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「ッう……くそ、まだ……! 見つかっちゃったか……なら仕方がない!」
俺は口の中に残った血を吐き捨て、口元を拭ったあとモーターコブラとオーメル突撃ライフルをフェイトの方に向ける。
「ま、まって九朗!」
「待たない!」
「っっ!」
戦闘中だってことを忘れてこちらに駆け寄ってきたフェイトに向かって俺は引き金を引いて魔力弾をありったけ放つ。狙いなんてほぼ合っていない弾をばらまくだけの行為。それでもフェイトに距離を取らせるのには十分だ。俺とフェイトは再び空へと舞い上がる。
「大丈夫かい、フェイト!?」
「う、うん、平気。だけど……九朗が……」
フェイトの隣にはすぐにアルフが近寄って無事を確認している。
「平気なら良かった。さて、続けようか」
俺はデバイスを握りなおし、銃口をフェイト達に向ける。そんな俺を見ながらフェイトは涙目になりいやいやと言う風に首を横に振る。
「だ、ダメだよ九朗。戦ったら九朗が死んじゃう……」
「そうだよ! 何馬鹿なこと言ってんだい! あんなに血吐いて、アンタがいるべき場所はここじゃなくて病院でしょう!」
フェイトはバルディッシュを俺から遠ざけるように自分の背中に回し、アルフは俺とフェイトの間に入り盾になるように構える。にしても……居場所、居場所ね。
「ここだ」
「え?」
「ここが俺の居場所。俺が居るべき場所、俺が望んだ場所だ」
俺は一度か前を説いて両手を広げて説明して見せる。朝焼けは終わり、空は青くなり始めた。あの青い空の果て、そのずっとずっと下。爆発と煙、瓦礫が転がる地表こそリンクスとしての戦場。
――To Nobles Welcome to the Earth――
「結局、どれだけ取り繕っても俺は
「なんで……なにが、九朗をそこまで……」
俺の言葉にアルフに抱かれたままのフェイトが小さい声でそう言ってくる。なんで、か。
「それは―――「ディバイン……」――!! 避けろフェイト! アルフ!」
「バスター!!」
俺がフェイトの質問に答えようとした瞬間、桃色の極光が
「この砲撃魔法……非殺傷設定がされてない」
「ど、どういうことだい!? アタシ達を狙うなら分かるけど、今完全に九朗を……」
「ははっ、やっぱすごいなぁ……。なのはの砲撃は」
極光の飛んできた方を見れば間違いない。バリアジャケットに身を包んだなのはがこちらにレイジングハートを向け、空を飛んでいた。
≪マスター、ターゲットが違うようかと。あちらは九朗さんかと≫
「うふふふ、そうだっけ? まぁ、どっちでもいいよ。くー君だって私の立場ならきっとこうする。だってそっちの方が面白いもん」
なのはが再び俺たちに向かってレイジングハートを向ける。しかもその先端には素手に魔力砲がチャージされ始めてる。
「私ね、最近……ううん、魔法のことを知ってからずっとくー君のことが怖かったの」
「なのは……」
レイジングハートを俺に向けながらなのはがぽつりぽつりと喋り出す。
「笑わなくなってたくー君がよく笑うようになった。それは良かったの。けど、その笑顔があの日に私に向けてくれた笑顔とはまったく違うもので、私の大好きなくー君がドンドンどっかに行っちゃうような……消えちゃうみたいで怖かったの。言葉にしなきゃなにも分からないのに、逆にわかっちゃうことが怖くて……私はくー君から逃げちゃってた。
分からなくなってたの。私はあの日、私を助けてくれた男の子が好きなのか、烏丸九朗くんのことが好きなのか。それでいっぱい、いーっぱい考えたのそれで私は、高町なのはは―――」
「なのは」
「―――くー君?」
俺はなのはの言葉を止める。吐き出されたなのはの思いを受け止めてじんわりと胸が熱くなる。なのはがそんなに俺のことを考えていてくれたことが嬉しい。それと同時に申し訳なく思う。俺本人としてはまた闘争に明け暮れることができるようになり昔に戻っただけなんだけどなのはから見ればそれは大きな変化だということを失念していた。
「まずはありがとう。俺のことをなのはがそんなに思ってくれていたの正直嬉しい。そしてごめん。色々心配かけたよな。そして最後、あの挨拶替わりの一撃。あれがなのはの出した答えなんだろ? なら―――」
俺のところにやってきた。そして攻撃を仕掛けてきた。それも"今の俺"が一番喜びそうな形で介入してきた。つまり、
「―――言葉は不要だ」
