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なのはが一時帰宅して、アルフから色々な話を聞いた次の日。俺、なのは、ユーノ、アルフの4人は海鳴臨海公園一帯に張られた結界内に来ていた。
「随分、強固な結界張ったなぁ……」
『上空まで伸ばした二重結界に戦闘訓練用のレイヤー構造物! 誰にも見つからないし、どんだけ壊しても大丈夫だよー!』
俺の呟きにエイミィさんが通信でそう答えてくれる。
「なのは、調子は?」
「うん、バッチリ。魔法も体の調子も良いよ。私としてはくー君の方が心配なんだけど……」
「んぁ?」
『それに関しては僕も同意見だ。フェイト・テスタロッサに無事なことを伝えるだけなら、通信でも良かっただろう。態々直に合わなくても……』
『しかも生命維持装置を外して車椅子も杖も突かずに歩くなんて……医務室のスタッフが仰天してたわ……』
なのはの調子を聞いたはずがいつの間にか俺の話になっていた。リンディ艦長は頭痛でもするのか頭に手を当てて上を見上げていた。にしても……。
「クロノ執務官は分かってないなぁ」
『何がだ』
「女の子に『無事だ』って伝えるのに車椅子だったり杖ついてたらカッコが付かないだろ?」
『カッコつけで命を危険に晒さないで欲しいものだ』
「命の危険って。そもそも俺は戦うわけじゃないし、アルフのユーノもいるから倒れても大丈夫だろ」
「え? そこでアタシに振るのかい?」
「アルフさんが治療魔法かけながら僕がアースラに転送させればいいのかな?」
「うん、いざとなったら頼んだ」
俺が後ろを並んで歩いていたアルフとユーノに目を向けてそう言えばアルフは驚いてユーノは具体的な対応を対案してきた。
「アンタが死んだらフェイトも悲しむし協力するけどさぁ……」
「大丈夫、九朗は絶対僕が死なせないから」
アルフはポリポリと頭を掻きながら協力を約束してくれたし、ユーノは妙に気合入ってるし……。なんでも自分が魔法の世界へ足を踏み入れさせたから俺の寿命が縮まったことをかなり気にしているらしい。別にそんなん気にしないでもいいのにな。
ふと、風向きが変わった。それだけなのに結界内の空気が変わったような気がする。それを全員が理解したらしく気を引き締まる。
「そろそろ、かな? 出てきて、フェイトちゃん」
なのはがそう言うと、どこからともなく姿を現したフェイトがガゼボの上にふわりと降り立つ。……相変わらず高い所好きだなぁおい! アルフがちょっと変な風になったって言ってて心配したけど変わりなさそうで何より。
「フェイト! もうやめようよ! これ以上あの女の言いなりになってたら……このまんまじゃ不幸になるばっかりじゃないか! だからフェイト!」
「……ううん」
≪サイズフォー……sir、追跡対象を発見しました≫
ん?
「え?」
アルフの言葉に目を瞑り黙って首を振っていたフェイト。そんなフェイトの意志に同調してバルディッシュがサイズフォームに変形しようとしていた途中、それを中断してフェイトに報告をした。
え、えぇ……バルディッシュってあんな感じの声色も出せるんだ。いや、いつもと変わらない渋くてカッコいい声なんだけどなんか投げやりな感じと呆れが混じったような声色だったけど?
