先生に呼び出され、私たちは先生と二対一の面談状態となっていた。
「事情は観音崎さんから聞いているし、五木は仕方ないとはいえど……。朝凪は少し休み過ぎだな」
「……っすよねぇ~」
ネムはただただ私に付き添ってくれただけなんだ……。
私はそう弁明するけど、さすがに私みたいな事情がないなかでの2か月間の休みは学校側としても相当厳しいらしい。
「やっぱ留年ですか?」
「いや……。正直俺や学校側としては朝凪を留年させたくはない」
「……退学?」
「いや……。夏休みの間、少し程度の勉強合宿がある。それに参加するんだ。それで学校側もどうにかすると言っている」
「そうなんすね。じゃ、参加します」
「あぁ。わかった。日程は8月1日からの5日間だ。五木はどうする?」
「え、私も強制参加じゃないんです?」
「五木はあくまで国の発展のためとかなんちゃらの理由でそういうことは許容されている。研究施設にいたんだろ? だからまぁ、どっちでもいい」
らしい。
正直私としては……。
「パスで。夏休みは研究施設にいると思うんで」
「そうか。早く治ると良いな」
「ですね」
ネムだけが勉強合宿に参加する形となったのだった。
そして面談が終わり、私はボールの中に戻される。そして、家に戻ったあとにボールから解放されたのだった。
「毎度毎度すまないねぇネムちゃん」
「いえ。私がやりたいだけなんでいいっすよ」
ネムはそのまま帰っていった。
私はエアコンが効いた自室に戻るのだが、なんか少し落ち着かない。今まで水の中で暮らしていたので、水の中にいないとなんか微妙に落ち着かないっていうか。
私は一階に降りていき、お母さんに風呂誰か入ってるか聞く。
「今は入ってないけどどうしたの?」
「いや……なんか水に入ってないと落ち着かなくて」
「そ。でも舞が帰ってきたら入ると思って風呂沸かしてるのよね。お湯でもいいの?」
「あー……。まあいいよ。じゃ、ちょっと風呂場で落ち着いてくるわ……」
私はお風呂場に移動し、浴槽に浸かる。
あったかいお湯ではあるが、それでも少しは落ち着く。ただ私が寝そべってようやく全身水の中に入れるようなくらいの大きさなので、身動きできないのは少し厳しい。
あの研究施設の環境がものすごくよかったんだなと改めて再認識。
「おっふろっ、おっふろっ」
と、外からいつの間にか妹の舞の声が聞こえてくる。
舞は勢いよく扉を開けると、私と目が合った。
「お姉ちゃん入ってたの?」
「え? あー、いや、まぁ、水場じゃないと落ち着かないだけだから。入るなら一旦でるよ」
「え、一緒に入らないの?」
「狭いでしょ」
「姉妹水入らずでさぁ! 二か月間会ってなかったんだしいーじゃんいーじゃん!」
「……施設に来たら普通に会えたよ?」
「え、そうなの!? あそこって関係者以外立ち入り禁止とかだと思ってたよ!?」
「そんなことないよ……。あそこの人たちだって一応元人間だからね? 精神に何か病気があるとかそういうのじゃないし、来たら会えたよ」
「じゃー夏休みの時会いに行くよぅ」
舞はそういってお風呂に浸かっていた。
「はぁ極楽極楽……。私がポケモンになるんだったら温泉とかそういうモチーフのポケモンがいいね……」
「そういうのいたかな」
「え、そういうのまだいないの!? あんなにたくさんいて!?」
あんなにたくさんいるけどモチーフになってないものとかたくさんあるだろう。
正直私も全部が全部何モチーフとか知ってるわけじゃないし。
「舞はポケモンにならないほうがいいよ」
「えー、楽しそうだから私もなりたいよ!」
「……楽しいけどダメ! 今は苦労することが多いから!」
「ちぇー」
ポケモンは意外と楽しいけど苦労することばかりではある。
だから今はポケモンになることをお勧めしません。