『『Devil May Cry』』
前回、ダンテは単独でラマニアンホロウへ侵入し、長時間にわたるエーテリアスとの戦闘を続けていた。
ホロウという特殊な環境も重なり、さすがのダンテにも疲労が蓄積していた。
そこを狙った讃頌会によって包囲され、捕縛されかけた――その時。
福福、潘、そしてアキラが駆けつけた。
三人によって窮地を救われたダンテだったが、問題はその後だった。
「……さて」
福福が笑顔を浮かべる。
「お弟子ちゃん?」
「……なんだ?」
「どうして一人でホロウに入ったんですか?」
「…………」
「どうして誰にも相談しなかったんですか?」
「…………」
「危ないって分かってましたよね?」
「…………」
笑っている。
確かに福福は笑っている。
だが――目が笑っていない。
その隣ではアキラも腕を組み、潘も呆れたような顔でダンテを見つめている。
「いや、その……」
「はい?」
「……一人で片付けたほうが早いかと思っただけだ」
「ほう」
福福の笑顔が深くなる。
「そうですかぁ」
「…………」
ダンテは思った。
悪魔を相手にした時ですら、ここまで背筋が冷たくなることはなかった。
特に福福。
普段は愛嬌のある少女だというのに、今だけは完全に虎だった。
「……本当に虎の目をしてるな」
思わずダンテが呟く。
「何か言いました?」
「いや、何も」
ダンテは素直に目を逸らした。
結局、説教は帰ってからということで一旦お預けとなった。
そして四人は、再びホロウの奥へと進んでいく。
「それにしても……」
潘が周囲を見回す。
「ここまで来ても讃頌会の連中の物資が残ってるな」
「じゃあ、壊しておきましょう!」
福福が拳を構える。
「おいおい、派手にやるなよ」
ダンテがそう言った直後だった。
「ギィィィィッ!」
物資の陰からエーテリアスが飛び出してくる。
「おっ、来たか!」
ダンテがリベリオンへ手を伸ばした。
だが――。
「ダンテさん?」
「……」
福福が振り返る。
その目は、先ほどと同じだった。
「…………つい癖でな」
ダンテは静かに剣から手を離した。
「うん、よろしい!」
福福は満足そうに頷く。
「じゃあ、潘さん!」
「おう!」
二人が同時に飛び出した。
「せいやぁっ!」
福福のメリケンから鋭い鉤爪が飛び出し、エーテリアスを切り裂く。
「こっちは任せろ!」
潘は軽快に踏み込み、拳を叩き込む。
「どりゃあっ!」
ドンッ!
エーテリアスが吹き飛ぶ。
「もう一匹!」
福福が跳躍し、空中で身体を捻る。
そのまま鉤爪を振り抜き、敵のコアを正確に切り裂いた。
「よしっ!」
あっという間に敵は沈黙した。
その様子を少し離れたところから見ていたダンテは、苦笑する。
四人はさらにホロウの奥へ進んでいく。
そして――。
開けた空間へ出たところで、一人の男が立っていた。
「驚きだな……君たちがここまで辿り着くなんて」
ロアだった。
「ちょうどいい……雲嶽山の皆さんにも、我々の偉業を見届けてもらおうと思っていたところなんだ!」
ロアは両手を広げる。
「共に、始まりの主がくださるお言葉を傾聴しようじゃないか!」
「なーにが偉業ですかっ!」
福福が怒鳴る。
「あなたはみんなを騙してただけなのに!」
「今すぐ、おとなしくお縄を頂戴してくださいっ!」
ロアは深くため息をついた。
「はあ……司教様の仰る通りだ」
「もう何年も経つというのに、君たち雲嶽山は一向に悔い改める気配がない……」
ロアの目が細くなる。
「忘れたとは言わせない」
「君たちが旧都陥落からかろうじて救い出し、衛非地区に住むこととなった難民たちのことを……」
「彼らはTOPSの下で日々労働を強いられつつ、かろうじて生き延びている」
「そこに人としての尊厳があるように見えるかい?」
「彼らの多くは『解悩水』の副作用を知ってなお、僕から買い求めることをやめなかった」
「そうまでして、美しい過去に浸っていたかったんだ」
ロアは福福たちを見据える。
