姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

25 / 25
第22話:決闘①

 姫騎士学園には、二種類の戦場が用意されている。

 一つは『訓練場《サブステージ》』で、よく階級戦を行っている所だ。

 

「……もう一つが『決闘場《メインステージ》』と呼ばれるこの場所」

 

 きっと『決闘制度』が名前の由来なのだろう。

 決闘場は、いわゆるコロッセオ型。

 円形のフィールドを、階段状の観客席が囲っている。

 

『――本日、学園校則第零条に基づき、決闘を執り行います』

 

 女王の部下が、音響設備を通じて、観衆に向けて宣言する。

 学園七日目。生存を許された最終日。

 戦闘服に着替え、ついに僕は決闘の地に立った。

 

『ふふふ。最高のステージであろう?』

 

 観客席の最上段、設けられた玉座から声がする。

 

「女王……」

『まさか決闘などと言い出すとはな。しかし貴様の最期を飾るには相応しい』

 

 僕が見上げると、彼女は邪悪に微笑む。

 

『全生徒全職員がここに集っておる。さらに特別処置として――』

 

 女王が観客席下方、大量の通信用設備を指さす。

 

『決闘の様子は国中に中継だ。むろん収容所の男たちもこれを見届ける』

 

 せっかくの余興と、収容所の仕事も中止させたと言う。

 

『貴様が無残に嬲られ、凄惨な死を迎える姿を、世界が目撃するわけだ』

 

 ゼゼ先生がかつて言っていた。

 ――弱者である男たちの命運は、僕に掛かっていると。

 女王は僕の虐殺をもって、全男性の心を折ろうというわけだ。

 

『早々に死んでくれるなよ? 余を存分に愉しませよ!』

 

 それが主催者なりの挨拶だったらしい。

 彼女の部下が咳払いをして、状況を進行させる。

 

『では決闘の対戦者をご紹介します。まずは――』

 

 観衆の視線が右手側に移る。

 

『王剣七聖、ヴェルグ・モルドレイド様!』

 

 黄金髪を靡かせる、巨躯の美少女。

 炎熱系最強の能力と、学園一の攻撃力を持つ姫騎士である。

 それに対するは――

 

『転生者、カゲルヤ・ノア!』

 

 先輩と違ってもちろん拍手はなく、唯一声を上げたのは女王で――

 

『ヤツの能力は吸収、聖装も非武器型と、劣等種らしいゴミクズ仕様だ』

 

 女王の言葉を受け、観衆は冷笑を向ける。

 中には「死ね!」「消えろ!」という声を上げる人も。

 

 ……罵倒はともかく、僕だけ能力バラシは不公平だろ。

 

 先輩は既に知っているので、大きな問題にはならないが不満はある。

 

「女王……」

『少々口が滑ったなぁ。決闘に水を差すつもりはないのだがなぁ』

 

 彼女は悪びれもせず肩を竦めた。

 女王の部下も、僕へのフォローもなく進行を再開する。

 

『――決闘の勝敗は、相手を倒すか、降参を選ぶことで決まります』

 

 階級戦とは異なり、ここでは復活措置はなし。

 傷は負っても癒えるが、死んだ場合はもう生き返れないのだ。

 文字通り、殺すか殺されるかの大勝負である。

 

「――カゲルヤ。今の段階ならまだ貴君の降参を認めますよ」

 

 その時、相対するヴェルグ先輩が口を開く。

 

「決闘が始まってしまえば、私自身はもう降参を認めない」

 

 つまり僕を殺すまで終わらない、と。

 

「……始まってないに降参って、おかしな話ですね」

「結果は見えていますから」

 

 目の前にいるのは、覚悟決めた最強姫騎士だ。

 時折見せた甘さは一切なく、敵として冷徹にこちらを睨む。

 

「……勝負は、やってみなくちゃ分からないです」

「残念です。ならば私が引導を渡しましょう」

 

 これ以上の会話に意味はない。

 

『――それでは、両者合意のもと、決闘制度をここに適用します』

 

 僕たちは剣をもって、どちらが正しいか決めるのだ。

 

『女王様。開始の合図をお願いいたします』

『うむ。では殺戮ショーといこうか』

 

 女王が右手を挙げ、高らかに宣言をする。

 

