夏休みというものは、始まった直後だけ無限に見える。
七月の終わりには、まだ三十日以上あると思う。八月に入ってもお盆までは余裕だと思うが、お盆を過ぎるとカレンダーの日付が急に速度を上げる。
そして気づけば、残りは十二日。
「というわけで、今日は宿題をします」
わたしが宣言すると、カンナは露骨に嫌そうな顔をした。
「どういうわけ?」
「夏休みが終わるから」
「それは学校側の都合でしょ」
「暦の都合だよ」
リビングのテーブルには、三人分の教科書とノートが広げられている。
と言っても、バトラの前にあるのは麦茶とママが切ったスイカだけだ。教科書も筆箱もない。本人は何の疑問も持たず、スイカの種を皿の端へ規則正しく並べていた。
……たぶん、怪獣に夏休みの宿題は必要ないのだろう。学校には一応通っているが、そもそも正式な生徒なのかどうかも怪しい。転校手続きをしたのは連合政府で、書類に書かれているであろう住所も経歴もどこまで本物なのか分からない。あったところで、あの謎の学習能力で一晩で終わらせるだろう。そう考えて、あえて何も言わなかった。
「それにしても、ツグミがお友達を家へ連れてくるなんてねえ」
ママが、台所から四度目の同じ台詞を言った。
「ママ」
「だって嬉しいんだもの」
「声が大きいよ」
「聞こえるように言ってるから」
娘が咎めているのに当人は悪びれもしない。
ママは冷蔵庫を開け、さっき入れたばかりの麦茶のポットを確認し、閉じた。次に戸棚を開け、菓子皿を確認し、閉じる。
すでにテーブルの上には、スイカ、麦茶、クッキー、塩せんべい、チョコレート、ゼリーが並んでいる。どう見ても勉強会の量ではない。
「おばさま、そんなにしていただかなくても……」
アヤノが困ったように笑うが、ママは気にもしなかった。
「いいのよ。アヤノちゃん、前からツグミと仲良くしてくれていたんでしょう? なのに一度も連れてこないんだもの。わたし、アヤノちゃんがずっと本当に存在するのか疑ってたのよ」
「ママ!」
カンナが噴き出した。
「幻の親友だったんだ」
「笑わないで」
「だって、親に存在を疑われる親友ってなかなかないよ」
「ツグミちゃん、お家に人を呼ばないもんねぇ」
アヤノまで言う。
ママはそのやり取りを見てまた嬉しそうに笑った。
恥ずかしい。本当に恥ずかしい。
アヤノを家へ呼んだことがなかったのは、別に疚しいことがあったわけではない。学校で会うし、休みの日なら駅前や図書館で十分だった。わたしの方もアヤノの家へ遊びに行くことはほとんどなかったし、お互い家へ招くような付き合い方をしてこなかった。
ただ、それだけだ。
「お昼は何がいい?」
ママに訊かれたので、わたしはぶっきらぼうに答えた。
「何でもいいから、もう座ってて」
「せっかく来てくれたんだから、何か作らないと」
「普通でいいよ」
「手巻き寿司は?」
「普通の範囲を出てるよ」
「唐揚げもつける?」
「宴会にしないで!」
ついに声を上げると、ママは口を尖らせた。
「そんなに怒らなくてもいいでしょう」
「怒ってない。恥ずかしいだけ」
「同じようなものじゃない」
「違うから」
ママは「はいはい」と言いながら台所へ戻ったが、しばらくすると冷蔵庫の開く音がした。まだ何か出す気だ。
わたしが不機嫌になっていると、アヤノがくすくす笑った。
「嬉しいんだよぉ」
「分かってるけど」
「ツグミちゃんが学校のお友達を家へ連れてきたの初めてなんでしょう?」
「バトラはいるじゃん」
「バトラちゃんは、もう家族みたいなものじゃない?」
何気ない口調だったが、スイカを食べていたバトラの手がほんの少し止まる。
わたしも返事が遅れたが、なんとか答えた。
「……居候でしょ」
「契約相手だ」
ママが台所から顔を出した。
「バトラちゃんは家族よ」
「ママは入ってこなくていいから!」
「何よ。ご飯を作ってるのはわたしよ」
