姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第45話:双子召使

「ほんとに恐ろしい女狐と、取引しちゃったなぁ……」

 

 カグヤ先輩は、今は友好的に接してくれてはいる。

 しかし、もし僕がジャスティーヌ・ダルクに負けでもしたら……。

 

「どうなるか想像するだけで、嫌になってくるな」

 

 決闘するまでもなく、能無しとして潰されるのでは?

 

『今回は特別にジャスティーヌの聖装、能力について少し教えたるけど――』

 

 実は昨日の雑談の中で、カグヤ先輩から相手の一部情報をもらってる。

 ヒントまでもらった以上、階級戦はなんとしてでも勝たなくてはいけない。

 金髪ドリルお嬢様の攻略を詰めようと、僕はゼゼ先生に相談しに行くが――

 

「「「あっ」」」

 

 保健室へ向かう途中の廊下、見知った顔と鉢合わせ互いに声を重ねる。

 

「たしかジャスティーヌ……先輩の」

 

 どちらも顔がそっくりで小柄な少女。

 ジャスティーヌ・ダルクお抱えの双子召使いである。

 記憶が正しければ、名前はジルとレイだったはず。

 

「カゲルヤ・ノア……!」

 

 いきなり睨みを利かせてくるショートヘアの少女。

 こちらの威勢の良い方がジルで――

 

「……ジャスティーヌ様の敵」

 

 で、こっちのセミロングの物静かなのがレイだった……と思う。

 

「汚物がわたしたちに何の用だ!」

「…………劣等種、去ね」

 

 出会い頭なのにすごい喧嘩腰である。

 自分のご主人様の敵なのだから、当然なのだろうが。

 

「汚物とか劣等種とか……僕にはカゲルヤ・ノアって名前がある」

「ふん! 同じ一年だからと仲良くする気はない!」

「……右に同じ。仕事の邪魔」

 

 取り付く島もないな。というか同い年だったのか。

 ちょうどご主人様もいないし、彼女たちからも何か情報を仕入れたいが――

 

「ジルとレイだったよな。ここで何を?」

「気安く名前呼ぶな! あとお前の目は節穴だな!」

「……愚問。見れば分かること」

 

 見ればそれぞれモップや雑巾を持ち、足下には水の入ったバケツ。

 確かに愚問だった。この二人は――

 

「学園の清掃活動、か」

 

 一年生のほとんどは一つ星である。

 そして低階級者は、依頼(クエスト)をこなすことで生活の金を稼ぐ。

 彼女たちも一つ星のようで、ここで掃除のバイトをしているようだ。

 

「いいか! お前なんてお嬢様の足下にも及ばない!」

 

 ジルが一歩踏み出して指をさしてきた。

 

「無様に負かして、お前も天照卿も泣かせてやる!」

 

 僕が二つ星なのは知っているらしく。

 それで自分たちが下に見られたと思い、そんな挑発をしてくる。

 

「……所詮は劣等種。調子に乗れるのも今のうち」

 

 レイもうんうんと頷き、静かに罵ってくる始末。

 ――正直、罵詈雑言をかけられるのは慣れている。

 ――自分より上の階級者に、軽んじられるのも仕方ない。

 でも、己より下の連中に、舐められすぎるのはダメだ。

 

「無様に負かすとか、所詮劣等種とか、自分が戦わないくせによく言うよ」

「「なっ!」」

 

カゲルヤ・ノアはいくらでも虐めても良い対象。

そう認知されると、僕の立場は今以上に悪くなっていく。

 

「大変なことはお嬢様に任せて、二人は安全な場所で掃除って……」

 

 だから心は多少痛むものの、だ。

 ここは毅然とした態度で、言い返してやらないといけない。

 

「それでも姫騎士なのか? 腰巾着なのに調子づいてるのはそっちだろう?」

「「うっ……」」

 

 二人は悔しそうに、モップと雑巾をギュッと握り締める。

 よしよし。これで少しは懲らしめられて――

 

「う、うぅ、男の分際でぇ……!」

 

 ジルが突然モップを振り上げ、怒りに任せて攻撃してくる。

 僕は驚きつつも、紙一重で回避するが――

 

「…………えいっ」

 

 今回の相手は二人組だ。

 しかも双子らしく見事な連携で、いつの間にかレイが僕の背後に移動。

 思いっきり膝カックンをしてくる。

 

「うぉ、おっと……!」

 

 よろけたところ、そのまま後ろからタックルをもらう。

 転倒までしないが、ほぼ床に手を突く形になり――

 その隙に、レイがモップを捨てて、水の入ったバケツをぶん投げる。

 

「つ、冷たっ!」

 

 僕は水を頭からモロに被るハメに。

 液体の匂いは無臭で、まだ汲んだばかりの綺麗な水のようだが――

 

「ざまぁみろ! 今日はこれで勘弁してやる!」

「……次に会った時は覚悟」

 

 二人は、あっかんべーっと舌を出して挑発。

 そんな捨て台詞を遺し、脱兎のごとく逃げていってしまう。

 

「あ、あの双子……!」

 

 くそ。全身ずぶ濡れじゃないか。

 

「……逃げ足速いし……無駄に良い連携プレーだったし……」

 

 彼女たちは一つ星、一人では弱いのかもしれない。

 でも二人揃えば強敵とだって渡り合える――

 

「……迷宮攻略者の中にも、そういうパーティーいたなぁ……」

 

 もっと警戒していれば、ずぶ濡れは回避できたかも。僕の不覚だ。

 

「次に会ったら覚悟、か……こっちの台詞だよ」

 

 まずは冷静に、ジャスティーヌ・ダルクとの階級戦に集中。

 主人の彼女を倒せば、いずれあの双子にお仕置きもできるだろう。

 

「切り替えよう。とにかくゼゼ先生のところへ――」

 

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