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「―――というわけで本日0時をもって本艦全クルーの任務はロストロギア、『ジュエルシード』の捜索と回収に変更されます」
そういえばこの船の中の時計の0時ってどこ基準の0時なんだろ……。明らかに地球、というか日本のそれとはズレてるもんな……。この人たちの本拠地、たしかミッドチルダだっけ? そこの時間なんだろうか?
「また本件においては特例として問題のロストロギアの発見者であり結界魔導師でもあるこちら――」
「はい、ユーノ・スクライアです!」
おおぅ、ユーノの奴なんか緊張してるな。
「それから彼の協力者でもある二名の魔導師さん……」
「高町なのはです!」
「烏丸九朗です」
艦長さんの紹介でなのはに続いて立ち上がり挨拶をする。……なのはに比べると少し視線というか、向けられる表情が硬いか?
「以上三名が臨時局員の扱いで事態に当たってくれます」
「「「よろしくお願いします」」」
三人で頭を下げる。するとぱちぱちと拍手が聞こえてきた。顔を上げるとクロノ執務官と目が合ったので笑いかけておく。
「……ッッ」
なんか警戒されてる。いや、まぁ自分の腕ぶっ刺した奴から笑顔向けられても困るか。
「もー、クロノ君ってば! せっかく新しいお友達ができそうってタイミングで~!」
「痛てて!」
「お、ヘッドロック」
クロノ執務官の背後に一人の女性が現れて容赦なくクロノ執務官に技をかけている。……なかなかいい技を極める。ってかクロノ執務官って結構上の方の人間じゃないのか? 上官にヘッドロックかけるなんてぶっ飛んだ奴がいるんだな管理局。
「ごめんね~、クロノくんは照れ屋さんなだけで根は良い子だから……」
「は、はい、こちらこそよろしくお願いします」
クロノ執務官相手は満足したのか、解放した後こちらに謝りながら近づいてくる女性。それに対してなのはがちょっと引き気味に挨拶する。
「私はエイミィ・リミエッタ 16歳。通信主任兼執務官補佐でこのアースラの管制官。クロノ君は直属の上司だけど学生時代からの友人!」
「へぇ……」
「16? ミッドの就労可能年齢って……」
明らかにバイトって雰囲気じゃないし……。本職だよな……。
「んー、実力とやる気があれば特に年齢制限はないよ。それにクロノ君も14だし」
14!? ……にしては俺たちとあんまり背変わんなくね? 成長期遅いのかな?
「ちなみに、クロノ君のフルネームはクロノ・ハラオウンね」
へぇ……クロノ執務官からではなくその補佐からどんどん彼についての情報が洩れているが良いのだろうか。そんなことを考えているとコツコツと俺たちに近づいてくる足音が。
「改めて、よろしくお願いしますね。なのはさん、九朗くん、ユーノくん。私はリンディ・ハラオウン。時空管理局・巡航L級8番艦 次元空間航行艦船アースラ艦長です」
ん? ハラオウン……ってことは
「そしてクロノの母親です」
「えぇ~!」
「やっぱり!」
「……若くね?」
なのはのお母さん、桃子さんもだけどホント見た目が子持ちとは思えないほど若い。
「あらあら、お上手ね。クロノは素直じゃないところもあるけど……仲良くしてあげてね」
「はい!」
「分かりました」
「えぇ、怪我が治り次第、模擬戦にでも誘ってみます」
今のところフェイトやなのはよりも強そうだからな。楽しみだ。
「う、うふふふ。ほどほどにしてあげてね」
そういってリンディ艦長は離れていった。代わりに別のアースラクルーの方たちがこちらに寄ってくる。
「オペレーターのランディです」
「同じくアレックスです。よろしくね、三人とも」
「はい、よろしくお願いします」
「オペレーター……」
おぉ、遂に! やっぱオペレーターのボイスはあった方が面白いからな! セレンさんやフィオナとは違い男性……レアだな。
「三人とも困ったことがあったら遠慮なくいってね」
「ありがとうございます」
「そうそうアースラの食堂のクッキーすごく美味しくておすすめだよ!」
「羊羹とお茶もおススメかなあ」
「艦長はお茶に大量の砂糖とミルクを入れることなんだけど―――」
俺たちが早く馴染めるようにか色々とアースラの情報を教えてくれるクルーの人たち。
というか! 羊羹! 羊羹があるのか!? え、前回アースラに来たときもお菓子として出てきたけどあれ俺たちが知らない間に入手したとかじゃなくて自前だったの!?
