英雄讃歌 第一章 作:如月@カクヨムとなろうでも投稿しています
「くっ、痛っ!!」
「ど、どうしたの?」
頭が割れそうな痛みがする。これは器に入った衝撃によるものだろうか。今までに受けたことがない不可思議な感覚に思わずその場にうずくまる。
誰かの心配したような声が上から降ってくるが、どうにか返事をしようにも頭の痛みに返事が出来ない。
「大丈夫……?」
「だ、大丈夫。って、美少女?」
顔をあげるとそこには根暗な幼馴染といったところだろうか。無駄に大きなメガネに、目を覆い隠すほどの紫色の髪。あまり自分の見た目には頓着してなさそうな野暮ったい村人の服。その不気味な雰囲気は魔女にでも見えるものだ。
しかし、そんな風に髪で顔を隠しているものの、その顔立ちの良さは隠せていない。美少女がそこにはいた。
「び、美少女って……もうっ、いつも言ってるでしょ。美少女はイリアちゃんの方だって。」
「ははは、何の冗談だ?」
「え?ほら、こんなに美少女。」
なっ、鏡に映るこの美少女は誰だ!!
前世でも見たことがないほどの美少女だ。まさに絶世の美少女。絵画に描かれる天使の様でこの世のものとは思えない。腰まである金色の髪に、宝石のような青色の瞳。あまりにも整ったその顔立ちは神が手ずから作ったようで……神が作ったよう?
「はぁ!?これが俺?」
「もうっ、自分の顔も忘れちゃったの?口調も変だし。」
な、なんだと。俺が美少女に?
嘘だろ。どうしたら俺が美少女になるなんて話になるんだ?神が最後の方にあくどい笑みを浮かべていたから、何かをしているとは思ったけれど、まさかこれとは。どういうことなんだ。
「だ、大丈夫?目から血が出てるよ。」
「大丈夫。……大丈夫。」
何がしたいのかさっぱり分からない。こんなことをして何か意味があるとでもいうのだろうか?いや、器がこれしかなかったとかだろうか?そうでもなければ、考えずらい状況であるのだが。
ま、まぁ、それは一旦おいておき、現状の把握を進めるべきだろう。
「イリアちゃん?」
「あ、ああ。大丈夫。え~と……。」
「……?」
俺と仲が良さそうだけど、当然この子のことを知らないんだよな。不思議そうに首を傾げてるのも可愛いけど、名前を聞いたら悲しむよな。
そう言えば鑑定を特典としてくれると言っていたな。とりあえず、名前だけでも知れたら御の字か。
鑑定!!
CN:アリス=クライツLv5/100 Rank:1
Race:悪魔族Lv4/30 Job:村人Lv5/30
HP 381/381 MP 437/437 SP 419/419
STR 21 VIT 26
INT 35 RES 30
AGI 30 DEX 28
Skill
闇属性魔法
魔力操作,魔力感知
錬金術
ほう。この子はアリスちゃんと言うのか。って、悪魔族?それって人類の敵側では……?魔族の中でも魔法に優れていて、魔王との戦いでは中々苦労させてもらった。
う、うん。なぜ悪魔族がここに居るかは置いておいて、とりあえず名前は分かったからいいだろう。
「アリスちゃん。」
「なぁに?」
くっ、可愛いな。過去に争っていたからと言って、今も敵対関係とは限らないよな。何のために神はこんな器にしたのか不明であるが、俺は俺の人生を生きるだけか。
「何でもない。呼んだだけ。」
「んふふ。何それ?変なの。」
うぐっ、その反応は効くな。アリスちゃんが口元に手を当てて、はにかんでいる。こんなやり取りも楽しいんだろうが、俺からしたら少し、いやだいぶ気恥ずかしさを感じるものだ。
CN: イリア=ローズベルLv1/100 Rank:1
Race:天使族Lv1/30 Job:村人Lv1/30
HP 207/207 MP 205/235 SP 221/221
STR 15 VIT 15
INT 18 RES 20
AGI 18 DEX 18
Skill
英雄賛歌,交神(限定)
光属性魔法,無属性魔法
鑑定
あれ?俺のステータス低すぎではないだろうか?これも器の影響ということなのだろうな。