世界の人間の半分がポケモンになりました   作:フォッサ

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カプレヒレでまだよかった

 世界のありとあらゆるところで人間がポケモンになってしまう事件が起きているらしい。

 原因は不明、誰がやったのかも何もかも不明。

 

「どーしよ〜……。私ポケモンとしてやってくの?」

「お姉ちゃんカプレヒレになっちゃったねぇ〜……。対戦で使ってた?」

「剣盾で使ってた……。水フェアリーって地味に強いから……」

 

 SVでは登場してないし、チャンピオンズにも来てないから使ってたのはもう4〜5年くらい前にはなるのだろうか。

 私は朝ごはんを食べながら、お母さんとお父さん、妹と今後のことについて話し合う。まず病院に行ってみるらしい。

 

「学校は……」

「まぁ行きたいならいーんじゃない?」

「そうだな。とりあえず病院にいこう」

 

 私は車に……。

 

「人間の要領で座れないから窮屈……」

「浮いていけば?」

「そうする……」

 

 なぜか知らないけど浮いている。

 浮いてるのに地面タイプ当たるんだよなぁ。タイプだから仕方ないおはいえど浮いてたら地震くらいは空かしてもよくない?

 なんて考えていると、私の身体にロープが巻き付けられる。

 

「……犬の散歩?」

「まあなんとなく……」

「やだよぉ! なんか嫌だよこれ!」

「我慢我慢。ほらほら、いこ、ね?」

 

 なんか惨めになりながらも、私は病院に入る。

 病院には私と似たようなことになってる人がたくさんいる。なんかめっちゃポケモンおる。

 朝早く来て、病院はまだ開院前だというのに、すごいポケモンの列。

 

「くさ……」

 

 なんか臭いがしてきた。ヘドロの匂い。

 振り返ると、申し訳なさそうな顔をしたベトベトンがのそのそとやってくる。

 ……ベトベトンとか拷問か? 私はまだカプレヒレでよかった。申し訳ないけどホッとしてしまった。

 

「お宅もポケモンに?」

「うちの娘が……」

「お互い大変ですね」

 

 知らない人が慰めに来た。

 手にはポッポ。小さい……。私よりだいぶ小さい。

 

「うちの妻なんです……」

「奥さんが……」

 

 次々とポケモンになってしまったであろう人たちがやってきた。

 なんというか、私みたいな準伝説と呼ばれるようなポケモンはいない。ポッポだったりカビゴンだったり。普通に野生として出てくるポケモンばかりだ。どういう基準でポケモンが選ばれてるんだろうか。

 カビゴンとカビゴンとか同じポケモンになってる人も見かけるのに。

 

「うわ、すごいな。みなさん元々は人間で?」

 

 お医者さんが病院の中から出てきた。

 

「弱ったなぁ……。これだけ多かったら今日中に終わらないぞ……。それに僕ポケモンのこととかよくわからんし……」

「ですよね……」

「と、とりあえず今現在身体に不調があるよって人はいませんか?」

 

 医師の問いかけに、大体の人は不調がないと答えたが。

 

「あのぉ……。僕朝ごはん食べたんですけどお腹がまだまだ減っていて……」

「えっと……このポケモンはなんだっけ……」

「え、あ、ダストダスです……」

「ダストダス……。ゴミを食べるポケモンみたいですね。ゴミを食べてみては……?」

「ゴミ……」

「みなさん、身体に不調がないのでしたら、申し訳ありませんが……。診断書が欲しい場合は申してください。診断書はお書きいたしますので……」

 

 そういって帰されてしまった。

 ポケモン化のことはなにもわからずじまい。いやまあ仕方ないんだろうけどさぁ。

 

「……とりあえず帰ろうか」

「うん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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