姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第32話:充電

「――おはようございます、カゲルヤさん」

 

 入室すると、氷の養護教諭が出迎えてくれた。

 

「本日もお元気そうで何よりです」

「元気って、フラフラなんですけど僕……」

 

 先ほど謎のお嬢様に絡まれたし、ここに来る前にも――

 

「早朝から獄炎卿と致せる活力があるのです。十全健康な証拠ですよ」

 

 ゼゼ先生は、めざとく先輩との情事を看破する。

 

「キスマークが見えてますから。消えるまでネクタイはしっかり結ぶべきです」

 

 無表情で淡々と釘を刺してくるが……。

 さすがは元七聖。すごい洞察力である。

 このように、人柄だけでなく能力的にも頼りになる人物だが――

 

「ところで朝食はもうお済みですか? 軽食の用意をしておきましたよ。食事する間に寝癖も直してさしあげます。それとシャツにもシワが寄っているので――……」

 

 ただ、僕をダメな弟とでも思っているのだろうか。

 ご覧の通り、ものすごい世話焼きな面がある。

 

「ゼゼ先生、そんなに気を遣ってもらわなくても……」

「まずは恒例の、おはようハグからしましょうか」

「お、おはよう、ハグ……?」

 

 そんな恒例、今まで一度もなかったんですが。

 それにヴェルグ先輩然り、この人も僕の話を全然聞いてないし。

 

「獄炎卿と一緒にしないでください」

「こ、心を勝手に読まな――うわっ!?」

 

 表情変えないまま、いきなり正面から抱きつかれた。

 巨大な胸の感触と、薬品の匂い混ざって大人の甘い香りが漂ってくる。

 

「しっかり充電(チヤージ)したいので、ギュッとしてもらえると助かります」

「チャージって何の……まぁいいですけど……」

 

 協力してもらう以上、僕からも彼女に協力するのが筋だ。

 言われたとおり腕を回し、ゼゼ先生を抱き寄せる。

 彼女はしばし目を瞑り、この時間に浸っているようだったが――

 

「先生、そろそろ離れてもらえると……」

「まだ時間に余裕はありますよ?」

「時間とかじゃなくて……その、生理現象が発動というか……」

 

 こんな綺麗なお姉さんと密着しているのだ。

 朝に一度抜きはしたが、やはりどうしても……。

 

「……十代の男の子の性欲とは、すさまじいものですね」

 

 先生も僕の下半身の変化に気づき、感嘆したように呟く。

 

「後でしっかり処理してさしあげますのでご安心ください」

「いや離れてもらえれば済む話で……」

充電(チヤージ)完了まで残り九〇%です」

「これだけハグしてまだ一割!? いつ終わるんですか!?」

 

 そんなわけで、しばらく抱き合うことになり……。

 それが一段落すると、本来の目的だった作戦会議が始まった。

 

「――つい先ほど、女王から新たな発表がありました」

 

 二人並んでベッドに腰かけ、当面の動きを整理する。

 

「女王がカゲルヤさんに施した呪い。その延長期間を一週間とするそうです」

「一週間……前回と同じだけの猶予があるのと……」

「その期間内に、新たな七聖を倒さなくてはいけません」

 

 なるほど。でもちょっとだけ意外だ。

 てっきり今日明日中とか、無理難題をふっかけられるとばかり。

 

「七聖にも事情があるのです。獄炎卿から聞いているかもしれませんが――」

「新入生総会、でしたっけ?」

 

 ここに先輩と一緒に来なかったのは、彼女に用事があったらから。

 それが新入生総会とかいう謎行事。

 これを今日の一限目にやるそうで、その準備があるらしい。

 詳しい内容を聞く暇はなかったけど……。

 

「一週間も猶予を与えた理由は、七聖が職務多忙だからでしょうね」

 

 彼女たちは学園の管理運営を担う。

 カゲルヤ・ノアだけにかまけていられるほど暇でないのだ。

 

「肝心の新入生総会ってのは? 伝統行事とは聞きましたけど」

「それを説明する前に、前提知識として『部会』の話をすべきかと――」

 

 先生曰く、姫騎士学園は七つの組織によって運営されるそう。

 その組織のことを、ここでは『部会』と呼ぶ。

 

「王剣七聖をまとめる『七聖部会』を筆頭とし、『財政部会』『総務部会』『風紀部会』『図書部会』『祭事部会』『特戦部会』――以上、合計で七つの部会が存在します」

 

