姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~ 作:東雲(しののめ)
「ほんとに恐ろしい女狐と、取引しちゃったなぁ……」
カグヤ先輩は、今は友好的に接してくれてはいる。
しかし、もし僕がジャスティーヌ・ダルクに負けでもしたら……。
「どうなるか想像するだけで、嫌になってくるな」
決闘するまでもなく、能無しとして潰されるのでは?
『今回は特別にジャスティーヌの聖装、能力について少し教えたるけど――』
実は昨日の雑談の中で、カグヤ先輩から相手の一部情報をもらってる。
ヒントまでもらった以上、階級戦はなんとしてでも勝たなくてはいけない。
金髪ドリルお嬢様の攻略を詰めようと、僕はゼゼ先生に相談しに行くが――
「「「あっ」」」
保健室へ向かう途中の廊下、見知った顔と鉢合わせ互いに声を重ねる。
「たしかジャスティーヌ……先輩の」
どちらも顔がそっくりで小柄な少女。
ジャスティーヌ・ダルクお抱えの双子召使いである。
記憶が正しければ、名前はジルとレイだったはず。
「カゲルヤ・ノア……!」
いきなり睨みを利かせてくるショートヘアの少女。
こちらの威勢の良い方がジルで――
「……ジャスティーヌ様の敵」
で、こっちのセミロングの物静かなのがレイだった……と思う。
「汚物がわたしたちに何の用だ!」
「…………劣等種、去ね」
出会い頭なのにすごい喧嘩腰である。
自分のご主人様の敵なのだから、当然なのだろうが。
「汚物とか劣等種とか……僕にはカゲルヤ・ノアって名前がある」
「ふん! 同じ一年だからと仲良くする気はない!」
「……右に同じ。仕事の邪魔」
取り付く島もないな。というか同い年だったのか。
ちょうどご主人様もいないし、彼女たちからも何か情報を仕入れたいが――
「ジルとレイだったよな。ここで何を?」
「気安く名前呼ぶな! あとお前の目は節穴だな!」
「……愚問。見れば分かること」
見ればそれぞれモップや雑巾を持ち、足下には水の入ったバケツ。
確かに愚問だった。この二人は――
「学園の清掃活動、か」
一年生のほとんどは一つ星である。
そして低階級者は、
彼女たちも一つ星のようで、ここで掃除のバイトをしているようだ。
「いいか! お前なんてお嬢様の足下にも及ばない!」
ジルが一歩踏み出して指をさしてきた。
「無様に負かして、お前も天照卿も泣かせてやる!」
僕が二つ星なのは知っているらしく。
それで自分たちが下に見られたと思い、そんな挑発をしてくる。
「……所詮は劣等種。調子に乗れるのも今のうち」
レイもうんうんと頷き、静かに罵ってくる始末。
――正直、罵詈雑言をかけられるのは慣れている。
――自分より上の階級者に、軽んじられるのも仕方ない。
でも、己より下の連中に、舐められすぎるのはダメだ。
「無様に負かすとか、所詮劣等種とか、自分が戦わないくせによく言うよ」
「「なっ!」」
カゲルヤ・ノアはいくらでも虐めても良い対象。
そう認知されると、僕の立場は今以上に悪くなっていく。
「大変なことはお嬢様に任せて、二人は安全な場所で掃除って……」
だから心は多少痛むものの、だ。
ここは毅然とした態度で、言い返してやらないといけない。
「それでも姫騎士なのか? 腰巾着なのに調子づいてるのはそっちだろう?」
「「うっ……」」
二人は悔しそうに、モップと雑巾をギュッと握り締める。
よしよし。これで少しは懲らしめられて――
「う、うぅ、男の分際でぇ……!」
ジルが突然モップを振り上げ、怒りに任せて攻撃してくる。
僕は驚きつつも、紙一重で回避するが――
「…………えいっ」
今回の相手は二人組だ。
しかも双子らしく見事な連携で、いつの間にかレイが僕の背後に移動。
思いっきり膝カックンをしてくる。
「うぉ、おっと……!」
よろけたところ、そのまま後ろからタックルをもらう。
転倒までしないが、ほぼ床に手を突く形になり――
その隙に、レイがモップを捨てて、水の入ったバケツをぶん投げる。
「つ、冷たっ!」
僕は水を頭からモロに被るハメに。
液体の匂いは無臭で、まだ汲んだばかりの綺麗な水のようだが――
「ざまぁみろ! 今日はこれで勘弁してやる!」
「……次に会った時は覚悟」
二人は、あっかんべーっと舌を出して挑発。
そんな捨て台詞を遺し、脱兎のごとく逃げていってしまう。
「あ、あの双子……!」
くそ。全身ずぶ濡れじゃないか。
「……逃げ足速いし……無駄に良い連携プレーだったし……」
彼女たちは一つ星、一人では弱いのかもしれない。
でも二人揃えば強敵とだって渡り合える――
「……迷宮攻略者の中にも、そういうパーティーいたなぁ……」
もっと警戒していれば、ずぶ濡れは回避できたかも。僕の不覚だ。
「次に会ったら覚悟、か……こっちの台詞だよ」
まずは冷静に、ジャスティーヌ・ダルクとの階級戦に集中。
主人の彼女を倒せば、いずれあの双子にお仕置きもできるだろう。
「切り替えよう。とにかくゼゼ先生のところへ――」