姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第40話:風紀部会

 カグヤ先輩と取引を結んだ翌日早朝。

 僕は教室に向かいながら、今後のことを考える。

 

「先輩からお願いされたことは二つ――」

 

 一つ、カグヤ先輩の悪行を秘密にすること。

 二つ、とある姫騎士を彼女の代わりに倒すこと。

 

「――前者は簡単――後者については放課後に教えてくれるって話だし――」

 

 地下七階の存在は、天照卿にとって弱点である。

 本来ならこれをネタに、精神的な揺さぶりをかけるべき。

 しかし彼女の腹黒さからして、そう簡単にはいかない。

 

「結論、取引には応じるのが安牌だ。見返りに正々堂々と戦うと言ってるし」

 

 となれば、天照卿の戦闘面での弱点を見つけなくては。

 彼女の戦闘スタイルや、聖装の能力などを、早急に調査する必要がある。

 部会の仕事もあるし、やることは山積みで――

 

「――カゲルヤァァァァァァァァァァァァァァ!」

 

 その時、前方から全力疾走の女生徒が、叫びながら迫ってきた。

 

「あたしたちが大変な時に! なーに暢気に登校してんのよ!」

 

 あたしたち、と言われても一体誰のことか。

 眼前の彼女を上から下に観察。

 おさげにした髪、太縁のメガネ、長いスカート丈……。

 真面目そうなビジュアルをした生徒である。

 

「……どちら様?」

 

 記憶を探ってみたが、ピンとこなくて首を傾げる。

 

「は、はぁぁぁ!? あたしをこんな目に遭わせて分からないわけ!?」

 

 女生徒は高速で髪をほどき、メガネも投げ捨てる。

 さらにはスカート丈も、パンツが見えるぐらい超短くして――

 

「え、ウルズ!?」

「一目で気づきなさいよマヌケ! ブチ殺すわよ!?」

 

 真面目風だった生徒が、一気に不良娘に変身する。

 女は化粧や髪型でガラリと印象が変わるなぁ……。

 

「そんな慌ててどうし……まず、なんであんな格好を?」

「あのバカ乳女――うちの風紀部会のトップ、獄炎卿のせいよ!」

 

 そういえば、ウルズは色々あって風紀部会に入った。

 ついでにサンディとクルドも道連れ……失敬、同志として。

 先の『あたしたち』とは、不良三人娘を指していたらしい。

 

「もう大変なんだからねマジで!?」

「興奮しすぎだ。一旦落ち着い――」

「今だってしごきがしんどすぎて逃げてきたんだから! あいつ脳みそまで筋肉のアホ女よ! あんなスパルタ指導が今どき許されるわけ!? フツーに死ぬわ!」

 

 よほど溜まっていたのか愚痴が止まらない。

 

「一番気に入らないのは、真面目ちゃんの格好を強要してくることよ! 他人を律する前に己を律しよって! あんなダサいファッションで授業受けられるかっての!」

 

 服装関係なく、授業はちゃんと受けるべきでは……?

 

「ウルズゥ――!」「置いてかないでくさいぃ――!」

 

 すると、サンディとクルドも遅れてやってきた。

 二人も普段に比べて、随分とおとなしめの格好になっている。

 

「大変だな、三人とも……」

「全部あんたのせい! 風紀部会を勧めたあんたのせいなんだから!」

 

 残る二人も、その通りだと文句を言ってくる。

 

「チッ……もっと罵倒してやりたいけど、獄炎卿がもうじき追ってくるわ」

 

 ウルズがそう告げ、サンディとクルドも顔を青くする。

 

「捕まったら地獄のしごきを受けることになるのは確実ね」

「ど、どうする!? また鉄拳制裁されちゃうよ!?」

「根性論の特訓はもうこりごりですぅ!」

 

 ウルズは少し考え、決めたと面を上げて開口する。

 

「仕方ないわ。ここは一人生け贄……いえ、囮を立てましょう!」

「「囮!?」」

「囮が獄炎卿を惹きつけて、その間に残りの三人は逃げるの! 始業時刻までどこかに隠れて……授業が始まってしまえば、ヤツも簡単に手を出せないはず!」

「「なるほど! さすがウルズ!」」

 

 一人の犠牲で、三人が助かる。

 合理的な判断だろう……って、待てよ、三人助かる?