「君たち雲嶽山が、一世代まるごと犠牲にした結果がこれだと知って……何か思うことは?」
「それだけの価値があったと?」
「よくもそんなことを……!」
福福が拳を握り締める。
「もうそのお口からでたらめは聞きたくありません!」
「そうやって意地を張らずにはいられないところも、雲嶽山のよくないところだ」
ロアが両手を広げる。
「始まりの主の、再創を受け入れるときだな!」
その瞬間。
周囲から大量のエーテリアスが姿を現した。
「ギィィィィッ!」
「よし、じゃあさっそく――」
ダンテが前へ出ようとする。
「お弟子ちゃん?」
「…………」
ダンテの足が止まった。
「......安静にするぜ」
福福は満足そうに頷く。
「うん、よろしい!」
「…………」
ダンテは心の中でため息をついた。
「まるで子供扱いだな……」
「福姐、右だ!」
潘が叫ぶ。
「任せてくださいっ!」
福福が一気に駆け出す。
迫ってきたエーテリアスの攻撃を紙一重でかわし、その懐へ潜り込む。
「せぇいっ!」
鉤爪が閃く。
「ギャッ!」
敵が怯んだところへ、潘の拳が叩き込まれる。
「どりゃあっ!」
さらに福福が追撃。
「これでおしまいですっ!」
二人の連携によってエーテリアスが次々と倒されていく。
ダンテは腕を組みながら、その様子を見守っていた。
「……やっぱり、あいつら強いな」
その頃。
ホロウ内に広がるミアズマが、徐々にその範囲を広げていた。
黒紫色の異質な物質が地面を覆い、壁を伝い、空間そのものを侵食していく。
ロアはゆっくりと後退していった。
そしてミアズマの端まで来ると、通信機を取り出す。
「司教様!」
ロアの声は狂熱に満ちていた。
「僕を見てくださっていますか!」
「頂いた使命は、すでに充分以上に果たしました!」
「恐れ多くも此度は、あなた様でさえ息をのむような儀式をお目にかけましょう!」
通信機から女性の声が返ってくる。
「ええ。司教様のお言葉を伝えるわ」
「『今こそ、あなたの献身を証明すべき時です』」
「……ああ」
ロアの身体が震える。
「たしかに聞きました!」
「そして理解しました……」
ロアは両手を広げた。
「今、その時が来たのだと!」
「メヴォラク司教!」
「どうか始まりの主ともどもご照覧あれ!」
「この僕の――再創を!」
「待て!」
ダンテが叫ぶ。
「何するつもりだ!」
しかし、遅かった。
ロアは懐から薬剤の入った注射器を取り出す。
「これこそが、僕に与えられた使命……!」
注射針を自らの腕へ突き刺した。
「始まりの主よ……!」
薬剤を一気に注入する。
「僕に、再創を……!」
次の瞬間。
ロアの身体から大量のエーテルが噴き出した。
「ぐ……ああああああああっ!」
ミアズマが炎のように跳ね上がる。
それはまるで生き物のようにロアの身体へまとわりつき、その姿を飲み込んでいく。
「うあああああああっ!」
悲鳴とも叫びともつかない声がホロウに響き渡る。
「始まりの主よ……僕に……再創を……!」
そして――。
ロアの姿は、完全にミアズマの中へ消えた。
静寂。
やがて、ミアズマがゆっくりと沈んでいく。
その場に残ったのは、異様なほど静かな空間だった。
「…………」
福福が息を呑む。
「ロア先生……」
ダンテはミアズマを睨みつける。
「……何をしやがった?」
しかし、答える者はいなかった。
――――
同時刻。
ホロウ内の別地点。
讃頌会の教徒が、通信機へ向かって報告していた。
「司教様。我々の集会所がひとつ、雲嶽山によって破壊されました」
「それに、悪魔の捕縛にも失敗しました」
だが、教徒に焦りはない。
「しかし、ご心配には及びません」
「儀式の準備はすでに整いました。計画への影響は皆無かと」
「司教様がいらっしゃれば、此度の儀式は必ずや成功をおさめるでしょう」
通信機の向こうから、静かな女性の声が返ってきた。
「ええ……そろそろ始めましょう」
「始まりの主の再創を通じてこそ、人々は心の安らぎを得られるのです」
