姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第43話:清楚可憐完璧

「――こなたが勉強不足やと? 一体どの口がほざくねん!」

 

 図書館の統括長室に戻ると、天照卿は苛立ちを完全解放する。

 

「ほんまイライラさせてきよる女やで!」

「ジャスティーヌ・ダルク……変わった人では、ありましたね」

「もっと直接的に罵ってええよ。あれは超のつく阿(あ)呆(ほう)さかい」

 

 普段のしとやかさが消え、嫌悪の感情を丸出しにする。

 

「こなたに勝たれへんくせに、昔っからしつこく絡んできて――」

 

 さらに愚痴を続けようとした時、彼女はハッと正気に戻る。

 

「……堪忍な。こなたらしくない汚い言動やったわ」

 

 おもむろに扇子を取りだし、口元を隠すように広げる。

 そして、いつもの優等生の仮面を被ろうとするが――

 

「――別に、僕相手なら愚痴ってもいいんじゃないですか」

 

 そう切り出すと、先輩は鳩に豆鉄砲という表情に。

 

「他の生徒と違って、僕はカグヤ先輩の黒い本性を知ってます。そしてこの部屋では二人きり……無理に隠す必要もないかな、と」

 

 愚痴られる中で、攻略に役立つ情報が得られるかも。

 そういう思惑がないわけでもない。

 しかし、彼女のフォローのお陰で、男でも部会で平穏にすごせているんだ。

 だからギブアンドテイク。吐け口として扱われても文句はない。

 

「……………………」

 

 そのように伝えると、彼女は驚いたまま固まっていた。

 

「とは言いましたけど、無理には話さなくても――」

「黒くないもん」

「え?」

「こなた、ぜんっぜん腹黒やないもん」

 

 もん、もん、ってふてくされた子供みたいに言うが……。

 

「裏であんなことしておいて、流石にそれは言い訳できな――」

「復唱せい。カグヤ先輩は清楚で可憐な完璧美少女ですって」

「な、なにを急に――」

「ふ・く・しょ・う」

 

 彼女がグッと身を寄せ、整いすぎた顔面が超至近距離に迫る。

 

「……カグヤ先輩は、清楚で可憐な完璧美少女、です」

 

 プレッシャーに耐えきれず、渋々と復唱すると。

 

「うんうん。そうよなぁ。キミの言う通りやわぁ」

 

 うわ。満足げにドヤ顔してるよこの人。

 

「本当に清楚な人は、こんなこと言わせて悦には入りませんよ」

「いけず。それ余計な一言っちゅうんやで」

 

 彼女はわざとらしく怒ったフリをして、扇子で肩を小突いてくる。

 

「いつも明るく笑顔な美少女好きやろ? キミは素のこなたの方がいいん?」

 

 先輩は結局敵だし、好きも嫌いも特にないが――

 

「……綺麗事だけ言ってる時よりかは、好感は持てます」

 

 建前を用意するとか、空気を読むとか。

 周りから人気を集めたり、社会生活を営む上では、必要な技術なのだろう。

 僕も不得手ながら、時々使うこともある。

 

 ――でも、やっぱり面倒だと思うし、その場で正解できてるかも分からない。

 

 たとえ中身が真っ黒だろうと。

 いっそ腹を割ってくれた方が、理解しやすいし付き合いやすい。

 

「ふぅん。ほんまに変わっとるねキミ」

「いつでも笑顔って方が、嘘くさく思えますし……」

「気持ち悪い、ってな?」

「そこまでは言わないですけど……」

「女子同士だとな、個人よりも、まずは場の空気を大事にするんやけど――」

 

 カグヤ先輩は扇子を顎にやり、感慨深そうに呟く。

 

「――男は、こなたらとは違うんかなぁ」

 

 女子間のコミュニケーションがどうかは知らない。

 ただ男同士だと、もう少しさっぱりというか、ドライな感じがある気はする。

 

「じゃ、カゲルヤくんだけには、素直なカグヤちゃんでいこか」

 

 先輩は扇子を仕舞うや、あの妖しい微笑みを見せる。

 

「こっちのこなたの方が、キミは愛してくれそうやしな――?」

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