俺は自身のデバイスを構えなおし、その切っ先をなのはへと向ける。
「ちょ、ちょっと待って! 二人は味方同士なんでしょ! それなのにどうして……」
俺となのはの間にフェイトが大声を上げて割って入る。その表情は自体の流れが理解しきれずに混乱しすぎてちょっと涙目だ。……やっぱり涙目のフェイトはいけないな。無性にに虐めたくなってくる。だけど今はもうなのはの相手をしてやらないといけない。フェイトには退いてもらおう。
「フェイト」
俺はフェイトに近づいてその肩に手をおいて話しかける。
「九朗! わ、私はなんて言ったらいいのか分からないけど、それでもこれが変なのは分かる。九朗とあの子は味方同士で、仲良しなんでしょ? なのにどうして二人とも戦うとしてるの?」
「仲良しだからだよ。仲良しで居続けるためにもたまにはこうして思いっきりぶつからないといけないんだよ」
「そんな……」
「フェイトだって楽しかっただろ? 俺との戦い」
「……」
お、少し思い当たる部分はあるみたいだな。
「戦う理由だとか、昔からの因縁だとかそういう難しいことは考えないし、どうでもいい。ただ自分の持ってる力、技術そのすべてを全力でぶつけ合う。気分がスッキリするだろ?」
「……」
「相変わらずフェイトとの決着がつけられないのは残念だけどジュエルシードをもって撤退しろ。なのはの目的は俺だ」
俺はフェイトの胸に拾っておいたジュエルシードを押し付ける。
「んッ―――。な、なに今の声……、わ、私の声?」
「あんた、いつの間に回収してたんだい!?」
フェイトの隣にいたアルフが驚きの声を上げる。あぁ、フェイトの戦闘の間にクイックブーストでパっととっておいたんだよ。フェイトは押し付けられたジュエルシードを手に取り両手で握りしめる。
「ジュ、ジュエルシードはありがとう。だけどこのまま引き下がるなんてできない! だって九朗さっきあんなに血を―――「はい、ストップ」――――んぐぅ!?」
余計な事をしゃべりそうだったフェイトの口をキスして塞ぐ。―――甘い。
「あ、あんた、何やってッ!?!?」
「は?」
アルフとなのはの驚いた声が聞こえるが無視。そのままフェイトの身体から力が抜けるまでキスし続ける。
「ん、んむぅ……くろぅ、まっ―――」
やがてフェイトの全身から力が抜けてくたりと倒れこむ。色々なことがあり過ぎて脳がパンクして気絶したらしい。
「ほれ、アルフ。フェイトは気絶しちゃったしこれ以上戦えないだろ? さっさと撤退しな」
そう言いながら俺は気絶したフェイトをアルフに渡す。
「あ、あんたそのためにフェイトのファーストキスを……! いや、前に全員囲っちまえば良いっていったのはアタシだけどさぁ……まさかフェイトも欲しいのかい?」
「まぁ、フェイトのことも好きだからね」
「ふーん?」
「それじゃあ、アタシ達は撤退するけど……その、色々大丈夫なのかい? いまアンタは背中向けてるから分からないだろうけどあんたのところの白い子、すごい顔になってるよ」
アルフが若干顔を引きつらせながらそう言ってくる。
「うまくやって見せるさ」
「が、頑張るんだよ」
そういってアルフはフェイトを抱えて撤退した。次の瞬間何かが空気を切り裂く音が聞こえ、その場からクイックブーストで離れる。すると先ほどまで俺が居た場所をディバインバスターが飲み込む。
「くー君……私の話聞いてたよね?」
「あぁ、がっつり俺の事大好きって言ってたよな」
「へぇ……分かっててフェイトゃんにあんなことしたんだ……ふーん」
「俺はなのはもフェイトも……すずかもアリサのことも大好きだからな」
胸も苦しいし視界もぼやけたまま。平気なふりしても頭はガンガンと痛むし、手はまだ震えてうまく狙いをつけられない。こんな状態で連戦……しかも腕を上げているなのはが相手、これはもう、終わりかもしれないな。
「今度は途中で逃げたりしない。最後までだよ。……だからくー君、私の全力全開、受け止めて!」
「あぁ、来い! なのは!」
俺となのはは同時に空へと飛翔する。
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「あ、あら?」
「高町なのは! どうしてそうなる!? というか九朗もなぜ煽る! もう体は限界だろう!」
九朗の戦闘時間には限りがある。普段から体内のコジマ粒子の蓄積して行っているが、それでも蓄積量の上昇は穏やかだ。だが戦闘ともなればそうは行かない。