「真の……安らぎを」
――――
適当観へ帰ってきた一行。
だが、帰ってくるなり――。
「さて」
儀玄が笑顔でダンテの肩を掴んだ。
「少し話がある」
「……ああ」
ダンテは嫌な予感を覚える。
そのまま儀玄に連れられ、二人は適当観の奥へと消えていった。
そして何事もなかったかのように福福は話し始める。
「び……びっくりましたね……」
「自分から、ミアズマに入っていっちゃうなんて……」
「それに、あの人が言ってた『司教様』って、いったい誰のことなんでしょう?」
「讃頌会にも、まだまだ真の黒幕がいるってことなんですかねぇ……」
「どうやら、状況を見るにそういうことのようだ」
アキラが答える。
「解悩水を売っていたのはロア先生だったけれど、どこを探しても肝心の製造する設備が見つからなかった」
「讃頌会の本当の拠点は、他の場所にある可能性が高い」
アキラは端末を確認する。
「とにかく……今はホロウに戻って、抗議デモのために集まった人たちを避難させよう」
「彼らが、讃頌会の儀式とやらの生贄にされてしまう前に!」
「最悪の場合、儀式に関わっている讃頌会のメンバーを、一度に全員排除することも考えないといけない」
「状況は一刻を争う。このまま僕が行って、状況を伝えてこよう」
「お弟子さん……」
福福が少し不安そうにアキラを見る。
「お師匠さまは、その……まだ回復したばかりですから、お手柔らかにお願いしますねっ……!」
「その割には、ダンテにキツイ説教をできるぐらいには元気だけどね」
アキラが苦笑する。
「あ」
福福が手を叩く。
「そうですね。あ、忘れるところでした!」
「あとであたしも、お弟子ちゃんに説教をしないとですね!」
「……」
アキラは苦笑いするしかなかった。
――――
一方、その頃。
適当観の奥。
ダンテは、儀玄から説教を受けていた。
「なぜ一人で行った?」
「……」
「なぜ誰にも相談しなかった?」
「……まあ、俺一人でも何とかなると思ってな」
「大馬鹿者め」
「…………」
ダンテは黙って説教を聞きながら、ふと昔のことを思い出していた。
子供の頃。
バージルが母親に怒られて、泣きべそをかいていたこと。
そして、自分も父親に怒られて、同じように泣いたこと。
そんなダンテを見て、儀玄は小さく息を吐いた。
やがて、説教がひと段落した頃だった。
アキラが二人のところへやってくる。
「師匠!」
アキラは儀玄の身体を気遣うように見る。
「本当に体はもう大丈夫かい?」
「外のことなら心配いらない。師匠にはとにかく休んでいてほしいんだ」
「必要ない」
儀玄は即答した。
「もうおおかた元通りだ。こうやって大馬鹿者に説教できるぐらいはな」
「…………」
ダンテは何も言わない。
儀玄はそんなダンテを横目に見る。
「アキラ、話を逸らそうとするな」
「外では一体何が起こっている?」
「……当ててみようか」
儀玄の表情が少しだけ険しくなる。
「讃頌会は依然として、衆生を欺かんとしているのだな?」
「師匠の言う通りだ……」
アキラは頷く。
「ホロウに入って讃頌会の拠点を一つ潰したけれど、まだ他のところにもメンバーがいる」
「ロア先生はミアズマに侵蝕されて、そのまま消えてしまった。とはいえ結局彼も、『司教』という別の人間に指示されての行動だったようだ」
「それに、もうすぐTOPSへの抗議集会が始まる」
「彼らはこれを機に、もっと人をホロウに集めるだろうし、そうなればたくさんの人が儀式で生贄に……」
「それだけか?」
儀玄が遮った。
「他にも何か言いたげな顔をしているぞ」
「アキラ、遠慮するな。言うべきことがあるなら、言ってくれ」
「……」
アキラは一瞬、言葉に詰まる。
そして――。
「さっき言った『司教』という人間は、僕たち雲嶽山のことを良く知っているようだった……」
「ロア先生に色々と吹き込んでいたんだ」