バルディッシュの報告を受けたフェイトは目を見開き俺の方を見る。あ、目があった。
「やっほ」
「……九朗!」
≪ブリッツアクション≫
え、ブリッツアクションで加速して抱き着いてくるのはさすがにマズッ―――
「ハイプロテクション」
「ヴぐっ」
「え、えぐ……」
すぐにフェイトと俺の間にユーノがハイプロテクションを発動させ魔力の障壁を作り出しブリッツアクションで突っこんできていたフェイトはハイプロテクションと正面衝突することになった。ゆ、ユーノ? せめてちょっとクッション性の障壁とかでもう少し優しく止めてあげるとかはできなかったの? できない? あ、そっかぁ……。
「悪いけどその速度で九朗に突っ込むのは許可できない。今の彼は君に良い所見せたくて頑張って立ってるけど結構ギリギリなんだ」
「……ユーノ、それ言ったら意味ないだろう」
「こうでも言わないとまた彼女は突っ込んできそうだからね」
「――っう……」
「あーあー、ぶつけたところ赤くなっちゃって……大丈夫かフェイト?」
「う、うん……大丈夫」
プロテクションが解けた後尻もちを付いていたフェイトに向かって手を差し伸べて立ち上がらせる。
「私よりも九朗は大丈夫だったの?」
「なんとか生きてるよ」
「そう、良かった。私あの時気絶しちゃったけどそれからずっと心配で……。あの後、前にあった公園にも通ったんだけどあなたは来なかったし、七つのジュエルシードを強制発動させた時だって戦うのが大好きな九朗なら絶対来ると思ってたのに姿を現さなかったし、そっちの白い子は落ち込んだ顔してるし。私、本当に九朗が死んじゃったんじゃないかって……」
「まって!? あの海のジュエルシードをまとめて強制発動させたのは九朗を誘き出すつもりで!?」
フェイトの発言にユーノが思わず突っ込む。
「そうだよ? あんなに強いジュエルシードの暴走態、絶対九郎なら喜んで戦いに来ると思ってたの。じゃなきゃ7つ同時発動なんて無茶せずに一個ずつ発動させてた」
「……な? ちょっと変になっただろ? これも全部どっかの誰かのせいなんだよ」
フェイトの発言にアルフは俺の方を見ながらそう言ってくる。……いや、これ俺のせいかなぁ? 俺のせいかぁ?
「フェイトちゃん……」
「あなたは……高町なのは」
「うん」
ついになのはがフェイトに話しかけて―――あれ?
「まずはちょっとくー君から離れてほしいの」
「あ」
俺とフェイトの手を外して間に入ってくるなのは。
「今日はフェイトちゃんと決着をつけに来たの」
「決着」
なのはの雰囲気にフェイトの顔も真剣なものになる。
「そう、フェイトちゃんは立ち止れないし、私はフェイトちゃんを止めたい。フェイトちゃんを助けたいとか、友達になりたいとか、それはそれとしてくー君と近すぎない? とか思ってることはたくさんあるけどまずはジュエルシードの問題を片づけないと私もフェイトちゃんも先には進めない」
≪Put out.≫
≪Put out.≫
なのはとフェイトが互いのデバイスからすべてのジュエルシードを出して見せあう。
「だから、賭けよう。お互いが持ってるジュエルシード全部を。それからだよ、全部それから。私たちのすべてはまだ始まってもない。……互いが持つジュエルシードを全てをかけた真剣勝負! 受けてくれるよね、フェイトちゃん!」
なのはがレイジングハートをビシリ、とフェイトに向ける。にしても賭けかぁ……瑛斗がいてくれればなぁ、胴元として一枚かませて貰うんだが……。
「足りない」
「え?」
「まだ賭ける物が私もあなたも足りない」
「……私は何を賭ければいいの? そしてフェイトちゃんは何を賭けてくれるの?」
まさかのレイズか、フェイトは一体何を賭けるつもりなんだ?
「私が賭けるのはジュエルシードを集める目的、そして私の本拠地の空間座標」
「フェイト!?」
フェイトの発言にアルフが驚く。確か本拠地ってアレだよな? アルフの話に出てきた『時の庭園』だっけ? 詳しい座標はフェイトとフェイトの母親であるプレシアしか知らないっていう……。
「そしてあなたたちが賭けるのは―――九朗の身柄」
「は?」
おっとまさかの俺か。そしてなのはがまた切れそうだな。
「フェイトちゃん何を言ってるの?」
「私、九朗のことをもっと知りたい、もっと一緒にいたいの。異性を好きになるってまだよくわからないけど九朗はジュエルシードもくれたし、む、胸も触ってきた」
「は?」
え? ジュエルシードは分かるけど……俺いつ触った? あとなのは、頼むからその目でこっち見てくるな。というかアルフもユーノも……通信越しにクロノ執務官やリンディ艦長までそんな目で見るな、頼むから。
「消えない傷もつけられたし、ファーストキスもした。これって九朗は私のことが好きってことだよね?」
「確かに好きではあるが……」
「ほら!」
「……」
「私も九朗のこと嫌いじゃないから……家族になるの。ジュエルシードを手に入れて私と九朗、アルフに母さん、みんなで一緒に庭園で笑って過ごすの。家族は一緒に居るべき、でしょ? だから九朗を頂戴?」
んー……恋人すっ飛ばして家族とは……家族への親愛と異性への恋愛の区別がついてない感じがする。
「な?」
「ん」
アルフが肘で俺の肩を叩いてくる。確かにこれはちょっと変になってる。というか途中からなのはが黙りだしたけど……大丈夫か?