九朗はリンカーコアを持たない、つまり魔力を蓄積できない。そのせいで戦闘の度に九朗はコジマ生成器官をフルで動かさなければならなくてコジマ粒子の体内蓄積量は急激な上昇を始める。その上昇スピードが一定を超えると九朗の身体は限界を迎え血反吐を吐くことになる。
フェイト・テスタロッサとの戦闘は間違いなくそのラインを超える。そうなればその隙にフェイト・テスタロッサを取り逃がす可能性がある。それを防ぐために高町なのはを向かわせたというのに……。
「なぜか、高町なのはは九朗を狙って攻撃して! そのまま告白を始めたと思ったら、九朗はフェイト・テスタロッサにキスをして! ブチ切れた高町なのはと九朗が殺傷設定の魔法で戦闘開始! なんでこうなった!!??」
「く、クロノ君落ち着いて……」
「これが落ち着いてられるかエイミィ!」
なんなんだ一体、この第97管理外世界・地球の住人たちはみんなあんな風にイカれてるのか!? 僕は一先ず高町なのはを泊めようと通信機を手に取り声を掛ける。
「おい! 高町なのは! 今すぐ戦闘を停止しろ! 九朗の身体はとっくに限界だ!」
『……』
しかし通信にはまったく返事が帰ってきてない。画面に視線を戻せば九朗に背後を取られていた高町なのはがコブラ起動で九朗の背後に回っていくつものディバインシューターを撃ち込んでいた。
「これは……」
無視して返事をしていないとかじゃない……。
「クロノ君、ジャマー結界が残ってるから無効の状況は拾えるけどこっちからは何の情報も送れないよ!」
「クソ、だからか!」
フェイト・テスタロッサと使い魔も結界を解除してから撤退してくれれば良かったものを!
「なのはさんが出撃したのって九朗くんが血を吐く前よね……?」
「あ」
母さんの一言にブリッジ内の空気が固まる。九朗は高町なのはに自分の身体のことを話していない、そして高町なのはは九朗が血を吐いたことを知らない、そしてこちらからそのことを伝えることもできない。
「……本当に九朗が死ぬまで戦い続けることになるぞ! 艦長、出撃許可を! 武装隊も出します!」
「許可します! 手遅れになる前に二人を止めて」
「はい! スカーレット隊、リベンジだ! ブラウアー隊とホワイト・ディンゴ隊も出るぞ!」
艦内放送で待機中の部隊に出撃命令を出す。頼むから今度は一分以上は持ってくれよ……。
「僕も行くよ!」
「ユーノ?」
「僕もあの二人の関係者だ。それに、いざって時二人を押さえつけられる結界魔導師がいた方が良いだろ?」
「頼んだ!」
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「てぇえええええい!!」
「くっ!」
ディバインバスターをチャージしながらコンテナの残骸を掴んで急激にターンをする。普通だったらこんな猛スピードで止まってる物をつかむなんて腕や肩がちぎれちゃうの。それでも私は自慢の防御力と防護魔法に物を言わせて無理やりな急旋回を成立させる。そしてその旋回でくー君に対してレイジングハートを向けてそのままディバインバスターを放つ。
後ろから迫ってきていたくー君はやっぱり目がうまく見えていないみたいで私が今日旋回で後ろを向いたのに気が付けてない。ディバインバスターがほんの目の前まで迫って攻撃が来ていることが見えたみたいで得意の急加速で横に避けた。しかしあまりに急に避けたため立て直しに時間がかかり、私との間に距離ができる。
「今の内に最大加速で距離を取るよ!」
≪了解、マスター≫
くー君は強い、魔法と出会ったのは私と同じ日だったはずなのにくー君は最初から自由に空を飛んで、戦い方を知っていた。スピードも防御も固くて何より恐ろしいのが接近されたときの瞬間火力。一度接近されちゃったらこちらの防御と体力をあっという間に減少させてくる。私がくー君より勝っているものと言えば、防御力と遠距離攻撃の手数、それから一撃の威力……。
くー君は前に私に『自分の得意を押し付けろ』と言っていた。レイジングハートはスピードやパワーよりも重要なものは『知性と戦術』だと教えてくれた。真正面から戦わなくていい、クロノくんやユーノくんから教わった魔法と技術、あらゆる知恵と手段を使って私の得意を押し付ける戦術を作り上げるんだ!
「レイジングハート、設置状況は?」
≪現在72% 恐らく現在の九朗氏であれば十分成功圏内ではありますが、フルスペック時を想定するなら85%は超えたいです≫
「分かった!」
85%まで落とされないようにうまく立ち回らなきゃ!
