研究施設は山の中にあり、この山は資源が豊富なんだとか。
「すまない。職員が数人この山で行方不明になってしまった。探すのを手伝っていただきたい」
という頼みをされたのだった。
一応私も給料をもらっている身ではあるので、もちろん協力することにした。この施設のポケモンには基本的に給料はないが、私は一応ポケモンであり職員であるという扱いらしい。なので仕事というならば働きますとも。
「ほへぇ。悠ちゃん職員でもあるんだぁ。私もいこーっ」
「いいの?」
「困ってる人がいたら助けないとね! 私も遭難したし気持ちわかるから!」
「……不安だなぁ。私から離れないでくださいよ」
私たちは職員さんと一緒に山の中に入っていく。
この山の中には熊も生息しているらしく、気を付けて進むようにと茂治さんが言っていた。
正直私はポケモンなので多少なりとも戦えはするから熊は平気だろうけど、遭わないに越したことはないだろう。
「あるーひ、もりのなーか、くまさーんに、であーった」
「あの……フラグっぽい歌を歌うの辞めません?」
その時だった。
私の横から黒い毛皮の腕が飛び出し私を突き飛ばしたのだった。私は吹っ飛ばされ、木に激突する。
突き飛ばした輩を見ると、そこには巨大な熊がグルルル……とうなりながら出てきていたのだった。
「熊さんに出会った……」
「五木さん大丈夫ですか!?」
「大丈夫です! ポケモンなんで!」
私はパンっと両手を合わせる。
「その構えは……!」
「
一点に凝縮した水を一点から放つ。
絞られて放つ超威力の水流は、ウォーターカッターのように敵を斬り裂く。私の奥義、
まぁ、がっつり漫画の技ではある。だって面白いんだもんあの漫画……。
私のハイドロポンプは熊の身体を貫き、熊はそのまま力を失ってその場に倒れたのだった。
「いよっし!」
「す、すげぇ……」
「それ、人間に向けないでくださいね……」
「もちろんです……」
私は殺人者になりたくないし。
熊を倒したはいいが、死体をこのまま置いておくのはもったいない。解体したら売れるだろう。
だが今は行方不明の職員の捜索である。遭難した場合、早い所見つけないと死ぬ可能性もあるらしいので、熊と向き合っている時間はない。
「佐野さーん! いたら返事してくださーい!」
「佐野ーーーーー!」
行方不明者の名前を呼びながら森の中を進んでいく。
「うわ、木が倒れてる」
「この先は進めないな……」
「私に任せて!」
と、琥珀さんが何か力を使っていた。
倒木がひとりでに浮かび上がったと思うと、端っこに木が置かれる。
「ちょ、超能力!?」
「ふふん。私はカプテテフですよ。エスパーフェアリータイプ。サイコキネシスなんて余裕のよっちゃんです!」
「ポケモンすげー……」
物を運ぶとかそういうのに役立つか……。
とりあえず先へ先へと進んでいくと。再び誰かがやってくる音が聞こえてくる。ざっ、ざっと落ち葉を踏みしめながらこちらに近づいてくる音。
私と琥珀さんがほかの職員さんを庇うように前に出る。
だがしかし、やってきたのは。
「……ほへ?」
「あ……?」
「め、メガスターミー……?」
メガシンカしているスターミーの姿だった。
ソーナンス!