また冷蔵庫の扉が閉まった。
バトラは黙って残りのスイカを食べ、皿の端に並べていた種を一粒だけ置き直した。
ママの歓迎攻勢がようやく一段落したところで、わたしはノートを開いた。
「では、進捗確認をします」
「進捗って言い方、仕事みたいで嫌なんだけど」
カンナが言う。
「仕事より逃げられないよ。提出しないと成績に響くから」
「配信者Canaryは実績で評価されるタイプだから」
「学校は再生数を見ない」
「硬直した評価制度だね」
まず数学である。わたしは終わってる。見直しだけだ。
「アヤノは?」
「数学と英語は終わったよぉ。理科の自由課題が、まとめの途中」
「国語は?」
「読書感想文だけ清書してないかなぁ」
「わたしは読書感想文と理科の自由課題は終わってる。英語の課題はあとちょっとかな」
「そっかぁ」
予想どおりだった。アヤノは普段から提出物を溜めない。夏休み前半で大半を終わらせて、後半は余裕を持って過ごすタイプだ。
わたしも似たようなものだ。もともと宿題だけは早めに片づけていた。夏休みの終わりに追い詰められるのが嫌だったし、部活があった頃は大会と練習で時間がなくなるから、できるときにやる癖がついていた。
で、問題はカンナである。
「数学は?」
「今から伸びるところ」
「何ページ?」
「伸びしろは大きい」
「何ページまで終わったの」
わたしの追及に、カンナは目を逸らした。
「……三」
「全部で四十八ページあるけど」
「三ページもやった」
少ないな、と思ったが他は順調なのかもしれない。嫌な予感がしつつ、他の進捗について訊ねることにする。
「英語は?」
「アルファベットは書ける」
「国語の読書感想文」
「進捗ダメです」
「理科」
「怪獣と連合政府の陰謀についてなら何時間でも話せる」
「社会」
「現代社会への問題意識は持っている」
「絵日記」
「思い出ってあとから振り返る方が楽しいじゃない?」
「ぜんぶ白紙なんだね」
「はい」
テーブルの上が静かになった。
カンナは姿勢を正し、両手を膝へ置いた。
「そこでお願いがあります」
「駄目です」
「まだ何も言ってない!」
言われなくても想像できる。こういう奴はこういうとき、次にこう言うのだ。
「写させて、でしょ」
「正確には、参考にさせていただければなあと」
「一字一句同じにする気でしょ」
「語尾は変えるよ」
「駄目です」
カンナは揉み手を擦りながら、すぐにアヤノへ向き直った。
「アヤノ、友達だよね?」
「うん」
「ノートを……」
「駄目だよぉ」
にこにこ微笑みながら、アヤノは笑顔で断った。
「だって、写したらカンナちゃんのためにならないじゃない」
「いま欲しいのは未来の成長じゃなくて、提出日に間に合う現在の答えなの!」
「夏休みのあいだ、何してたの」
呆れながらわたしが訊ねると、カンナはどこか誇らしげに答えた。
「配信」
「だろうね」
「編集」
「知ってる」
「取材」
「森で遭難したのも含める?」
「含めないで」
「自業自得でしょ」
わたしが冷徹に突き放すと、カンナは机に両手をついて頭を下げた。もはやお馴染みの綺麗なフォームである。この人、土下座が安いなあ。
「そこを何とか! 優等生のツグミ様とアヤノ大明神の慈悲で!」
「慈悲は宿題を終わらせない」
「冷たいよう!」
夏休み前に計画立てたほうがいいって言った気がするんだけどなあ。
そのことを言うと、カンナは半べそをかきながらこう答えた。
「計画はあったんだよぉ」
「どういう?」
「七月中にチャンネル登録一千人を達成し、八月前半で大型企画を一本、後半は宿題」
「それは宿題の計画じゃないでしょ」
「一千人に届かなかったせいで、全部ずれたの」
「宿題は登録者数と連動しないでしょうよ」
「精神的にはする!」
アヤノが、カンナの数学の冊子を手に取った。
「でも、このままだと本当に終わらないねぇ」
