姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~ 作:東雲(しののめ)
『よくぞ来たな、ヴェルグ』
あの日の夜、私は久しぶりに女王様との謁見が叶った。
高まる喜びを抑え、一体なぜ呼ばれたか聞くと――
『カゲルヤ・ノアを、特別指導してほしくてな』
最近の彼について、思うところがあると仰られた。
『ヤツの態度はちと目に余る。階級戦に勝利して調子づいておるのだ』
しかし私は、その見解にすぐ頷けなかった。
――少々破廉恥が多いが、校則違反はしていない。
――むしろ階級戦に勝つため、誰より必死に奔走している。
彼を特別指導する理由など、自分には思い当たらない。
『では収容所に反乱分子がいるとでっち上げよう』
――でっち、あげる? 冤罪をかけろと?
『カゲルヤが現れたせいで、余に刃向かう者が新たに生まれた――そういう筋書きにしておこうか。ヤツを処罰する理由付けなぞどうとでもなる』
とにかく彼を痛めつけられればそれで良い、と嗤う。
『カゲルヤを殺さない程度に拷問……あぁいや、特別指導してやるのだ』
彼に残された猶予は少ない。
ここで大きな傷を負えば、階級戦で勝つことは不可能となる。
――騎士道に、反している。
私はカゲルヤと対等な勝負がしたい。
こんな騙し討ちのような形で、彼を戦闘不能にして何になる。
――それに、あの男は弱いが、悪い男ではない。
――むしろ、こんな私にも普通に接してくれる人間だ。
――進言、しなければ、女王様は大きな誤解をしている、と。
しかし相手は母のように慕う存在だ。
その御心を害することを言うのは……。
『では、期待しておるぞ、ヴェルグ』
結局、私は勇気が出なかった。
満面の笑みを浮かべる女王様に、黙って頷くしかなくて――
***
翌日の朝、カゲルヤとまともに目を遭わせられなかった。
冷たい態度を取って、突き放すしかなかった。
そして今は感情を押し殺し、無抵抗な彼を何度も殴っている。
――わたしは一体、なにをしているのだろうか。
決まっている。特別指導だ。拷問だ。
女王様に命じられるまま、騎士としての務めを果たしている。
――これが、私の目指した騎士の、することか?
痛みに呻く男の声、それを見て哄笑する女王様の声。
彼と共にした日々を思い出す度。
拳が重く、胸が張り裂けそうになる。
――私は、最低の騎士だ。
許されるものなら、今すぐ己の首を絶ち、死んで詫びたい。
彼が苦しむのを、一刻も早く終わらせたい。
しかし、それは叶わない。
だって私は女王様の騎士だから。
主である女王様を喜ばせることが、自分の唯一の存在理由――
「……すまない……すまない……ッ」
表情を凜と取り繕って、心の中で、意味のない謝罪を繰り返す。
地獄のような時間を、情けなく耐えるしかない。
こんな私を助ける人間など、もうどこにもいないのだから――