「おい、なのは? 大丈―――「もーう、我慢できないの!」――あ、やべ、キレた」
いつ戦いが始まってもおかしくなくなったので俺はアルフとユーノに手助けしてもらってフェイトとなのは~距離を急いでとる。
「さっきから聞いていれば何なの!? あれも欲しい、これも欲しいって欲張りさんかと思ったら急に自慢してきて! 私もくー君のファーストキス欲しかった! 後から私がチューしても私はファーストキスでもくー君は違うんだよ!? お互いのファーストキスなんて特別を奪っておいてまだ欲しがるの!? しかも私やアリサちゃん、すずかちゃんがどれだけ好意を伝えても伝わってるのか、伝わってないのか分からいな態度ではぐらかすくー君からのチューだよ! それがどれだけ素敵なことか分からないの!?」
遠くに居ても聞こえるほどの大音量のなのはの絶叫。……ファーストキスねぇ。
「これさ、俺は別にフェイトにしたときがファーストキスじゃないって言ったらどうなると思う?」
その絶叫を聞いて何となく思ったことを口に出してみたら隣にいたアルフとユーノが物凄い表情でこちらを向いた。
「絶対、ぜっっっったい今はそれなのは達に伝えないでね九朗。流石に僕も守り切れる自信がなくなる」
「あー、アタシからもフェイトが悲しんじまうから黙っといてほしいねぇ……」
「おけ、黙っとく」
ユーノが肩を掴んでまで止めてきた。そっか、そうだよな、大分ヤバいよな。
「もう、それで良い! ジュエルシードもくー君も賭けてあげる! だけど私、絶対負けないから!」
「負けられないのは私も同じ。あなたに勝ってジュエルシードを手に入れる。そして母さんに九朗の病気も直してもらってみんなで笑って家族になるんだ!」
合図は必要なかった。互いに同時に空へと飛びあがり、自分に有利なポジションをとるために空中でドッグファイトを繰り返す。
「背後を取ったのは……フェイトか」
「よしっ! って違う! この場合なのはに勝って貰わないと……でもフェイトを応援しないなんて……!」
「複雑なんだね……」
やはり最高速度はなのはが有利だが機動性はフェイトの方が上だな。旋回半径なんて倍ぐらい差がないか?
「とはいえ、なのはもうまく飛ぶじゃないか……」
「クロノによく特訓されていたからね。前まで見たいに簡単にはやられないよ」
フェイトがなのはの背に向かって連続でフォトンランサーを放つ。それらをなのははピッチアップとディバインシューターを迎撃に使うことでうまくしのいでいる。
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フェイトちゃんの攻撃をギリギリでかわしながら上昇していく。
「―――ここッ!」
地面と体が垂直になって十分な高度に到達すると同時に一気にスピードを落としてそのまま宙返り、頭を海面に向けた状態で再び一気に加速。後ろから私を追ってきていたフェイトちゃんに正面から飛び掛かる。
「ツインスピアー!」
「――っ! 太陽で見づらい! バルディッシュ!」
≪アークセイバー≫
私の攻撃は防がれたけど、それでいい。もとより当てるつもりもなかった。上空から重力と加速の二つを利用して武器を叩きつけた私と、迎撃のため、立ち止まりったフェイトちゃんの攻撃じゃ込められた勢いと衝撃が桁違い。私の攻撃を受け止めたフェイトちゃんは大きく後退、この場合は落下することになった。
「こんどはこっちの番!」
勢いを止めて落下を防ごうとしているフェイトちゃんに私は上空からディバインシューターとショートバスターを狙い撃つ。
「……」
≪ブリッツアクション≫
避けられた。でも今度はこっちが後ろを追う番。焦らず当てられる好きを伺って一発ずつ確実に当てていくの。
「レイジングハート、フェイトちゃんを構造物のある方に誘導するからストリング・バインドの準備をお願い」
≪了解、マスター≫
私はディバインシューターとショートバスターでフェイトちゃんを構造物の多い方に誘導していく。この前くー君にやったのと同じ、機動力が高い相手への私の対処方!