 これだけ巨大な学び舎なのだ。

 そういった複雑な組織体系がないと、円滑に学園運営するのは難しいのだろう。

 

「そして七聖は、そのどれかの責任者を務める決まりです」

「なら風紀統括長、ヴェルグ先輩の場合は……」

「彼女は風紀部会のトップということになります」

 

 ならば結局、新入生総会が何かというと――

 

「この総会は、カゲルヤさんたち一年生を、部会に勧誘する行事です」

「勧誘、ですか?」

「ええ。入る入らないは自由です。ただ大抵の新入生はどこかに所属しますね」

 

 多くの生徒は入る、その言葉に僕は疑問を持つ。

 ――この学園は、勝者が絶対正義だ。

 ――なら、馴れ合うことに何の意味がある?

 部会に入って奉仕活動なんて ここの生徒たちには最も似合わない。

 

「ちなみに、部会を別の言い方にするなら、派閥です」

「派閥……あぁ……そういうことか……」

 

 ゼゼ先生の補足に、疑問が解消される。

 これは政治と似た話なのだ。

 

「部会に入る理由は、七聖の後ろ盾を手に入れるためにある、と」

 

 学園での星の数が、卒業後の進路を決定する。

 そのために生徒たちは階級戦を頑張っているが――

 

「……こいつは将来出世しそうだなって七聖に、今のうちから取り入っておくわけだ」

 

 影響力のある人物に従えば、後で様々な恩恵を受けられるから。

 

「カゲルヤさんはご存じないでしょうが、学園内の権力闘争はかなり激しいのです。よって七聖側も一人でも多くの部会員を欲しています」

 

 七聖同士の実力が拮抗しているならばこそ。

 あとは手下の数と質の勝負。わざわざ勧誘イベントがあるのも頷ける。

 

「あれ、待てよ、なら七聖に勝ったら……」

 

 今の僕に足りないものの一つが、味方の頭数。

 もし手下の多い七聖を倒せば、一気に大戦力を確保できるのでは?

 

「その七聖の部会、つまり手下の生徒も、カゲルヤさんのモノになりますね」

「やっぱり……!」

「それゆえ、七聖同士ではめったに階級戦も決闘もしません」

「優劣がつくと、大きく権力構造が変わってしまうから、ですね」

 

 しかし、これは面白い話が聞けた。

 現在、僕はヴェルグ先輩へ自由に命令ができる。

 なら当然、彼女の管理下にある、風紀部会も好きに動かせて――

 

「残念ながら、風紀部会で動かせるのは獄炎卿だけです」

「え? でもヴェルグ先輩に頼めば――」

「というのも、風紀部会に所属しているのは、獄炎卿だけなのですよ」

「へ?」

 

 他の部会員は? 先輩の影響力をほしい生徒いるでしょ?

 

「スパルタ指導すぎて、全員初日に辞めるのは有名な話です」

「初日で、全員、辞める……?」

「分かりやすく申し上げると、風紀部会は彼女のワンマンチームですね」

 

 部下が一人もいないのに統括長を名乗ってらしたと……?

 

「ぼ、ぼっちで、七聖の仕事が回せるんですか?」

「獄炎卿のことですから、気合いとか根性で何とかしているのでは?」

 

 なんだそれ! そりゃ忙しいわけだよ! 

 

「カゲルヤさんは、どこかの部会に入られますか?」

「七聖は全員敵になるわけですし、今のところは無所属でいいかなと……」

 

 とりあえず、風紀部会だけは絶対ないですね。

 それからゼゼ先生とは、雑談しつつ今後の話もして――

 

「では、最後に性処理をして終わりましょうか」

「け、結構です、もう収まったので……」

「大変です。その冷たい言葉を聞いて充電量が半分になりました」

「さ、さっき満タンにしたばかりでは……!?」

 

 燃費悪すぎるし、減った割には随分平然と言うし。

 先輩含め、女というのはとことんよく分からない。

 

「ちなみにいま性処理をすると、私の急速充電をすることが可能です」

 

 とってもお得ですよ、なんて先生は言ってくる。

 

「はぁ……もう何が何だか……じゃあ、お願いします」

「ありがとうございます。ちなみにコースはいかがしますか?」

「コース……?」

「お任せコースですね。承知しました」

 

 僕、何も言ってないんですが……。

 もうツッコミを入れる暇さえなく、勝手に先生が動き出す。

 

「十代の小娘たちとは違う――大人のやり方、身体で教えてさしあげますよ」

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