『決闘――――始めッッ!』

 

 僕と先輩、構えた両者が同時に唱える。

 

「「――聖装、召喚」」

 

 身体が煌めき、彼女は真紅の大剣を召喚。

 僕の手にも黒い鞘が現れ、それを腰へと装備する。

 

「噂には聞いていましたが、鞘が大きくなっていますね」

 

 現在、鞘のサイズは、長剣を収めるほどに成長。

 

 ……ウルズと散々エッチしたお陰だな。

 

 最初は果物ナイフほど、それから狩猟ナイフ、さらにショートソード。

 最後にはロングソード用の鞘にまで巨大化した。

 

「【獄炎業火】」

 

 姫騎士はすぐさま能力発動。大剣からすさまじい炎を吐き出させる。

 

 ――獄炎卿は近接パワー型――とにかく攻撃全振り――

 

 以前に六つ星との階級戦を見学し、一通りのデータは取っている。

 

「ヴェルグ・モルドレイド、いざ参ります!」

 

 僕に近づこうと、勢いよく一歩を踏み出す。

 

 ――一撃もらえば大ダメージ、中距離以上の間合いを取るべき相手――

 

 逃げ回ってカウンターの隙を窺う、それが定跡だろう。

 

「なっ――!」

 

 驚く獄炎卿。なにせ僕の取った行動は定跡と真逆。

 全力疾走で、彼女へと一直線に向かったのだ。

 

「この私と、真っ正面からやり合うと――っ!?」

 

 動揺した彼女は、第二歩目以降が遅れる。

 

 ――その行動で戦いの空気が決まる。これで僕が先手番だ。

 

 気後れした時点で、彼女は後手に回るのである。

 

「くっ! 舐めないでいただきたいっ!」

 

 大剣を叩きつけて地面を割る。

 

「……地震も足場の悪さも、全部迷宮で経験済み……!」

 

 最小限の動きで回避して、地割れの上を飛び越える。

 

「――爆ぜなさいっ!」

 

 瞬間、割れた大地から、勢いよくマグマが吹き出した。

 

「【吸収】」

 

 マグマはあくまで能力で作られたもの。

 ならばと躊躇なく鞘で触れ、吸収して霧散させてしまう。

 

「――っ! 私の能力を奪えるのか!」

「――これが、成長した鞘の力です!」

 

 七つ星の能力だろうと吸収できる。

 もちろん経験差を含め、色々とハンデはあるがそれでも……。

 

「……長々と決闘するつもりは、ないので」

 

 先手必勝。経験の差が出る前に決着をつける。

 

能力再現(リバイバル)――【獄炎業火】」

 

 真紅の長剣を生成し、右手で抜刀、大出力の炎を相手にぶつける。

 

「くっ! 私と同じ能力だとしても……!」

 

 獄炎卿は、こちらよりも更に大規模に炎を展開。

 あともう数歩で接近できるのに、相殺しきれず炎の壁に阻まれる。

 

「焼け死になさいッッ!」

 

 まるで火山の噴火。彼女を中心として火柱が上がった。

 そこから特大の炎球がいくつも降り注いでくる。

 

「……相変わらず、めちゃくちゃな能力だ……!」

 

 即死級の攻撃をとにかく放ち、一発でも当たればいいという技。

 こんなの自然災害と一緒。もう逃げ場はない。

 

「この最速奇襲では、隠し球、使うつもりなかったんだけどな……!」

 

 足を止めないまま、鞘の中に新たな剣を生成する。

 

「一つの能力で対処できないなら、二つで補うまで!」

「事前に吸収した能力を持ち込んで……! しかし並大抵の能力では……!」

 

 自分の炎を消すことはできない、と叫ぶ。

 だったら、並大抵ではない能力をぶつければいいだけの話だ。

 

「【絶対零度】」

 

 空いている左手で握った、新たな剣の能力を発動する。

 

「銀色の、氷――!?」

 

 凍てつく氷が吹き荒れ、炎の壁が相殺される。

 

「――ありえない、なぜ彼女の能力を貴君が――」

 

 伝説の姫騎士ゼスティア・ゼネルヴィア。

 最高傑作と謳われた氷の能力、それが長き時を経て再び炸裂する。

 