「これでっ!」
「キャッ!?」
フェイトちゃんを追っているとフェイトちゃんがビルの側面をバルディッシュで破壊して後ろを飛んでる私にその瓦礫が当たるようにしてきた。スピードを出していて小回りも効かない私は回避することはできず、プロテクションを展開しながら瓦礫に衝突する。
「いてて……。あ! フェイトちゃんは!?」
瓦礫に衝突してフェイトちゃんを見失った私は急いであたりを探そうとする。
―――ガキンっ!―――
「え?」
気が付くと瓦礫ごと私を金色の輪が拘束する。
「これは、バインド!」
「―――――アルカス・クルタス・エイギアス……疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル――」
フェイトちゃんの声が聞こえてきてハッと空を見上げる。そこにはバルディッシュを掲げて、大きな魔法陣を展開しているフェイトちゃんがいた。
≪ファランクスシフト≫
幾つもの雷球がフェイトさゃんの周りに展開される。
「フェイト……ッ!」
「設置型のバインドにあれは……!」
「いいなぁ、アレ。俺も戦いたい……」
アルフさんやユーノ君、そしてくー君の声が聞こえる。
「なのは! いま、サポートを――――」
「だめーーーーーーーっ!」
それだけはダメ! こっちに飛んで来ようとしてきたユーノ君を大声で止める。
「アルフさんもユーノくんも……手を出さないで! 全力全開の一騎打ちだから、私とフェイトちゃんの真剣勝負だから!」
「でも! フェイトのそれはホントに不味いんだよ!」
「良いんだよねアルフ。平気なんだよな、なのは? 信じてるからな」
く―君がそう言ってくれた。信じてるって言ってくれた! ふふふ、負けないもん!
「レイジングハート、ストリング解除。一か所に巻き取って待機させて」
≪了解≫
「フォトンランサー・ファランクスシフト……撃ち砕け、ファイア!」
「正念場だよ、レイジングハート!」
≪やってやりましょう≫
幾つもの魔力弾が私に向かって放たれる。それを自慢の防御力で耐えて見せる!
「スパーク……! エンドッッ!」
「なのはっ!」
「フェイト……ッ!」
「……」
「今度は、こっちの番だよ。フェイトちゃん!」
「―――ッ!? ……嘘」
凄い攻撃だった。バリアジャケットはボロボロになっちゃってく―君見てると考えるとちょっと恥ずかしいし、なにより体力も魔力も結構ギリギリかも……。それでせもフェイトちゃんの猛攻をしのぎ切った私はレイジングハートを向けてそう宣言する。
≪行けますか、マスター?≫
「もちろん。やろう、レイジングハート!」
「う、ぅぅ……あぁぁぁっっ!」
絶叫しながらこちらに切りかかってくるフェイトちゃんを待機させていたバインドで背後から拘束する。
「バインド……! いつの間にっ!」
「ディバイン……バスター!」
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「ディバイン……バスター!」
なんて魔力量! もうバインドを解除する時間もない、直撃する……! でも、でも!
「諦めない……!」
≪ディフェンサー≫
耐えきる! 耐えきって見せる……! あの子だってもう限界のはず……これを耐えきれば勝てる! ジュエルシードも! 母さんの笑顔も! 九朗も! 全部手に入れる!
