら次の目標は、獄炎卿ヴェルグ・モルドレイドを倒すこと」
っ! いよいよ本命が近づいて来た……!
「七つ星の彼女と戦うには、せめて六つ星にならなくてはいけませんが――」
そこで、と彼女は先の資料を見せてくる。
「ここに、今のカゲルヤさんが戦っても、勝率が高そうな姫騎士をリストアップしました。三つ星・四つ星・五つ星・六つ星――それぞれカテゴリ分けもしてあります」
な、なんという仕事の早さ……!
「ありがとうございます。ならまずは――」
「三つ星の欄の姫騎士。そこで勝てそうな相手を選び――」
女王に逃亡禁止の呪い、もとい時間制限をかけられた。
残された時間は今日を入れて四日。
僕はその間で、三つ星から六つ星までを倒す必要がある。
「……僕が順調に勝てば、戦うのは四回で済みますね」
それから七聖にも勝利し、首の呪いも解除。
女王への挑戦権を得るのである。
「リスト表には、各姫騎士の、簡単なプロフィールも記載しておきました」
事前調査は済んでいるので、これで僕は階級戦に集中できる。
――が、実は、
「聖装の覚醒、完全武装化っていうのは……」
ウルズが実際に使っていたことを伝える。
「聖装を覚醒させられるのは稀です。一部覚醒とはいえ彼女は優秀ですね」
平然としつつも、ウルズの才能を誉める。
「ざっくり説明すると、覚醒とは超パワーアップすることです」
本当にざっくりしてるなぁ……。
「しかしそう言うしかないのです。覚醒して得られる力は人それぞれ。一緒くたにして語れるものでありません――ただ、消耗が激しい点だけは共通です」
相手が覚醒したら、臨機応変に戦うしかないという。
……すると僕の鞘も、能力の先があるんだろうか?
「ひとまず鞘は、確実に成長はしていますよ」
「ま、まぁ、ウルズとエッチしたお陰で更に……」
どう成長したのか、周りに知られる日は近いだろう。
「あ。それと最後に一点」
記憶の片隅にあった、とある情報を引っ張り出す。
「最初に階級戦をした時、担任がルール説明をしたんです」
その中で、フィールドの結界について話があった。
ここでなら存分に殺し合いができる、と。
「なぜなら――
ゼゼ先生はその通りですね、と頷く。
「でも妙に引っかかっていたんです」
「……なにが、でしょうか」
「わざわざ『階級戦でなら』という言い方をしたことです」
階級戦しか存在しないなら、そんな枕詞はつけない。
「つまりこの学園には、僕がまだ知らない、他の戦い方もある――?」
その問いに、先生は無言だった。
――ある、みたいだな。
彼女は気づいてほしくなかったという顔だが。
「次の目標は、六つ星となり、獄炎卿を倒すことです」
話はこれでお終いという雰囲気で、淡々と告げられる。
「先生、僕は――」
その時、またしてもタイミング悪く予鈴が鳴る。
「ここまでです。遅刻は校則違反になりますよ」
しかし疑問が解決していない。
不満そうな顔でもしていたのか、彼女は僕に近づくと額にキスをした。
姉が弟をあやすみたいな、優しい口づけだ。
「まずは目の前のことに集中。あなたなら六つ星になれますよ――」