「でしょ?」
「だから、写すんじゃなくて、一緒にやろう」
「アヤノ……!」
カンナが救いの神を見る顔になる。
「分からないところは教えるよ。でも、答えを書くのはカンナちゃん」
「天使、女神、アヤノ大明神!」
「まずは自力で問題を読み解くところからね」
「急に厳しい」
……仕方ない。アヤノがそう来るなら、わたしも腰を上げることにした。
「わたしも手伝うよ。終わらなかったら、今日集まった意味がないでしょ」
「口では冷たいこと言いながら、結局は助けてくれるんだね」
「うるさいな」
「ツンデr……」
「それ最後まで言ったら手伝わないからね」
「はい」
わたしとアヤノで分担し、カンナの数学と英語から始めることになった。
カンナは問題文を読むたびに大げさに悶え苦しみ、わたしが説明すると「学校の先生より分かりやすい」などと持ち上げてゴマを擦り、アヤノが解き方の途中まで教えると「答えまで言って」と懇願した。そうやってあの手この手で答えを聞き出して写そうとするので、そのたびにわたしたちは二人で却下した。
バトラは、相変わらず宿題に参加しなかった。スイカを食べ終えると、カンナの数学冊子を横から眺めて訊ねる。
「この計算は何のためにするんだ」
……こいつ、計算ドリルとかやったことないんだろうか。内心でちょっと訝しみつつ、わたしは答えた。
「答えを出すため」
「出した答えを何に使う」
「先生に見せる」
「教師はすでに答えを知っているのだろう」
「知ってる」
「なら、なぜ同じ計算をさせる」
「理解してるか確かめるためだよ」
「理解していると口で言えばいいではないか」
「それを信用されないからやるんだよ」
バトラは納得できない顔をした。
「人間の教育は効率が悪いな」
「じゃあ怪獣……じゃなくてロシリカの教育はどうするの?」
カンナが訊くと、バトラは平然と答えた。
「生まれたときから必要な情報を与えられている」
……ずるいなあ、それ。宿題なんて要らないじゃん。
「ずるくはない。そういう構造だ」
「じゃあこの英単語も?」
「それは知らん」
「使えない!」
「はいはい、喧嘩しないで。十九番、先に解いて」
「はい……」
鉛筆を動かすカンナの横で、アヤノが英文を見直している。
窓の外では蝉が鳴いていて、エアコンの風がテーブルに置いたプリントの端を揺らし、母が用意した麦茶の氷はいつの間にか半分ほど溶けている。
こういう時間を普通の夏休みと呼ぶのだと思う。怪獣もいない。警報も鳴らないし、バトラが戦うこともなければ、わたしが囮として走る必要もない。
ただ友達が家へ来て、宿題をする。それだけだった。
その最中のことだった。
ようやく宿題に身が入り始めたところで、ふと思いついたようにカンナが口を開いた。
「……ねえ。ツグミとアヤノって、いつから友達なの?」
不意に訊かれて、わたしは顔を上げた。
「何、急に」
「前から気になってたんだけど、二人だけ付き合い長い感じがするじゃん。幼なじみとかそういう関係なの?」
「違うよぉ」
「中学からだよ。一年のとき、同じクラスだったから」
わたしがそう答えると、カンナは意外そうな顔をした。なにその顔。
「それだけ?」
「それだけって?」
「いつ、どういうきっかけで友達になったのか、とかそういうのはないの?」
わたしは記憶を探った。
アヤノとは中学一年の春に同じクラスになった。そういえば席は近くなかった気がする。委員会も違ったし、わたしは体育会系でアヤノは文化系だから部活も違う。
それがいつの間にか昼休みに一緒にお弁当を食べるようになって、そのうち休日にも一緒に出かけるようになった。
「……気づいたら?」
「そんなことある?」
「あるでしょ」
「初めて話した日のこととか覚えてないの?」
「たぶん、教室じゃない?」
「たぶんって」
「一年前のことだし。アヤノは覚えてる?」