「雲嶽山は昔、みなを助けようと大勢犠牲を出したにもかかわらず、助け出された人たちはTOPSに搾取されて、人らしく生きられていないのが現状だと言われた……」
「みんなが『解悩水』の副作用を知ったうえで、幻覚を追い求める選択をしているのはそのせい……」
「だから儀式の邪魔をするな、同じ過ちを繰り返すだけだ、と……」
「……ゴホッ」
儀玄が僅かに咳き込む。
「気にしなくていい、師匠……」
アキラがすぐに言う。
「全ては気のふれた医者の戯言だ。最後は自分からミアズマに呑まれていったくらいだからな……まともな精神状態じゃなかったはずだ」
「そのくらいでいい……」
儀玄は静かに目を伏せる。
「あのとき、たいへんな犠牲を払った雲嶽山一門は、助け出した難民たちに落ち着ける場所を用意してやれなかった」
「いまの災いは、それに端を発していると言える……」
「ゆえに、あながち言いがかりというわけでもないのさ」
アキラは何も言えなかった。
儀玄はしばらく黙り込んだあと、ダンテを見る。
「アキラ」
「先代の宗主――儀降は、私の姉だったと話したな。まだ覚えているか?」
「もちろんだ。覚えているとも、師匠」
儀玄はゆっくりと目を閉じる。
「私と姉様はかつて、街をさまよう孤児だった」
「ゴミ箱を漁り、物乞いをして生き延びてきた」
「それでも、最も辛かった時でさえ、私達は互いを見捨てたりしなかった」
「二人でまともに生き延び、共に太陽のもとで世界を見ようと約束した……」
儀玄は、遠い昔を見つめるように語る。
「だが……彼女が雲嶽山の門をくぐってから、何もかもが変わった」
「すべては、『青溟剣』なるもののせいだ」
「『青溟剣』?」
アキラが聞き返す。
「『青溟剣』は、我が雲嶽山につたわる秘宝」
「短時間だけではあるが、使い手に凄まじい力をもたらし、その能力は虚狩りに匹敵するとも言われる」
「とりわけ優秀な使い手であれば、一時的にその限界を超越するようなこともできるのだ」
「この秘宝は我が雲嶽山を象徴するものであり、代々の宗主に受け継がれていく決まりとなっている」
「す、すごい……」
「だが、雲嶽山の術法は、力が大きいほど代償も大きいんだろう?」
ダンテが言った。
「ということは、つまり……」
「覚えがいいな」
儀玄が僅かに笑う。
「その通り。『青溟剣』の代償は生半可なものではない」
「濫用すれば、使い手の記憶や五感を消耗させ……果てにはその命までも奪う」
「現に私の師も、やむを得ない任務からこれを過度に振るい、心身ともに弱り果てた末……息を引き取ったのだ」
「五感に記憶、最後は命か……」
アキラが息を呑む。
「あまりに重い代償だ……」
「ああ」
儀玄は頷いた。
「やがて姉様が宗主となり、あの剣を受け継いだ日……私達はもうひとつ約束をした」
「けして、師匠と同じ轍は踏むまいと」
「そうして彼女と道術の研究を始めたのだ」
「『青溟剣』の代償を抑制する……『青溟鳥』の術をな」
「もっとも姉様は宗主の身だ。日を追うごとに忙しくなっていったが、それでも符文の一筆一筆を共に書いてくれた」
「青溟鳥を傍に置いておけば、それは姉様が傍にいるのと同じだと……そう言ってな」
儀玄は僅かに笑った。
「そして改めて約束してくれたんだ」
「たとえ誰かの命を救うためであったとしても、自らを犠牲にするようなことは厳に戒めると」
「だが――」
儀玄の表情から笑みが消える。
「旧都陥落の日……」
「姉様は、約束を破ったんだ」
儀玄はゆっくりと目を閉じた。
そして、旧都が陥落したあの日の出来事を語り始める。
「旧都陥落時、姉様はエリー都の人々を災害から死守すべく、『青溟剣』を抜いてしまった」
「私が駆け付けたとき、彼女はもはや限界を超えて虫の息だった」
「それでも彼女は命尽きるその瞬間まで、青溟剣を操り続けた」
「私は……そんな姉様を、ただ見ていることしかできなかった」
「使い手が死に、暴走した『青溟剣』の力は辺りの一切に及び……」
「私の記憶にも、いくらか影響を残した」