 

「犠牲一人。逃げるのが三人。合計で四人いるぞウルズ」

「そりゃあんたも人数に入ってるからね」

「な、なんで僕まで、部会違うし関係な――」

「よし! ここは平等にじゃんけんで囮を決めましょ!」

 

 三人は早々に拳を構え、僕のことをじっと見つめてくる。

 

「あんまり偉ぶりたくないけど、僕は二つ星で、勝者絶対のルールなら――」

 

 僕が嫌だと言えば、このゲームに参加しなくたっていいのだ。

 

「ノリ悪いヤツは嫌いよ」「こういう時は勢い!」「運でも勝てばいいんですよぉ?」

 

 彼女らが風紀部会に入ったのは、自分にも責任の一端がある。

 ……仕方ない、か。

 僕が渋々拳を構えると、四人一斉に掛け声で拳を振るう。

 

「「「「じゃん、けん――ホイ!」」」」

 

 で、結果はというと。

 

「なんでこのあたしが負けなきゃいけないのよぉぉぉぉぉぉ!」

 

 一発で勝負がついた。ウルズの一人負けである。

 自分から勝負を提案した手前、彼女は歯ぎしりするしかなく……。

 

「あ。ヴェルグ先輩近づいてきてるぞ」

 

 轟音と地響きが聞こえた。火柱も目視で確認できる。

 

「……やるっきゃないわけね。じゃんけん勝負とて敗者は敗者よ」

 

 ウルズが聖装を召喚、三日月剣を構える。

 

「ここはあたしに任せて、さっさと逃げなさいあんたたち!」

「「ウルズ……!」」

 

 リーダーの勇姿に、手下二人が嗚咽を漏らす。

 ただこの間にも、火柱はグングン接近してきていて――

 

「じゃ、ウルズに任せて逃げよっか!」「ええ。生きてたらまた会いましょう!」

「あんたたち急にあっさりね!? 一緒に戦うとかないの!?}

 

 というわけで、なぜか僕も混じって三人で逃げることに。

 こうなれば最後まで付き合うしかないので――

 

「――外を走り回るのは目立つ。屋内に逃げ込んだ方がいいんじゃないか?」

 

 一応、それとなくアドバイスもしてみる。

 

「確かに! クルド! 目眩ましして!」

 

 サンディの言葉に頷くと、クルドは建物の外壁傍で立ち止まる。

 しかし入口はなく、唯一ある窓も鍵がしまっていて……。

 

「超広範囲でいきますから、一分以内に解錠してくださいねぇ」

 

 クルドが聖装を召喚、【蒸気】の能力を発動する。

 周囲一帯に白く靄がかかり、人の目が及ぶのを阻止する。

 

「ホントは窓をぶち破るのが早いけど、後で怒られるし……!」

 

 サンディも聖装召喚、【草蔦】の力を発動する。

 剣先から細い蔦を出すと、窓の隙間に侵入させ、内鍵に絡みつかせる。

 

「あとは途中で切れないように太く長くして……っと!」

 

 自身の剣身に蔦をこれでもかと巻いて、器用に引っ張る。

 すると見事に内鍵が開く。こいつら手慣れてるなぁ……。

 

「さ、早く早く!」

 

 サンディに急かされ、なだれ込むように中に転がり込む。

 

「……って、またトイレか!?」

 

 デジャブ。先日ウルズに連れ込まれたばかりなのに。

 不良はトイレをよく溜まり場にするとは聞くけどさ……。

 勢いのまま、角にある狭い個室に三人で隠れる。

 

「「助かったー!」」

 

 ようやく一息つけて喜んでいるが、唯一の男としては気まずいというか。

 一限目まで、ここで一緒にいなきゃいけなのは……。

 

「てか、走り回ったせいであっつー」

 

 走ってから急に立ち止まると、大量の汗が出てくるのは誰でも覚えがある。

 僕は途中合流しただけなので、別に汗はかいてないが……。

 

「はいー。汗がダラダラで気持ち悪いですねぇ」

「我慢限界! もー脱いじゃお! 制服も汗で汚したくないし!」

「待った。二人がクールダウンしたのは分けるけど……え、もう脱いでる!?」

 

 制止しようとするが、時既に遅しである。

 

「――サンディ。それ新作の下着ですかぁ?」

「――そだよ! てかクルドの下着エッチすぎない!?」

 

 しかも、ご覧の通りきゃっきゃっととしてる。

 ……こ、こいつらには羞恥心がないのか?

