姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第7話:女子更衣室

 初の階級戦。僕は敗北をした。

 ウルズの取った戦法に、卑怯卑劣と文句はつけられるが――

 

「――でも負けは負け。気づけなかった方が悪いのよ」

 

 過程はどうでもいい。この世界では結果が全てなのだ。

 そして互いに戦闘服のまま、僕は薄暗い倉庫へと連れ込まれる。

 ウルズの後ろには、ニヤニヤとした手下二人も控えている。

 

「これであんたはあたしの奴隷。まずは(ひざまず)きなさい」

 

 目前で仁王立ちして命令をしてくる。

 僕は奥歯を()みしめ、膝を曲げようとして……。

 

「ノロマ! さっさと跪けって言ってるの――よっ!」

 

 強烈なローキックを受けて、無様に転倒してしまう。

 

「サンディ、クルド、こいつの手足を押さえて」

「い、一体なにを……」

「出来の悪い奴隷に、キツーいお仕置きをするのよ」

 

 手下に拘束させるや、ウルズは腰を落として――

 

「――よいしょっと!」

 

 顔面騎乗位。僕の鼻先と口元に股間を押しつけた。

 むわっ。ストロベリーを煮詰めたような、濃甘な匂いが鼻腔(びこう)を突く。

 

「まあまあの座り心地かしら」

「んぐ……ウル……やめ……!」

「えー? なーにー? ぜーんぜん聞こえなーい!」

 

 グイグイと前後に動き、薄い布越しに股を(こす)り付けてくる。

 

「あんっ♡ 舌まで突き出しちゃって、呼吸しようと必死ねぇ♡」

 

 こういうプレイで興奮する男も、世の中にはいるみたいだけど。

 ……ここまで苦しいとは、想像してなかった!

 酸欠で血管が細まり、唇や手足が震えていく。

 

「あは、あはははは、あははははははははは!」

 

 ジタバタともがく僕を、ウルズは恍惚(こうこつ)とした目で(わら)う。

 本当に死ぬ――その寸前で、彼女はやっと腰を上げた。

 

「こんなもんじゃ終わらせないわ。次はサンディ」

「うちの出番だね! 任せてー!」

 

 手下の一人、褐色のボーイッシュ系美少女が、快活に応じる。

 今度は彼女が、僕の顔近くにやってきて――

 

「キミの顔を、(わき)でぎゅーっと締めてあげるねー!」

 

 その腋下(えきか)から、オレンジのような匂いを感じたのも束の間。

 腕でキツく三角締め(ヘッドロック)をされ、意識が薄れていく。

 

「ギリギリまで締めて……っと、次はクルドの番だよ!」

「はぁい。だけどもう虫の息ですねぇ」

 

 最後の手下、おっとり系美少女がやってくる

 水風船のように巨大な乳房を、僕の顔に乗っけて――

 

「これで、もう完全に呼吸できませんよぉ」

 

 僕の鼻や口を覆うように、たぷたぷの巨胸が密着。

 股や脇の時とは違って、息をする僅かな隙間すらない。

 

「おっぱいで窒息死なんて、幸せな死に方ねぇ!」

 

 どんどん衰弱していく男に、ウルズたちは大爆笑。

 でも、次の授業まで、耐え、れば――

 

「座学はサボるわ。そしてこれを延々と繰り返してあげる」

 

 僕の希望を砕くように、ウルズが意地悪に笑う。

 

「最初に言ったはずよね?」

 

 そして僕の顔面に、また騎乗位する。

 

「たっくさん、遊んであげるって――!」

 

 結果、この寸止め地獄は一時間以上行われた。

 長い拷問が終わると、僕は力なく横たわる。

 

「ホントにこんなのが獄炎卿から生還したのかしら?」

 

 ウルズが僕の頭を、ゲシゲシと踏みつける。

 

「しっかしあのバカ乳女、いつも偉そうでムカつくわ」

「特にうちら一年への取り締まりはすごいしねー!」

「風紀統括長は、ルーキー殺しとも呼ばれてますもの」

 

