ポケモン研究施設に来ておよそ一週間。
ここでの生活もすっかり板についてきた。暴走メガシンカは今現在、あの一件以降起きておらず、平和な毎日を送っている。
私たちは優雅に暮らしている反面、職員の人や茂治さんはものすごくせわしなく働いている。
「悠」
「はいはい?」
「ちょっと一緒に来てくれない?」
と、ネムが真剣な顔で私のもとにやってきた。
何か起きるのだろうかと思いながらも、私はネムについていくと、車に乗せられる。車に乗せられて向かった先は私たちが過ごしていた町だった。
私たちが過ごしていた町から何か煙があがっている。
「火事!?」
「うん、しかもポケモンが起こしたみたい」
「ポケモンって……」
「ポケモンになった人間による放火。この町で度々起きていてさ、追いつかなくて。水タイプのポケモンになった人に手伝ってもらおうってことになったんだ」
「なるほど。じゃあ消火していくか~」
「悠は私と犯人捜し。相手がポケモンである以上、私たち生身の人間では太刀打ちできないんだよ」
「あー」
まぁたしかにそうか。
普通なら生身の人間じゃポケモンの技を受けたら死ぬだろう。アニメのスーパーマサラ人がおかしいだけ。あの世界の人間の耐久力は尋常じゃないが、ここは現実である。
「犯人……犯ポケの特徴は?」
「えっと……猿!」
「猿?」
炎タイプの猿……ゴウカザルか。
御三家……。ぜひとも見てみたいものである。と、犯人を捜すために煙が上がっている場所へ向かうと。
バオッキーが火を吹き、家を燃やしていた。
「あー、猿」
「そっちか……」
バオッキーはこちらを睨みつけている。
「そっちかってどういう意味だコラ」
「……ノーコメント」
「どういう意味だコラァ!」
バオッキーは炎を吐いてくる。
私はハイドロポンプを放つと、そのまま水がバオッキーにあたり、バオッキーはそのまま吹き飛んで気絶したのだった。
正直申し訳ないんだが、炎、猿と聞くとゴウカザルのほうが先に思い浮かぶので、なんというかバオッキーは肩透かしというか……。
「今回はなんとかなったといえど……。ポケモンになって悪さする人もやっぱ出てくるか……」
「これからの課題だな。茂治さんがまたやせ細りそう」
私はバオッキーになった人を持ち上げる。
炎タイプは体が熱いイメージがあったけどそうでもない。図鑑説明がどんなんだったかは忘れたけど……。
「ポケモンになって悪さする人が出てくる以上、ポケモンになった人が止めないといけなくなるか」
ポケモンは怖い生き物です!とラベン博士か誰かが言っていたがその通りだと思う。ゲームと違うのは、ゲームのような動物としての生体ではなく、人間が変化したということで人間の知能で行ってくる可能性があるということだ。
ゲームのような捕まえて仲良くなるが通用しないだろう。
「とりあえずバオッキーを施設まで運ぼうか。施設は炎タイプのための部屋もあるし、消火設備とかも整ってるしそっちのほうが比較的安全。悪いけど起きたら困るから見張っててくれるか?」
「わかったよ」
私はバオッキーを車に乗せて、研究施設に戻っていく。
放火……。重い罪だろうけどポケモンになった人がした場合どうなるのだろう。やはり人間のような法がきちんと適用されるのだろうか……。