「負けない、負けたくない! う、あああああああぁぁぁ!」
私はディフェンサーで必死に魔力砲を受け止める。バリアジャケットが突き出している腕の方から裂けていき、残り少ない魔力が削られる。それでもあきらめない! 吹き飛ばされそうになる腕を、体を意地と気力で持たせる。
そして私は桃色の魔力の奔流を耐えきった。
「は、はは……やった……。これで―――え?」
私は周囲の魔力が立ち上りあの子のいた方に集まっていくのに気が付いた。まさか……!
「そうだよね、くー君あんなに夢中になるぐらいだもん。これくらいじゃ倒れないって知ってたよ。だからフェイトちゃん、これも受けてみて! ディバインバスターのバリエーション! 私の全力全開!!」
空に浮かぶ巨大な桃色の魔法陣、杖の先に集まり鮮烈に輝く魔力。収束砲撃魔法……この規模の物を!?
「やらせない……ッ」
これ以上、砲撃を防御することなんてできない。なら、撃たせる前に落とす! 全神経と魔力をバインドの破壊に集中させる。
「スターライト……」
間に合え、間に合え、間に合えッ! 頭が痛い、胸が苦しい。それでも負けたくない。
「ブレイカーァァァアアア!」
バインドの拘束が解けたのは砲撃が発射されたのとほぼ同じだった。桃色の奔流を避けている時間も魔力も残ってない。
なら、最速であの光の中を抜けてあの子に一撃を叩き込めば良い! 私はバルディッシュをサイズフォームにして自分から光の中に飛び込んだ。ただでさえ破けていたバリアジャケットがそらにビリビリに破けていく。頭にガンガンと叩かれるような痛みと全身に焼かれるような熱を感じながらも私は九朗の飛び方を思い出す。
あの異様な急加速と突破力の方法を以前彼は翠屋という喫茶店で少しだけ話してくれた。
『あ? クイックブーストのやり方? あー、なんて説明するかなぁ……。高速移動の為の魔力を吐き出す手前ギリギリでため込んで一瞬保持そのあと、さらに魔力を圧縮して押し出す感じ? ってこれだと二段クイックブーストの説明だよな……。え、普通のクイックブーストってどうやって発動してるんだ俺? 完全に感覚だし……えー?』
魔力を一瞬ため込んで保持……圧縮して、解放!
≪ブリッツブースト≫
私の身体は今まで私が経験したことのない領域にまで一気に加速した。私の身体は桃色の光の流れを逆流する一本の金色の光となり一気にあの子の元まで到達して見せた。
「なっ!?」
「あれって九朗の!」
勝った。私はそう確信してバルディッシュを振り下ろそうとした。
「そう来ると思ってたの。だから私の勝ち。―――御神流 徹」
そう言った彼女の手は私のお腹に当てられていて次の瞬間とてつもない衝撃が私の身体を突き抜ける。
「な、――接近、戦……いつのまに、こんな……」
スピードに任せた槍の突進しかできないと思ってたのに……いつの間にかこんな技術を……!
あぁ、ごめんなさい母さん。ごめんね、九朗―――。
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「フェイトッ!!」
「最後の最後まで御神流の技を隠し通してたなのはの勝ちだな」
「そっか、フェイトの前だと単純な突撃しかなのはは使ってなかったから!」
海中に落ちていったフェイトを見てアルフが叫ぶ横で俺とユーノはなのはの勝利を分析していた。さて、なのはが勝ったということはそろそろか?
「落ち着けアルフ。ほら、フェイトはなのはが助けに向かった」
「あ、あぁ良かった……」
アルフを落ち着かせながら俺はバリアジャケットを身に纏う。
「ちょ、九朗なんでバリアジャケットを展開してるのさ! だめだよ、今は少しでも魔法を使わないで安静にしないと!」
「悪いなユーノ、ちょっとだけ勘弁してくれ」
エイミィさんから見せてもらった俺が倒れている間判明した情報を集めた資料。フェイトが7つのジュエルシードを強制発動させた時の戦闘映像の最後。ジュエルシードを前になのはと語らうフェイトに向けてプレシア・テスタロッサは電撃を放ち、
「俺の予測だときっとプレシアはフェイトのことを―――」
「九朗!」
「どうしたんだい!?」
俺はアルフとユーノを置いていきオーバードブーストとクイックブーストで一気に二人の元へと急ぐ。
……チッ、もう胸が痛み始めやがった。
『九朗くん何をしてるの! 下がって、次元跳躍攻撃が来るわ! ジュエルシードはなのはちゃんに任せて――』
「違う!
