姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第28話:エピローグ

「――マルリスからの手紙、どのような内容でしたか?」

 

 学園の保健室。ゼゼ先生が尋ねてくる。

 決闘が終わった現在、立入禁止命令は解除されている。

 

「あなたは英雄ですとか何とか……ひたすら感謝、って感じの内容ですね」

 

 僕を褒めそやす文章が並んでいる。

 読んでて途中で気恥ずかしくなるほどだ。

 末尾には、これからも陰ながら助力すると添えられていた。

 僕は手紙を鞄にしまうと、先生に向き直る。

 

「それで……七聖全員を倒せば、女王への挑戦を認める、でしたっけ?」

「ええ。先ほど女王がそう発表しました。つまりこれは新たな試練で……」

 

 女王打倒への道のりが遠いた、と告げられる。

 彼女は無表情ながらも深刻そうにしているが。

 

「……新たな試練、こっちには好都合ですよ」

 

 僕は問題ないと先生に応える。

 

「驚かれないの、ですか?」

「女王の性格からして、こうなるかもと予想はしてましたし……」

 

 むしろこの状況を狙って、あえて女王を馬鹿にしたまである。

 

「――好都合とは、どういう意味ですか?」

 

 壁際に控えていた巨躯の姫騎士、ヴェルグ先輩が声を発した。

 ――主従聖婚を結んだことで、彼女は絶対に僕を裏切れない。

 だから味方として、この保健室に連れてきていたのだ。

 

「カゲルヤ。貴君はどうやって女王様……いえ女王を倒す?」

 

 彼女が甘々になるのはベッド限定。

 今は凜とした振る舞いで、今後のことを尋ねてくる。

 

「……まずは王剣七聖を、完全に掌握するつもりです」

「掌握、というと?」

 

 いまいちピンとこないらしいので、ハッキリと言う。

 

「七聖全員と決闘して勝つ。そして七聖全員と聖婚します」

「「なっ!?」」

 

 先輩と先生の驚愕が重なる。

 

「これの目的は二つです。一つは女王との直接対決に向けて」

 

 女王の能力は【全知全能】である。

 仮にこの三人の能力で挑んでも、たぶん勝機は薄い。

 

「勝率を高めるには、強力な能力を多く揃えるのが最善」

 

 百年の一人の天才が、七人集まったという今回の七聖。

 黄金世代と呼ばれる彼女たち、その最強能力を全て使えたら――

 

「――女王と、良い勝負ができませんか?」

 

 確認するように訊くと、二人は共に考え込んだ後に。

 

「……カゲルヤさんの攻略を込みといたしまして」

「……四割、いや五分五分には、持っていける、かもしれない」

 

 そこまでやって、勝率五割あるかどうかと返ってくる。

 

「良かった」

 

 そう呟くと、二人は不思議そうに見てくるけど。

 

「世界最強が相手なら、賭けるには十分な数字だと思います」

 

 少なくとも、今のまま挑むよりずっと良い。

 ……女王が性悪、回りくどい性格で助かった。

 きっと今すぐ対決したら必敗だったろう。

 ……でも呪いの延長で、準備実行できる猶予ができた。

 まして試練という名の、七聖と戦える口実までくれたのだ。

 

「――では七聖全員と聖婚する、もう一つの目的とは何でしょう?」

 

 ゼゼ先生の問いかけに、静かに答える。

 

「女王の学園を乗っ取って、僕の学園にします」

「……はい?」

 

 今度こそ本当に意味が分からない。

 そんな顔をして、二人とも首を傾げている。

 

「新しい試練をクリアしても、女王がすんなり挑戦を認めるかは疑問です」

 

 正確に言うと認めはすると思う。

 しかしそうなると、きっと彼女はなりふり構わない。

 国そのものを動かし、僕を窮地に追いやろうとするだろう。

 

「女王だけじゃない、彼女に従う女王軍とも、戦う可能性が生じます」

 

 なら、それに対抗する力が必要だ。

 でも戦争は数の勝負になりがちで、数人ぽっちで国軍とは戦えない。

 

「ヴェルグ先輩は、学園の権力一/七を持つんですよね?」

「え、ええ。その範囲内であれば好きにできますが……」

「じゃあ、七聖全員がこっちの味方になったら?」

「学園を完全自由に、動かすこと、が……まさか…………」

 

 ここは姫騎士学園。ただの学校ではない。

 聖装を使える少女の中でも、エリートが集まった最高育成機関だ。

 

「姫騎士学園を支配して、対女王軍に転用します」

 

 高い戦闘力を持つ生徒。最先端の設備や施設。

 さらには潤沢な食料までも備えていてる。

 この学園は、最強の軍隊を有する、巨大要塞にもなりえるのだ。

 

「……女王の学園が、女王に反旗を翻す、カゲルヤさんは恐ろしいですね」

 

