姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~ 作:東雲(しののめ)
ヴェルグ先輩にこってり搾られた後。
何やら用事があるという彼女と別れ、僕は早朝の保健室に向かった。
そこで影の協力者たるゼゼ先生と、今後の話をする予定で――
「――ふん! 失礼いたしますわっ!」
しかし保健室には先客がいたらしい。
部屋から出てきた、機嫌悪そうな女生徒と鉢合わせてしまう。
僕以外の利用者がいるのも珍しいが、なにより度肝を抜かれたのがその髪型。
「……金髪、ドリル……?」
これでもかと髪を巻きまくった、金色の縦ロールに目を見張る。
こんなコテコテなお嬢様ヘアを、今どきする人間がいるとは……。
あるいは、この異世界ではそんなに珍しくないのか?
「なんですの? まじまじと凝視して!
思わず見入ってしまったが、相手からの叱咤で現実に戻る。
「――って、あら? あなた噂の転入生ではありません?」
そう問いかけられて、僕も改めて相手を観察。
たぶん一つ年上。すさまじい美人さんである。
そんな彼女は見下す目をして、僕のことを鼻で笑う。
「間近で見ると貧相なナリですこと。貧乏人の匂いがプンプンしますわ!」
人格は……見た目のまんま、高飛車令嬢らしい。
それからも色々チクチク言われるが、一旦ここは堪えて――
「で。劣等種である
「い、いえ、用は保健室にあって……」
今回は、初対面でガン見した僕に非があるのだ。
相手をこれ以上刺激しないよう、慎重に口を開く。
「ただあまりに珍ら……あ、違う、立派な髪だったので……」
「つまり、わたくしのビ・ボ・ウに見蕩れてしまったと?」
「うぅん…………そんな感じ、です?」
ここは頷いておく。否定すると面倒になりそうだし。
ただ彼女は気を良くしたのか、口元に手を添えて哄笑する。
「おほほ! おーっほっほ! 愚民のくせに見る目がありますわね!」
な、なんてお嬢様っぽい笑い方だ!
リアルでおーっほっほが聞ける日が来るとは……。
「よろしい! わたくしに名乗ることを許しますわ! 光栄に思いなさい愚民!」
「愚民愚民って……僕は、カゲルヤ・ノアです」
「カエルナ・ドアですわね。頭の片隅で覚えてさしあげます」
いや全然覚えられてないし。誰だよカエルナって。
「ではこちらも名乗ってさしあげます! 有名人のわたくしを知らないはずありませんが! なにせ我が名声は天に轟き、高貴なオーラは地に迸る、更には更には――」
長い。無駄な前口上が多すぎるよ。
しかも、いちいち身振り手振りが激しい。
喋る度にドリルヘアが左右に揺れ、僕の顔面をビシバシ叩いてくる。
「その貧しい脳みそに刻み込みなさい! わたくしの名はジャス――」
「――お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ようやく名前が聞けると思った途端。
廊下の先から、二人の少女が全速力で走ってくる。
どちらも小柄で顔もそっくり、たぶん双子なのだろう。
「ジル! レイ! そんなに慌ててどうしたのです!?」
「それは、ってなんで男が傍に!? お嬢様が穢れるだろ! 離れろ汚物!」
「……ジルの言う通り。下等種族には一切用なし」
雰囲気からして、この双子は召使い的存在らしい。
二人は害虫でも払うように、シッシッと手で払ってくる。
「この愚民ことはよいです。それで要件はなんですの?」
「っ! そうでした! まもなく
「……急がないと遅刻で減給。また一文無しに逆戻り」
二人にそう急かされると、余裕綽々だったお嬢様は顔を真っ青に。
「そ、それはいけませんわ! すぐに仕事に向かいますわよ!」
三人で駆け出して――寸前、お嬢様が僕に振り返る。
「愚民! いえカエロウ・ホラ! ご挨拶はまた今度してさしあげますわ!」
自信満々に告げるや、超特急でこの場を去って行く。
「……また名前違うし。しかもさっきと違う間違え方……」
結局、彼女の名前も正体も分からないままだ。
一応『お嬢様』というと、天照卿の存在を連想するが……。
あの金髪ドリル少女が、その完璧優等生な七聖ってことはないだろうな。
「なんというか、暴れ牛みたいな人だったな」
実際、牛かってぐらい胸もデカかったし。
容姿も言動もとにかくうるさい。あれは絶対に問題児だ。
「また今度って言われたけど、できれば関わりたくないなぁ……」
僕は疲れた溜息をついて、保健室に入ったのだった。