 学園の秩序維持のため、生意気な新人を片っ端から指導する。

 被害の当事者でもある彼女らは、ヴェルグ先輩への悪口が止まらない。

 

「一度くらいギャフンと言わせたいわよねぇ」

 

 するとウルズは何か(ひらめ)いたのか、僕をニヤリと見て告げる。

 

「……あたし、良いこと思いついちゃった」

 

          ***

 

 教室に戻ってからも、僕の扱いは散々だった。

 そしてようやく迎えた放課後でも――

 

「ちょっと付き合いなさい」

 

 ウルズに首根っこを摑まれ連行される。

 

 ……階級戦のことで、ゼゼ先生に相談したかったのに。

 

 僕の意思など無視で、とある部屋の前に着く。

 

「この学園にはいくつも更衣室があるけど、ここには誰も寄りつかない」

「と、いうと……?」

「とある厄介なモンスターが独占してんの」

 

 ウルズが扉を開けて、ロッカーの並んだ部屋に入る。

 

「今回はそのモンスターの生態観察。どういうヤツか実態を暴くの」

 

 すると彼女は、懐から水晶玉を取り出す。

 

「記録用の道具よ。微量な聖気(オーラ)を送り続ければ、その間はずっと撮影できる」

「これでモンスターを、観察しろと……」

「そゆこと。クソザコにもできる簡単なお仕事ね」

 

 厄介なモンスターを、彼女らは安全圏で見たいわけだ。

 

「ウルズー! ボトル入れ替えておいたよー!」

 

 ボーイッシュ娘が、学園指定の水筒を持ってくる。

 どうやらロッカーの一つを開けて、中を物色してたみたいだけど……。

 

「即効性の薬を混ぜておきました。これでお(なか)ぴぃぴぃです」

 

 おっとり娘の補足も受け、ウルズが(うなず)く。

 

「きっと面白い絵が撮れるわ――そら、あんたは向かいの空きロッカーに入る!」

 

 窮屈な空間に、強引に押し込まれた。

 通気用に開いた細い横穴から、彼女と目が合う。

 

「いいこと? 途中で撮影をやめたらお仕置き(リンチ)よ?」

 

 拒否権はないと扉を閉めて、ウルズたちは足早に去って行く。

 薄暗く狭いロッカーで、僕は水晶を起動させて待つしかない。

 

「――ふぅ、なぜ皆こうも風紀を乱すのか」

 

 一仕事終えた様子で現れたのは……。

 

「……モンスターって、ヴェルグ先輩のことだったのか……!」

 

 ウルズたちは彼女と勝負しても勝てない。

 それならと、陰湿な嫌がらせを考えたらしい。

 

「……もしバレても、全部僕の仕業にしようってわけだ……!」

 

 獄炎卿が上着を脱いで、ロッカーへと仕舞う。

 そしてシャツにも手を掛けて――

 

「む。なにか視線が……」

 

 直感的に何かの気配を察知したらしい。

 彼女が、僕のロッカーへと一直線に向かってくる。

 

 ――お、終わった!

 

 先輩が、勢いよく扉を開けてしまう。

 

「……気のせい、でしたか」

 

 しかし開けたのは隣のロッカー。

 九死に一生。心臓が口から飛び出るかと思った。

 

「…………う……」

 

 しかし先輩が制服を脱ぎ始めたことで、苦難は続く。

 シャツを脱ぐと、鍛えられた腹筋がまず見えて……。

 そしてついに、あの超爆乳が飛び出してくる!