 過去に独りでクーデターをしたからだろう。

 壮大な計画を知って、先生は固唾を飲む。

 そこにヴェルグ先輩も納得したと続けて。

 

「だから私から星を、階級を奪わなかったのですね」

 

 僕は二つ星のまま。ヴェルグ先輩は七聖に据え置いた。

 それもこれも、いずれ学園を支配するための布石だ。

 

「……先輩の立場は、しばらく苦しいと思いますが……」

 

 他の七聖から、差別や侮蔑を受けるかもしれない。

 それが分かっていても、僕は勝つためにどうしても……。

 

「――承知しました」

 

 しかし彼女は、姫騎士らしく片膝をついて頭を垂れる。

 

「私は貴君の剣。どんな命令もにも従う所存です」

 

 覚悟は決まっていると、声高に宣言する。

 

「ゼゼ先生にも、これから助けてもらうことが、増えますけど……」

「わたしも協力するのが使命です。お任せください」

 

 サポート役である彼女も首肯する。

 ――話はまとまった。

 僕は七聖を倒して、学園を獲りに行く。

 そして巨大勢力を作り、女王に、いや女王の世界を完全攻略する。

 

「ゼゼ先生、ヴェルグ先輩、よろしくお願いします」

 

 僕はお辞儀をして二人に感謝を示す。

 計画を引っ張る立場、もっと強く偉そうに振る舞うべきかもだが……。

 残念ながら、僕はこういう人間なのだ。

 

「……じゃあ、そろそろ教室向かいますか」

 

 部屋の時計を見れば良い時間だ。

 風紀統括長がいる手前、遅刻するなんて許されない。

 

「カゲルヤ。最後に一つだけ確認を」

 

 解散となりかけた寸前、先輩が待ったをかける。

 

「なんですか?」

「主従関係において、主君となる者は、配下の働きに応じて褒美を授けます」

 

 それはまぁ……そうか。そうですね。

 

「私は全力で責務を果たしますが、どんな褒美を頂けるのですか?」

 

 え。そこまで考えてなかったな……どうしよ……。

 すると先輩は近づいてきて、耳元で囁いてくる。

 

「……では、よ、夜伽を共にするなど、いかがでしょうか?」

 

 夜伽!? エッチすることを褒美に希望と!?

 

「……今日中に何か成果を出します、だ、だから今夜また……」

 

 長身の美少女が、こちらの顔と下半身を交互にチラチラ。

 ……あ、あんなに破廉恥厳禁と叫んでいたのに。

 蓋を開けてみれば、この人が一番破廉恥だったのか。

 

「――お待ちください」

 

 先輩のお願いにほだされそうになった所、ゼゼ先生が割り込んでくる。

 

「カゲルヤさんは、今夜わたしと先約があります」

「……なに? どういう意味でしょう?」

「ですよねカゲルヤさん。決闘前に約束しましたよね?」

 

 無表情で詰め寄ってくるその背には、大荒れの吹雪が見えた。

 

「カ、カゲルヤ……まさか、この女とも関係を……!」

「関係もなにも。彼の筆下ろしをしたのはわたしです」

「なっ!? 教員が生徒に手を出すとは……破廉恥極まりない!」

 

 先輩が激怒して、身体から炎が噴出する。

 先生も応戦するように氷を纏う。

 

「あの、二人とも……落ち着いて……」

「黙れッ!」「黙っていてください!」

 

 バチバチと散る火花、これは女の対決だと叱責を受ける。

 ……実はウルズとも約束あるって言ったら、ホントに殺されるかな……。

 萎縮する僕の前で、彼女たちは舌戦を繰り広げる。

 

「――そこまで仰るなら今夜は三人で致しましょう」

「――そこで白黒をつけると。その勝負乗りましたッ」

 

 銀髪の美女と、黄金髪の美少女、二人が僕に振り向いて。

 

「「今夜は三人でする、いいですね?」」

「い、いや、さすがに、無理で――」

「「いいですねっ!?」」

「――…………は、はぃ」

 

 プレッシャーに負けて頷く男。

 つくづく女は強いなと、改めて思い知らされる瞬間だった。

 

          ***

 

 これから先も、最強の女たちが、僕の前に現れるだろう。

 まだ相まみえぬ、残り六人の王剣七聖。

 そしてその先に待つ、世界最強である絶対女王。

 

「――その全員を、僕が完全攻略する」

 

 戦って、エッチして、強くなって。

 虐げられる男たちに応え、いつか世界の頂点に立てれば。

 

「――僕なんかでも、人生大逆転(ハツピー・エンド)を、掴めるかもしれない」

 

 だって、この異世界のルールはたった一つ。

 

「勝者が、全てを手に入れる」

 

 姫騎士学園の下剋上性活。

 物語は、まだ始まったばかり。

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