「なにか、考え事か?」
「え! なっ、―――」
隣にくー君がいた。レイジングハートが接近警報を鳴らす暇もなく瞬時にくー君は私と並走飛行していた。くー君の目が見開かれ
「ツインスピアー!」
「ハァッ!」
一か八か、私の方から接近戦を仕掛ける。何度も何度もお父さんたちと練習した踏み込みからの抜刀。それに対してくー君は左手の武器からブレードを展開して対応しようとする。
やっぱりだ。くー君は左手のブレードを振るうとき必ず初手は《右から左への横切り払い》になる。いっつも見てきただからタイミングは分かるの!
「そこっ!」
「は、パリィ!?」
くー君の左腕が右から動き始めた瞬間、武器というより左ひじを狙う感覚で槍を振るい、くー君の左腕全体の動きを乱して弾く。攻撃が弾かれたくー君は体勢を崩し大きな隙を晒す。
≪今です、マスター!
「やぁあああああ! 御神流 雷徹!」
「げほっお!?」
槍だと手加減ができないからレイジングハートを持っていない方の手でお父さんたちから習った技を放ってくー君を吹き飛ばす。くー君は港の地面をゴロゴロと転がりやがて港に泊まっていたタンカーに激突して船内に突っ込んでいき姿が見えなくなる。
≪マスター今の仕込みで85%を超えました≫
攻撃でくー君を吹き飛ばすことにも仕掛けも成功した。あとはタイミングを見計らうだけ……。
≪魔力弾接近!≫
「キャッ!?」
私が息を整えていると突如としてタンカーが爆発、爆発の炎の中から三発一組になった魔力弾がいくつも飛んでくる。プロテクションで身を守るが、威力が高く数発しか耐えれなかった。私は爆発に巻き込まれ地面に叩きつけられる。
「い、今のは……確か」
≪CP-49、九朗氏が三連ロケと呼称する彼の武装の中で最も高威力の物です≫
「本気で来るってことだよね……」
≪その通りかと≫
私は立ち上がりながらレイジングハートと話す。
「じゃあ、例のアレ、起動してレイジングハート」
≪了解マスター、ストリング・バインド起動≫
私はレイジングハートの魔法発動の声を聞きながらディバインシューターを準備する。
「一撃入れて、敵の姿が見えなくなったら、そういうときは身を隠すんだ。じゃないとそうやって奇襲を受ける」
燃えるタンカーの中からくー君がふわりと浮き上がって私の方を見下ろしてくる。
「でも、本当に本当に強くなったな、なのは」
「くー君のことばかり考えてるのはフェイトちゃんだけじゃないの」
「あぁ、そうだな。思い知ったよ」
「まだなの」
「ん? 次は一体なにをしてくれるんだ?」
私の言葉にくー君は笑いながら問いかける。変わってる。やっぱりくー君の笑顔は変わった。けど、こうやって相手してみたから分かった。全部は変わってない。確かに大部分は私の知らない笑顔だけど奥底にあるのはあの日と変わらない笑顔。
多分だけどくー君は……くー君の中では
だから……だとしたら、まだ足りない。私の奥の手を、私の
「ディバインシューター……アクセル!」
5つの魔力弾が高速でくー君に向かって飛んでいく。くー君はそれをクイックブーストですいすいと避けていく。でもそれでいい、当てなくていい。私は魔力弾の制御に集中してくー君をより動き回るように誘導していく。
そしてついにその時はやってきた。
「そこっ!」
くー君が魔力弾の間を見つけ一気に加速私の方へと接近してくる。大丈夫、想定通り、落ち着いて、落ち着いて……。私は接近してくるくー君に向けてレイジングハートを構えて静止していた。そろそろ、そろそろ効果が出るはず!
「ぐがっ!?」
「成功した!」
私に差待っていたくー君の身体が突如として空中で硬直する。くー君は突然の出来事に驚きの表情をして体を動かそうと藻掻いている。
「これは……何が?」
「ストリングバインド、私が新しく編み出した魔法だよくー君」
「
くー君は私の言葉からどんな魔法かさっせたのか自分の身体に目を凝らす。そして私が張っていた罠に気が付いたみたい。
ストリングバインド。それはお父さんたちが使う御神流が2口の太刀・棒手裏剣・ワイヤー・体術を使うことから発想を得て作り出した魔法。目を凝らさないと見えないほどの微細なバインドを展開する設置型魔法。一本一本のバインドは細いから相手を止めるのにいくつも設置して、なおかつ相手が糸の間を飛び回って絡まってくれる必要があるけど、視界が悪くてなおかつ高速で飛び回るくー君相手にはうってつけの魔法。
くー君との戦闘が始まってから戦いながら各地に仕込んでいたのがようやく実を結んだの!
