姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~ 作:東雲(しののめ)
翌日。訓練場と呼ばれる場所で、僕はジャスティーヌ先輩と相対する。
「おほほ! 逃げずによく来ましたわね愚民!」
戦闘服姿のお嬢様が、金髪ドリルをかき上げて叫ぶ。
『両方とも、準備はよろし?』
今回は観客なし。見届人となったカグヤ先輩が審判席から告げる。
その言葉に、僕もジャスティーヌ先輩も頷き――
『――ほんなら階級戦、始め!』
それを合図に互いに聖装を召喚。
僕はロングソードを収めるまで成長している鞘を手に。
対するジャスティーヌ先輩の聖装はというと――
「……形状はランス、それもかなり大型の」
ランスの全長は、使い手たる彼女の身長を優に越える。
相当な重量があるようで、両手で支える必要があるようだ。
鈍重で小回りも利かず、本来なら攻略しやすい武器だが……。
「姫騎士学園二年、ジャスティーヌ・ダルク――参りますわ!」
高らかに名乗るや、一直線に突っ込んでくる。
――小細工を仕込んでいる気配ナシ。愚直すぎる直進特攻だ。
実際、ランスは突撃用の武器ではある。
剣と違って斬撃はなく、先端で敵を穿つことが主用途だ。
正しい使い方をしているが、あまりに芸がないと感じる。
「能力再現――【獄炎業火】」
今回、僕が持ち込んだ能力は四つ。
一つ目がヴェルグ先輩の炎の能力。
そしてウルズの【旋風】、サンディの【草蔦】、クルドの【蒸気】だ。
今や不良三人組は風紀部会のメンバーである。
風紀統括長のヴェルグ先輩に命令し、部下の能力を吸収させてもらってきたのだ。
「……まずは小手調べだ」
鞘から紅色の剣を抜いて、複数の炎の斬撃波を放つ。
「おほほ! さすがは貧乏人! 安い攻撃ですこと!」
ジャスティーヌ先輩に避ける素振りはなし。
「ご覧に入れて差し上げます、わたくしの能力を!」
瞬間、ランスが輝いて炎に風穴を空ける。
「――僕のは劣化コピーとはいえ、獄炎卿の炎でも貫くか――」
彼女は炎を四散させるや、そのまま猛烈に直進してくる。
「――聞いてた通り、あれがジャスティーヌ・ダルクの【貫通】の能力――」
その特性は、どんなモノでも必ず貫くというもの。
ランスが接触した瞬間に、物質も能力も等しくぶち抜かれるのだ。
「わたくしの能力こそが最強ですわ!」
強い能力であることは認めるが、最強と断定するには早い。
現に、彼女の貫通能力の弱点としては――
「――触れたら貫かれる――つまり触れなければどうってことはない――」
先輩のランスが身に届く寸前、【草蔦】の剣を生成。
太い蔦を出しながら、離れた地面に刺さるよう投げる。
あとはリールを巻くように蔦を戻すと、僕の身体も高速で引っ張られ――
「わたくしの突きを避けた!? 回避など卑怯ですわよ!?」
「貫通攻撃を正面から受けるマヌケはいないでしょ」
彼女が体勢を直す隙に、こちらは後ろステップで距離も取る。
――ランスは点攻撃。面での攻撃はない。
無論、振り回せば面攻撃もできなくないが。
しかし、それではランスの強みが発揮できないだろう。
「ヴェルグ先輩ぐらい筋肉隆々、膨大な聖気量があるならともかく――」
彼女では、あの重量級の武器を使い続けるのは大変。
地味な戦略だが、体力を消耗させ、じわじわと攻めて……。
「では、わたしくはそうならないよう進むまで」
中距離以上の間合いは取っていた。
しかし彼女がニヤリとした刹那、いきなりランスが目の前に現れる。
「…………え?」
突然の瞬間移動に、思わず驚きが零れる。
あんなデカい武器を持って、どうやって一瞬で近づけた!?
「――貫け、天を穿つが如く」
少女の力強い踏み込みが大地を割り、必殺の一閃が駆ける。
剣で弾こうとするが、ランスに触れた途端に破壊された。
なんとか致命傷は避けるが、今度は脇腹を軽くえぐられてしまう。
「ぐっ! って、また姿が消えて……」
「右ですわよ、愚民!」
目だけ振り向けば、側面からランスを突き出す少女の姿。
ほぼ倒れるように横に跳ぶが、肩の先を貫かれてしまう。
「……能力再現、【蒸気】!」
足下で小さな蒸気爆発を起こし、その衝撃で飛ぶように逃げる。
蒸気は煙幕にもなり、また距離を取れたわけだが……。
「――まずは小手調べ? 距離を取って持久戦? 舐めすぎでなくって?」
荒く息をする僕に、勝ち誇ったように前髪をかき上げる。
「同じ二つ星とはいえ、実力も場数も桁が違いますわ」
そして颯爽と告げる。
「わたくし――これでも元六つ星ですのよ?」
本日9月20日、『姫騎士学園の下剋上性活1』がオーバーラップ文庫さんから発売されます!
パワーアップした書籍版もどうぞよろしくお願いいたします!!