 さすが普段から際どい着こなしをしているだけはある。

 

「………う」

 

 右にサンディの健康体、左にクルドのむっちりボディ。

 目のやり場に困るもそうだが、同じくらい匂いもヤバい。

 女のフェロモンと汗、狭い個室が甘ったるい香りに満たされる。

 平常心だ。強い心で平常心を保つん――

 

「そーいえばカゲルヤさ、ウルズとヤったんだよね?」

「ヤ……ごほっ! な、なんだいきなり!?」

 

 思わぬ奇襲に、平常心はあっさり瓦解してしまう。

 

「せっかくなら話聞かせてよー!」

「ですねぇ。ウルズ肝心なところは教えてくれないですし」

 

 十代の少女らしく、性に興味津々といった様子だ。

 

「……断固拒否で」

 

 喋ったら学園中に噂されて、今以上に居心地が悪くなるのは目に見える。

 しつこく尋ねてくるが、けして口は割らない。

 すると彼女らは目を見合わせ、ニヤッと意地悪そうな顔をする。

 

「じゃあさ――」「強硬手段ですね――」

 

 いきなり僕は押され、強制的に便座に座らされる。

 そして右ももの上にサンディ、左ももの上にクルドが座ってきた。

 

「ウルズから聞いてるよ! 男の子はエッチなこと――大好きだって!」

 

 サンディは僕の右手を取るや、自身の臀部を摑ませてくる。

 日焼けした肌、無駄な贅肉がないスリムなお尻――

 

「喋るだけでなく、本当はお金も貰いたいぐらいですねぇ」

 

 クルドは左手を奪い、自身の巨乳を揉ませてくる。

 それは水が詰まってるかってぐらい、たぷたぷの柔肉で――

 

「――で、セックスってどうなの!? 好きに触っていいから教えてよー!」

 

 二人がニヤニヤしながら僕を見つめる。

 

「い、嫌だ。喋らないぞ。だって絶対ロクなことにならな――」

 

 抵抗しようとした瞬間、身体の中に成長痛のような感覚が走る。

 …………また、これか!

 おそらく体内にある聖装、鞘が反応しているのだ。

 

 ――僕の聖装はエッチすることで強く成長する。

 

 数日前、ゼゼ先生とヴェルグ先輩と、三人でした後にも味わった感覚だ。

 

「カゲルヤ、大丈夫?」「なんだかお顔が赤いですよぉ?」

 

 僕の様子が変とみるや、二人が心配そうに覗き込んでくる。

 これまでのエッチは、一対一でするだけだった。

 まさかだが、複数人で行為すると、僕の鞘は更に強化されて――

 

「――見つけましたよッッッッッ!」

 

 刹那、巨大な爆発が起きて、炎と怒号が飛び込んでくる。

 

「ヴェ、ヴェルグ先輩!?」

 

 先輩の鋭い目が、僕にまたがっていた少女二人に向けられる。

 

「こ、これは……」

「いや貴君は何も言わなくて結構。事態は分かっています。そこの二人に捕まり陰湿な嫌がらせでも受けていたのでしょう。ご安心を。この私が来ましたので!」

 

 統括長の登場に、プルプル震えるサンディとクルド。

 

「な、なな、なんでこの場所が分かって……!」

「外に不自然に蔦が落ちていました。そして窓も施錠されず開けっぱなしです」

 

 慌てていたせいか、証拠隠滅を失念していたらしい。

 ヴェルグ先輩は二人の首根っこを摑むや、強制連行していくのだった。

 僕はぽつんと取り残され、気づけば身体の痛みも消えていた。

 ――その後、教室の窓から、ふとグラウンドの方を見ると。

 

「もっと声を出しなさい! 根性が足りませんよ!」

 

 ヴェルグ先輩が、部会員たる三人を追いかけながら檄を飛ばす。

 

「休むな! 走りながらでも声を出す!」

「ひ、姫騎士はぁ――!「常にィ――!」「正々堂々たれぇ――!」

「その調子です! さぁ、あと百周ですよ!」

 

 自分の所の統括長、カグヤ先輩の裏の顔はともかくとして。

 

「……僕、図書部会で良かったなぁ」

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