姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第47話:代理階級戦

 翌日。訓練場と呼ばれる場所で、僕はジャスティーヌ先輩と相対する。

 

「おほほ! 逃げずによく来ましたわね愚民!」

 

 戦闘服姿のお嬢様が、金髪ドリルをかき上げて叫ぶ。

 

『両方とも、準備はよろし?』

 

 今回は観客なし。見届人となったカグヤ先輩が審判席から告げる。

 その言葉に、僕もジャスティーヌ先輩も頷き――

 

『――ほんなら階級戦、始め!』

 

 それを合図に互いに聖装を召喚。

 僕はロングソードを収めるまで成長している鞘を手に。

 対するジャスティーヌ先輩の聖装はというと――

 

「……形状はランス、それもかなり大型の」

 

 ランスの全長は、使い手たる彼女の身長を優に越える。

 相当な重量があるようで、両手で支える必要があるようだ。

 鈍重で小回りも利かず、本来なら攻略しやすい武器だが……。

 

「姫騎士学園二年、ジャスティーヌ・ダルク――参りますわ!」

 

 高らかに名乗るや、一直線に突っ込んでくる。

 ――小細工を仕込んでいる気配ナシ。愚直すぎる直進特攻だ。

 実際、ランスは突撃用の武器ではある。

 剣と違って斬撃はなく、先端で敵を穿つことが主用途だ。

 正しい使い方をしているが、あまりに芸がないと感じる。

 

「能力再現――【獄炎業火】」

 

 今回、僕が持ち込んだ能力は四つ。

 一つ目がヴェルグ先輩の炎の能力。

 そしてウルズの【旋風】、サンディの【草蔦】、クルドの【蒸気】だ。

 今や不良三人組は風紀部会のメンバーである。

 風紀統括長のヴェルグ先輩に命令し、部下の能力を吸収させてもらってきたのだ。

 

「……まずは小手調べだ」

 

 鞘から紅色の剣を抜いて、複数の炎の斬撃波を放つ。

 

「おほほ! さすがは貧乏人! 安い攻撃ですこと!」

 

 ジャスティーヌ先輩に避ける素振りはなし。

 

「ご覧に入れて差し上げます、わたくしの能力を!」

 

 瞬間、ランスが輝いて炎に風穴を空ける。

 

「――僕のは劣化コピーとはいえ、獄炎卿の炎でも貫くか――」

 

 彼女は炎を四散させるや、そのまま猛烈に直進してくる。

 

「――聞いてた通り、あれがジャスティーヌ・ダルクの【貫通】の能力――」

 

 その特性は、どんなモノでも必ず貫くというもの。

 ランスが接触した瞬間に、物質も能力も等しくぶち抜かれるのだ。

 

「わたくしの能力こそが最強ですわ!」

 

 強い能力であることは認めるが、最強と断定するには早い。

 現に、彼女の貫通能力の弱点としては――

 

「――触れたら貫かれる――つまり触れなければどうってことはない――」

 

 先輩のランスが身に届く寸前、【草蔦】の剣を生成。

 太い蔦を出しながら、離れた地面に刺さるよう投げる。

 あとはリールを巻くように蔦を戻すと、僕の身体も高速で引っ張られ――

 

「わたくしの突きを避けた!? 回避など卑怯ですわよ!?」

「貫通攻撃を正面から受けるマヌケはいないでしょ」

 

 彼女が体勢を直す隙に、こちらは後ろステップで距離も取る。

 ――ランスは点攻撃。面での攻撃はない。

 無論、振り回せば面攻撃もできなくないが。

 しかし、それではランスの強みが発揮できないだろう。

 

「ヴェルグ先輩ぐらい筋肉隆々、膨大な聖気量があるならともかく――」

 

 彼女では、あの重量級の武器を使い続けるのは大変。

 地味な戦略だが、体力を消耗させ、じわじわと攻めて……。

 

「では、わたしくはそうならないよう進むまで」

 

 中距離以上の間合いは取っていた。

 しかし彼女がニヤリとした刹那、いきなりランスが目の前に現れる。

 

「…………え?」

 

 突然の瞬間移動に、思わず驚きが零れる。

 あんなデカい武器を持って、どうやって一瞬で近づけた!?

 

「――貫け、天を穿つが如く」

 

 少女の力強い踏み込みが大地を割り、必殺の一閃が駆ける。

 剣で弾こうとするが、ランスに触れた途端に破壊された。

 なんとか致命傷は避けるが、今度は脇腹を軽くえぐられてしまう。

 

「ぐっ! って、また姿が消えて……」

「右ですわよ、愚民!」

 

 目だけ振り向けば、側面からランスを突き出す少女の姿。

 ほぼ倒れるように横に跳ぶが、肩の先を貫かれてしまう。

 

「……能力再現、【蒸気】!」

 

 足下で小さな蒸気爆発を起こし、その衝撃で飛ぶように逃げる。

 蒸気は煙幕にもなり、また距離を取れたわけだが……。

 

「――まずは小手調べ? 距離を取って持久戦? 舐めすぎでなくって?」

 

 荒く息をする僕に、勝ち誇ったように前髪をかき上げる。

 

「同じ二つ星とはいえ、実力も場数も桁が違いますわ」

 

 そして颯爽と告げる。

 

「わたくし――これでも元六つ星ですのよ?」






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