……ミッドチルダに羊羹が? 日本人でもユーノみたいに漂流してミッドチルダに行きついたのか?
「九朗くん、ちょっと良いかしら?」
「ん?」
離れていったはずのリンディ艦長がなのは達に聞かれないように小声で話しかけてきた。
「あなたの身体のことで少し話したいことがあるの。ついてきて頂戴」
「分かりました」
なのは達の方を見ればまだクルーの人たちと話していて俺のほうは気にしていない。うん、これなら問題ないか。そう判断してリンディ艦長についてミーティングルームを出る。
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リンディ艦長に連れられてやってきたのは医務室。そこには前回俺を診てくれたアースラの医務室のスタッフの人たちが少し暗い顔をしていた。
「えっと……何かありましか?」
まぁ、こういうときは大体いい知らせじゃないよな。
「少しショックな話をするから覚悟して」
「はい」
あぁ、やっぱり。リンディ艦長が口火を切り、後ろで医療スタッフの方たちがレントゲン写真のようなものをボードに張り付けていく。え、なにあの胸の中心から蜘蛛の巣上に広がって言ってる黒い線。こわ
「前回あなたたちがアースラに来たとき軽く体をスキャンさせてもらったの。そのときあなたの体内に我々時空管理局でも知らない未知の粒子が体積しているが分かったの」
「未知の粒子……」
あ。 俺のバリアジャケットとデバイスのデザイン。あの圧倒的な魔力出力、有毒性の謎の粒子……。これはもう決まりだろ……。
「今はまだ自覚症状は出ていないみたいだけどこのまま生活していれば九朗くん、あなたはきっと―――
20歳を迎える前に死ぬわ」
「あ、そすか」
やっぱリンクスの寿命は短いもんなのか。いや、王小龍とかいう例外はいるけど……。
「案外、落ち着いてるのね」
「まぁ正直皆さんの顔色からある程度推測はしてたんで」
けどそれより重要なのは……。
「その粒子は体外への流出とかは?」
「それは全くしてないのよ。この粒子はあなたの体外にでることなくすべて体内に蓄積していってるわ。……まるで貴方だけを殺す呪いみたいに……」
呪いねぇ……。ま、ネクストの力を扱う以上、必要な犠牲ってやつだよな。幸いなことに体外への流出はないみたいだし、20までってことなら今すぐ死ぬってこともない。このジュエルシード騒動の間はしっかり戦えるならそれでいいさ。
「とりあえずジュエルシード関連の事態が落ち着くまで戦えるなら一先ずそれでいいです」
そういって立ち上がろうとしたらリンディ艦長に手を掴まれ止められる。
「待ちなさい。話はまだ終わってないわ」
「……」
再び席につく。
「よろしい。それである提案をあなたにしたいのよ」
「提案……?」
「そう! このジュエルシード事案が終わったら一度私たちと一緒にミッドに来ないかしら?」
リンディ艦長は人差し指を立てながら俺にそう提案してきた。ミッド……あぁ、ミッドチルダのことか。時空管理局の本部があるところ、俺たちが使ってる魔法の始まりの地、第一管理世界……ミッドチルダ。
「ミッドまで行けばもっとちゃんとした検査もできるし、時空管理局本部には『無限書庫』っていう世界中の書物が収められた場所があるの! そこを探せばあなたの身を蝕んでる粒子の正体も治療法も見つかるかもしれないわ!」
「なる……ほど」
「半年から~一年くらい地球を離れることになるし、治療の度合いによってはもっとかかるかもしれない。けど、なにもしないよりかは絶対に良いわ」
そんなに長く地球を……。本当に見つかるかわからない治療のために? というかそもそもコジマ汚染って治療できるようなものなのか?