「まるで蜘蛛の巣だな……」
「うん、そうかもね。 もう、逃がさないよくー君。受けてみて! ディバインバスターのバリエーション!」
≪Starlight Breaker≫
今までの戦闘で空中に散った私とくー君の魔力すべてを収束して、私の元に集める!
「あ、あぁぁっ! クソ、外れない! プライマルアーマー最大出力!」
何枚防御を重ねようと無駄なの!
「これが私の全力全開! スターライト……ブレイカー!!!」
レイジングハートから極大の砲撃魔法が放たれてくー君の姿が光に飲み込まれる。
轟音と光が収まったころ、くー君は先ほどまで飛んでいた場所の真下にうつ伏せで倒れていた。デバイスは両手から離れ、バリアジャケットもボロボロだ。私が近づくとくー君は寝返りをうって仰向けになった。
「どう、くー君。最後のは非殺傷設定だったけど私の気持ち、理解できた?」
「あぁ、骨身にしみたよ……まったく……いつのまにこんなに強く……」
「私やっぱり、くー君が好き。くー君と一緒に居たい。だから私まだまだ強くなるよ」
私は座り込んでくー君の頭を膝枕してあげる。
「そ、それでどうかな、くー君?」
「どう、とは?」
もう! どうしてこういうときは鈍くなるの!
「私は結構何回も自分の気持ち喋っちゃったんだけど良かったらくー君からも私についてどう思ってるのか聞きたいなぁーって……」
「勿論俺もなのはのことがす――んぶッ、こ゛ふ゛っ―――ゲボッェ……ヒューヒュー……」
「え?」
急にくー君が口元を押さえたと思ったら次の瞬間指の隙間から血が噴き出てきて……違う、口だけじゃない目と耳からも……なに、なにが起きてるの!? 非殺傷設定が切れてた!? いや、そしたらそもそもくー君は跡形もなく消えてるはずだし……。
「く、くー君、どうしたの? だ、大丈夫? まって、今アースラのみんなに連絡するから……あれ?」
通信が繋がらない……。嘘、まってどうしたら、どうすれば……!
「ゲッ、オ゛ぇ゛!」
「だ、ダメ! くー君、それ以上血を吐いたら死んじゃう! 止まって、止まってよ! レイジングハート、どうすれば良いの!」
≪落ち着いてくださいマスター≫
「落ち着いなんか居られな――――「クソ、遅かったか!」――クロノ、くん、ユーノくん……」
私がどうすれば良いのか分からずにただくー君を抱きしめることしかできずにいるとクロノ君とユーノくん、それから武装隊の人たちが結界内にやってきていた。
「なのは! 今から九朗に治癒魔法をかけるから! 急いでアースラまで九朗を運んで! アースラまでは絶対に持たせる!」
ユーノくんがフェレットの姿になって私の肩に乗り、そこからくー君に治癒魔法をかける。
「今動ける面子の中で最高速度なら間違いなく君が最速だ。九朗を死なせたくないんだろ、行け!」
クロノ君の叱咤を受けて私はくー君を抱えてアースラまで飛んだの。そしてそこでようやく私はくー君が秘密にしていたことを知ることになったの。
・ここたまニアミス。本気のここたまはもう少し先なんですよねぇ……。
・なのは主任
・なのはと九朗の常識外れっぷりに混乱するフェイトちゃん。そのままファーストキスも奪われ、脳がオーバーヒート。ファーストキスは血の味でした。
・なのはが全力全開って言う度なぜかめにしゅき♡が脳内で流れてた。CV田村ゆかりのウマ娘来ないかなぁ……。
・クロノ君、現地地球人の常識を疑い始める。
・アースラの所属部隊は全て元ネタアリ。
・ストリングバインド、オリジナル魔法。今回は使わなかったけど御神流は元々ワイヤーなども使う暗殺術なのでそっち方面でも使える。
・なのはさんの張った蜘蛛の巣に絡めとられる九朗くん
・そして伝統のバインド拘束からのスターライトブレイカー。本作ではフェイトちゃんよりも先に九朗くんが味わうことに。
・二話連続で主人公が血を吐いて終わるとは……。でもなのはちゃんのバリアジャケットって赤く染めても似合うと思うんですよ!
一応両方やるつもりだけどどっちが先読みたいですか?
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