姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第42話:双璧令嬢

「――ガン待ちして遠距離攻撃、焦って相手が跳んできたら即処理、か――」

 

 無敵の盾を起点とした戦術、やっていることは至極単純だ。

 しかしだからこそ、その堅牢ぶりがよく分かった。

 

「――それに、あれは相当鍛錬してる動きだった――」

 

 所作が完璧なのは、戦闘でも同じようだ。

 弱点である薙刀を回すという『溜め』動作が、美しすぎるし速すぎる。

 能力の使い方以前に、基礎の剣術すら達人級なのでは?

 

「戦闘スタイルや能力は分かった。あとはどう攻略するか……」

 

 七聖ともなれば、聖装の『覚醒』という奥の手も使えるはず。

 彼女を通路で待ちながら、攻略方法を考えてると――

 

「お待たせ。なんとか無事に勝てて良かったわぁ」

 

 無事って、誰が見ても余裕だったのによく言うなぁ……。

 

「さて、カゲルヤくん、ここからが本題やけど」

「例の、目障りな姫騎士を、代わり倒せって件ですね」

「そ。いつも通りならもうすぐこの場に……」

「――おーっほっほ! 見事な試合でしたわねカグヤ!」

 

 その時、廊下の奥からコテコテのお嬢様口調が響く。

 

「はぁ。現れよったわぁ……」

 

 カグヤ先輩は、珍しく疲れたような表情を見せる。

 威風堂々と向かってきている、あの金髪ドリルヘアの少女は……!

 

「ジャスティーヌ・ダルク――ここに見参ですわよ!」

 

 高らかに名乗るや、少女の背後から薔薇の花びらが舞う。

 一体どこから……と思いきや、後ろの双子召使いが撒いているようで。

 

「よっ、ジャスティーヌ様!」「……かっこいい登場のお嬢様」

 

 ジャスティーヌと名乗った少女は、僕の方を見つめる。

 

「おやおや、貧乏人の悪臭がすると思えば! またお会いしましたね愚民!」

「愚民って……前ちゃんと名乗りましたけど」

「もちろん覚えてますとも! 確か……えぇっと……カエッタ・ノラ!」

 

 違う。やっぱり覚えてないじゃないか。

 

「カゲルヤくん知り合いやったん?」

「いいえ。前に一度絡まれ……少し話しただけです」

 

 知り合いなんてとんでもない。できれば関わりたくない相手です。

 

「改めて紹介しとくさかい。彼女は姫騎士学園二年生の――」

「ジャスティィィィィィィヌ・ダルクですわ!」

 

 カグヤ先輩の話に割り込んで、今一度名乗ってくる。

 

「こなたのスメラギ家と並ぶ名家、ダルク家の娘で――」

「おっほっほ! ナンバーワンはダルク家! 我が家の方が歴史が長いですわ!」

「……あ、相も変わらず、お喋りが上手やなぁ」

 

 話をまた遮られた上、御家マウントまでもらう。

 先輩のニコニコフェイスに、静かな苛立ちが滲み出る。

 

「ジャスティーヌは元六つ星でな。今は二つ星になりはったんやっけ?」

「ええ! あなたに連敗しすぎて、一つ星に降格のペナルティをもらいましたとも! さらには資産まで没収された! しかぁし! どんな逆境に置かれようとわたくしの高貴さは消えません! 類い希なる才能と努力で、こうして二つ星になって――……」

 

ペラペラと自分すごい自慢が続く。いちいち話が長いなぁ。

 

「一日でも早く六つ星に戻り、次こそあなたに勝ちますわ!」

「能力の相性的に格付けは済んどる。いい加減に諦め――」

「諦める!? わたくしの辞書にそんな陳腐な言葉はございません! 図書統括長ともあろう者がそんなことも分からないとは! もっとご本を読みなさないな!」

 

 勉強不足だと罵倒され、カグヤ先輩の笑顔が凍り付く。

 

「……ど、どの立場で説教して……フ……フフフフ………」

 

 怒りを我慢しているのか、ニコニコ顔が本格的にピキってきた。

 

「カグヤ! あなたとは幼少からの付き合い!」

 

 金髪ドリルを揺らし、黒髪美少女をビシッと指さす。

 

「これまで全ての勝負に負けてきた! ダルク家はスメラギ家に及ばないと笑う者もいる! しかし今度こそは違いますのよ!」

「……ほんま懲りひん女やねぇ。これ以上惨めで貧しくなりたいん?」

「勝者が全てを手に入れる。最後に勝てばいいだけの話ですわ!」

「はぁ。当主がそんな考えなしやと、ダルク家はいずれ潰えるで?」

「だからこそあなたを倒す! そして私もダルク家に頂点に返り咲く!」

 

 まさに暴れ牛のごとく、何と言われようと愚直に突き進む。

 これはカグヤ先輩も手を焼くのも分かる。

 

「――残念やけど、今回はいつものようにいかんよ」

 

 そしてそんな状況を変えるために、彼女は僕にあのお願いをしたのだ。

 

「こなたに挑みたかったら、彼を……カゲルヤ・ノアを倒してからや」

 

 その言葉に、金髪ドリルのお嬢様は目を丸くする。

 

「はっ! わたくしがそこの愚民と戦えと!? 面白い冗談ですわね!」

「冗談やない。カゲルヤくんはこなたの代理人。いい加減におたくの相手するのも大変やさかい――ここで、きちっと白黒つけしよし」

 

 カグヤ先輩が本気を知るや、ジャスティーヌの表情も変わる。

 

「ジャスティーヌもカゲルヤくんも二つ星。階級戦はできる」

「おほほ。見誤りましたね。愚民如きが高貴なわたくしと勝負になるとでも?」

「どやろなぁ。ま、彼を倒せばまた何度でも戦ったるさかい」

 

 それを聞いて、ジャスティーヌは高笑いで応じる。

 

「よろしい! その申し出――受けて立ちますわ!」

 

 こうしてトントン拍子に、僕の新たな階級戦が決まった。

 対戦者は天照卿の因縁の相手、ジャスティーヌ・ダルクである!

 

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