深い意味なんて、何もなかった。本当に、何も。
アヤノは、お菓子の小袋を開けようとしていた手をほんの一瞬、止めたような気がした。
一瞬だ。コンマ何秒。それから、いつものふわふわの笑顔で、言った。
「……ふふ。なんだったかなあ。わたしも、気づいたら、かなあ」
……ま、そんなもんだよね。
わたしが特別薄情なわけではないことが確認できて内心安堵したところで、カンナが呆れた様子で言った。
「二人そろって雑だなあ」
「覚えてないよ、友達になった日なんて」
「配信者なら切り抜き用に記録しておくけど?」
「何でもバズのネタにするんじゃないよネットジャンキー」
わたしのツッコミを受けて、カンナはまた問題へ戻った。
わたしも赤ペンを持ち直してカンナが解いた問題を見直す。十九番の途中式が間違っている。
「ここ、符号が逆」
「え、どこ?」
「このマイナス」
「ああ……」
わたしが説明を始めるその向かいで、バトラがアヤノを見ていた。
ほんの数秒だった。問いかけるでもなく、追及するでもなく、ただ赤い目で横顔を見ている。
アヤノが顔を上げてバトラと目が合った。
バトラは何も言わず、麦茶のグラスへ手を伸ばした。アヤノも何も言わなかった。
「アヤノ、次の英語お願い」
「……うん」
そう応えながらいつもの笑顔で、カンナのノートを引き寄せた。
わたしはそれ以上、気にしなかった。
その物体は、夜明け前に海岸へ流れ着いた。
発見したのは、早朝の散歩をしていた近隣住民だった。当初は座礁した小型船か、でなければ海洋観測用のブイと思われた。暗く、霧が濃かったためだ。通報を受けた海上保安部が現場を確認し、その二十分後には周辺一帯が封鎖された。
流れ着いたのは、船でもブイでもなかった。
長径は約六十メートル。高さは最も高い部分で十一メートル。全体は黒く、表面には節のような隆起が並んでいる。海水に濡れているにもかかわらず光沢はなく、岩石にも金属にも見えなかった。
いつのまにか海からやってきたその物体は砂浜へ半ば埋まり、斜めに横たわっていた。
「巨大な種、あるいは何かの卵でしょうか……?」
共に検分した副官のタニ少佐の呟きに対し、その物体を見上げていたサカキ=ハルオ中佐はどちらの連想も口にしなかった。不用意に名前を与えれば、現場の判断がそれに引きずられてしまう。まずはありのままの現実を見て受け容れることが肝要だった。
「表面温度、三十度。外気温と同様、変化なし」
「内部反応は」
計測担当の隊員が報告し、サカキはさらに訊ねると、隊員は計器を眺めながら答えた。
「超音波、電磁波ともに透過しません。X線も表層で散乱しています」
「生体反応は?」
「確認できません。ただし、表面から微弱な電位差があります」
サカキは防護マスク越しに、物体を見上げた。
周囲にはGフォースの特殊車両が並び、さらに外側を警察とモナークの職員が封鎖していた。砂浜の向こうでは、規制線の理由を知らされていない住民たちが遠巻きに見ている。
「どう思います、ヤマナシ管理官」
隣に立つヤマナシ=タケル管理官は、白い防護服のフードを片手で押さえた。
「見たままを言えば、気持ち悪いですねぇ。畑に埋まっているでっかい蛾の蛹みたいだ」
蛾の蛹、それを言われてサカキはGフォースに協力しているあのバトル・モスラの少女のことを連想した。彼女もルーツはたしか蛾の怪獣だったはずだ。
とはいえ、今の状況には関係がない。サカキは気を取り直して訊ねた。
「感想ではなく、あなたの組織の見解を訊いています」
サカキの問いに、ヤマナシは肩をすくめながら答えた。
「怪獣由来。少なくとも、自然物ではないでしょうね」
「根拠は?」
「自然物だったら、天下のGフォースが原子熱線砲で三時間焼いても焦げ目一つつかないのは困るでしょう」
物体の側面には、焼却処分を試みた跡が残っていた。
