姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第3話:姫騎士学園

 ――姫騎士。

 それは女性にしか使えない異能『聖装(レガリア)』で戦う者。

 

「そんな彼女たちを育成管理する場所が、姫騎士学園」

 

 事前に聞いた説明を思い出しながら、巨大な校門を見上げる。

 この学園は勝利至上主義。

 戦績に応じて、生徒全員が序列を付けられ――

 

「上位七名が、女王から『王剣(おうけん)七聖(しちせい)』の地位を与えられる」

 

 七聖は様々な特権を持ち、学園の統括運営を担うという。

 

「……で、一週間以内にその『王剣七聖』の一人に勝て、と」

 

 それが女王への挑戦権を得るため、僕に課せられた試練内容。

 ようは女王がラスボス。

 七聖はその前に立ちはだかる中ボスってわけだ。

 

「七聖の強さも気になるけど、まずは聖装について調べないと」

 

 自分が発現させたあの黒い鞘。

 姫騎士たちと戦おうにも、あれの使い方が分からない。

 女王(いわ)く、【吸収】という大ハズレの能力を秘めてるらしいが――

 

「……目立たずに学園生活を送りつつ、色々準備って感じかなぁ」

 

 男子生徒は僕だけ。居心地は絶対悪いだろうけども……。

 ここで制服のボタンを外し、一つ大きく深呼吸。

 ヨシと覚悟を決めてから校門をくぐる。

 

「って、なんだあれ……武装した女子の集団? こっちに向かってくる?」

 

 入学早々、いきなり女王からの刺客かと身構えるが。

 

「クソ――あの女、もう追いついて――……上ッ!?」

 

 集団の一人が舌打ちした瞬間。

 空から隕石(いんせき)――いや、女の子(、、、)が落ち(、、、)てきた(、、、)!?

 大地が激しく揺れ、春花と共に火花が舞う。

 

「――校則違反者を、学園外に逃すものですか」

 

 燃え盛るクレーターから、厳格な声が(とどろ)く。

 

「――まして一つ星の生徒が、七つ星の私を出し抜けるはずもなし」

 

 特別な生徒と一目で分かる、豪華仕様の制服。

 その肩で炎を切りながら、凜々しい美少女が姿を現す。

 颯爽(さっそう)、赤みがかった長い黄金髪(ブロンド)がなびいた。

 

「風紀統括長ヴェルグ・モルドレイド、ここに推参です――!」

 

 意思の強そうな瞳。恵まれた体格でかなりの高身長。

 全身が鍛え抜かれており、太ももの厚みなんか僕の二倍以上ある。

 特に胸の大きさは凄まじく……まさに超弩級(どきゅう)の爆乳!

 

「ホント番犬みたいにしつこいわね! でもこの人数差なら相手が七聖でも……!」

 

 女生徒たちは逃げられないと悟って戦闘態勢を取る。

 

「――七聖――あれが、女王の直属騎士――?」

 

 僕が驚いた刹那、ヴェルグと名乗った人物に、四方八方から同時攻撃が迫る。

 

「我が聖装の能力【獄炎(ごくえん)業火(ごうか)】――その身で味わいなさい」

 

 すると七聖の身体が輝き、真紅の大剣が出現する。

 

「八獄が一手、等活獄(とうかつごく)!」

 

 大剣を一振りした瞬間、世界が炎で()ぜる。

 自分に挑んできた女子集団を一撃粉砕。

 周囲の木々や建物も吹き飛ばし、辺り一面を火の海に変えてしまった。

 

「――弱すぎますね。まだ新入生とはいえ鍛錬不足です」

 

 彼女は足下に転がる女生徒たちを、冷徹に見下ろす。

 

「ぐぅ……うぅ、負けました、だからもう…………」

 

 唯一意識のあった生徒が、地に這いながら許しを請うが。

 

「女が泣くな――ッッ!」

 

 敗者の落涙(らくるい)を見て、七聖が急に大激怒(ブチギレ)た。

 

「涙は敗者の(あかし)! 女に生まれたのなら人前で泣いてはいけない!」

 

 根性を叩き直すと言って、その女生徒を空にぶん投げるや――

 

「姫騎士は、誇り高く、常に正々堂々たれ!」

 

 お、思いっきりラリアットを喰らわせた!?

