今回より、対策委員会編のスタートです!
それでは、どうぞ!!
第1章開幕 出会いは砂漠で
「おはようございます、先生!」
「よう! おはようさん、アロナ。」
「ここ数日間、シャーレに関する噂もたくさん広まってるみたいですし、他の生徒達から助けを求める手紙も届いています。」
「確かに活気づいてるな〜、けどよ? その分書類をまとめなくちゃいけないのは俺なんだぜ?」
「あはは、そこは先生ですから……でも良い兆候です! 私たちの活躍が始まるということですから!」
生徒達からの人気と信頼が上がることは嬉しいが、その分仕事が増えるのだけはどうにかならねぇもんかな……
アロナは喜んでくれてるみてぇだし、まぁ頑張るとするか
「ですがその中に……ちょっと不穏な、こんな手紙がありまして。」
「手紙? ちょっと見せてくれ。」
アロナからの手紙を確認すると、アビドス高等学校の奥空アヤネちゃんって娘から自分たちの校舎が暴力組織に襲われているから力になってほしいとの内容だった
やっぱりこの世界は、俺のいた世界よりも随分治安が悪いらしい
「うーん……アビドス高等学校ですか……」
「その反応じゃあ、治安の悪さじゃ有名なトコなのか?」
「昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました。
どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるくらいだそうです!」
「そいつが方向オンチなだけじゃねぇのか? どんだけデカいんだ、アビドスって自治区は。」
「あはは、まさか、そんなことがあるんでしょうかね……? いくらなんでも街のど真ん中で遭難だなんて……」
「それよりも、学校が暴力組織に狙われてるんだろ? こりゃ一刻を争うな。」
「すぐに出発ですか!? さすが、大人の行動力!」
「ま、俺みたいな大人は参考じゃなくて、憧れだけに留めておきな。」
手紙の内容じゃあ、生徒達だけで学校を守っている状態らしいな
武器や弾薬も足りないってことは、相手も銃を使ってる
場合によっちゃあ、一大事だ
早くアビドス高等学校に急がなくちゃな!
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……と、意気込んだところまでは良かったんだがな……
「ど、どこなんだここは……?」
肝心の学校が見つからず何日も歩き続け、ついには限界が来ちまった
噂以上に広過ぎるぜ、アビドス……!
?「……ん?」
この金属が擦れる音は……車のブレーキか?
いや、この生々しさは自転車だな
?「……あの……」
目を開けると、そこには銀髪で学生服を着た女子高生が俺のことを不思議そうに見つめていた
この嬢ちゃん、獣の耳が生えてるな。人間とのミックスってところか? その概念がこの世界にあるかは不明だが
?「……大丈夫?」
「大丈夫そうに見えるってんなら、俺はまだくたばっちゃいねぇな。」
?「あ、生きてた。道のど真ん中に倒れてるから、死んでるのかと。」
「いや〜俺としたことが、こんな道に迷うとは思ってなくてよ。食い物と水もパーだぜ。」
?「つまり、ただの遭難者だね。」
そう淡々と言われると、流石に俺も傷つくねぇ
この嬢ちゃん、俺みたいな男を見ても、特に慌てふためかないのを見る限り、そうとう肝が座ってるな
「それより何か食い物はねぇか? 腹減って仕方なくてよ。」
?「ここは元々そういう所だから。食べ物がある店なんか、とっくに無くなってるよ。」
「どうりでレストランが見当たらないわけだ〜。」
?「なるほど、この辺は初めてなんだね。
……ちょっと待ってね。」
目の前の嬢ちゃんは、鞄を探って何かを取り出した
エナジードリンクか! こりゃ、疲れた身体に効きそうだぜ!!
?「ライディング用なんだけど……今はそれぐらいしか持ってなくて。でも、お腹の足しにはなると思う。」
「恩に着るぜ! 嬢ちゃん!!」
?「……! あ……それ……」
「プハァ! 美味ぇ!! どうかしたか?」
?「……ううん、何でもない。……気にしないで。」
そう言うと嬢ちゃんはほんのり顔を赤らめながら、エナジードリンクを見ていた
淡々としてるようで、そういうところは乙女チックだな
こういうことには慣れてないだろうし、ツッコむのは野暮か
「助かったぜ、エナジードリンクありがとな!」
?「うん。見た感じ、連邦生徒会から来た大人の人みたいだけど……お疲れ様。学校に用があって来たの?」
「そうだ! こうしちゃいられねぇ! 早くアビドス高等学校に行かなくちゃならねぇんだ!」
?「……そっか。久しぶりのお客様だね。」
「お客様だぁ……?」
嬢ちゃんは少しばかり微笑みながらそう言った
なるほど、話が繋がってきたぜ
「なるほどな。そんじゃ、俺のエスコートは任せたぜ。」
?「うん……って、どうしたの?」
「流石にエナドリ1本じゃ力が出ねぇや、その自転車に乗っけてってもらえねぇか?」
?「えっと、これ一人乗りだから……」
「なら、嬢ちゃんは力に自信あるか?」
?「あるかないかで言われたらある方だと思う。」
「そんじゃ、俺のこと背負ってってくれよ。」
って、未成年相手にからかい過ぎか
?「まぁ、そのほうがいいか。」
と、あっさり俺を背負うことを了承しちまった
おいおい、いつか悪い大人に引っかかっちまうぜ……?
?「それじゃ……あ、待って。」
「何か忘れ物かい?」
?「えっと……さっきまでロードバイクに乗ってたから……そこまで汗だくってわけじゃないけど、その……」
「気にすんな。俺は夜の女にたっぷり汗をかかせるのが得意なんだ。」
?「……やっぱり自分で歩いて。」
「わ、悪かったって! そんな怖い顔するなよ! な!?」
嬢ちゃんは冷え切った眼で見ながら、俺を降ろそうとした
とはいえ、空腹で歩けない俺を背負っていけるのは彼女しかいねぇし、これ以上からかうのはやめにしとくか
どこの世界だろうと、女ってのはこえー生き物だ
?「しっかり掴まってて……また変なこと言ったりしたら振り落とすから。」
「悪かったって。嬢ちゃんは行き倒れの俺を救ってくれたヒーローさ。」
?「ん。なら良い。」
案外単純な子で助かったぜ
そんな嬢ちゃんに背負われながら、俺はアビドス高等学校まで向かうのだった
対策委員会編第1話は、名前こそ出していませんが、あの少女との出会いでした!
次回もお楽しみに!!