高熱焼夷剤、レーザー切断装置、ロシリカから借り受けた据え置き型の原子熱線砲まで持ち出すことになった。並の怪獣なら軽くフライに出来るほどの火力のはずなのに、結果はいずれも表面温度を一時的に上げただけで物体の外殻には傷一つつけられなかった。逆に、使用した装置のほうが二基故障している。
「むしろ、焼却判断は妥当だったと思いますか?」
ヤマナシに訊かれ、サカキはGフォースとしての見解を答える。
「怪獣に関連する未知の物体を、人口密集地へ近いこんな場所で放置するほうが危険です」
「中身も分からないまま破壊しようとするのも危険では?」
「分かるまで待っている間に危険になる可能性もあります」
サカキは平坦に答え、ヤマナシが肩をすくめる。
「相変わらず順序がまっすぐですねぇ、サカキさん」
「あなたは違うのですか」
サカキの問いに、ヤマナシは少し考えた後こう答えた。
「俺だったら、焼く前に“あの子たち”へ意見を訊いたかもしれないなあ。あの子たちも、妙なところでこちらにないものを見ますし」
……つくづく気が合わないな、とサカキは思った。
「中学生に判断を仰ぐつもりですか」
「怪獣については、我々より経験があります」
「経験があるのはバトラです。その他は民間人だ」
「その民間人がいなければ、我々は二度敗北していましたよ」
「…………。」
サカキは答えなかった。否定はできない。
チタノザウルスのときも、バランのときも、バトラと少女たちの介入がなければ被害は拡大していた。
とはいえ、と思い直す。過去に上手く行ったからといって、次も彼女たちを現場へ呼ぶことが正しいとは限らない。子供を戦力として数えるのは原則として間違っていると思う。
「監視体制へ移行します」
サカキは言った。
「周囲二キロを封鎖。海中側にもソナーを配置。温度、振動、電位、放射線量を常時記録。変化があれば即時退避」
「破壊は諦めますか?」
「現行装備では不可能です」
「あなたがたGフォースが“不可能”と言うの、珍しいですねぇ」
「事実です」
隊員たちが、物体の周囲へセンサー杭を打ち込んでいく。
砂を踏む音、波の音、発電機の低い駆動音、周囲の反応が変わっても、黒い物体は何の反応も示さなかった。むしろあまりにも静かで、死んでいるようにも見える。
「ヤマナシ管理官。ゴジラ=アポストリの残骸が消失した方向は」
サカキの問いで、ヤマナシの表情がわずかに変わった。
「東です」
死に際に赤い塵を噴出したゴジラ=アクアティリスとゴジラ=アンフィビア、その死にざまは遠くに何かを飛ばしているかのように見えた。あれはいったい何を飛ばしていたんだろうか。
「この物体が漂着した方向は」
「海流を逆算すれば、南東。ただし昨夜は沿岸流が乱れていた」
「無関係だと思いますか」
「思いたいですねぇ」
「私は思いません」
「でしょうね」
サカキは物体の先端を見た。節の間に、細い亀裂のような線が走っているのが見える。それは自然の傷ではなくもともと内側から開くための境目にも見えた。
物体は、沈黙している。
内部に何があるのか、生きているのか、死んでいるのか、それともただの塊なのか、現時点では何一つ分からない。
分からないまま監視する。
今はそれしかできなかった。
わたしは不真面目な子供だったので、夏休みの宿題はいつも最終日に徹夜していました。
好きなキャラは?
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バトラ
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ツグミ
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カンナ
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アヤノ