英雄讃歌 第一章 作:如月@カクヨムとなろうでも投稿しています
「うっ……。」
「あっ、起きた?」
くっ、ここは何処だ……。俺は倒れたんだったよな。真っ白な手には豆なんてなく、どうやらイリアの身体に戻っているようだ。
わずかな間しか男に、というか生前の身体に戻れないとするなら、あまりど派手なことは出来ないな。あくまで切り札としての固有スキルか。
どうにかずっと身体を維持できるように出来ないものか。最低でも一時間くらい維持できれば運用たりえるとは思うんだが……。
「ここは?」
「教会の休憩室だよ。」
「そうなんだ。どのくらい時間経ったんだ?」
「うーん、三十分くらい。」
三十分か。使用後に三十分の隙とは、やっぱり使い物にもならないな。とりあえず、俺と“英雄賛歌”に鑑定だな。最初からスキルの鑑定をしておけばよかったな。
CNイリア=ローズベルLv1/100 Rank:2
Race:天使族Lv1/30 Job:村人Lv1/30
HP 255/255 MP 278/278 SP 331/331
STR 18 VIT 24
INT 25 RES 37
AGI 33 DEX 29
Skill
英雄賛歌
剣術,光属性魔法,無属性魔法,聖剣召喚
鑑定
本当に交信(限定)が無くなっているな。それと剣術と聖剣召喚が増えている。ミザー婆さんからもらった聖剣は本物のようだ。ミザー婆さんは一体何者なのだろうか?
それは一旦置いておいて、いつの間にか無くなっている聖剣は別次元かなんかにあるんだろう。前世でも聖剣召喚を用いて聖剣を使っていたからな。原理は知らないけど、スキルを使えば手元に顕現するため、問題ないだろう。
英雄賛歌
前世の力を一時的に取り戻すことが出来る。ステータスは使用者のランクにより、ランク*10%分のステータスに制限される。なお、ステータスが前世を上回っている場合は100%ステータスを発揮することが出来る。
また、スキルは前世のものを使用することが出来るが、代わりに今世でのスキルは使用することが出来ない。
使用中はランク/毎秒分だけMPを消費する。
ああ、なるほど。気を失ったのはMP切れによるものなのか。
なら、MPが切れる前に使用を止めればいいのか。そうすることでMP切れによる戦線離脱はなくなる。けれど、MPを用いるなら魔法の運用を控えないといけないか。
手札が制限されてしまうのは困るな。
「ごめんな。二度も気を失って。」
「ううん。大丈夫だよ。イリアちゃんが無事ならそれ以上のことはないよ。」
「……っ!!」
感動だな。アリスちゃんがそこまで言ってくれるとは。イリアさんも幸せ者だな。
しかし、これからどうしようか。とりあえず、レベル上げは必須だな。レベルを上げればそれだけMPが上がるわけだからな。
また、ランクも早々に上げる方がいいよな。ランクを上げれば能力値が上がるとは有名な話だ。障害を乗り越えた時などに上がるとされており、その結果能力値が上がるということらしい。ランクの上昇する基準が明確ではないから何とも言えないところではあるのだが。
先ほどランクが2になっていたが、おそらく神との交信と“英雄賛歌”によるものだろう。このように簡単に上がるのは一度きりと思っていいだろう。
ランク2での“英雄賛歌”時でステータスは300を超える程度な訳だから、単純にランク3になればステータス450程度にはなる。1.5倍もの能力値になるため、やはりランクを上昇させることが急務になるだろう。
後は、MPの回復手段を充実させることか。魔力回復薬があれば“英雄賛歌”の発動中でもMPを回復できるから、発動時間を延長させることが出来るはずだ。
回復系のアイテムは下級、中級、上級、特級のランクがあり、100、500、2500、12500の順に回復させることが出来たはずだ。
特上級なんてものもあるらしいけど、そんれ前世でも手に入れたことがないくらいだ。実際の真偽は分からない。推定では62500の回復量になると思われるらしい。王都の偉い人が言っていた。
「ありがとう。」
「んふふ。どういたしまして。」
「それでだが、魔物が出るところとか知らない?」
「えっ、今から行くつもり?」
「いやいや、今からは流石にいかない。MPもないからな。丸腰で戦うほど考えなしでもない。」
そう言うと、ほっとアリスちゃんは息を吹きだしたけど、流石にそこまで考えなしではない。これでも前世は英雄で修羅場はくぐっているからな。
確かに一日の内に二回も気を失っているし、鑑定もせずに中身も分からないスキルを使ったのは認めるが、自殺願望があるわけではないからな。若いまま死ぬのは前世だけで十分だ。
今の人生は長生きするつもりだ。若いうちに冒険して、後はのんびりと余生を過ごすのもいいだろう。
「今日はとりあえず家で休んだらどうかな?それとも、まだ村を散策する?」
「そうだな。とりあえず家に帰るよ。アリスちゃん案内よろしく。」
「えっ、イリアちゃんの家だよね。忘れちゃったの?」
「ははは、今日のお礼もかねて夕食を一緒に食べよう。」
鋭いなアリスちゃん。でも、忘れたわけではないのだ。単純に知らないだけで、なんだか騙しているみたいで悪い気がするけど、自分の家に帰れないのは困る。
きっとお礼はするからお許しください。とりあえず、明日バンバン魔物を倒して一緒にレベル上げをするとしよう。