空が雷鳴と黒雲に包まれてなのはとフェイトが呆然と空を見上げている。なんでフェイトはボーッとして――あぁそっか魔力ほとんど使い果たしたのかクソ!
「フェイト!!」
「え、九朗―――キャっ!?」
「なのは、頼んだ!」
俺はフェイトをなのはの方へと押し飛ばす。その瞬間、俺の視界は紫の雷で覆われ、次にやってきた激痛で意識を手放した。
以下おまけ 流行りに乗って各ルートの九朗くんに『儚いだろ』って言わせてみた。ヒロイン3人娘と各ルートのキーパーソンに来てもらってます。
Stsルート 九朗となのは、フェイト、はやて、ヴィヴィオ
「どう見たって儚いだろ? 管理局の闇に触れてそうだろ?」
「「「「……」」」」
「現代の聖王とか持て囃されて何億人も殺して罪悪感で明日には自殺して会えなさそうだろ?」
ヒロインズとヴイヴィオが九朗をそっと抱きしめる。
「くー君……ちょっと疲れちゃった?」
「……うん」
「そしたら久々にみんなでお昼寝しよ? パパは真ん中ね!」
「……あぁ、ごめんな」
EXCEEDSルート 九朗となのは、フェイト、はやて、シイナ
「どう見たって儚い―――「儚くないの」「儚くはないかなぁ」「儚くないわぁ」「儚くはないね」――」
「……今にも消えそうだろ?」
「クイックブースト使った?」
「使ったと思うなぁ」
「使ったんやろ」
「ものすっごい早いからなぁ……まさに消えたって感じ!」
「……明日にはもう会えなさそうだろ!」
「また無断出撃したのくー君先輩?」
「しかも今日から明日にかけての徹夜出撃や」
「もう、九朗はしょうがないんだから」
「フェイトちゃん笑うところじゃないの」
・九朗くん、フェイトに無事だって伝えるためだけに一切の医療器具を外して登場。
・ユーノくんは九朗の寿命に関して責任感を感じちゃってるので超真面目モード。治療法が見つかるまではマジで守り切るつもりだった。ユーノちゃんだったら監禁とかされてた。
・フェイトの腕ならジュエルシードを一個ずつ発動させることも出来そうだなと思ったので本作では九朗を誘き出すために無茶して7つ同時発動させたことに。
・本人の意思関係なく賭けの対象になる九朗くん。
・九朗くんと家族になりたいフェイトちゃん。目標は家族みんなで再びのピクニック。若干プレシアの血が騒いでる。
・アルフ、ユーノ、九朗くんのファーストキス相手と言う特大の爆弾の存在を知る。
・ファランクスシフトに目を輝かせる九朗くん。彼の脳内にはバルテウスが……。
・『ブリッツブースト』ブリッツアクション以上クイックブースト未満の代物。しかしこの時の経験がのちに行かされることに……。
・なのはの近接能力を自衛程度だと思っていたフェイト。
・九朗くん、フェイトを庇い次元跳躍攻撃を受ける。というか原作のここはなんで誰も『またプレシアがフェイトを傷つけながらジュエルシードを狙ってくる』って予測していなかったのか……。と思ったので九朗くんに頑張ってもらいました。
・既に血反吐を吐いた九朗くんを見たなのはとフェイト、今度は雷に貫かれる九朗くんを見る羽目に。
おまけ
Stsルートは痛ましくなってEXCEEDSルートはただの悪ガキと化す
一応両方やるつもりだけどどっちが先読みたいですか?
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Stsルート
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EXCEEDSルート