 ぶっ飛ばされた生徒は校門に激突し、ピクリとも動かなくなる。

 

「こ、これが、中ボス、だって……?」

 

 一発一発が即死級の威力だぞ。ラスボスの間違いでは?

 魔力量、この世界でいう聖気(オーラ)量が、自分とあまりに違いすぎる。

 

「一週間なんかで、攻略は、不可能……?」

 

 もし彼女をモンスターに(たと)えるなら――ドラゴン。

 強大な火炎と肉体を誇る、SSS級迷宮(ダンジョン)にいる最強種だ。

 

「――貴君が例の新入生、カゲルヤ・ノアですね」

 

 乱れた口調と制服を改めて、聖装を収めた七聖が近づいてきた。

 

「私は、姫騎士学園二年生、ヴェルグ・モルドレイド」

 

 すぐ目の前で相対してみると改めて思う。

 

 ――とにかく(、、、、)デカい(、、、)

 

 見上げるほど背が高い上、ムチムチすぎる太ももや臀部(でんぶ)

 一番圧倒されるのはその超爆乳で、冗談抜きに西瓜(すいか)二つ分はある。

 

「……目に毒過ぎる身体……これで学園の風紀を正す役目……」

 

 見事な筋肉美を誇りつつも、女性らしい曲線をしっかり纏った肉体。

 顔も超一級品で……なんと言うか、全身エロの暴力だ。

 とても一〇代の女子がしていい身体じゃない。

 

「ヴェルグ・モルドレイド、色々と規格外すぎて……」

「――貴君、いま私を呼び捨てにしましたか?」

 

 思わず(つぶや)いたところ、ギロリと睨まれる。

 

「目上には敬意を払うもの。七聖たる私には敬語を使いなさい」

「……会ってすぐに敬え、ね。ヴェルグ先輩と呼べとでも?」

「その通り。この学園の生徒なら礼節や品位を重んじることです」

 

 クソ真面目な性格。少し話しただけでそれが分かる。

 呼び方や話し方がどうこうで揉めるのは不毛だ。

 ここは形だけでも従っとくのが安全か……。

 

「……じゃあヴェルグ先輩で。ところで風紀統括長が暴力振るっていいんですか?」

 

 僕はボコボコにされた女生徒たちを一瞥(いちべつ)して告げる。

 

「秩序維持のためです。微々たる被害が出るのは致し方ありません」

 

 微々たる……周囲一帯を燃やして更地にもしたのに?

 普段は品行方正でも、最後は腕力で黙らすタイプのようだ。

 

「挨拶ついでに明言しておきますが――私は、貴君の敵です」

 

 分かってる。さっきから殺気が丸出しだ。

 

「なんでも世界の頂点に立ち、女王様を孕ませると宣言したとか」

「は、孕ませ云々(うんぬん)を言ったのは、僕じゃなく女王――」

「言い訳など見苦しい! これだから男は嫌いです!」

 

 殺気を高め、軽蔑の目で見下ろしてくる。

 

「校則三条第七項、在学生は制服をきちんと着用すべし」

 

 ボタンの外れた僕の制服を指さす。

 

「校則違反者は、処罰するのが決まりです――」

 

 途端、彼女は右拳に炎を纏う。

 

「――私の指導で死んでも、それは(、、、)弱い(、、)貴君が(、、、)悪いのですよ(、、、、、、)?」

 

 七聖の特権は、人を殺しても許されるらしい。

 

「……本当にめちゃくちゃだ、生徒も、この学園も!」

 

 迫る大ぶりの剛拳を、紙一重で回避する。

 

「っ!? 私の攻撃を避けた!? 劣等種の男風情が!?」

 

 背筋の凍るような一撃に、迷宮攻略者のスイッチが完全に入る。

 

「この男、先ほどまでと、放つ空気が違って……!」

 

 七聖とやり合うには、僕は準備不足すぎる。

 

「――敵能力は炎――身体に纏って攻守一体――どこに触れても大火傷(おおやけど)――」

 

 しかし逃げられないなら、ここで戦うしかない。

 

「でも無防備な部位もある、例えば……眼球!」

 

 ほぼ水分だけの器官、炎を纏えば蒸発して失明だ。

 地面の砂を蹴り上げ、それを煙幕として手刀で目を狙う。

 

「死角から急所を……なんて卑劣なッッ!」

 

 すると右拳だけでなく、四肢全てから大炎が生じる。

 

「――怒りの感情に引っ張られて、無意識に能力強化した――!?」

 

 地面がドロドロに融解し、彼女の両足が沈んでいく。

 それで身長差が縮まってしまい、狙っていた目潰しは空振り。

 しかも勢いを殺せず、そのままぶつかってしまい――

 

「「――――!?」」

 

 気づくと、互いの唇が重なっていた。

 な……なんでこんなことになるッ!?