 

「――またブラジャーが窮屈に――新調したばかりだというのに――」

 

 ギッチギチに詰まった乳袋を調整する先輩。

 僕はそれを息を吞みながら撮影して――

 

「…………もしこれがバレたら……」

 

 殺される。間違いなく。

 撮影を()めて、この場から脱出したいが、そうしたらウルズにリンチだ。

 

「…………大人しく、従うしか……」

 

 合理的に考えれば、ウルズに従うのが最適解なのだ。

 

 ――だって、ヴェルグ先輩が痛い目を見ても、僕には関係ない。

 

 自分にそう言い聞かせる間にも、先輩がボトルに手を伸ばす。

 

「…………あれは、さっきサンディとクルドがすり替えたやつか」

 

 中身には毒物が入っている。

 人を殺すまでの効能はなさそうだけど……。

 

「…………僕が今していることって、正しいんだろうか」

 

 ボトルに口をつけようとする先輩を見て、考えてしまう。

 僕はウルズに負けた。

 勝者である彼女に、こき使われるのはまだ分かる。

 

「…………でも、ヴェルグ先輩はそうじゃない」

 

 僕だけでなく、ウルズなんかにも負けていない。

 なんで結果を出している人間が、こんな目に遭わなくちゃいけないんだ?

 

 『さっさとここまで上がってきなさい』

 

 階級戦の前、僕を正面から叩き潰したいと言った。

 でもあの脅しは、常に孤独だった自分には、一種の激励にも思えて……。

 

「……こっちが勝手に、前向きに捉えているだけ、なのかもしれないけど」

 

 それでも先輩が正々堂々と、僕に向き合ってくれるのは事実だ。

 姑息《こそく》な手を取るウルズたちとは違う。

 

「……モンスターの生態は、とっくに分かってるだろう」

 

 どういうヤツかなんて、転入して間もない自分にも一目瞭然。

 僕は一つの覚悟を決め、自らロッカーを勢いよく開け放つ。

 

「っ! カゲルヤ・ノア――!?」

 

 下着姿を見られて一瞬の恥じらい。

 そこに記録用の水晶を投げつけるが、先輩は即反応で殴り砕く。

 しかしそれはブラフだ。

 その隙に本命――僕は例のボトルを奪い取る。

 

「貴君という人は、女子更衣室に侵入して……重大な校則違反ですっ!」

 

 ヴェルグ先輩の身体から炎が吹く

 

「あまつさえ私の所有物まで奪うとは、即刻返却しなさい!」

「それは……無理です!」

 

 毒物が入ったこれを、彼女に渡すことはできない。

 

「……口で言っても分からないなら、拳で教えましょうか」

 

 殴り合って勝てる相手ではない。

 でもこれを飲ませるぐらいだったら……!

 

「全部、僕が飲めば――」

「あ、ま、待ちなさい!」

 

 もう遅い。一滴残さず飲み干してしまう。

 あとは好きに殴り飛ばせば良い。どうにかして生き残ってやるとも。

 しかし、ヴェルグ先輩はぽかんとして動かない。

 

「……貴君は馬鹿者でなく、大馬鹿者ですね」

 

 彼女は自分のロッカーを振り返ると、奥を(あさ)って。

 

「こちらが、本物の毒入りのボトルです」

「……!」

「あなたが飲んだのは、私が新しく持ってきた予備ですよ」

 

 ヴェルグ先輩が、毒入りボトルを燃やし尽くす。

 

「この手のイタズラには慣れています」

「すり替えに、最初から気づいていた……と?」

「私に反感を持つ者は多いですので」

 

 彼女は、割れた水晶や、僕の言動を見て頷く。

 

「貴君がなぜこの場にいるか、おおよその推測はつきます」

 

 ただ確証がないから、ウルズたちの名前は出さない。

 

「嫌がらせを受けるのは、日常茶飯事ですが――」

 

 感慨深そうに先輩は呟く。

 

「……学園で誰かに助けられたのは、初めてですね」

 

 そして、こちらを真っ直ぐ見つめてくる。

 

「少しだけ、貴君のことを見直しました」

 

 彼女は自然と笑っていて、僕は思わず可愛いと……。

 

「ただ情状酌量の余地があるとはいえ、校則違反は校則違反」

 

 ヴェルグ先輩はすぐに鬼の表情に戻る。

 デコピンの形を作って、そこに大きな炎を纏う。

 

「――カゲルヤ・ノア、とりあえず吹っ飛びなさい」

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