「……」
「……今すぐ決めなくても大丈夫よ。でも、この事件が解決するまでには決めてほしいの。あと、待機中も出来れば医務室には顔を出してほしいわ、少しでも治療の研究をしたいの」
「分かりました。ところでこのことはなのは達には?」
「私たちから伝えてほしいなら伝えるけど……どうしたい?」
「いえ、黙ったままでお願いします」
「分かったわ。それじゃなのはさんたちのところに戻りましょうか」
どうやらこれで話は終了らしい。リンディ艦長が立ち上がったのでそれに続いて俺も立ち上がって医務室を出た。
「そういえば……九朗くん、学校の方は大丈夫なの?」
今度はただの雑談らしい。廊下を歩きながらリンディ艦長にそう話しかけられる。
「えぇ、両親が学校にうまく説明してくれるそうです」
「……友達とかに連絡は?」
「学校で先生から説明されるでしょうし大丈夫でしょ」
「……そう、ね」
え、なんかリンディ艦長の顔が微妙な感じだけどなんか不味ったか?
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「――で、高町さん、烏丸くんの両名はご家庭の事情で何日か学校をお休みするそうです。でも病気や怪我、不幸なことがあってお休みする訳ではないので心配しなくても大丈夫ですよ」
朝方、なのはから届いた『事情があって、しばらく学校をお休みすることになりました。自分なりにがんばってきます』という一通のメール。登校してみればすずかにも届いていたみたいだった。ずっと悩んでいたなのはがやっと自分のやりたいことを見つけたみたい。それ自体は一人の親友として応援したい。
けど―――。
「え、九朗の奴となのはちゃんが?」
「不幸なことじゃないって言ってるけど、2人して学校お休みって……」
「なのはちゃん大勝利ってことよね! やっぱり幼馴染は負けヒロインなんかじゃないのよ!」
「マジかぁ……賭けの配当どうなってたっけ?」
「いやぁ、一体だれが九朗とくっ付くのかずっと見守ってきたけど、こう結果が出ると感慨深いわね」
……
「高町さんと烏丸くんがお休みの間のノートとプリントは……」
「はい!」
「はい」
先生の言葉に私とすずかが手を上げる。
「アリサさんとすずかさん。それじゃあ二人ともよろしくね」
「はい」
「わかりました。アリサちゃん」
先生に返事した後すずかがこちらを見てくる。どうかしたのかしら?
「二人が帰ってきたら、ノートとか渡しに行ってお話聞こうよ、
ね?」
「え、えぇ、そうね」
すずかがそのことに気が付いてからずっと笑顔なのが怖いのよ! 笑顔なのになんか異常な圧あるし! 私一人で何日かこのすずかの相手をしなきゃいけないわけ!? もうーーー! はのはも九朗も帰ってきたら覚悟しなさいよ! 苦労した分なのははほっぺ摘まんでやるし、九郎には……か、構い倒して貰うんだから!
「おう、やべーぞすずかのお嬢がお怒りだ」
「キャー、略奪愛! 略奪愛よ!」
「おい、やっぱまだ確定してねぇて! 賭けは続行だよ続行!」
「これは恐ろしいことになったな……九朗の奴下手したら死なね?」
「いや、これはまだましな方だ。もっと恐ろしいことは別にある」
「
「一番恐ろしいのはな……あいつがさらに女子を堕として帰ってきたときだ」
……ありえないって言えないのが嫌なところよね。
・アースラに合流した九郎くんたち。
・ミッドの就労可能年齢に関しては独自設定。でも原作もこんな感じなんじゃないかなぁ……。どこか明確な描写がされていた場合教えてもらえると助かります。
・九朗くんこのままだと20前に死亡。因みにここで重要なのは普通に生活していても20までに死ぬってこと。魔法を使い続ける生活を送ると……。
・王小龍、あいつはなぜ死なない?
・九朗くん、ミッド行きに誘われる。
・連絡をもらえなかったアリサ、すずか、ご立腹。とくにすずかがヤバい。
・一部クラスメイト達の間では九郎が三人の内誰と付き合うかで賭けが行われている。(弁当のおかずや図工箱のビーズなどを賭けているので安心)