儀玄の声が、僅かに震えた。
「思い出せる最後のことは、こちらを見つめる姉様が、茫然と放った一言だけ――」
「あなたは、誰?……」
「姉様は……かつて姉様だったその人は、もう私が誰かもわからなくなっていた」
アキラは言葉を失った。
「なんということだ……」
「ミアズマにあてられると、私はこの断片的な記憶を繰り返し思い出す」
「姉様はいつも虚ろな眼差しで私を見つめ、今にも消えそうな声で、私が誰なのか繰り返し問いかけるんだ」
「彼女の言葉には、何か続きがあったような気もするが……『青溟剣』がもたらした代償の余波は、それすらも私から奪い去ってしまった」
儀玄は苦しそうに拳を握る。
「時折、そのとき私になんと言っていたのか、思い出したくてたまらなくなる」
「その最期に、ほんの少しでも後悔があったのかどうかも……」
「今でも私は、思い出すたびに胸の痛みと悔しさに苛まれるんだ」
「私を置き去りにして、あんなひどい結末を迎えて……」
「本当に、それに見合う価値ある犠牲だったのか、と……?」
しばし、沈黙が続く。
そして儀玄は、ダンテへ視線を向けた。
「そしてダンテ、お前が持っているその魔剣に、私は青溟剣と似たものを感じ取った」
「なんだって!」
アキラが驚く。
「ダンテ、たとえ今お前が名目上の雲嶽山の門下生だとしても」
「私はお前のことを弟子だと思っているし、お前に傷ついてほしくない」
「私はもうこれ以上、目の前で失いたくないんだ!」
ダンテは何も言わなかった。
しばらく黙っていたが――。
やがて、ゆっくりと口を開く。
「……少し昔話をしよう」
儀玄とアキラがダンテを見る。
「はるか昔、魔帝『ムンドゥス』が人間界に侵攻した時、悪魔『スパーダ』が魔界を裏切り、魔界を封印した」
「それから、魔界の封印から二千年」
「力を取り戻しつつあった魔帝ムンドゥスは、スパーダへの復讐として、スパーダの妻『エヴァ』と息子たちを襲わせた」
「その時、妻であるエヴァが命を落とした」
「そして、息子の一人は母の敵を討つことを目標として生きるようになった」
ダンテは、自分の背負っている魔剣へ手を置く。
「俺は……父親の形見である魔剣リベリオンを、ずっと持ち続けていた」
「それが、俺に残されたものだったからな」
ダンテは静かにリベリオンを見る。
「……だから、師匠の話を聞いて、少し考えちまった」
「青溟剣と同等かそれ以上の力をもった悪魔が」
「その力を使って、母の敵を討とうとしたし、人間を守ろうとした」
ダンテは儀玄を見る。
「たぶん、あんたの姉さんも……自分がどうなるか分かってても、やるしかなかったんだろうな」
「それが正しかったかどうかは、本人にしか分からない」
「でも……」
ダンテは一度だけ目を伏せた。
「残された側が、それを簡単に割り切れるわけじゃないってことくらいは、俺にも痛いほど分かる」
儀玄は黙ってダンテを見つめていた。
その表情には、ほんの僅かだが驚きが浮かんでいた。
「……そうか」
儀玄は静かに目を閉じる。
「お前にも、お前なりの事情があったのだな」
「まあな」
ダンテは肩をすくめる。
「だから、安心しろ」
「俺は簡単に死ぬつもりはない」
「…………」
「それに魔剣リベリオンにはデメリットはないはずだからな」
儀玄はしばらく黙っていた。
そして――。
「ならば、なおさら勝手な真似はするな」
「……はいはい」
「返事は一度でいい」
「……分かったよ」
アキラは二人のやり取りを見て、思わず苦笑したのだった。
いろいろ誤字ってるかもしれません。
誤字1 青溟剣と同等かそれ以上の力をもった剣 →青溟剣と同等かそれ以上の力をもった悪魔が
誤字2 アキラ。それにダンテ → アキラ
1.dmc1ではリベリオン使ってませんでした。
2.ダンテは先代の宗主のくだりを聞いていませんでした。
あとこの小説本編でのダンテの年齢は19歳です。
そらぁ周りからこの扱い受けますわ。