 柔らかい感触、女の甘い吐息が鼻を抜けていく。

 

「……ちゅ……ん……っぷは!」

 

 真っ赤になったヴェルグ……先輩が口元を拭って叫ぶ。

 

「て、てて、敵に接吻(せっぷん)するなど、貴君は一体どういうつもりですか!」

「わ、わざとじゃ、これは事故で――」

「事故!? 私の初めてを奪っておいて……この鬼畜外道め!」

 

 相手が感情任せに摑みかかってくる。

 僕は反射的に、両手で彼女を押し返そうとして――むにゅり。

 

「あんっ…… ♡」

 

 爆乳を思いっきり……も、揉んでしまった!?

 堅物な雰囲気に見合わない、可愛いらしい嬌声(きょうせい)が上がる。

 

「ッッッ〜! 貴君はどこまで私の騎士道を愚弄して――!」

 

 指から伝わるその極柔感に、一瞬気を取られたのが命取り。

 僕の鳩尾(みぞおち)に、彼女がすかさず膝を叩き込んできた。

 

「……がはっ!」

 

 呼吸が止まって膝を突きそうになる。

 

「私への数々の破廉恥(はれんち)――この責任(、、、、)どう取る(、、、、)おつもりで(、、、、、)?」

 

 目尻をつり上げ問いかけてくる。

 せ、責任って言われても、過ちを犯した男はこういう時――

 

「……結婚する、とか答えるんだろうけど……僕には到底できな……」

「け、結婚!?」

 

 な、なんて地獄耳だ。今のを聞き取るのか。

 

「女王様を裏切り、貴君の女になれなどと……!」

 

 顔をさらに真っ赤にして、プルプルと肩を震わせる。

 

「ここまでの挑発を受けたのは、生まれて初めてです――っ!」

 

 その右拳から、とてつもない量の炎が噴き出す。

 

「責任の取り方は一つだけ――死をもって償いなさい!」

 

 大ぶりの攻撃だが、鳩尾(みぞおち)をやられ僕は避けられない。

 

「……喰らうしか、ない……だったら……!」

 

 ささやかな抵抗をした後、超高火力の拳が腹を貫いた。

 僕の身体が星のように飛んでいく。

 何度も建物を突き破り、何度も地面を転がり――そして止まる。

 

「がはっ……土壇場で、聖装を発現、できた……!」

 

 血反吐(ちへど)と共に、シャツの中から黒い(さや)が落ちてくる。

 能力が【吸収】らしいので、腹に仕込んでみたわけだ。

 

「拳の物理的威力、それを緩和する盾には、なったけど… …」

 

 魔力も纏っていたので、致命傷は避けられた。

 しかし制服が燃え、腹部は大火傷を負っている。

 

 ――肝心の炎を、吸収できて、ない!?

 

 僕の予想では【吸収】とは、相手能力を自分のものにできるはずで……。

 

「……ダメだ、意識が朦朧(もうろう)として、思考が……」

 

 失神すれば簡単にトドメを刺される。

 仲間がいれば助けてくれるが、僕はいつも一人で――

 

「――いいえ、もう一人ではありません」

 

 これで詰みなのかと、自らの未熟さを嚙みしめた時。

 氷のような冷たい声と共に、銀髪の女性が現れる。

 格好的には教師で、その右手には銀色の剣、が……。

 

「たとえ世界中の女が敵でも、わたしだけはあなたの味方です」

 

 彼女が剣を振ると、残火が一瞬で凍りつく。

 ひんやりした手が僕の頰にそえられ、優しく抱擁された。

 

「目覚めなさい、勇敢なる転生者よ――さぁ再挑戦(コンテニュー)です」

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