「――七聖の能力に対抗するなら、七聖の能力で」

 

 これがゼゼ先生にしたお願いの一つ。

 

 ――あなたの能力を使わせてほしい。

 

 こんな大舞台で使えば、氷絶卿の生存が明らかになってしまう。

 それに経験不足のせいで、細かい操作も彼女には劣るだろう。

 しかし力一杯ぶつけるくらいなら僕にもできる。

 

「――――っく!」

 

 炎で炎を弱めたところに、氷でさらに追い打ち。

 彼女の下半身が氷に飲み込まれ、苦悶の表情をする。

 

「これで、詰ませる」

 

 予想にもしない、不意打ちの氷絶卿の能力。

 千載一遇のチャンス、僕は躊躇わずトドメを刺しにいく。

 唖然とする女王、観衆、それらを置き去りにして決着。

 

 僕の剣が――彼女を貫いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

エロゲ転生〜やり込んだ知識でハーレム無双〜(なお特殊性癖)(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル現代/冒険・バトル)

やり込んだエロゲに転生してしまった主人公。▼抜きゲー世界であるが、バトルもあるので、死なない、詰まない様にしながらエロく生きたいと思います。▼なお初っ端から周回用アイテムを回収する模様。▼カクヨムとマルチ投稿▼諸事情により未完▼本当に申し訳ない。▼理由は活動報告にて


総合評価:5141/評価:8.25/未完:130話/更新日時:2026年06月01日(月) 18:00 小説情報

ソル&ヴァルキリー:かませ騎士に転生した俺、破滅回避のため落ちこぼれヒロインを育成していたらいつの間にか天才と呼ばれてしまう(作者:マテリ-AL)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

全51話・約32万字/完結済み▼毎日20:18更新▼『ソル&ヴァルキリー 』。神の代弁者・魂導者(ソル)となり、戦乙女(ヴァルキリー)を空へ育て導くヒロイン育成系学園RPG。▼これは、そんなゲームの世界で、▼「戦乙女という空を飛べて広範囲殲滅魔法を使える存在がいるのに、騎士になる意味はあるのか……?」▼と考えてしまい、魂導者となったやられ役のかませ騎士、ルシ…


総合評価:6466/評価:8.47/完結:52話/更新日時:2026年05月09日(土) 10:18 小説情報

ただのモブ(大嘘)がTSした原作主人公の代わりに逆転世界で頑張る話 ―女性特効ラスボスは俺が倒す―(作者:つくもいつき)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

ラスボスが女性特効なのに原作男主人公が女体化した。▼……世界、詰んだ?▼モブに転生した男がTSした原作主人公の代わりに世界を救う物語。▼ただし、この世界の男は原作主人公以外は〈女神の呪い〉のせいで弱いものとする。▼ターゲット:世界を救うついでにモテる主人公を見たい人用▼本作はカクヨム、小説家になろう、アルファポリス、ハーメルンにて掲載中です。▼■キャライメー…


総合評価:4426/評価:8.69/連載:99話/更新日時:2026年07月11日(土) 02:23 小説情報

ED傭兵、清純幼淫魔を誑かす 〜行き倒れ淫魔を哀れに思い、ED治療も兼ねて拾ったが――勃たんし、それを硬派で誠実と勘違いされるし〜(作者:ぞうきん)(オリジナルファンタジー/恋愛)

 過去の出来事から不能になったオッサン傭兵クレバーは、ある日淫魔の少女を拾う。あわよくばED治せないかななんて軽い気持ちで考えていたが、彼は淫魔という生物のことを全く分かっていなかった。淫魔は幼かろうがなんだろうが、好いた男のためならば――――人外の執着心を以って、あらゆる手段でその精を搾り尽くさんとするのだ。


総合評価:1637/評価:8.04/連載:10話/更新日時:2026年08月09日(日) 17:59 小説情報

ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった(作者:なんちゃってメカニック)(オリジナルSF/コメディ)

転生したが整備科になってしまった俺、幼馴染の主人公にクソ振り回される模様。▼頼むから、整備士俺一人なのに機体を増やさないでください。


総合評価:6116/評価:7.83/連載:115話/更新日時:2026年08月04日(火) 08:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>