姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第17話:策略

 学園を飛び出すと、収容所へとひた走った。

 玄関口に警備員はなぜか不在で、まるで招かれたように敷地に入る。

 

「――……ひどいな」

 

 目の前に広がっていた光景は、地獄。

 いくつもの建物が破壊され、炎が周囲を包み込んでいる。

 男たちが何人も倒れ、そこら中から呻き声が聞こえた。

 

「朝から様子も変でしたけど、なんで突然こんなことを……ヴェルグ先輩」

 

 地獄の中心に立つ、黄金髪の姫騎士。

 その手には巨大な大剣が握られている。

 

「なぜと問われれば、彼らは粛正対象だからです」

 

 振り返った彼女は、冷徹な目でこちらを睨む。

 

「この施設内に、反乱分子が数名いると情報を得ています」

「……数名? 百人以上を処罰していませんか?」

「害虫を数匹殺したとえ、巣を叩かねば根絶はできませんので」

 

 平然とした顔で告げられる。

 

「それに男が何人死のうが、私にはどうでもいいことです」

 

 むしろ社会のお荷物が減って良い、とまで続ける。

 

「……なら、ウルズを処罰したのは?」

「男に敗北した姫騎士です。少々灸を据えておきました」

 

 いわば、カゲルヤに負けたらこうなるという見せしめ。

 男に敗北することは絶対許されない――七聖から全生徒への警告だったのだ。

 

 ……一体どうしたんだ、彼女は。

 

 先輩は厳格かつ公正をモットーとする。

 反乱分子は潰しても、無関係な人間までは手を出さないはず。

 彼女は常に誇り高く、敵だとしても僕はそれが――

 

『――おやぁ? 呆然という顔をしているなぁ?』

 

 その時、空中に通信映像が映る。

 遠くには水晶をもった女騎士たちがいて、これを映写しているのだ。

 

『久しぶりよのう、カゲルヤ・ノア』

「ルフェリア・アヴァロニクス……!」

 

 玉座に座す美女が、愉しげにこちらを見据える。

 

『様を付けよ無礼者め。ところでどうだ? 見事な地獄絵図であろう?』

「そういう、ことか……」

 

 ヴェルグ先輩に命じて、無理矢理これをやらせたわけだ。

 今朝から冷たい態度だったのも、女王の意向というなら頷ける。

 

『くくく。親しい男どもが殺戮されてどんな気持ちだ?』

 

 学習の一環として、以前ここに来させられたのは罠。

 僕を追い込むための伏線だったのだ。

 

『可哀想になぁ。貴様のせいでこんな痛い目に遭ってなぁ』

「っ……」

『カゲルヤ・ノアと親しくなったばかりに、こうして目をつけられてしまった』

 

 全部全部お前のせいだ、と彼女は嗤う。

 

『しかし不幸中の幸いだ。なにせまだ死者は出ていない』

 

 大量の負傷者がいるが、どれも半殺しに留めてある。

 もちろん偶然ではないだろう。

 となると女王の策略はまだ続いて――

 

『貴様が誠意を見せるなら、ここで手を引いてやってもいい』

「……どういう、意味だ」

 

 すると建物の影にいた、女王の部下たちが出てくる。

 全員が剣を握っていて、それを倒れる男たちへ向けた。

 

『そうよなぁ。百発としようか』

「百発……?」

『ヴェルグに貴様を殴らせる。この回数を耐えたら余興は終えよう』

 

 皆を半殺にした上で人質とする。

 この提案を受けなければ、本当に殺戮ショーが始まるだろう。

 

『しかし余は寛大だ。両者とも聖装および聖気は禁止とする』

「…………」

『つまり肉体――いいや気持ちのみの勝負だ。簡単であろう?』

 

 他の男たちに迷惑をかけて申し訳ないと思うなら。

 誠意があるのなら、拳の百発くらい耐えられるだろうと結ぶ。

 

「……カ、カゲルヤ様、我々のことは……」

 

 地面に伏した収容所のリーダー、僕に仕事を教えてくれたフレディさんが言う。

 向こうには恐怖で蹲る、オリヴァーたち子供らもいる。

 

「…………分かった、受ける」

『決まりだな。では頼むぞヴェルグ』

 

 女王が命じると、先輩が僕の正面に立つ。

 ……身体能力が規格外なのは、知っている。

 筋肉量だけでも、自分の優に二倍以上はあるだろう。

 

「――……行きますよ、カゲルヤ・ノア」

 

 百発耐えるというルール上、回避も防御も許されない。

 瞬間。彼女は強烈な右ストレートを放った。

 ドゴン! 拳が腹にめり込んで吹き飛ばされる。

 

「がはっ……!」

 

 聖気なし、能力なし、素の力のみでのパンチ。

 しかし全体重を乗せられた一撃に、僕は呆気なく倒れた。

 

『情けない情けない。一発でもうダメか――おい!』

 

 女王に命じられた部下は、男たちを殺そうと剣を振り上げる。

 

「……ま、まだだ!」

 

 僕はなんとか立ち上がると、先輩の前に立つ。

 ……彼らを、こんな風に、死なせるわけにはいかないッ!

 惨めに死ぬことほど、辛いことはないと知っているから。

 

『よしよし。では再開といこうか』

 

 ヴェルグ先輩は、小さく頷くと拳を構える。

 それから無防備な僕に、超重量級の拳を叩き込んで――

 

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